平家物語第二巻白虎之巻(宮尾登美子、文集文庫)、<中宮御産>の章に、「蜀江錦」が出てきた。
平安時代、高貴な女性の間では、唐渡りの装束を身にまとうのが、憧憬の的であったらしい。
その代表的なものが、蜀江錦。
*蜀江錦とは錦織物の一種
*中国四川省の蜀地方で作られた赤地錦の総称
*その蜀江錦には八角形と四角形をつなぎ、中に唐花などのいろいろな文様が織り出されており、
そこからこの文様自体を「蜀江文様」と呼ぶようになった
*この文様は、日本では能装束、着物の帯、茶道具の仕覆、古帛紗、書画の表装などに、名物裂としても重宝されている
(ブリタニカ国際大百科辞典)