彦四郎の中国生活

中国滞在記

北京の春❷—故宮から北海を経て、頤和園に行く―春先の花々が一斉に咲き始めていた

2019-04-05 10:14:36 | 滞在記

 故宮の神武門を出て、故宮の周りを取り囲む堀や角楼を見ながら、故宮からすぐ近くにある「北海苑」に向かった。「北海苑(北海公園)」は、現存するもののなかでは世界最古の皇室庭園といわれる。故宮の西側には、「西苑三海」といわれる「北海・中海・南海」があり、この三海(湖)全体のエリアが皇室庭園であった。1949年の中華人民共和国の成立以降は、「中南海」は中国共産党政府の最高機関が置かれているため、関係者以外は立ち入りできない。

 この時期、北海の周りは、ずらりと立ち並ぶ柳の大木が新緑になり美しい。そして春の花々が咲き始めてきている。北海の周辺は、昔からの住まいである「胡同(フートン)」や「四合院」が立ち並ぶエリアでもある。北海で少し休憩をとり、近くの地下鉄駅から「頤和園(いわえん)」に向かった。

 故宮近くの北海から北西方向に向かって地下鉄で10駅ほど行くと「頤和園」がある。頤和園近くの地下鉄駅の近くの食堂街に「吉野屋」があるので、そこで牛丼セットを頼み、遅い昼食とした。頤和園は290万㎡の広大な庭園だ。昆明湖という湖がその4分の3を占めている。清の時代の1750年に、皇帝・乾隆帝が造営し始めた。浙江省の杭州にある「西湖」を模した昆明胡など、中国江南地方の風景をこの庭園に再現するとともに、中国伝統の神仙蓬莱思想を庭園の各所に表現しているといわれる。広大な湖から吹いてくる風が涼しさを運んでくる。樹木も大木が多く、春先のこの季節、木蓮や梅などが咲き誇り始めていた。故宮の観劇楼よりも立派な建物がここにはあった。

 頤和園は清王朝が続く1900年代の初めころまで、当時の最高権力者であった西太后が死ぬまで、造営が進められていた。古色蒼然とした瓦屋根にかかる古木の梅や白い木蓮が美しい。

 頤和園の万寿山とよばれる小高い山の上には、中国王朝のすごさを感じさせる建物がそびえている。巨大な八角形の楼閣だが、見る者を圧倒させる迫力がある。ここ頤和園も故宮とおなじく、ゆっくり見て廻ったら1日を要する。湖岸に石で造られた船があるが、近くの柳の大木群にも圧倒させられる。

 万寿山の山麓にレンギョが咲き誇る山道があるので妻を案内した。北京の春先の花々でもレンギョの真っ黄色はよく目立つ。北京のレンギョの樹木は満開となっていたが、とにかくその樹木が高く大きい。

◆頤和園の近くには、「円明園」がある。完成までに150年間を要したと言われる西洋庭園式の清朝庭園。また、北京大学や清華大学、中国人民大学なども頤和園からほど近い。

 

 


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