彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国・「新病毒(新型コロナウィルス)」❹―①コウモリ➡②野生動物➡③人への感染➡④人から人へ

2020-01-30 08:27:21 | 滞在記

 武漢市の病院では、1日以上診察待ちの"感染の疑いのある人"の長蛇の列。病院で「新コロナウイルス」と診断されても、抗生物質が効かず特効薬はない。簡易椅子を持ち込み順番をひたすら待つ。簡易ベットを持ち込み順番を待つ人もいると報道されていた。病気への抵抗は「免疫力」の維持しかないのだから、病院での長い待ち時間は体力を消耗し重症化となる可能性も高い。よって、病院に受診しない人も多いかと推測される。中国では、日本のような「国民健康保険制度」がないために、診察・治療費はかなりの高額にもなるのだ。

 1月27日、上海市政府は「市内の企業は2月9日まで休業させる」と発表した。中国には現在、2万5000社あまりの日本企業があるが、上海市が最も多く5000社以上がある。上海在住の日本人は約8万人。昨日の29日、トヨタやホンダは、中国での工場再開を2月9日と発表した。また、10日以降の操業については、今後の推移・状況を見守って判断するようだ。中国での日本企業は、上海・江蘇省・広東省・上海市・浙江省・北京・大連・山東省などの東シナ海沿岸地域に多い。「中国 産業集積地に打撃 江蘇省 浙江省 湖北省 上海市 広東省」との見出し記事が朝日新聞に掲載もされていた。

 李克強首相が武漢市を訪問し市民を激励したとの記事も。1月29日時点での海外の国々での感染者数の確認は18か国・地域に拡大している。昨日は初めて中東地域での感染者が確認された。「SARS」の時の海外・地域での感染者は、香港・台湾・シンガポール・カナダなどの数か国にとどまったのだが。

 鍾南山氏は、「新コロナウイルス」の「宿主」として、アナグマやハクビシンなどもあげた。アナグマはイタチ科の野生動物、ハクビシンはネコ科の動物で「白鼻心」と書く。顔面の上部から鼻やあごにかけて白い線があるのが特徴だ。アナグマも日本に生息するが、ハクビシンは主に東日本や北海道、四国に生息している。

 SARSの時も、コロナウイルスの感染源の源は「コウモリ」だった。蝙蝠(コウモリ)は中国では別名「天鼠」「飛鼠」。哺乳類では唯一鳥のように空中を飛べる。体は鼠に似ていて、鼠に耳を大きくし薄い翼を付けれはコウモリとなる。中国でも山間地では食用とされる風習が残っている。(上記写真、左から5・6番目はコウモリ料理) また、コウモリは木の枝や洞穴に頭を下にして逆さに垂れ下がっていることから、頭の脳が重い動物とされ、コウモリを日干しにして粉末にして飲めば仙薬となると、漢方薬などでも珍重されてもいる。

 近年、西アフリカで大流行し、致死率の非常に高い「エボラ出血熱」の感染源もコウモリの可能性が高いとされている。特に食用にもなっていたオオコウモリの一種「馬面オオコウモリ」が疑われている。オスは馬の顔のようなコウモリだ。

 いずれにしても「①コウモリがウイルスを保菌➡②野生動物がコウモリを食べる➡③野生動物を人間が処理したり食べることにより感染➡④人から人への感染の拡大」というウイルスの流れであることはほぼ間違いがないようだ。

 1月28日、奈良県在住バス運転手(60歳代)の感染が発表された。また、29日には同乗していた40歳代のバスガイド(女性)の感染も確認された。日本人では国内で確認されたのは初めてだった。1月8日から1月中旬にかけて、武漢からの観光客をバスに乗せで大阪と東京間を往復、この時に感染したようだ。大阪・奈良、東京、名古屋などの大都市での2次感染が現実的に懸念され始めた。

 1月29日午前、武漢からの日本人200人あまりを乗せた 第一陣飛行機が日本の成田空港に 到着した。今日30日の午前、第二陣飛行機が日本に到着する。

 WHO(世界保健機構)のデドロス事務局長が中国を訪れ、習近平国家主席と28日に会談した。「非常事態宣言」を見送るという誤った判断をした責任者である。中国政府におもねった忖度をしたことが疑われる事務局長だが、会談では、「新型ウイルスの対応への中国政府の取り組みには、私は信頼と自信をもっている。中国政府にはウイルスの封じ込めや抑制できる力があると確信している」と会談後発言。また、「自国民を中国から本国へ退避させる諸国の取り組みについて」批判的言明をもした。完全に中国政府に忖度している姿勢を表明したが、「非常事態宣言」の見送りへの批判が強まる中、「非常事態宣言見送り」の撤回や見直しは避けられない可能性も高いかと思う。

 習近平主席はこの4月という時期に日本へ国賓として訪日する可能性が高かったが、日本国内での自民党内部からもの反対、新型ウイルスの蔓延・拡大という事態の中、4月の訪日は難しくなってきているかもしれない。

◆前号のブログ記事で、「武漢華南海鮮批発市場」での野生動物の売買は約1000種類にのぼると記してしまいましたが、約100種類の間違いです。訂正します。

 

 

 

 

 

 

 


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