彦四郎の中国生活

中国滞在記

年末の中国❶—春節(正月)を迎える準備始まる街角

2018-02-08 06:39:48 | 滞在記

 今年の中国の新年(春節)は2月16日(金)で、15日が大晦日となる。2月1日から3月12日までの約1か月間と少し、この期間中は「春運」といって、鉄道や長距離バスや航空便が特別ダイヤが組まれ増便される。この期間中、中国国内の旅客輸送量は延べ30億人になると国家発展改革委員会は予測しているようだ。海外旅行に出かける人も多いので、これらも含めると延べ約32億人くらいになるのではないだろうか。これは、地球の人口の約半数近い。

 春運が始まった2月1日(木)の昼ごろに、大学で「前期の成績資料」などを大学側に提出した。ようやく前期の仕事が終わり、アパートに戻って近くのスーパーマーケットに買い物に出かけた。春節まであと2週間というこの日、街角は春節の準備がぼちぼちと始まっていた。街の通りには装飾された「ぼんぼり」のようなものが吊り下げられていた。この時期の果物は柑橘類が多く売られている。大きく長いリヤカーを曳いて売り歩くおじさん、「山村果業連鎖店(※連鎖店とはチェーン店のこと)」の柑橘類のオレンジ色が、寒空の中で暖かさを与えてくれる。店の横にあるマンゴーの樹木の実はまだまだ青い。

 大型スーパーに向かう道すがら、ちょっとした広場のところで「春節の時期に家の玄関や扉に貼る」赤い紙に新年を祝う言葉などを無料で書くコーナーがあった。書にいささか自信のある老年の人たちが人々の注文に応じた言葉を書いていた。中国は、日本とは比べものにならないくらい暮らしの中に「書道」が息づいている国なのだが、不思議と学校での「書道・習字」の時間はない。小学校からもう大学受験に向けた授業カリキュラムが最優先されているからだ。(「知徳体」の「徳体」はなくて、「知」の授業)

 寒空の中、人が多く集まる交差点付近で、少しオシャレっぽい透明な風船を売っているおじさん。アパート団地の入り口には赤い春節用のぼんぼりが飾られている。服装店なども「年末セール」(6.8折とは、68%の値段で販売しますの意味で約3割引)が始まっていた。

 中国ではここ2年間で、「簡単な化粧などを施す」美容店ができてきている。けっこう値段が安いので利用する学生なども増えてきているようだ。「美甲(ネイルアート)10元」「修眉(眉の整え)5元」「化妆(化粧)15元」「申睫毛(付けまつ毛)50元」「紋身(刺青)50元から」「漂唇(美しい唇)」「脱毛」などなど。(1元は約20円) 韓国式化粧が主流の店がほとんどだ。

 福州市内でも多い「永輝超市(ヨンフィ・スーパー)―チェーン店」に入る。春節商戦が始まっていた。春節商品のほとんどは赤い箱などの色をしている。正月用飾りもたくさん売られている。

 中国のスーパーなどのレジの近くには必ずコンドームなどの「避妊用品」が置かれている場合が多い。これは長年の「一人っ子政策」の影響だ。一人っ子政策が始まった1980年代の初めのころは、無料で配られていたらしい。中学生や高校生らがレジに並んでいる時、だれか一人がこのコンドームを持ち、ふざけて他の学生のポケットに入れる仕種をして笑い合っている光景などを時々見かけることもある。

 中国でもいまでもよく見られるのが「小さい子を背負うネンネコバンテン」だ。スーパーを出たら、この姿を見かけた。孫を背負いながら、ウロウロと散歩をしているおばあさん。時々、露店の店を孫と一緒に見たりしている。「愛衣服」という名前の店のショーウインドーには、ちよっと可愛い梅とぼんぼりをあしらった切り絵があしらわれていた。

 時刻は午後5時を過ぎていた。店先で特に人目を気にせずハグをしているカップル。それをじっと見つめているちよっと太った可愛い少年。中国では肥満傾向の人が多いが、それは恰幅がよい「大人(だいじん)」とされ、むしろ「男らしい」「頼りがいがある」と歓迎される歴史的な風潮はまだ残る。だから、刈り上げや短髪や坊主頭に恰幅のいい男性が多いので、日本人からしたら、ちょっと「こわそうなヤクザ」がいっぱいという感を受けるかもしれない。

 木曜日の平日の夕方にもかかわらず、期末試験も終わり、この日から「冬休み」に入った 学生たちで、学生街はいっぱいの人が集まっていた。