彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本への帰国―大学が1か月間の冬休み期間に入る

2018-02-10 09:46:31 | 滞在記

 2月1日(木)、この日から大学は実質冬休み期間に入った。多くの学生がこの日までに大学から故郷に帰省をしていなくなったため、大学食堂などもガランとしていた。2月2日(金)の午後、私も日本に帰国するため福州空港に到着した。台湾の台北行の搭乗口には、台湾帰省の人が並んでいた。「この人たちは、厦門航空便・台湾行の飛行機のチケットがとれた人たちだなあ、よかったなあ--」と思った。私と同じ関西空港行き搭乗口の厦門航空便の飛行機に乗る学生たちのようなグループの若い女性たちが、出発待ちの飛行機を背景に、パスポートとチケットを上に挙げて記念写真を撮っていた。中国の若い人たちは、このような集団撮影でいろいろなアイデアを出すのがとても得意だ。1時間遅れで飛行機が出発した。日本の自宅には午後10時ころに戻った。かなりかなり日本は寒かった。

 翌日の朝、窓を開けてみると、裏庭の水仙が満開となっている。越前海岸沿いの故郷の我が家の山に自生する「越前水仙」だ。2月4日(日)、久しぶりに京都三条大橋界隈に行ってみた。寒風の中、鴨川沿いを歩く大学弓道部の連中。服装が「きまってる」なあと思う。この日の夕方、中国遼寧省大連の「遼寧師範大学外国語学部日本語学科教員」の友人である亀田さんと会って、白川石畳沿いにある「侘助(わびすけ)」で一献をかたむけた。胃潰瘍治療のため絶っていた酒を約1か月ぶりに本格解禁した。

 店の外でタバコを吸っていたら、中国人らしい3人グループが店の中を外から覗いていたので、「この店は美味しくでいい店ですわ」と言ったら、店に入って行った。香港から来ているらしい。店の中で、3人はほとんど会話をせず、スマホ携帯ばかりをそれぞれがしていた。最近の中国人の携帯依存症は日本の比ではないように思う。

 亀田さんと「再見」(さようなら)をした後、まだ腹が空いていたので、「丼物」の「松屋」に入る。アジア圏から来ていた観光客が多い。食券販売機を見たら、「日本語・中国語・韓国語・英語など」の表記があって、それぞれの言語で買えるようになっていたのに、改めて驚いた。

 そういえば、自宅近くのコンビニも「中国のお客さんが携帯電話のアプリから支払いができる」機能が用意されていた。時代はかわるなあと思った。また、自宅近くのツジトミ・スーパーには、店員さにんお金を支払わず、機械で支払うシステムとなっていた。「ありがとうございました」の言葉もなにもない、無味乾燥な支払方法だな。翌日の5日(月)、京都市内の「錦市場」に行くと、平日の昼日中にもかかわらず、中華圏からの観光客でごった返していた。ここは、客と店の人のやりとりが息づいている市場だと思った。

 2月8日(木)と9日(金)、久しぶりに京都市内も天候がよくなった。この二日間、京都市内の北にある「宝が池」や京都駅近くの「梅小路公園」などに、娘と孫の3人で過ごした。この梅小路公園には初めて行った。近年にできた「京都市水族館」に初めて入った。イルカショーを見ていると、その背景に「東寺の五重塔」が小さく見えた。「京都鉄道博物館」などもあり、1歳と3カ月ほどの孫と遊ぶにはなかなかいいところだった。

 なつかしい「京都市電」も5車両が置かれていて、自由に出入りもできる。水族館の「大人2050円は館の内容からすれば高すぎる」(年間パスポートは4000円ほどと安い)が、公園と一体化している場所なので、まあまあ、孫と遊ぶにはとてもいい場所だった。

 今日で日本に帰国して1週間が経過した。胃潰瘍で痩せこけていた顔も、少しふっくらと回復してきている。

 

 

 

 


年末の中国❸春節切符争奪・スマホ販売大半・あきらめる農民工も、ダブ屋もIT技術化

2018-02-10 06:40:35 | 滞在記

 ―<中国>春節切符争奪、スマホ販売大半 あきらめの農民工も―「毎日新聞」2017年1月20日 配信より

 中華圏の旧正月「春節」(2月16日)まで1カ月を切った中国では帰省に向けた鉄道の切符の販売がピークを迎えている。数億人が参加する激しい争奪戦は、急速なIT化を反映しインターネットによる販売が大半を占める。便利さによって長蛇の行列が減る一方、ネットを使いこなせない一部の出稼ぎ労働者「農民工」には、待ち望んだ家族との新年をあきらめざるを得ない人も出てきている。

 「何時の列車でも構わない。1枚だけでいいんだ」。上海駅の切符売り場で劉月英さん(62才)は窓口に向かって、何度も繰り返した。妻と孫が暮らす町に近い湖北省武漢市までの150元(26oo円)の切符を買うため、駅に通って3日目。だが端末を検索した女性係員は「没有(メイヨウ)―ないです!」。劉さんの後ろの客にせかされ、やむなく窓口を離れた。「他に買える場所がない。昔は朝早く並べは買えたんだ」。

 中国国鉄の規則では発売開始は携帯電話のスマホ・アプリを使うなどのインターネットでの販売は乗車30日前からだが、駅窓口は2日遅い。春節前からは発売数分で完売となることが多い。中国メディアによると、1月14日までに発売された春節期間の中国国鉄切符数億枚のうち、ネット販売が78%を占めた。そのほとんどが、スマホ・アプリ経由だ。だが、「スマホは電話と微信(中国のSNS)しか使えない」劉さんにはチャンスは乏しい。

 中国政府系機関の調査では、ネットは全人口の53%に当たる7億人強(2016年)に普及した。一方、高齢者を中心に地方出身労働者にはネットを使えないか、限られた機能の利用にとどまる人も少なくない。春節には農民工専用列車が走るなどの救済策も用意されているが利用できる人は一部だ。高速鉄道の作業現場で働く60代の男性は「春節に帰るのは無理だ。1年ぶりに孫の顔を見たかった」と話し、駅を後にした。  ※以上「毎日新聞・電子版 1月20日配信より」

◆この記事などは私自身も身につまされる。私もこの劉さんと同じようなネット機能しか使えない「ネット難民の一人」だからだ。携帯電話で予約・支払いができるアプリを入れたら使えるのだろうが、「中国の銀行」に行ってその手続きをしなければならず、それがけっこう私にとっては難しい。しかし、この機能を入れなければ、もはや中国で生活をすることは難しいというのが実感だ。特に2017年の9月に入ってから、このことを痛感するようになった。中国社会の変化のスピードは、「日本の5〜6倍」くらいで、いくつかの面は劇的に変化する。中国の1年間は日本の5〜6年間という感じか。あっという半年間ぐらいで、劇的に変化する。ついていけなくなってきている。さまざまな生活のストレスも増大する。

◆大学受験よりも厳しいとされるチケット争奪戦が鉄道部にダブ屋、スマホメーカーなども巻き込んで繰り広げられている。今年の「春運(春節期間の特別運行)ダイヤ」は2月1日からの約1カ月間。期間中に延べ約30億人の利用者があるとされる。短期間に途方もない人数が移動するのはので、鉄道チケットの入手は「秒殺技」とも言われ、日本の帰省の比ではない。

 ―ダブ屋が高度なIT技術集団に―

 2013年9月に初めて中国に赴任した当時、福州市の新幹線駅がある「福州北駅」の切符購入窓口(5〜6箇所ある)は、いずれも長蛇の列ができているのが普通だった。購入まで1時間あまりかかることもあったし、早ければ20分くらいで購入できた。そこには各列ともに必ず「ダブ屋」がいた。列の最前列に入りこんで列待ちしている人に依頼されたチケットを買って手数料をとるというものだった。不思議と列待ちしている中国人たちは、この手のダブ屋に文句を言わないのも不思議な世界だった。

 しかし、昨年の2017年あたりから、かってなら「体格・体力勝負」だったダブ屋は、これではもう勝負にならず、今ではインターネット技術を駆使する集団へと様変わりしてきているようだ。そういえば、最近「強引に最前列に割り込む」ダブ屋を目にすることが少なくなってきた。チケット争奪のためのIT超高速専門チームができていて、高度なIT技術集団に様変わりしてきているという。

◆今日は2月10日(土)、あと5日後の15日(木)は大晦日となる。中国全土、春節の準備でどこの家庭も街角も村々も大賑わいとなるこの日。家族みんなで「餃子」を作り、それを食べながら中国版「紅白歌合戦」のような番組を見て、深夜12時になれば、中国全土で、爆撃のような「爆竹」が朝方まで鳴り響く。このの家族の帰省を心待ちにしている人が多い中、帰省ができない人も多い中国。日本に留学している学生も、その多くは帰省をしない。(この時期、飛行機代がとても高く且つ取得できにくい、且つ、故郷までの新幹線など列車や長距離バスのチケットが日本にいては取れないことも大きな理由)

 ある留学生が言っていた。「今年は春節に帰れないので、電話で故郷の母が泣いていました」と。母にとっては、心待ちにし、1年間 我が子の帰省を心の支えにしていた(※一人っ子が多い)だけに、落胆も大きいのだろう。人口が日本の10倍以上の中国。切符売り場やスーパーのレジに日本では10人が並ぶとしたら、中国では100人が並ぶことになる。この違いはとてつも大きい。だから、日本人などからしたら「中国人は割り込みを平気でする」とよく言われ揶揄されるが、「割り込み」の気持ちはわからいではない。実際、私も たまらず 新幹線に間に合わないという焦りの時に 割り込んだこともある。

 


年末の中国❷—いろいろあるよ、中国の製品(量より質へのスローガン)

2018-02-10 04:50:23 | 滞在記

 2月1日の夕方、スーパーマーケットからの帰り、福建師範大学正門前を通る。この日も、「大学美術系受験」の実技試験が行われていた。実技試験を終えて正門から出てくる多くの受験生たち。寒空の中、焼き芋を売る女の人や、中国人が大好きなリンゴ飴のようなものをうる女性たちの露店が、試験を終えた受験生たちを待ち構えていた。ここは、人待ちのバイクタクシーのおっちゃんたちも多い。

 受験生たちは背中に大きな画材が入っているカバンをみんな背負っている。中には小さなバケツをぶら下げている者もいる。アパートに向かう歩道に、「倉山区党委員会」の掲示横断幕が新しく張られていた。「文明婚嫁」という横断幕は、「余計な豪華な結婚式をしてお金を派手に使わないように」という内容のもの、「厚養薄葬」は、「父母が生きている時は篤く養い、葬儀は盛大にしないように」という内容のもの。いずれも、「面子」で散財をするなという内容のものだ。

 師範大学正門近くでの露店では、「ホカホカカイロ」が売られていたので覘いてみたら、「なんか見たことがある商品だな」というものがあった。「ぽかぽ家族(貼る)」という商品名。この商品は、2013年9月に中国に初めて赴任した時に住んだ大学の教員住宅に前任の日本人先生がたくさん残してあったものだった。てっきり日本製(全て表裏とも日本語で書かれていた)のものだと思い使っていた。しかし、このカイロは、まったく暖かくならず、すぐに剥がれるものだったので、その後使わずに保存しておいた。日本から持ってきていたカイロが残り少なくなっていたので、最近もこの「ぽかぽか家族」を使ったが、ホカホカカイロの機能はほとんどなかった。

 改めて、部屋に残っていた「ぽかぽか家族」を見てみると、「maid in china」と書かれている。会社名や製造販売の名前もなかった。「なぜ、日本製品なのに、暖かくならずすぐに剥がれるのか?」という謎が解けた。これは、前任者が日本で買って中国にもってきた製品ではなかったのだ。日本製の製品と思わせて買わせる、中国で買った「バッタモンの粗悪品製品」だったのだ。

 中国の生活用品は、使ってみてわかることがいろいろある。例えば、お米の炊飯器。中国に来て今で2台目の炊飯器なのだが、「炊くのは問題がないが、保温して翌朝になると、下の方が3分の1くらいは、パリパリに硬く焦げてしまっているので」保温はできない。(2台とも)   関西国際空港などで、大きな炊飯器をいくつも買って帰国する中国の人たちの姿はよく見かける。まだ、炊飯器の品質が中国製のものはよくないからだ。品質がかなり良い物も増えてきている中国だが、「製品に対する作る側の心というものがない製品」もけっこう多い。つまり、「これを使う人が使いやすいように作る」という心が薄いように思える。「量より質へ」というスローガンを掲げている習近平政権の2期目だ。

 今年の福州は例年にもまして寒い冬だ。冷気団が例年よりも南下しているからだ。日本から持ってきていた「桐灰カイロ」(日本製)も残り少なくなっていた。このカイロは、なかなか優れている。温かくそして剥がれない。買ってきた「皇帝バナナ」という小さなバナナを食べてみた。大きさは人差し指くらいの長さしかないのだが、味がとても濃厚で美味しいバナナだった。中国は、果物がとても豊富で安い「果物王国」ともいえる。最近は、ミャンマーやタイなどで多く採れる「ドリアン」が爆買いされ そのほとんどが中国に輸出されていて、ミャンマーやタイ人はなかなか食べられないとの話も聞く。