2018年2月9日(金)から始まった韓国平昌での冬季オリンピックが昨夜25日(日)に閉幕した。近年の冬季オリンピックとしては、とても心に残ったオリンピックだった。日本と時差のない韓国なので、注目された種目もリアルタイムで見ることができた。そして、「北朝鮮美女応援団」の存在には改めて私も惹きつけられた。韓国そして北朝鮮にとっても実りのあるオリンピックとなったという印象のオリンピックだった。金正恩のそっくりさんも現れ会場を沸かせていた。
金正恩の妹・金与正氏が開会式に向け韓国入りし韓国・文大統領から「上にも下にもおかない歓待」を受け、歓迎の文氏主催の食事会は4回にも及んだ。一方のアメリカ副大統領とと歓迎食事会は1回だけとなった。この差は、文大統領の北朝鮮やアメリカ・日本・中国などとの外交姿勢を如実に表すものと映った。アメリカによる「斬首作戦」に不安を持っているとも言われる金正恩だが、彼がもし殺された場合の金王朝・後継者第一位は現在は妹の金与正なのだろうか。
次回は2022年に北京で開催される。おそらく北京オリンピック開催の余波と台湾統一(※武力侵攻もありうる)、そして一帯一路などの経済政策の一定の成果をもとに、2022年秋に開催される「中国共産党第20回大会」で、3期目の習近平政権が誕生する予定も見て取れる。このための布石の一つとして、今日の朝日新聞朝刊では「中国国家主席任期廃止へ―憲法改正案、習氏の権力強化―習氏の終身制化懸念も」という記事が発表されていた。2026年の冬季五輪には札幌市が立候補を表明した。(札幌オリンピックは1972年にあった) 北京冬季オリンピックまでは生きることができるだろうが、2026年にはどうなっているか確率は低いような気もしている。札幌での開催が決まったら嬉しいが。娘が学生時代を過ごした札幌の街は美しい。とりわけ北海道大学の広大なキャンパスに咲き誇る春の季節が大好きだ。
私が今回のオリンピック競技で最も印象深かったのは男女のフィギア―スケート場面だったが、もう一つは小平奈緒選手と韓国の李相花選手との500mスピードスケート決勝戦後の場面だった。金となった小平、そして銀となった李、地元韓国の期待を一心に背負って惜しくも小平に敗れ肩を落とす李に対して、小平が抱きかかえるように歩みより慰める姿だった。この場面を巡っていろいろな記事が伝えられていた。小平31才、李28才、選手として決して若くはない二人。お互いにライバルとして励み合ってきた関係があるのだろう。
小平が転倒事故を続けて不振に陥った5年前、李は誰よりも小平をなぐさめ励まし続けたという。今回のレース後に2人で交した言葉は、それぞれが心からの思いだったと伝えられた。「今もあなたを尊敬している」と小平、李は「あなたを誇りに思う」と小平に。リンクも溶かす二人の友情、これぞ五輪と思った。韓国メディアもこの小平と李の二人のことをとても好意的に報道していたのは嬉しい「五倫の一つの花」が咲くような思いを感じた。
女子のスピードスケート競技「パシュート」などの熱戦での高木姉妹のこと、カーリング女子の奮闘、ハーフパイプ(スノボ)での平野歩夢、肋骨が折れていながらの渡部暁斗のスキー複合競技で頑張りなど、いろいろと日本人選手の熱闘が感じられた今季の冬季オリンピックが閉幕した。そして、私が日本に滞在できる日も、あとわずかになった。