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外国人登録法廃止へ。関連記事

2008-01-27 20:29:05 | 多文化共生
 法の改正とは法の設置目的を逸脱するものであってはならないという大原則があるために、なかなか進展しないと指摘し続けられてきた外国人登録法の改正。
 記事では、法改正ではなく、廃止と報道されている。如何様になるのだろうか。
(以下、関連記事を転載)
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===中国新聞から転載==================
「在留外国人 共生を柱に制度見直せ」
'08/1/27

 在留外国人が市民として安心して暮らせるよう期待したい。法務、総務両省が、外国人登録制度を廃止し、住民基本台帳と同じような在留管理制度を導入する方針を固めた。来年の通常国会に関連法案を提出するという。

 一九五二年に発足した現行の制度は日本に九十日以上滞在する外国人が対象で、市町村に個人単位で登録する。登録証明書を交付され、常に携帯することが義務付けられている。在留外国人の「管理」が目的である。

 新たな制度では、名前や顔写真などが入った「在留カード」を入国管理局が発行することになる。外国人は受け取ったカードを滞在先の自治体に示し、自治体はカードの情報などを基に世帯単位の住民台帳を整備する。

 これにより、世帯構成が把握しやすくなる。国民健康保険や児童手当の漏れを防ぐなど、より充実した行政サービスの提供につながりそうだ。

 外国人が多く住む自治体でつくる「外国人集住都市会議」が深刻に受け止めているのは、就学年齢に達しても学校に通っていない子どもたちの存在である。就学前ガイダンスを開こうにも、案内先が分かりにくいという。こうした事態も改善されるだろう。

 現行制度に抜けている転出届も義務化すべきだろう。行政による住居移動の把握が、自分たちの利益につながると理解できれば、抵抗も少ないはずだ。

 新制度には管理強化の側面もある。出入国管理は法務省、外国人登録は市町村と分かれている体制が一元化する。不法滞在者への登録証明書交付は防げよう。

 治安対策は大切だが、在留カードの携帯義務をどうするかはよく検討したい。プライバシーとの兼ね合いもある。

 入管難民法改正で日系三世までの在留資格が認められ、在留外国人の急増が続く。九〇年には約百万人だったのが、二〇〇五年に二百万人を超えた。政府が対応を迫られる背景でもある。

 今後も在留外国人は増え続けるに違いない。行政サービスをきちんと受けられる体制が必要だ。

 在日韓国・朝鮮人をはじめ特別永住者は台帳に登録するが、カードの対象外とする。歴史的な経緯からも必要な措置といえよう。

 戦後の混乱期から半世紀余り。国際化時代に見合った仕組みに変えるのは当然のことだ。多文化共生社会への第一歩にしたい。


===静岡新聞から転載=====================
「外国人登録制度廃止、自治体や住民歓迎」

2008/01/26
(写真:連日多くの外国人が訪れる外国人登録窓口=浜松市役所)

 政府が25日、外国人登録制度を廃止し、日本人の住民基本台帳と同様の在留管理制度を導入する方針を固めた。南米出身の日系人などの外国人が多く暮らす県内の行政関係者や住民は肯定的に受け止めている。その一方、外国人の側には「現行の制度とあまり変わらない」という見方もある。
 浜松、磐田、富士など外国人が多く住む都市で構成する「外国人集住都市会議」は外国人を住民としてとらえる在留管理制度の見直しを国に求めてきた。昨年末の外国人登録者数が3万3000人を超えた浜松市の村木恵子国際課長は「享受できる行政サービスの継続がスムーズになる」とする一方で「納税などの義務もしっかり果たしてもらうことになる」と話し、定住を目指す外国人の安定につながるとみる。
 多文化共生の観点から自治会関係者も前向きな反応を示す。ブラジル人やペルー人らが多い同市砂丘自治会の藤原義幸会長(64)は「住民にとって外国人と日本人という区別は心理的弊害になっているが、その垣根が低くなる」と歓迎。磐田市自治会連合会の杉田友司会長(68)は「日本人と同じ立場に立つことで、外国人と協力しやすくなる」と強調する。
 日系ペルー人の大学生山城ロベルトさん(25)=浜松市南区=は「住民税を払っている外国人が日本人と同じ扱いを受けられる制度にしてほしい」と主張する。日系ブラジル人で静岡文化芸術大准教授のイシカワ・エウニセ・アケミさん(41)は「今回の制度の廃止が必ずしも居住実態の把握などにつながるとは考えにくい。在留カードは外国人登録証とあまり変わらず、今後の制度改正の状況を見守りたい」と冷静に受け止める。

<外国人登録制度>
 日本に在留する外国人の婚姻関係や住所などを明らかにするために、住んでいる市町村に届け出て登録する制度。登録すると市町村から外国人登録証明書が交付される。登録時の指紋押なつに人権侵害との批判が強まり、1993年から在日韓国・朝鮮人らの押なつを廃止。2000年からすべての外国人の押なつが廃止された。


===時事通信から転載==================
2008/01/25-12:26
「外登証廃止、国に情報一元化=次期通常国会に法案-鳩山法相が方針」
 鳩山邦夫法相は25日午前の閣議後の記者会見で、各自治体が発行している外国人登録証を廃止し、国が一元管理する「在留カード」を使った外国人台帳制度を導入する方針を明らかにした。法務、総務両省で検討を重ね、来年の通常国会に関連法案を提出する。
 現在の外国人登録制度では、住所変更などで外国人登録証の内容を変更した場合でも法務省入国管理局への報告は義務付けられておらず、入管が把握し切れないなどの問題点が指摘されていた。
 このため、登録証を廃止する代わりに入国管理局が在留カードを発行し、情報管理を国に一元化。さらに、この情報を基に住民基本台帳と同様の外国人台帳制度を導入し、就学や健康保険など行政サービスの利便性の向上を図ることを検討している。朝鮮半島出身者など特別永住者に関しては、台帳への登録対象とする一方、在留カードは不要とする方向だ。



===msn産経ニュースより転載==============
「外国人登録制度を廃止へ 政府、台帳管理に再編」
2008.1.25 14:01

 法務、総務両省は25日、現行の外国人登録制度を廃止し、日本人の住民基本台帳と同様の在留管理制度を導入する方針を固めた。鳩山邦夫法相は同日の閣議後会見で、「(現行制度は)廃止の方向で決めつつあり、次期通常国会に(関連法案を)出したい」と表明した。

 現行制度では在留外国人は個人単位で登録され、世帯ごとの現況を反映していない。また、転出届の提出も義務化されておらず、就学手続きや健康保険加入などの基礎資料としては不備が多いと指摘されていた。

 新制度では外国人の在留管理について世帯単位で把握。外国人登録証明書は廃止し、新たに「在留カード」を発行する仕組みが検討されている。

 政府は昨年6月、平成21年の通常国会までに外国人登録制度を見直し、関連法案を提出する方針を閣議決定。法務、総務両省が制度設計について検討を続けていた。

 ■ 外国人登録制度 日本に在留する外国人の婚姻関係や住所などを明らかにするために、住んでいる市町村に届け出て登録する制度。登録すると市町村から外国人登録証明書が交付される。登録時の指紋押捺(おうなつ)に人権侵害との批判が強まり、平成5年から在日韓国・朝鮮人らの押捺を廃止。12年からすべての外国人の押捺が廃止された。