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多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

第31回 開発教育協会全国研究集会in富山のお知らせ

2013-08-15 15:53:39 | ダイバーシティ
第31回 開発教育協会全国研究集会in富山のお知らせ

今週末の8月17日、18日は、富山で「開発教育協会全国研修会」が開催されます。
NGOダイバーシティとやまでは、自主ラウンドテーブルで、次のとおりの発表を行います。ぜひ、ご参加くださいませ。
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以下、開発教育協会ウェブサイトから転載
http://www.dear.or.jp/zenken2013/day1.html
2013年8月17日(土)
9:30~ 受付開始
10:00~11:45 開会式・基調講演「デンマークの教育とPBL」
11:50~13:00 昼食・休憩/教材の展示販売
13:00~13:10 ワークショップ体験(全5コマ)
15:10~18:00 実践・研究報告(全4コマ)/自主ラウンドテーブル(全9コマ)
18:30~20:30 交流会(参加費別途2,000円)

15:10~18:10
自主ラウンドテーブル

試作教材の発表や討論会、実践レポートなど、多彩な10のプログラムが開催されます。
当日、ご希望のプログラムにご参加ください。
15:10~16:30 第1ラウンド
・210室:ちがいに気づくダイバーシティ野外キャンプ体験

1.ちがいに気づくダイバーシティ野外キャンプ体験
実践者:宮田 妙子(NGOダイバーシティとやま)

異文化理解の促進のため、これまで国や言語、文化的背景などに着目した様々なプログラムの実践があったが、地域社会に還元するには異文化自体のボリュームも少なく、必ずしも十分に浸透してきたとは言い難い。このため、同国同郷かつ志を同じくするメンバーでのワークショップにより、当該メンバー間の異文化を相互理解するプログラムを実践した。具体的には、標高3015mの立山山頂での山小屋宿泊により、富山平野を一望する中で、文字通り、自身の些細な偏見や小さな排除などを振り返り、参加者からは、他者とは異なる自身の小さな異文化を発見したとの感想もあった。
この経験を活かし、日常生活の延長線上にある身近なキャンプ体験を通じた異文化理解を促進するプログラムを実践する。キャンプの中で、トイレや着替え、食事の不自由さなど、障害やジェンダー、食料自給などに関する異文化的問題を発見し、他者への理解を深める野外ワークショップを開催する。
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※ちなみに当日の発表は、都合により柴垣が行います。

女性目線で平和を考えよう

2013-08-15 09:32:39 | ダイバーシティ
(以下、宮崎日日新聞から転載)
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終戦記念日
2013年08月15日

女性目線で平和を考えよう

 今年の終戦記念日はきな臭い情勢の中で迎えた。歴史認識をめぐってわが国と中国、韓国との関係は過去最悪とまでいわれるほどに冷え込み、改善の糸口は見えてこない。

 国内では、憲法改正や集団的自衛権の憲法解釈を変更する動きが慌ただしくなってきた。また沖縄県民の激しい反対にもかかわらず、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)へのオスプレイ追加配備も強行された。

 この国はどう進むべきか。先の大戦で大きな犠牲を出した日本は、その反省に立って平和という大前提を守る義務があるはずだ。節目である8月15日に考えたい。

■戦地で思うのは母親■

 人間魚雷の基地があった日南市油津で電信員をしていた男性から当時の話を聞いたことがある。沖縄近海へ向かった特攻機の兵士たちが階級と名前を述べた後、「おっかさーん」と叫びながら敵艦に突っ込むのをレシーバー越しに何度も傍受したという。

 召集されてフィリピンに赴き、米軍の捕虜となった大岡昇平は「俘虜記」で戦場での実体験を記録している。

 草むらに潜んでいた時、無防備の若い米兵が現れたが、銃を撃つことはしなかった。そして「アメリカの母親に感謝されてもいいわけだ」とつぶやいたと書いている。また負傷した捕虜を収容する米軍の病院で知り合った日本兵からは、山中で考えるのは母親のことばかりだったと聞いた。

 極限状態の戦地で多くの兵士が思うのは母親であり、それは母親がわが子をいかに大切に守り育ててきたかの証しでもある。強い母性こそが安心を生むのだ。

 安心して暮らせる社会をつくるヒントは、命を守る母性を持つ女性の目線にあるのではないか。

■無責任な政治家発言■

 ところが今の日本の政治家の目線は、安心できるどころか同じくすることが難しい。日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は、従軍慰安婦を「必要だった」と語った。慰安婦を生んだ戦争時代への反省がまったく感じられない。

 麻生太郎副総理兼財務相は憲法改正に絡み、戦前ドイツのナチス政権を引き合いに出し「手口を学んだらどうか」と述べた。ジョークにしてもなんと軽くて貧しい発言だろうか。

 これでは中国、韓国から歴史認識を批判されても仕方あるまい。尖閣諸島や竹島をめぐる対立に加えて、こうした無責任な発言が問題をいっそうこじらせてしまうのである。

 もちろん中国、韓国のナショナリズムの高まりにも責任がある。だが日本の政治家はそれを刺激しないよう、不用意な発言をしないことが大切だ。

 いま一度女性目線に立って戦争を振り返り、これからの日本を考えてみよう。子どもを守り、安心できる社会を築かなくてはならない。日本にはその責任がある。

管理職のうち女性が占める割合が1割に満たない企業、80%以上

2013-08-15 09:32:14 | ダイバーシティ
(以下、FNNから転載)
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管理職のうち女性が占める割合が1割に満たない企業、80%以上

企業の管理職のうち、女性が占める割合が1割に満たない企業が80%以上にのぼることが、民間調査会社の調べでわかった。
帝国データバンクが、全国2万3,226社(有効回答企業数は1万395社)を対象に行った調査によると、課長に相当する職以上の管理職のうち、女性社員が占める割合が「10%未満」と回答した企業は、81.1%にのぼった。
一方、「50%以上」と回答したのは、2.6%にとどまり、女性の管理職への登用が進んでいない現状が浮き彫りになった。
(08/15 01:55)

障害理由の差別解消なるか 6月に法成立

2013-08-15 09:31:47 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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障害理由の差別解消なるか 6月に法成立 

2013年8月15日


 障害を理由にした差別の解消を目指し、六月に成立した障害者差別解消法。二〇一六年に施行される。障害者団体からは差別解消のきっかけにと期待の声が上がる一方、民間事業者の差別解消を法的義務にせず、努力義務にした点などに、改善の余地があるとの指摘もある。(佐橋大)
 小学生の男児がいる愛知県の女性は、男児の入学で差別を感じた。
 男児は生まれつきの重い心臓病。配慮は必要だが、地元の学校に通いたいと男児は望んだ。ところが就学前の健康診断の案内が届かない。学校に入学希望を伝えると、特別支援学校の名前を列挙され、暗にそちらへの入学を勧められた。
 女性が、男児の健康状態を説明しても、十分に受け入れ策を検討せず、木で鼻をくくったような回答。女性が主婦のため「付き添い可能」として、入学できたが「もし働いていたら、どうなっていたか」と憤る。
 愛知県重度障害者団体連絡協議会の辻直哉事務局長も「重度の障害児は、入学を認められても看護師不在時に親が付き添うことを求められるなど、一緒に学ぶ障壁は高い」と指摘。他の人と同じように社会で生活したいと障害者や家族が求めれば、負担が重すぎない限り、国や自治体に障害に配慮するよう義務付ける差別解消法の成立で「少しは状況が変われば」と辻さんは期待する。
     ◇
 障害者団体は障害者差別を禁止する法制度を求めてきた。障害者の権利確立のため活動する団体「日本障害フォーラム」は、差別解消法成立の際、「実現に向け力を傾けてきた。感慨深い」との声明を出している。
 同法は国や自治体に、障害を理由にした差別を解消する施策をつくり、実行するよう求めている。特定の障害というだけで、のけ者にするような差別的な扱いは禁止する。
 負担が重すぎない限り障害に配慮する「合理的配慮」をしないことは差別に当たると規定。国、自治体など公的機関には合理的配慮をする義務を負わせ、民間企業には努力義務にとどめる。配慮を欠く企業などには、行政機関が助言や指導、勧告することで差別の解消を目指す。
 障害者の小規模作業所などで構成する「きょうされん」などは、より確実に差別を解消するため「民間も法的義務にすべきだ」と訴える。
 差別解消を障害者が訴えた場合は、今ある枠組みで問題の解決を図る。新たな紛争解決機関は設けない。この点も多くの関係者が課題に挙げる。
 脳性まひで、内閣府障害者政策委員会差別禁止部会の委員を務めた太田修平・障害者の生活保障を要求する連絡会議事務局長は「例えば、ハンドルで進む方向を変えるハンドル形の電動車いす。鉄道会社によっては原則、乗車拒否するなど、差別を感じる場面はまだある」と指摘。「紛争解決機関は、裁判によらず、より簡便に問題提起する、制度の核心部。抜けたのは残念」と語る。
 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会の新谷友良副理事長は「法律では必要に応じて、大臣が事業者に指導、勧告できる。これが活用できるかが焦点」と指摘する。
 何が差別に当たるのかは、各省庁で定める指針に委ねる。太田さんは「障害者が何が差別かを問題提起しないとガイドラインが骨抜きになり、法律が機能しない。内容が決まるこれからが大事だ」と語る。

県障害者権利条例 県は丁寧で柔軟対応を

2013-08-14 09:22:19 | ダイバーシティ
(以下、琉球新報から転載)
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県障害者権利条例 県は丁寧で柔軟対応を
2013年8月14日

 「県障害のある人もない人も共に暮らしやすい社会づくり条例案」の策定作業が大詰めだ。県は素案についての県民意見を今月19日まで募集しており、来年4月の施行を目指している。最終段階に来て、条例制定のきっかけをつくった「障がいのある人もない人もいのち輝く条例づくりの会」と県との間に見解の相違が出ている。県が設置した障害者県民会議の条例案にあった前文が、県の最終素案から削除されたことが理由で、こうした不協和音が生じたのは残念だ。
 県民会議の前文には「障害のある人もない人も全ての県民が等しく地域社会の一員としてあらゆる分野に参加できる社会、いわゆるインクルーシブ社会の実現を目指す」との理念が書かれていた。前文をなくした理由について県総務部は「(条文の)目的に書き込めるものは、目的規定に入れるのが一般的なルール」と説明する。
 確かに第1条に前記の理念の部分は盛り込まれた。しかし前文には島しょ県の沖縄で離島の障がい者の置かれた厳しい環境を指摘し、「ユイマール」など県民の相互扶助精神があるものの、障がい者の「自己の望む生活」が十分実現できていないなど地域事情を記している。いわば条例制定を目指す「魂」ともいえる大切な部分だ。
 県は近年の条例制定では直接の法的効果を生じない前文については国の法令にのっとって一律に置いていないとの立場を示す。しかし同様の条例を制定している5道県のうち北海道を除く4県は前文を置いている。県の対応はしゃくし定規ではないか。前文の復活を求める「いのち輝く条例づくりの会」の思いに寄り添ってほしい。
 素案ではまた、市町村の相談員配置義務を明記していない。地方分権の観点から県が市町村事務を規定できないとの理由は一理あるが、障がいを理由にした差別解消に相談員設置が不可欠なのも事実だろう。障がい者福祉サービスの既存の相談員がいない自治体もあり、県は条例を反映した体制が全市町村で敷かれるよう努力する必要がある。
 県は署名提出を受けてから、当事者や学識経験者らで構成する県民会議を設置するなど、当事者や家族の意見を尊重し、起案段階から共同で条例づくりを進めてきた。多くの人が納得できる条例にするためにも、県は最後まで丁寧かつ柔軟な対応を貫いてほしい。

「女性、障がい者、高齢者、外国人などの多様な人材を活用した ‘イキイキ’経営セミナー」開催のご案内

2013-08-06 09:59:04 | ダイバーシティ
(以下、四国経済産業局ウェブサイトから転載)
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平成25年8月5日
「女性、障がい者、高齢者、外国人などの多様な人材を活用した
‘イキイキ’経営セミナー」開催のご案内
~ダイバーシティ経営のすすめ~

四国経済産業局では、人口減少や少子高齢化により我が国の潜在成長力が低下するなか、これからの日本企業が競争力を高めていくために女性、障がい者、高齢者、外国人など多様な人材の能力を活用していく経営(ダイバーシティ経営)を紹介する上記セミナーを開催します。
 本セミナーでは、「ダイバーシティ経営」の必要性についてご説明するとともに、実際にダイバーシティ経営に取り組まれている事例をご紹介します。
 企業の経営者・人事担当者、経済団体など多くの皆様のご来場をお待ちしています。
開催日時:
 平成25年10月4日(金)15:30~17:30
場所:
 ホテル日航高知旭ロイヤル 2階 あけぼの
 高知市九反田9-15
主催:
 四国経済産業局、高知県中小企業団体中央会
プログラム:
 (1)開会挨拶
 四国経済産業局長 寺嶋 充

 (2)講演「価値創造のためのダイバーシティ経営に向けて」
 経済産業省 経済産業政策局 大臣官房審議官(雇用・人材担当) 小川 誠

 (3)講演「事例に学ぶダイバーシティ経営」
 株式会社帝国データバンク 高知支店長 泉田 優 氏

 (4)講演「当社のダイバーシティ経営 ~リケジョの活躍~」
 重松建設株式会社 代表取締役 重松 宗孝 氏
定員:
 60名(事前申込制、先着順)
参加申込:
 セミナーチラシ裏面に必要事項を記入のうえ、
 四国経済産業局産業人材政策課までFAXにてお申し込み下さい。
 FAX:087-811-8555
 ※参加証は発行いたしません。お申し込みいただきましたら、当日会場に直接お越し下さい。
【別添資料】
チラシ・参加申込書 (PDF形式:381KB)
(本発表資料のお問い合わせ先)
〒760-8512
高松市サンポート3番33号 高松サンポート合同庁舎
四国経済産業局 地域経済部 産業人材政策課
担当者:柳課長、山内補佐
電 話:087-811-8517(直通)
FAX:087-811-8555
四国経済産業局ウェブサイト http://www.shikoku.meti.go.jp

多様性がない会社にイノベーションは生まれない

2013-08-01 10:36:06 | ダイバーシティ
(以下、日経ビジネスONLINEから転載)
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多様性がない会社にイノベーションは生まれない
女性登用はダイバーシティの第一歩
魚谷 雅彦
バックナンバー2013年8月1日(木)

 日本企業の間でも、女性をもっと管理職に就けようという動きが盛んになってきています。数値目標を掲げる大企業もありますね。これはご存じのとおり、安倍政権が成長戦略の柱として女性労働力の活用を挙げていることを受けたムーブメントです。数値目標を設けること自体には賛否両論ありますが、僕自身も変革を促すためには女性の登用が必要だと思います。

 「女性」と「経済」をかけ合わせて「ウーマノミクス」という造語を打ち出したのは米ゴールドマン・サックス証券です。同社のキャシー・松井氏(チーフ日本株ストラテジスト兼グローバルECSアジアヘッド)はこう述べています。

 「ウーマノミクスは日本経済にどのような押し上げ効果をもたらすのだろうか。当社の試算によると、仮に女性の就業率(約60%)が男性(約80%)に肩を並べるまで上昇した場合、就業者数は約800万人増加し、日本のGDPの水準は14%も押し上げられる。当社エコノミストのケルヴィン・デイリーの比較分析によると、日本は先進国のなかでウーマノミクスにより最も大きな押し上げ効果が期待できる国の一つである」(“Fortnightly Thoughts” April 25, 2013)

 では現状、日本のウーマノミクスはどうなっているのでしょうか。

 世界経済フォーラム(WEF)が2012年10月24日に発表した「ジェンダー・ギャップ指数」によれば、日本の男女平等度合いは世界で101位です。ちなみに1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェーといった具合に北欧勢が上位を占めています。米国は22位でした。

 「101位ではグローバル立国としてはとても情けない!」というのが僕の感想です。それは単に順位を上げようという話ではなく、女性の登用は企業の業績向上に役立つと言いたいのです。日本企業のダイバーシティが進んでいないことと、マーケティングが上手くないことは、実は関連していると僕は考えています。

多様性を受け入れずして成長はできない

 僕は日本コカ・コーラに勤務している間、5人のCEO(米アトランタ本社)と仕事をしました。日本は大きな市場であるため、接する機会も多かったのですが、今その5人を思い返すと本当に多様な顔ぶれだったことが分かります。

 最初に出会ったCEOはキューバ出身。米エール大学で化学を学んだ後、帰国して現地のコカ・コーラのボトラーで働きましたが、キューバ革命で祖国を追われ、米国に渡ってコカ・コーラ本社に入社。後に18年間もCEOを務め、「米国に富をもたらした」と評された著名な人物です。

 2人目はCFO(最高財務責任者)を経て就任したアメリカ人。「とにかくガンガン利益を上げよう」といった、典型的な財務出身のアメリカ人経営者でした。3人目はなんと数学の教師だったというオーストラリア人。1990年頃には日本コカ・コーラ社長に就いていたこともあるので、「あなたはラッキーでしたね。バブル景気で売上げもよく伸びて」なんて冗談まじりに話したこともあります。

 彼が辞任した後、しばらくCEOが空席となり、白羽の矢が立ったのが4番目のCEO、かつての欧州コカ・コーラ社長でした。北アイルランドに生まれ、父の仕事の関係で少年時代からザンビアで過ごし、南アフリカ大学を卒業後、コカ・コーラのボトラーでトラックの運転手から叩き上げたという人物です。既にリタイアしてセカンドライフを満喫していたところ、CEOのオファーを受けました。奥様が大反対したそうですが「愛するコカ・コーラのために」と現場復帰を決めたのです。そして5人目はトルコ人の現CEO、ムーター・ケント氏です。それぞれ個性の異なるCEOでした。

 オーストラリア出身の元数学教師がCEOだった時代には、僕にとっても周囲にとっても大きな出来事がありました。日本コカ・コーラ社長にアメリカ出身の女性、メアリー・E・ミニック氏が就任したのです。僕自身はDeputy President(社長代行)として、5歳年下の女性を部下の立場で支えるのは初めての経験でしたから、やはり驚きはありました。

 ただ事前にCEOから顔を合わせて直接説明を受けて「日本コカ・コーラの将来のために彼女を社長に就けようと考えているが、どう思う?」と問われたとき、こう思い至ったのです。異質な人がトップに就くこと、その変化、多様性を受け入れることが変革につながるのではないかと。特にコカ・コーラの商品を購買してくれるのは、圧倒的に女性が多い。もう一歩成長するために若い女性社長の就任は有効であると考えられましたし、またこうした変革を受け入れられない内向きな会社ではいけないとも思ったのです。

 そう伝えると、すぐさま扉を開けてメアリーが登場しました。どうやら隣室に控えていたようです。

文化の違いを伝えるときは率直に話すこと

 メアリーと経営チームのタッグを組むにあたって意識したのは、社内外と彼女自身のカルチャーショックを緩和させることです。たとえば米国流の白黒ハッキリさせる言い方ではいらぬ反発を招くこともあるので、会議での話し方について要望することもありました。あるいは日本は米国のように社員や経営者の流動性が高くないので、そこを踏まえた接し方をするよう助言したこともあります。

 特に日本では、経済合理性だけでは行動しない文化がありますよね。「あの人のためなら一肌脱ごう」とか「意気に感じたから」といった行動原理です。鼻先にニンジンをぶら下げれば、誰もが頑張るというものではない。メアリーにとっては違和感があったでしょうが、そうした文化の違いをよく理解してもらいました。

 もちろん全面的に日本の流儀に迎合してもらったわけではなく、時には、米国流に思いっきりロジックで押し通すようにすすめたり、時には僕をうまく活用してもらったりしました。伝え方が難しい場面などでは、僕が前面に出ることもありました。通常、米国のトップはそうしたやり方をしないとは思うのですが、日本ではそうしたことも必要だと考えたのです。

 そして、こうしたデリケートな話をするとき大事なのは、オープンに、ストレートに、フランクに伝えることです。下手に気を遣って説明を省いたり、遠回しに伝えたりすると、思いがけず相手の不信感を買ってしまうことも多々あります。だから夕食に誘うなどして、文化の違いを率直に話し合うのがいい。“Let’s have dinner together.”の一言が扉を開くカギになるというのは、万国共通ですよ。

多様性のある集団に不可欠なコラボレーション

 グローバル市場で成功を収める企業には、ダイバーシティとコラボレーションが息づいています。それを示す光景は、営業戦略会議でも商品開発の場でもよく見受けられます。

 例えば日本コカ・コーラの会議で、今月の数字をどこまで積めるか、という生々しい議論をしていたときのこと。日本人の社員が「もうここまで」と音を上げる中で、営業のトップを務めていたオーストラリア人がこう檄を飛ばしました。

 「どうして君たちはそう簡単に諦めるんだ? もう一回、全部精査してみよう。その中からフォーカスして当たってみれば、まだ予算を達成できるかもしれないじゃないか」

 とはいえ、初めは半信半疑な様子の社員も多くいました。しかし実際にやっていくうちに、目標を達成できてしまうことも珍しくありません。そういったときの成功の鍵は何かといえば、コラボレーションなのです。単に「諦めずにやれ!」と命じるだけでは反感を買ってしまいますが、協力関係を醸成することができれば成功に向かってチームが動き出すのです。

 多様な人たちが集まったときに、議論あるいは論争が起こることは多々あります。例えば文化や商習慣の違いから「1+1はなぜ2なんだ?」といった非常に根源的なことを問われたとしましょう。そこで「そんなもん、2と決まっているから2なのだ!」と頭ごなしに言いたくなる気持ちもあるでしょう。しかしそこからコラボレーションは生まれません。時には「いや待てよ、3の場合もあるか?」と考えることで、皆で同じ方向を向くきっかけになりうるのです。日本的な表現で言えば「一丸となる」のです。

 商品開発をめぐる議論も同様です。企画側が調査データやヒアリングの結果、どんな商品をいつ発売したいか伝えたとき、開発側が同調しないこともよくあります。「無理だ」「前にもやったが売れなかった」といったネガティブな意見が返ってくることもしばしばです。しかしそうした縦割りの弊害に負けていてはいけない。特にブランドマネージャーなど取りまとめ役の人であれば、自らのミッションに基づいて、情熱やコミュニケーション力で説得していかなければなりません。相手がどんなに年上でも、いかに実績のある人でも、引き下がってはいけないのです。何故ならその時、「どこまで本気か」が試されているからです。

 特にベテランの人はよく観察していますからね。僕もライオンのブランドマネージャーを務めていた若い頃など、夜討ち朝駆けで研究室に行っては説得した経験があります。「あいつ熱心にまた来たよ。じゃあやってやろう」という雰囲気を醸成すること。こうした人を巻き込んでいく力も、リーダーシップと言えると思います。

 これは当然、社内に限ったことではありません。関連企業、パートナー企業に対してもそうです。例えばマーケティング担当者が広告代理店に対して、単なるサプライヤーのように扱ったらどうでしょう。「こちらは顧客なのだから、とにかく言うことを聞け」という態度で、コラボレーションが生まれるでしょうか。パートナーであるはずの人たちも心が入らず、「やっつけ仕事」をしてしまうでしょう。

米国本社と真っ向から戦ったメアリー

 性別や国籍、部署、所属会社といったダイバーシティの中で、率直に議論してコラボレーションを生むことがビジネスを推し進めるのです。

 先ほどお話した、かつての上司メアリーに対して、「必ず彼女を成功させなければ」と思うことがありました。特に印象的だったのは、一緒に本社へと赴き、予算獲得の難しい交渉をした時のことです。僕が注目していたのは、彼女が「どちら」を向いているかです。本社の顔色をうかがうか、日本法人のトップとして戦うか。

 彼女が取ったのは後者の立場でした。「これから魚谷さんが説明するプランは今後の日本コカ・コーラにとって絶対に必要なことであり、私は全力でこれを支持します」と。このような姿勢で本社に挑んだガッツを、どれほどの人が示せるでしょうか。そこに女性も男性もありません。人を「ここまでコミットするのであれば、この人を成功させなくては」という気持ちにさせて、巻き込めるかどうかです。そんな彼女を僕はリスペクトし、日本での任務を成功させなければ、と思ったのです。メアリーは本社でマーケティング担当のExecutive Vice Presidentになった後退任し、現在は英国で投資ファンドの仕事をしていて、今も友人として親しくしています。

 経営やマーケティングの視点から見ると、ダイバーシティを実現する目的は発想の転換を促すことにあると思います。多様性のある組織では、世の中の変化を鋭く捉え、一つの事象を様々な観点から理解し、新たな可能性や解決策を構想する事が日常的に行われています。これはまさに、日本のマーケティングに今最も求められていることです。

 男性、女性の多様性のみならず、年功序列を越えた登用、プロパー社員と中途採用社員の組み合わせ、外国人の採用、パートナー企業との新たな取り組み、社外取締役やアドバイザーの活用、一般社会とのオープンイノベーションの仕組みなど、従来の内向き経営を変革するカギとなるダイバーシティを実現する方法はたくさんあるのではないでしょうか。

強いチームは多様なメンバーが生む 南場智子氏

2013-07-31 10:52:32 | ダイバーシティ
(以下、日本経済新聞から転載)
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強いチームは多様なメンバーが生む 南場智子氏
2013/7/24 6:30


 日本経済新聞社が7月2日に開いた「グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット」で、ディー・エヌ・エー取締役の南場智子氏が基調講演し、多様性のあるチームのまとめ方などについて語った。

 実は今日、すごくアウェー感を感じている。なぜなら、私は女性であることや、男女という枠組みで物事を捉えることが凄く苦手だからだ。女性の社会進出に関するテーマを話すということだが、案配が非常に悪い。


講演するディー・エヌ・エー取締役の南場智子氏(7月2日、東京・渋谷)
 私は女性に教育は必要ないという考えの父に育てられた。家庭のなかで母親はお手伝いさんのような感じで、全て重要なことは父が決める家だった。自転車を買うことさえ自分では決められない、非常に窮屈な環境で、家から飛び出したいと思っていた。

 大学生になり東京へ出た1980年代は、女性の社会進出が大きな議論になっていた時代だった。女性解放を求めて激しく運動する女性、それを阻止しようとする女性、反対しようとする男性、応援する男性がいた。その様子を眺めながら、個人的には、誰に対しても大きな共感を覚えられなかった。

 就職した会社は、男女が全く隔たりなく仕事ができる環境だった。そこで、初めて解放されたような気持ちになれ、一生懸命働くことができた。結婚もした。思い出されるのは、夫の実家に行った時のエピソード。大きな魚を切り分けてもらい喜んでいると「丈夫な子供を産んでね」といわれた。その場で、夫の両親に不快感を表したのを覚えている。それ以来、何もいわれず自由奔放に過ごしている。その後、起業。社会に出ると家庭のなかとは全然違って、女性でやりにくいと感じたことは一度も無かった。

 ただ、もし子どもがいて、子どもに没入するという選択肢があったならば、少し違っていたかもしれない。だが、子どもを産んで一人前とは思っていない。産まなければ得られない経験はたくさんあるけれども、夫婦だけで暮らすということもそれなりの経験だと思う。優劣は無いはず。

 経営者になったとき、出産をはじめ女性としてのライフイベントには手厚く対応したいと思っていた。会社が黒字化したときに子ども手当制度を始めたのは自慢。もちろん会社が働いてほしいと選んだ人なら、育児で時短勤務や休暇を取ることは、男性も女性も関係なく大いに奨励したい。


「人事では、ベストな人材が実力と実績で曇り無く選ばれるべきだ」と話す南場氏
 ただ、女性のマネジメント層を増やすために昇進を決めたことはない。男女である以上に大きな違いは、仕事ができるかできないか。人事では、ベストな人材が実力と実績で曇り無く選ばれるべきだ。少しでも曇りがあると、その人事はゆがんでしまう。

 経営者の見方としては、男女や国籍、文化的な背景など、多様なメンバーで構成されているチームの方がうんと強い。多様であればあるほど底力は強い。似たようなメンバーによる組織は、まとめやすいが変化に弱い。改革にも弱い。それは事実。経営者にとっては多様なチームをどうやってマネージしていくかという事が、非常に大きなポイントになる。特に、モチベーションの源泉が違うメンバーをまとめることが難易度が高い。

 会社を立ち上げたころ、「ほめられたい」「お金がほしい」「ユーザーのためのサービスを作りたい」「技術が認められたい」など別々の動機を持った4人のメンバーがいた。そのチームをまとめた時の経験が強く印象に残っている。会社として初めてのサービスを世に出したとき、皆が笑顔になり、純粋な高揚感に包まれた。それ以来、目標が達成できた時の高揚感で組織をまとめていこうと考えるようになった。

 個人としても、チームや自分の目標に向かって純粋に集中してみると、充実した人生が送れるのではないかと思っている。

米政治評論家、「国民の生活が崩壊しつつある」

2013-07-31 10:52:00 | ダイバーシティ
(以下、イランラジオから転載)
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米政治評論家、「国民の生活が崩壊しつつある」

アメリカの政治学者ダン・ディバール氏が、「アメリカ社会で貧困や困窮が広まっていることから、アメリカ人の生活スタイルが崩落に向かっている」と語りました。

プレスTVの報道によりますと、ダン・ディバール氏は同局に対し、「権力者によって生み出されたアメリカ社会の様式は、今や崩壊しつつある」と述べています。
また、「AP通信が行った最新の世論調査によれば、アメリカ人の成人の80%が失業しているか貧困状態にある。このような統計調査は、枚挙に暇がないほどである」としました。
さらに、「アメリカでは、食料配給計画やフードバンクが増加している。2006年から2011年までの期間に、子どもの飢餓と貧困が25%増加しているが、これは過去にないほどの割合である」と語っています。
ダン・ディバール氏はまた、「アメリカでは、人間貧困指数の全てが上昇していると共に、貧困層と富裕層の格差が拡大しているこのため、占拠運動のような国民運動が再度活発化することが予想される」と述べました。

親の所得格差が 子どもの学ぶ機会の格差を生む

2013-07-31 10:51:27 | ダイバーシティ
(以下、WEDGE Infinityから転載)
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親の所得格差が
子どもの学ぶ機会の格差を生む
今こそ街中に寺子屋を!
2013年07月31日(Wed)  八尋俊英 (日立コンサルティング取締役)

貧困率が先進国の中でアメリカに次いで2位になってしまった日本。子どもを、公立学校の教育を補完する塾に一億総中流の親が通わせた時代と異なり、通えない所得層は進学率が低く、貧困が貧困を生んでいるという。

 塾に行かなくとも公立の学校教育を何とかしようと、公立の中高一貫校、さらには小中高一貫校が検討されているようだ。教え方に工夫をするということであろうか。社会人経験者から教員の中途採用も増えている。

 小中高一貫校という新しい制度検討であれ、教師の中途採用であれ、学校・教師の採用という入れ物、仕組みの議論ばかりではないか。別に学校が楽しくなくとも、お稽古事やスポーツで認められれば自信がつく。声をかけてくれたり、ちょっとした出会いが子どもを変える。

 失職中、都内のボランティアで貧困家庭の教育を支える現場を見学したが、大変優秀そうな子どもが家庭の事情で才能を開花させられない実情を見て大変感じるところがあった。

 そのボランティアグループでは公共の施設を週1で借りて、近隣の事情のある子どもたちの宿題などを見る。主として社会人ボランティアが中学生の公立校受験を支援、小学生は大学生ボランティアが中心となって遊びもしながら勉強を教えている。子どもたちの姿は屈託がないが、個々の家庭は塾に通う余裕がないだけではなく、家庭内暴力や多様な事情があるようだ。

 ボランティアには毎週、自分さえよければとは思えない大学生や社会人が集い、反省会も行い、参加できなかった場合も活動の様子をグループメールで知り、仲間の活動に思いを馳せる。

 毎週1回の活動メールには、たとえばこのような活動記録が詳細に綴られる。

 「私は6年生のAちゃんを久しぶりに担当したのですが、様々な発見がありました。普段のAちゃんは女の先生が良い! と言ってきかない子だと思っていたのですが、そんなことなかったです。一緒にスリッパで遊んだことから打ち解けてくれました」

「ナナメの関係」で
子どもと接する

 あるパネルディスカッションで、引きこもりの高校生を見守るボランティア活動を行っている代表者とご一緒した。そのボランティアでは利害関係のある親・先生、同じ視点になりがちの友人とは違う「ナナメの関係」。つまり、少し年上の先輩が手をさし延ばすことで、多くの高校生との対話を進めていた。 

 私自身、小学校4年生で自由ノートという宿題を出すベテランの教師と出会い、学校生活が激変した。図書館に通っては新しいことを思いついて宿題を提出する毎日となった。はじめて勉強を楽しいと思った。終業式の放課後、担任の先生に残るように言われ、待っていると古い参考書をくれた。もっと勉強したかったら学費のかからない国立の中学校があると教えてくれた。 

 ケースは多様である。スポーツ、工芸デザイン、ダンス、数学、何か周りの社会人が教師に限らず、子どもに「もっとやりたかったらこれをしてみたら」と、資金的な援助スキームも含めて出すことができたら、この国を支える次の世代に未来を託すことができる。