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多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

一部の産業構造から俯瞰してみると現在の危機的な状況が明らかになってしまうノダ。

2018-11-30 00:12:42 | 多文化共生
さて、連日行くぞ(笑)
ガチンコだ。

世の中とは違った角度で眺めているので参考にするべし。

【図1】と【図2】は同じデータから作図していて、【図1】は単純な積上げ、【図2】は100%表示にしているだけのものだ。が、ここからわかることもある。



一般に、人口減少社会!キビシーぜ!みたいに思われるのは、【図1】の赤矢印のとおり、総人口が減少に転じたあたりから「おぉ!もしかしてダイジョブか?」みたいな報道のされかたをしているが、我々(ってダレ?)は、生産年齢人口がピークを迎えたあたり【図1】の黄矢印あたりから警鐘を鳴らしている。

で、ダ。

労働力人口は、昨日、見てもらったとおりなんだけど、1997年6月の68百万人超でいったんピークを迎えて減少に転じる。
そのあたりから一気に完全失業者が増加し、完全失業率が高くなっていく(黒の折れ線グラフね)。自殺対策の現場では常識化しているが、この時期に自殺者が年間2万人台から3万人台へと突入していく。ちなみにDV被害も急増しているノダ。なにがあったのか、世相を思い出してみよう!
2004年あたりから3百万人いた完全失業者がじょじょに減少傾向をたどるものの、2008年のリーマンショックを受けて、再び上昇に転じる。2014年あたりから沈静化し、2013年のアヘノホニャラカが功を奏したのかどうかは不明だが、完全失業率は、現在まで低下の一途をたどっている。
というのが一般的なトレンド。

ただ、【図2】を見てもらうと、わかると思うが、1960年代からすでに人口全体に占める労働力人口の割合は減少し始めているノダ。
それが何を意味するのかということは、置いておいても、そういうトレンドは今から60年も前から始まっているということなノダ。
うーむ、自治体も国家も右肩上がりの幻想に浸かり切って、ぬるま湯でふやけてノボセテ経営破たんの危機に陥っている原因がよくわかる。
マジでダイジョブか!?

で、これを踏まえて、日本の産業全体のトレンドを見てみよう。【図3】ダ。



ぬぅーーー、日本って、こんな国だっけ?
第3次産業主流の国家になってる。はい。もちろんわかってますとも。しかし、第1次産業、キビシーですね。食料自給率とか耕作放棄地とか農地中間管理機構とか、いろいろ言ってますが、ホントにダイジョブなんでしょうか?

ということで、いったん、農業に焦点を当てる。
農業の従事者数って、いろいろな捉え方があるわけだけど、ここでは農業センサスの基幹的農業従事者を見ていく。国勢調査での農業従事者とも大きくかい離はないので、兼業しながらも農業している人の数を補足するには、まぁまぁ適した項目だと思う。
基幹的農業従事者の説明は【図4】。


農業センサスから拝借しています。

あまり大昔まで遡ると悲しくなるばかりなので、ここ20年ほどの推移をみてみよう。平成2年からの基幹的農業従事者の水位が【図5】。
減ってるなーって感じで、黄矢印のようになだらかに減少していくのではないかと思われるが、自分の予測では【図6】くらいに急激に減少すると予想。



なんでかっていうと、もちろん根拠はあって、【図7】のとおりなわけだ。新規就農者は増えずに、そのまま高齢化が進んで行っている様子が手に取るようにわかる。
【図8】は平成2年と平成27年のトレンドを見たものだが、おおむねそのままスライドしていることが手に取るようにわかるだろう(15年スパンなので、年齢層は合致しないが、傾向はわかるだろう)。
こうした傾向から導き出したのが【図6】で、あと20年もすれば、基幹的農業従事者は1/3ほど、50万人を切ってしまうのではないかと危ぶまれる。
農業分野においてもIOT化は進んできているが、危機的状況に瀕していることは否めないだろう。



農業はあくまで一例にすぎず、次回はいよいよ外国人労働力の現状について、眺めてみたい。

っつーか、こういうことは、政府は当然、知ってるんだよね。当たり前だよね。政府統計だし、施策に生かすために「統計調査してます!」って、書いてあるし。マジで。無駄に統計調査してないよな。
施策の立案のために、外国人の多く住んでいる自治体や町内、企業など、なんとなく関係者にヒアリングしてみて、「こんなもんかなー」とかって思ってないよね。印象で語ってないよね。「対応方針案」とか出しているけど、みっちり統計データも見てるよね。
だって、関係者の人って、マクロ的な視点に立ってないでしょ?当たり前だけど。

政治家のことは知らんが、行政マンなら震えるほど仕事シロー!ってなことだ。

統計データを使えば予測可能なことも多々あるだろうにそれをしないのはどうしてなのかって話

2018-11-27 00:00:00 | 多文化共生
毎日のように外国人労働者の受入について報道されている。

外国人の受入にあたっては、労働環境は当然のことながら、住民として生活が保障される基本的な法制度を整えることが最低限、必要なことだと思っている。
そうしたことが整っていない現状で、都道府県別にみて、外国人に選ばれる地域、日本人にも見捨てられる(というと言い過ぎかもしれないが)地域がある。どんな傾向があるのか、まずは都道府県別に、ざっくり眺めてみよう。もしかしたら、土台がフェアじゃないって話もあるかもしれない。

こちらは住民基本台帳人口移動報告から作図したものである。



転入者、転出者に占める外国人の割合というのは、かなりを占めていることは、あまり指摘されていないが、かねてより知る人ぞ知るところである。ざっくり言って1億2千万人中の200万人程度が移動して「人口が増えたの減ったの」と言っているような状況なのである。少なくともこの10年ほどはそういう状況だと思う。
どこの自治体とはいわないけども、外国人の転入がそのまま人口増につながっているという具体的で明確な数字も確認している。

各都道府県別にざっくり見ても、2%に満たない外国人人口が、水色とオレンジで、同じ土俵でグラフ化できること自体、異常な感じがすると思わなければならない。
プラス側に出ているのが、転入超過、マイナス側に出ているのが転出超過である。
東北は総じて日本人が転出していっているが、外国人は転入超の状況にある。一概にはいえないが、外国人に選ばれる東北という印象を抱く。
外国人も日本人も増えているところもあれば、どちらも減少しているところもある。

そして、人口減少、労働力不足、実習生制度と3点セットで語られることも多いのだけど、この社会移動には実習生はほぼ含まれていないはずだ。
そういうことを念頭に置いて眺めてみると、なかなか想像力を掻き立てられる。さて、ざっくりいって、人口移動が生じるのは10代後半から20代前半くらいなものだ。大学進学とかね。
外国人も大学進学なのか?ホントか?うーむ、どうなんだ。
次に年齢別に見てみよう!



んで、このグラフ。小さくてきっと見えないなぁー。
どうしても見たいときは、個別に連絡をいただくか、自分で作図してちょ。公開データなので、誰でも見れますよ。

で、こちらの3つのグラフがあるが、
(1)「日本人が増加、外国人が減少グループ」
(2)「日本人が減少、外国人が増加グループ」
(3)「日本人が減少、外国人も減少グループ」
それぞれ2県ずつ年齢別にグラフ化している。

ざっくり見ると、やはり10代後半から20代後半までの人口移動が大半を占めている状況がわかる。

(1)は千葉県と福岡県だが、千葉県は20~24歳までの年齢層で日本人は非常に増えているが、外国人は転出していっている。25~29歳の年齢層になると、日本人も外国人も転出していっている。

(2)は北海道と群馬県で、15~29歳の年齢層で日本人は転出超過なのだが、外国人は転入超過の状態にある。

(3)は茨城県と広島県で、20~29歳の年齢層で、日本人も外国人も転出超過になっている。
どーなんダ!
市町村単位のデータもあるはずなので、各自治体においては、どうして転出するのか、なぜ転入しようと思ったか、といったことをつぶさに点検した方がいいだろう。手元にデータがあるのだから、それをしないのは自治体の怠慢と指摘されても仕方がないダロー。

基本的な法整備を整えるのは国の責務として当然のことだが、魅力ある地域を作っていくのは自治体であり、地域住民なのだ。
オレっちの地域は日本人にも外国人にも嫌われているらしいとか、外国人には好かれているが日本人には嫌われているようだとか、明白にわかるわけだから、それを施策や地域のネットワーク力に生かしていかない手はないだろう。

そして、これはたまたま外国人と日本人を対比しただけのものであって、障害者だったり高齢者だったり、子育て世代だったり、いろいろチェックできる手立てはあるはずだ。現に子育てに配慮されているということから引っ越ししたという話も聞いたりするダロー。

こういう分析がなされていないということは、なにも、やる気のない役人が多過ぎるという問題ではなくて、社会全般的に自らを楽しめる人間が圧倒的に少なくなってきていることに原因があるようにも思う。
タイトルだけ見て鵜呑みにして怒りまくったり、愚痴を言ったり、正確に読み込んでいこうという基本的な姿勢が失われてしまっている。
(こういうグラフを頼まれもしないのに作ってみたり、仮説を検証していく楽しさを知らない人が多過ぎるってことなんだわ。文句ばかり垂れ流しても何の益もない。)

最後の部分については、また機会を改めて。

いよいよ審議入りなのだが。本気度感じられるか?

2018-11-14 12:32:19 | 多文化共生
全国各都道府県に、産業支援機関というか、中小企業支援センターというか、よろず支援拠点というか、産学官連携支援機関というか、事業引継ぎセンターというか、そうした機能を持っている法人(すべて公益財団法人)がある。
公益財団法人なので、ほとんどが県出資法人で、国費や県費でジャブジャブに浸かっているはずである。たぶん。
ジャブジャブだし、基金は持っていても、果てしなく低金利なので、運用益を活用した自主事業(自己財源)はあまりないと思われる。

ところで、いよいよ国会審議入りの外国人労働者の受け入れ拡大である。
移民かどうかはさておき、ここ数日のメディアの報道を見ていると、「移民」というのは、自然人として生まれてから死ぬまで(場合によっては死んだ後も)日本の法制度の中に組み込まれた存在というニュアンスで捉えられているようだ。「組み込まれる」という言葉に抵抗があるなら、「日本人と同様に制度の適用を受ける」存在ということになる。
生活者として日本人と同様に生活(そして経済活動も)しているにも関わらず、制度的な補完がないから、いろいろな問題やらトラブルが発生するわけで、曲がりなりにも5年や10年、場合によっては永住する権利(もしくは資格)が付与されている以上、制度的な担保がなされてしかるべきだろうと思う。
そうは言っても、滞在年数で線引きするのも難しく、さりとて細かく規定していくと、「こちらは長期滞在から永住コースですね」という在留資格が明々白々になってしまい、「それでは移民の受入ですね、社会保障制度も対応させないといけませんね」みたいなことになって、いまだに日本国は単一民族だと妄信している中高年のオヤジに多いヤカラが鼻息を荒くすることになる。ガオー!みたいな。
日本人が日本で発生して、純粋培養された混じりっけなしの民族だと信じるに足る科学的根拠はどこにもないが。と思う。どうなんよ。

論点は日本人か外国人かということではなくて、単純労働者に日本人と同じ権利を与えていいのか?みたいなところにあるんだろう。下卑てるが。
なにしろ現に、日本版グリーンカードは世界最速レベルで永住権を取得できるともっぱら評判でもあり(最短1年で永住権取得ですから)、そうした高度人材には日本にどんどん永住してもらおうということになっている。
最短1年で永住権が取得できる外国人がいるその一方で、アーでもないコーでもないと、グズグズグズグズやっているのが今話題の外国人単純労働者だ。
気の毒で仕方がない。

法制度がどんなふうに転がっていくのかわからないのだけど、日本に住む在住外国人が急増してやがて30年にもなろうというのだから、「慎重な審議を」とか「拙速な法改正」という意見は、それこそ職務怠慢でしかない。
だって、30年も放置してたんダロ、お前。マジメにやってんのか?
30年間、生まれた子どもを育児放棄してきたって、そりゃネグレクトの範疇を逸脱しているよ。

少なくとも冒頭に書いた産業支援機関が各都道府県にあるわけだから、外国人材の雇用調整まではできなくとも、ニーズのとりまとめや日本語教育や生活支援、場合によっては労基とともに就労環境の調査だってできるんじゃないかと思う。本気になれば。
と、こう書くと、「農林水産業のことはわからんわ」みたいな声も聞こえてきそうだけど、農商工連携とか農福連携とか言ってるダロ、お前。
本気出せ。

都民シンポジウム「防災×外国人」のご案内

2018-10-02 11:31:20 | 多文化共生


東京都で、都民シンポジウム「防災×外国人」が開催されます。

以下は、東京都の報道発表資料からの引用です。

-----ここから-----
東京は、その人口と同じ約1,300万人が毎年海外から訪れ、約54万人の外国の人々が暮らす、世界を代表するグローバル都市です。
災害から身を守るために、災害にどう備え、どう対応するのかは、国籍を問わず東京で暮らす全てのみなさんに、ぜひ日頃から考えていただきたいことです。
このシンポジウムでは、外国人の都民の方々が、自らを守り、助け合うために何が必要か、また、日本人の都民の皆さんが、異なる文化を持つ方々とともに、災害を乗り切るために何が必要かを、知事が専門家と議論します。日本人も外国人も、互いに思いやり、ともに支えあう東京の防災を一緒に考えてみませんか?

1 シンポジウムの内容

パネルディスカッション

3名のパネリストと小池都知事が、防災について熱く語ります!
出演者(敬称略)

高橋伸行(特定非営利活動法人多文化共生マネージャー全国協議会理事)
森浩生(森ビル株式会社取締副社長執行役員)
にしゃんた(タレント)

防災に役立つ展示コーナー

災害に備えるためのグッズや、東京都の防災の取組、東日本大震災に伴う東京都の支援の様子など、様々な展示を予定しています。

2 開催日時と場所

平成30年11月13日(火曜日)14時00分から15時30分まで
東京都庁第一本庁舎5階大会議場(所在地:東京都新宿区西新宿二丁目8番1号)

3 応募期間と方法

平成30年9月21日(金曜日)から平成30年10月23日(火曜日)まで
ファクス、ハガキ、ホームページにより、以下の事務局までご応募ください。

4 応募先・問い合わせ先

防災に関する都民シンポジウム運営事務局
住所
〒220-6218
横浜市西区みなとみらい2-3-5クイーンズタワーC18階(株)オフサイド内
電話
045-661-1415
ファクス
045-661-0604
専用ホームページ(外部サイトへリンク)

5 定員

400名(応募多数の場合は抽選) 参加費無料

6 言語

シンポジウムは日本語で行いますが、日英同時通訳を用意します。

7 注意事項
小学生以下は、保護者同伴でお願いします。
なお、生後6か月から小学校就学までのお子様は託児サービスをご利用いただけます。(要事前申し込み)
シンポジウム会場での写真撮影、ビデオ撮影は禁止します。

8 その他

詳細は、チラシ(PDF:979KB)をご覧ください。

問い合わせ先
総務局総務部企画計理課
電話 03-5388-2290

-----ここまで-----

応募多数の場合は抽選とのことですので、ご参加希望の方はお早めに!

北海道胆振東部地震の発生状況について

2018-09-14 21:52:46 | 多文化共生
北海道胆振東部地震の日別震度別の発生回数と、避難者数の推移について、発災から1週間分をまとめたものです。



地震の予知は誰にもできないので、地震の終息宣言は誰にもできないことですが、傾向や可能性として、収束傾向にあり、終息に向かっているということを可視化したグラフのつもりです。

棒グラフが震度別の地震の回数で、日本気象協会のデータをグラフ化したもの、赤の折れ線グラフは避難所への避難者数で、北海道庁の公表資料をグラフ化したものです。

地震の発生回数については、左の軸に数値があるとおり、例えば9月6日であれば、80回を超える地震が発生したことがわかりますが、視認性の関係上、避難者数の数値は表示していません。ピーク時が9月7日の22時現在で、13,111人、そして最も少ない値は9月12日の12時現在で、1,590人となっています。

過去の地震では、3日目に余震の回数が発災当日を上回ったりすることもありましたが、今回は、余震の数は、確実に漸減していっています。このまま沈静化してほしいなと思います。

避難者数を見ると、過去の経験では、おおむね発災当日か翌日がピーク(大きな余震があればピークの2つの山ができることもある)になるわけだけど、今回は大きな余震もないものの、3日目がピークになっている。
これは今回の地震災害の特殊性で、全道が停電に陥ったことから、避難者数の捕捉(集計)ができなかったためだろうと思われる。
さらに、報道等でも報じられているとおり、交通機関の寸断により、多くの観光客が足止めに遭い、数百人単位で観光客のための避難所が開設されたことがわかっている。
おそらく、7日に航空便や、北海道新幹線が再開されたことに伴い、8日のピーク時から一気に避難者が減少しているのはそのためだろうと推察される。
いくつかの災害の現場に訪れていると、ひとつとして同じ災害(被災状況)がないわけで、例えば、今回のような全道停電のような状況は、特殊事情として考慮すべきことではあるものの、どの災害にも共通することではない。

臨機応変に対応できるよう考えておくこと。
これは案外、簡単そうで、難しいことなのかもしれないのだ。

yahoo記事【北海道地震】日本語がわからない外国人等とのコミュニケーションに使える無料多言語支援ツール集

2018-09-14 03:01:29 | 多文化共生
田中宝紀 | NPO法人青少年自立援助センター定住外国人支援事業部責任者
9/6(木) 13:05

訪日外国人観光客や日本語がわからない生活者への配慮を


として、いろいろなサイトなど、掲載してあります。

* 気象庁 緊急地震速報・津波警報の多言語辞書

https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tagengo/tagengo.html

* 避難所などで活用できる多言語表示シートやピクトグラム

http://dis.clair.or.jp/

などです。

ご参考まで。

北海道胆振地方地震に対する多言語情報支援について

2018-09-06 16:46:55 | 多文化共生
NPO法人多文化共生マネージャー全国協議会では、2018年9月6日に発生した北海道胆振地方地震における外国語での情報提供について、一覧形式でHPにまとめて掲載しています。
これに加えて有用な情報等がありましたら、ぜひ、ご連絡ください。

NPOタブマネHP
https://www.npotabumane.com/平成30年北海道胆振地方地震について/

日系外国人の子へ母国語教室

2015-07-16 09:02:20 | 多文化共生
(以下、中日新聞から転載)
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日系外国人の子へ母国語教室
◆ブリッジハートセンター東海

「日系外国人の親子のコミュニケーション不足を解消したい」と語る山城さん=浜松市中区で
写真
 親は日本語、子どもは母国語がよく分からない。日本での滞在期間が長い日系ブラジル人やペルー人の家庭で生じやすいのが、言葉の壁による親子のコミュニケーション不足。こうした問題を解消する手助けをしようと、「多文化共生」をテーマに活動する「ブリッジハートセンター東海」(浜松市中区)が子どもたちを対象にしたポルトガル語とスペイン語の「母国語教室」を開いている。母国の文化を含めて学べるように授業内容も工夫を凝らし、成果を上げつつある。

 時には現地の絵本を読んたり、カードゲームを採り入れたり-。浜松市中区の東部協働センターと湖西市の市民活動センターで、それぞれ週一回と週二回開いている母国語教室は単純な座学にとどまらず、子どもたちが自主的に学べるアイデアを盛り込んでいる。

 生徒は小学校二年生から高校三年生まで二十数人。その多くが一九九〇年の出入国管理法改正を機に、日本の大手製造業に出稼ぎにきた日系ブラジル人やペルー人の子弟だ。二〇〇八年のリーマン・ショック以降は減少したとはいえ、浜松市周辺には二万人近くの外国人が在住する。

 教室は一三年度に県の補助を受けてスタートし、一四年度から自主事業として継続。専門家のアドバイスを得て独自の学習マニュアルを作成し、それに基づいて難易度別にレベル一~五の教材も手作りした。

 日常のあいさつや文法の基礎から始まり、最後は作文を書けるようになることが目標。生徒の習熟度の差は大きく、三カ月に一度は三者面談を開いて保護者に進捗(しんちょく)状況を報告したり、意見を採り入れたりと、きめ細かくフォローしている。

   ◇   ◇

 代表の山城ロベルトさん(31)は日系三世のペルー人。自らも親の仕事の関係で十五歳で来日し、言葉の苦労を乗り越え大学を優秀な成績で卒業した。センター設立は一一年。もともと外国人医療のボランティア活動に携わっており、応急措置法の普及が目的だったが「多文化共生」をテーマに活動範囲を広げていった。

 中でも危機感を持ったのが、母国語教育の機会がないことよる日系外国人の“親子の溝”。「通訳やインターネットの翻訳機能を介して会話をしている親子もあり、家庭崩壊につながりかねない。親戚や友人関係にも支障
が生じる」

 教室は三年目に入ったが、努力のかいあって途中でやめた生徒はいない。「子どもが母国語でメールを打つようになった」「親戚と母国語で会話をすることが増えた」。うれしい知らせも保護者から聞くようになった。

 営利目的でないため無理に生徒数を増やすつもりはなく、最大三十人ほどを安定して受け入れる考え。「母国語を学ぶことで将来の職業選択の幅も広がる」と山城さん。将来、日本と母国との懸け橋となる人材が育つことを願っている。

(瀬戸勝之)

記事更新の停滞について

2015-07-13 20:55:44 | 多文化共生
最近、忙しさにかまけて、ニュースチェックを怠っているのは紛れもない事実ですが、これだけ長く「多文化共生」を視点に報道の閲覧を続けてきていると、読むに堪えない記事が増えてきていることも事実であり、単なるスクラップブログではあるものの、その更新頻度が低くなるのも仕方ないことかなと思ったりする。

多文化共生考える機会に 6月28日に講演会 伊賀市で

2015-06-25 16:02:28 | 多文化共生
(以下、伊賀タウン情報ユーから転載)
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多文化共生考える機会に 6月28日に講演会 伊賀市で

編集部 (2015年6月 9日 12:17)
150609.jpg 多文化共生理解講演会「共に学び、共に楽しむ、共笑な毎日をめざして」が6月28日午後1時30分から、伊賀市上野丸之内のハイトピア伊賀でを開かれる。入場無料。

 市の多文化共生推進事業の一環。多文化共生社会の実現に向けた取り組みを紹介を通じて市民に身近に感じてもらうことが目的。

 第1部の講演会は、午後1時30分からスリランカ出身で羽衣国際大学(大阪府堺市)教授の「にしゃんた」さんが、地域社会での多文化共生を進める上で大切なことについて話しをする。

 第2部は、午後3時からボランティア団体「伊賀日本語の会」テクニカルアドバイザーの船見和秀さんがコーディネーターとなり、市職員や自治協議会の代表者、外国人住民ら5人と「多文化共生のまちづくり」についてパネルディスカッションを行う。

 定員200人。当日は、ポルトガル語、スペイン語の同時通訳もある。

 問い合わせは伊賀市人権生活環境部市民生活課(0595・22・9702)へ。