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第18節 水戸戦

2010-07-26 00:52:58 | ファジアーノ岡山
 W杯中断明けのこの試合.直前のTMで地域リーグのチームに完敗するという非常に不安な中での再開となった.
 中断前から導入し始めた2トップを東明と三木という2人で構成した.SHは妹尾に川原.ボランチは福本復帰後もレギュラーを死守した田所とキム.SBには左に野田,そして右にはここ最近不調だった澤口に代わりJ初出場の山中が入った.CBとGKはいつも通り.

 試合の見所の中心は2トップで攻撃がどう変わるかだ.中断前の試合ではシュート数も増え,ほんの僅かに光が見えていたこの布陣だったが開始直後のチャンスを逃してすぐに失点するという醜態を晒し,希望を持つことさえできなくなっていた.
 そしてこの日.前節と同じく僅かながら光が見えた.それはサイドの深い位置からクロスを上げられるようになったことが示している.トップの1人がサイドに流れてクロスを上げたり,SHやSBがサイドの深い位置まで侵入したり.ここまでボールを持ち込めばゴール前で勝負がしやすくなり,自然とシュート機会も増えていった.
 するとセットプレーの機会,特にCKの機会も増え始め,4月以来のとても懐かしいゴール場面を見ることができた.

 なぜこのように相手陣内深くまでボールを持ち込めるようになったか?やはり2トップへの布陣変更が大きな原因だろう.中央に2枚いるのでどちらかのサイドは空きやすくなり,またボランチも下がりやすい.そのためにセカンドボールを拾える可能性が増し,そしてボールを持てる時間が増し,そしてサイドが上がれるように・・・,なんてのが机上の空論.実際まだよく分かっていない.


 久しぶりの得点.しかしその直後,常にてんぱった顔をしていた審判が不思議な笛を吹き岡山から得点を奪った.J2レベルだと審判は得点ランクの上位に顔を出すだろう.もしこれがW杯だったとして,彼はあのシーンで笛を吹けるのだろうか?主観の入った笛を吹くような審判は退場願いたいものだ.

 ここまで5連敗,7試合連続無得点というチームにこの笛は痛かった.チームは自信を失い,全体的にバタつく場面が目立つようになった.ただこの日は崩れなかった.2トップにしてMFより後ろで2ライン作るという形で役割がはっきりしたのも大きいのかもしれない.サイドに余計なスペースも出来なくなったし.
 いつ失点をしてもおかしくない状態で前半を乗り切ったのは大きかった.後半再度気持ちを入れなおしたチームはもう一度流れを掴む.そして三木がゴール.そして勝利….


 長かったトンネルを抜けて思うのは,結局ファジアーノはファジアーノらしくなるしかなかったということ.
 地域リーグの頃から堅守速攻が持ち味で,2トップへのロングボールが主体のチームだった.そうやって下から勝ち上がってきたのがこのチームだった.この日のチームは結局元に戻っていた.

 そんな事実を見せられると,このチームにちょっと洒落た戦術なんてまだ早すぎたように思う.一気に飛び越えようなんて甘かったのだ.何にしろ地道に積み上げるしか無いのだ.もちろん今年のここまでが無駄だったとは思わない.この日も水戸の監督が言うほどロングボールに依存していたわけではなかった.過去のチームに今年のチームのエッセンスが加わったような状態だった.


 だからこそ大事なのは次の試合.そういう時は大体悪い結果が待っていたのだが.それでは勝手に採点.


MOM
キム(7.0)岡山初得点に加え中盤を攻守で引き締めた

三木(7.0)復帰後即得点するのを見るとちょっと期待してしまう
東明(6.0)三木が得点した後はわがままになった
川原(6.5)前を向く意識が高かったのが良かった
妹尾(5.0)何も出来ず.手術失敗か?
田所(6.0)福西に似てきたような・・・
野田(6.5)運動量や攻撃はかなり合格
山中(6.0)祝初出場.思った以上にスピードがあった.左足は課題
後藤(6.5)安定して目立たなかった
近藤(6.0)熟練のような雰囲気を漂わせる
真子(6.0)かなり危ない状況も守りきった

小林(6.0)運動量もあり攻撃でもアクセントになれた
喜山(5.0)トラップと次の動作が課題のまま
白谷(6.0)祝初出場.気が強そうで面白そう

影山(6.0)
 これまでこだわってきたシステムを捨て現実的な采配に変わったのは,どこかの代表チーム監督を見ているようだ.結局は自分のスタイルを浸透させる能力が監督・選手共に無かったのだろうが,見極めが遅すぎるように思う.中断が無ければ大変なことになっていただろう.