この日は試合の結果も大事だったが,同じくらい気になっていたのは観客数だった.この日は久々に天気に恵まれ,しかも勝てば昇格圏内決定.メディアも連日報道した.岡山のファジアーノに対する期待がこの日の観客数に出てくるはずだ.
ちなみに前回の桃スタは天候に恵まれなかったとは言え終盤戦で4000人程度しか集まらず.この日も同じような結果になるかも,と不安がよぎった.
いつもは試合直前に行くのだが,この日はビッグフラッグを見るために普段より1時間早く前に岡山に到着.にもかかわらずスタジアムへ向かう道に今までに無く人が多い.時間を考えるとその人たちが桃スタへ向かっているとは信じられず.「岡大の学祭かな?」などと他の理由を考えていた.
桃太郎アリーナ前.スタジアムからの応援練習はヘッドフォンをしていても聞こえてきた.スタジアムではチケット売り場でなく入場者の多さのために入場ゲートで行列になっていた.まだ理解できていなかった.
スタジアムに入る.そこでようやく理解することが出来た.間違いなく過去最高の入り.メインスタンドは最上段まで両側とも埋まる.立ち見もいる.ゴール裏に座る人なんて初めて見る.11053人.メインとバック両スタンドの席数が15600,緩衝帯アリということを考えると本当に満員だ.
岡山にこんな環境ができたこと,こんな環境を選手に準備できたことに対する感動は,過去の選手の横断幕や希望の轍に載せた映像でよりいっそう強くなった.
そしてビッグフラッグに加え,山陽新聞のえんじ色の紙面が掲げられる.
「岡山にJリーグがやってきた」
一瞬勘違いしそうになるほどの素晴らしい雰囲気だった.
サポータは,岡山の街は力を見せた.残るはチームだけだった.
スタジアムの雰囲気は選手を間違いなく後押しした.いつも悪かった試合の入りは見違えるほど良かった.選手の気合はスタンドまで伝わってきた.少し動きの悪い栃木にチャンスを与えず,攻撃では前で鴨川がしっかりボールを収め,喜山と絡み,そして両サイドに関と川原,それを玉林が追い越した.3バック相手でやりやすかったのかもしれない.
そんな中1つだけ気になったのは小野の動きの悪さ.大舞台に弱いタイプなのか?緊張がほぐれた頃からようやく動きが良くなったように見えた.
前半20分.試合が動く.川原のシュートのこぼれ球に関が詰め,相手のファールでPK.良い内容のところに良い時間でのPK.最高の展開.観客でも冷静でいられなくなる状況.キッカーは喜山.こういう厳しい場面でも決めてきた選手だ.
・・・しかし結果は誰もが知るとおり.多分小針が手ごわいGKということが頭にあったからあのようなキックだったと思う.彼にとっては一生忘れない,忘れてはいけない大事なPKになると思う.
それでも試合は支配し続け得点は遠くないように感じた.そのくらい出来が良かった.けれど前半30分鴨川が退場する.自らのカード,審判の性格.それを感じながらプレーしなければならない試合だった.判定に同情の余地もあるが不用意だったことには違いは無い.
彼には早くJ1でも名古屋でもないJFLの岡山で結果を残せていない1選手という雰囲気を出して欲しい.そうしないと来季どのカテゴリでも結果は残せないと思う.
残り60分を10人で戦うことになったファジアーノ.しかしそこからのプレーは更に気持ちの入った素晴らしいものだった.退場直後こそ相手に自由にボール廻しをされたが,しっかりと守備を固めることで「相手にボールを廻させる」ようになった.そして縦へ来る瞬間を狙いプレッシャーを強め,そこからのカウンターで得点を狙った.
ただ前の人が足りず攻撃が遅れる.スピードのある武田がいれば,と思わせる場面が何度もあった.こういう状況だからこそ朝比奈の運動量に期待した.戦略は間違っていなかったように思う.
1つあるとすれば,ドリブル突破で時間をかけてしまう妹尾よりは,左SBに野本を入れてセットプレーの高さ勝負にしても良かったのではないか,ということか.
0-0.結局後期はホームで1勝止まり.素晴らしい舞台でチームだけが最高の結果を残せなかった.しかしとても良い内容の試合だった.引き分けの試合でこれだけ拍手をしたのは初めてだ.初めて来たと思われる観客も満足そうだった.
しかしこの時期は「惜しい」なんて要らない.この日同時に開催されていた地域リーグ決勝大会を戦うチームが,その「惜しい」結果で何年も苦しんでいるのはよく知っているはずだ.
まだ何も成し遂げていない.まだ何も手に入れていない.昨年の今頃,B神戸にPK負けした後に非常によく似た状況だ.次の試合の結果も昨年と同じにしなければ.
ちなみにこの日富山が昇格圏内を決めた.対戦相手を見ると富山が意外と…,と少し期待していたがそんな都合の良い希望は当然のように外れた.そして予想通り一番嫌だなと感じていた鳥取との一騎打ちになった.
いつかJリーグで2008年11月30日のことが因縁として,両チームの対戦を盛り上げることになるんだろう.
ちなみに前回の桃スタは天候に恵まれなかったとは言え終盤戦で4000人程度しか集まらず.この日も同じような結果になるかも,と不安がよぎった.
いつもは試合直前に行くのだが,この日はビッグフラッグを見るために普段より1時間早く前に岡山に到着.にもかかわらずスタジアムへ向かう道に今までに無く人が多い.時間を考えるとその人たちが桃スタへ向かっているとは信じられず.「岡大の学祭かな?」などと他の理由を考えていた.
桃太郎アリーナ前.スタジアムからの応援練習はヘッドフォンをしていても聞こえてきた.スタジアムではチケット売り場でなく入場者の多さのために入場ゲートで行列になっていた.まだ理解できていなかった.
スタジアムに入る.そこでようやく理解することが出来た.間違いなく過去最高の入り.メインスタンドは最上段まで両側とも埋まる.立ち見もいる.ゴール裏に座る人なんて初めて見る.11053人.メインとバック両スタンドの席数が15600,緩衝帯アリということを考えると本当に満員だ.
岡山にこんな環境ができたこと,こんな環境を選手に準備できたことに対する感動は,過去の選手の横断幕や希望の轍に載せた映像でよりいっそう強くなった.
そしてビッグフラッグに加え,山陽新聞のえんじ色の紙面が掲げられる.
「岡山にJリーグがやってきた」
一瞬勘違いしそうになるほどの素晴らしい雰囲気だった.
サポータは,岡山の街は力を見せた.残るはチームだけだった.
スタジアムの雰囲気は選手を間違いなく後押しした.いつも悪かった試合の入りは見違えるほど良かった.選手の気合はスタンドまで伝わってきた.少し動きの悪い栃木にチャンスを与えず,攻撃では前で鴨川がしっかりボールを収め,喜山と絡み,そして両サイドに関と川原,それを玉林が追い越した.3バック相手でやりやすかったのかもしれない.
そんな中1つだけ気になったのは小野の動きの悪さ.大舞台に弱いタイプなのか?緊張がほぐれた頃からようやく動きが良くなったように見えた.
前半20分.試合が動く.川原のシュートのこぼれ球に関が詰め,相手のファールでPK.良い内容のところに良い時間でのPK.最高の展開.観客でも冷静でいられなくなる状況.キッカーは喜山.こういう厳しい場面でも決めてきた選手だ.
・・・しかし結果は誰もが知るとおり.多分小針が手ごわいGKということが頭にあったからあのようなキックだったと思う.彼にとっては一生忘れない,忘れてはいけない大事なPKになると思う.
それでも試合は支配し続け得点は遠くないように感じた.そのくらい出来が良かった.けれど前半30分鴨川が退場する.自らのカード,審判の性格.それを感じながらプレーしなければならない試合だった.判定に同情の余地もあるが不用意だったことには違いは無い.
彼には早くJ1でも名古屋でもないJFLの岡山で結果を残せていない1選手という雰囲気を出して欲しい.そうしないと来季どのカテゴリでも結果は残せないと思う.
残り60分を10人で戦うことになったファジアーノ.しかしそこからのプレーは更に気持ちの入った素晴らしいものだった.退場直後こそ相手に自由にボール廻しをされたが,しっかりと守備を固めることで「相手にボールを廻させる」ようになった.そして縦へ来る瞬間を狙いプレッシャーを強め,そこからのカウンターで得点を狙った.
ただ前の人が足りず攻撃が遅れる.スピードのある武田がいれば,と思わせる場面が何度もあった.こういう状況だからこそ朝比奈の運動量に期待した.戦略は間違っていなかったように思う.
1つあるとすれば,ドリブル突破で時間をかけてしまう妹尾よりは,左SBに野本を入れてセットプレーの高さ勝負にしても良かったのではないか,ということか.
0-0.結局後期はホームで1勝止まり.素晴らしい舞台でチームだけが最高の結果を残せなかった.しかしとても良い内容の試合だった.引き分けの試合でこれだけ拍手をしたのは初めてだ.初めて来たと思われる観客も満足そうだった.
しかしこの時期は「惜しい」なんて要らない.この日同時に開催されていた地域リーグ決勝大会を戦うチームが,その「惜しい」結果で何年も苦しんでいるのはよく知っているはずだ.
まだ何も成し遂げていない.まだ何も手に入れていない.昨年の今頃,B神戸にPK負けした後に非常によく似た状況だ.次の試合の結果も昨年と同じにしなければ.
ちなみにこの日富山が昇格圏内を決めた.対戦相手を見ると富山が意外と…,と少し期待していたがそんな都合の良い希望は当然のように外れた.そして予想通り一番嫌だなと感じていた鳥取との一騎打ちになった.
いつかJリーグで2008年11月30日のことが因縁として,両チームの対戦を盛り上げることになるんだろう.