森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

毎日どんより

2021-11-11 | 日記


 このところ毎日、降ったり止んだり、ときには晴れ間がでたりもしますが、
 ハッキリしないお天気が続いています。
 そんななか函館に出ることがあったので、早い時間を使って海岸線を東方向に
 走りました。
 というのも、銭亀沢地域の砂浜で流れ着く石やシーグラスを拾うのが目的です。
 
 志海苔を過ぎて汐泊川に近づくと、やたらと石の名のつく地名が現れます。
 黒岩、石倉、石崎、白石、と延々と続きます。
 経験から、石のつく地には昔からきれいな良い石があることを知っています。
 この地区は、アイヌ時代から良い石が集積されていた地域に違いないのです。



 この海岸線を10kmほど走ったのですが、残念ながら砂浜らしい砂浜を見つけ
 ることはできませんでした。
 各海岸はすでにかなり浸蝕されていて、延々と波消しブロックが設置されてい
 ました。
 そして、海岸に降りる場所も見つからず、たとえ降りても危険な状態です。

 日本の砂浜は気候の温暖化とダム建設の影響で、今世紀末までに9割の砂浜で
 面積が半分になり、6割が完全に消滅する(国立環境研究所)ことを聞いてい
 たので、まさにそれを垣間見るようでした。
 土地の人に「こんな時に 海岸をウロついて物を拾ってる場合か!」と叱られ
 そうな気分になりました。

 じつは32年前、この海岸の沖合2kmほどの海底に直径2kmのカルデラが発見
 されました。銭亀火山です。
 この火山が最後に噴火したのは5万年前とのことですから、まだこの辺りには
 人はいなかったのでしょう。
 しかし、石はその時のものが流れ着いたと考えられます。

 また、昔から函館周辺の人々は「どうして湯川温泉は 近くに山もないのに温水
 がでるのだろう?」と不思議に思っていました。
 しかし若い銭亀火山の地下マグマは、現在も活発に動いていることから、これが
 湯川温泉及び周辺の温泉の熱源になっていることが判明したそうです。

 長く生きていると、さまざまな新しいことがわかって楽しめます。
 
 今回はダメでしたが、諦めずに次回はゆっくり時間をかけて、海岸に降りられる
 スポットを探すつもりです。
 海岸に向かって2基の風力発電が設置されていました。
 みんな、たくましく新しい方向に動き出しているようです。