森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

八重桜

2020-05-16 | 日記


 昨日までは暖かい晴れの日が続いて、森町の国道の八重桜が満開になっていました。
 雲海のようにふあ~と咲くソメイヨシノもいいですが、もこもこっと固まって咲く
 八重の桜たちも北海道にはよく似合います。
 ちょうどエゾヤマザクラやこぶしが終わって淋しくなった時に、出番を待ってまし
 たとばかりに咲いてくれるのは嬉しいです。

 内陸から延々と走り続けてきたドライバーたちが、この八重桜街道へ差し掛かって
 桜花を見ると、一瞬旅の疲れを忘れ「いよいよ目的地函館も近い 事故がなくてよ
 かったなあ」と安堵して「よし! もう一息気を引き締めるて走ろう」と思うので
 しょう。

 実は森町は桜の街です。
 ここには昭和初期に国策で全国的に植えられたソメイヨシノだけではなく、カンザ
 ン、ベニシダレ、フゲンゾウ、オオシマ、など多種類が植えられています。
 各種類ごとに開花時期が少しずつ違うので、つぎつぎと咲き繋いでいき、一か月も
 長く桜を楽しむことができます。
 ここまでになるには、街人のさまざまなご苦労があったと聞きます。



 相変わらず野の花たちが元気です。
 人が花から元気をもらったり癒されたりするのは、太古から続くごく自然なことで
 す。特に日本は自然に恵まれているせいか、男が花をめでる習慣が根強くありまし
 た。
 芭蕉さんはじめ多くの俳人歌人たちが花を詠いましたし、菊を作ったり盆栽を咲か
 せたりしたのも男です。
 しかし宮沢賢治さんの後ぐらいから、男と花は無縁のものになりました。つまり
 花好きの男は、気持ちの悪いやつといわれ「非国民」のそしりをうけるようになり
 ました。そして残念ながら今に繋がっています。

 江戸時代までは武骨な武士たちも、花鳥風月に親しむ教養が必須だったのですから、
 もう一度この部分の精神文化を、江戸回帰してほしいものです。



 今日は昨日とは一転、霧と小雨の寒い日となりました。
 沖縄が梅雨に入ったそうですから、本州もじきに梅雨に季節になるでしょう。
 去年のような梅雨の大雨がなければいいのですが、もしコロナと複合災害になった
 らたいへんです。
 そんなことになりませんように、願うばかりです。