スイレン
2016-07-20 | 日記
真っ白なスイレンが見られるのも、夏の楽しみのひとつです。
ところがこのスイレン、意外と人気がないのです。同じ水辺の白い花では、春先の水芭蕉
があります。こちらの方には大勢の中高年が訪れるのですが、夏のスイレンには、ほとんど
来ません。
一方、日本人の好きな印象派絵画というと、これまた意外にゴッホやピカソやではなく、
モネのスイレンなのだそうです。先日のテレビでやっていました。
古代エジプトでは、神聖なる花と崇められていて、神殿の石柱などによく彫り込まれてい
ます。ギリシャ神話では清純なる水の妖精です。仏教でも清浄の象徴として絶えず現れます。
こんなふうに洋の東西を問わず、ハスやスイレンにはその花言葉のように「信仰」「清純」
の香りが漂っています。このあたりが「絵はいいけど実物の花は どうも ちょと」となる
のでしょうね。
スイレンは「睡蓮」、睡眠するのです。
日が落ちると花びらを閉じて眠ります。日が出ると起きて開きます。
一つの蕾はこれを三回だけ繰り返します。つまり三日間咲いたらそれで終わり、その後は
もう咲きません。
どうして三回なのだろう? 二回や四回ではいけないのだろうか? そして誰とかわした
約束なのだろう?
ただ、一つの花は三回で終わっても、次々と蕾が出てくるから、一夏中咲いていることに
は違いはないのです。
人が愛でることもなく、ひっそりと咲くスイレン、昼はめいっぱい体を広げて太陽の光を
浴び、夜は暗闇の湖面で静かに眠り、明け方に「いっかいめ にかいめ さんかいめ」と数
えるのでしょう。その声を聞いた妖精や生きものたちが「やっぱり夏は賑やかでいいね」と
喜んでいるようです。
動(yurugi)