昔に出会う旅

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ドイツ・スイス旅行 20 ベルニナ・エクスプレス車窓の風景-1

2014年03月30日 | 海外旅行
南ドイツ・スイス旅行5日目(2013/6/22)、宿泊地スイス・ダボスからサンモリッツ駅へ到着、ベルニナ・エクスプレスで、国境を越えイタリア・ティラーノまでの鉄道の旅の始まりです。



前回も掲載しましたが、スイス政府観光局サイトの地図を拝借し、旅の行き先を付け加えたものです。

図の左下にあるスイス全土の地図の赤い枠に囲まれた東部エリアを拡大したのが全体地図です。

旅行4日目に訪れたスイス最初のスポット、ハイジの村「マイエンフェルト」からダボスで宿泊。

旅行5日目は、ダボスからフリエラ峠を越え、スーシュ~サンモリッツ駅までバスで行き、ベルニナ線でイタリア・ティラーノまで鉄道の旅です。

ティラーノからの帰りは、バスで、ベルニナアルプスを望むディアポレッツァの展望台へ立ち寄り、ダボスで連泊しました。



Excelのオブジェクトでベルニナ線の地図を作ってみました。

赤い線が鉄道、青い線が幹線道路、スイス南部と、イタリアの国境を黒い破線で表示しています。

上段のスイス東部の地図にあるように、ベルニナ線は、サンモリッツ駅から半島のように突出たスイス領を縦断してイタリア・ティラーノ駅まで繋がっています。

ベルニナ線の主要な駅をピンク色の吹き出しで表示していますが、多くの駅は、バスのように乗客が窓の脇にある降車ボタンを押すと停車するようです。

又、湖や、施設などの名称をライトブルーの吹き出しで表示しており、車窓の風景の場所を参照しながらご覧ください。

今回は、サンモリッツ駅からモルテラッチュ駅付近までの紹介です。



サンモリッツ駅の乗車ホームから見た風景です。

上段は、線路北側に建つ駅舎と、線路が突き当たる西側方向の風景です。

駅舎の前に停車している列車は、「グレツシャ一・エクスプレス(氷河急行)」で、サンモリッツ駅から北のサメーダン駅を通り、スイス南西部へつながっており、翌日の旅行6日目に乗ることになります。

白地に斜めの赤いストライプの入った車両は、座席部分が全面窓で、その上部の屋根の一部も窓になっており、翌日の乗車で、開放感のあるパノラマ風景が楽しめました。

中段の風景は、上段の右に続いており、駅の前の高台にはホテルと思われる大きな建物が見られ、スイス有数の高級リゾート地として広く知られた一面がうかがえます。

サンモリッツは、標高1775メートルにある人口約5千人の小さな町ですが、これまでの冬季オリンピック開催22回の内、2回(第2回1928年、第3回1948年 )も開催されており、大会の関係者や、国内外からの大勢の観客などを受入れる能力に驚きます。

下段の風景は、中段の右に続く東側方向の風景で、隣のホームから直進すると「氷河急行」、このホームから右にカーブして進むと「ベルニナ急行」です。



サンモリッツ駅のベルニナ線の乗車ホームにツアーの人が出発を待っている風景です。

写真右上の黒い掲示板に「09:45 Tirano」と出発時刻・行き先表示があり、時計の時刻を見ると出発7分前の風景でした。

ティラーノ到着が12:20だったので、約2.5時間の鉄道の旅でした。

向うの柱の上に「サン・モリッツ 寄贈 姉妹鉄道 箱根登山鉄道株式会社」」と日本語で書かれた案内板があり、なつかしい気分になります。

サンモリッツ駅は、サンモリッツ湖北岸にあり、乗車予定の右の列車の向こうには美しい湖畔の風景が広がっていました。



ベルニナ急行がサンモリッツ駅を出発した直後の風景です。

列車は、サンモリッツ湖から流れ出たイン川に架かる鉄橋を渡るところで、左手前方には「グレツシャ一・エクスプレス(氷河急行)」の線路と、トンネルが見えます。



列車が出発してすぐ、検札に来た若い乗務員です。

好感のもてるイケメンの笑顔にツアーのおば様方もうっとり、中には若い乗務員とのツーショットを旦那に撮らせていた人もいました。

一括して検札に応じた独身の女性添乗員さんもとりわけうれしそうな笑顔でした。



写真上段は、出発して約10分、丘の上に教会が見えてきた風景です。

彼方には残雪の山がそびえ、山裾に集落が続く、スイスらしい素敵な風景でした。

写真中段は、教会をズームで撮ったもので、塔に屋根がありません。

気になってgoogle地図で探してみると「San Gian」と書かれた教会があり、十数枚の教会の写真が見つかりました。(上に掲載したベルニナ線の地図の上部にあるサンジアン教会です)

屋根がない教会について図書館で調べると「スイス鉄道の旅」に記載がありました。

■「スイス鉄道の旅」(著作編集/「地球の歩き方」編集室、発行/ダイヤモンド・ビッグ社)より
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~左側に見えるのは、12世紀頃建設され、1682年の落雷で屋根が破壊されたチェレリーナCelerina村のサンジアンSanGian教会。教会の奥にはイン川に沿ったウンタ一・エンガディンの谷も遠望できる。~
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屋根が無いのは、1682年に落雷で破壊されたとされ、丘の上にそびえる塔だけに危険性が高かったようです。

教会の建物の周囲はよく整備されているものの、300年以上も経つのに、修復されていない理由に興味が湧いてきます。

写真下段は、教会の前にたくさんの木材が積まれた風景です。

輸入木材が増加し、木材置場の風景が珍しくなった日本ですが、スイスでは林業が健全のようです。



写真上段は、ポントレジナの町が見えてきた辺りの風景です。

一面に黄色花が咲き乱れ、彼方に頂上が丸く盛り上がった雪山がそびえています。

隣の線路は、北のサメーダン駅から来て、ポントレジナ駅で合流する路線で、しばらく左を並行して走っていました。



写真上段は、サンモリッツ駅を出発して最初に停車したポントレジナ駅の左手の風景です。

隣のホームに停車していたすれ違い列車もすぐに出発、その向こうにポントレジナ駅の駅舎がみえていましたが、簡素な駅舎が多い中、二階建ての比較的大きな建物でした。

ポントレジナ駅は、氷河急行からベルニナ急行に乗り継ぐ重要な駅のようです。

写真下段は、ポントレジナ駅の右手の風景で、材木が積まれた列車が続いていました。

サンジアン教会の前に積まれていた木材もここから運ばれて行くのでしょうか。

こちら側にも並行する線路が3本あり、この駅には全部で7本の線路があり、ベルニナ線の中では最も規模が大きい駅と思われます。



ポントレジナ駅を過ぎると左手にベルニナ川が流れ、対岸に幹線道路が走る風景が続いています。

写真上段は、ベルニナ川の広い岸辺に黄色い花の原野が続き、彼方に雪山がそびえる風景です。

写真下段は、ベルニナ川の上流に雪山が低く見えてきた風景です。

サンモリッツ駅からベルニナ線の最高地点オスピツィオ・ベルニナ駅(標高2253m)までのほぼ中間地点、次第に標高が上がってきます。




写真上段は、線路は大きく左にカーブして先頭車両の青い模様が見えている風景です。

モルテラッチュ駅が近づき、前方車両の左下に駅のホームが始まっています。

ベルニナ線の地図で見ると、モルテラッチュ駅付近で、線路は、幹線道路から離れて大きくカーブして再び道路に接近して進んで行きます。

写真中段は、モルテラッチュ駅を通過する風景で、駅名Morteratschと表示された簡素な駅の建物の上にそびえる雪山の風景が見えます。

写真下段は、モルテラッチュ駅のすぐ横の踏切の風景で、レストランの前をハイキングの人々が歩いていました。

列車は大きなカーブを繰り返しながら次第に標高を上げ、1900メートルに近づいた辺りでしょうか。



モルテラッチュ駅を出てまもなく、進行方向の右手の窓に見えてきたモルテラッチュ氷河の風景です。(モルテラッチュ駅の南にあります)

添乗員さんから教えられ、あわてて撮った一枚です。

図書館で調べた「スイス鉄道の旅」にモルテラッチュ氷河の記載がありました。

■「スイス鉄道の旅」(著作編集/「地球の歩き方」編集室、発行/ダイヤモンド・ビッグ社)より
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右側の車窓から、谷の奥にモルテラッチュ氷河が見える。ここからベルニナ線の見どころが連続する。
この駅からモルテラッチュ氷河までのハイキングコースは有名だ。駅を出て線路を渡ったら、あとは左側に川を見ながら上流に向かって歩くだけ。約2.5km、1時間弱で氷河の先端部まで行くことができる。道の途中には氷河の先端があった年の標識が順番に立てられており、氷河の後退していく様子がよくわかる。道も整備されていて、距離も手頃なので、スイスの学生たちの遠足風景もよく見かけるところだ。
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