昔に出会う旅

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北海道旅行No.43 北海道最古の建物「上ノ国八幡宮」

2012年01月15日 | 北海道の旅
北海道旅行6日目 6/8(水)、北海道檜山郡上ノ国町を見下ろす「夷王山」中腹にある「上之国 勝山館跡」の見学を終え、麓の「上ノ国八幡宮」を参拝しました。

上ノ国町は、北海道の南端「白神岬」から日本海海岸を北へ約60Kmの場所にあり、北海道では松前・函館と並び、中世からの和人の史跡が見られる町です。



海岸近くの駐車場を背にして見た「上ノ国八幡宮」と、「旧笹浪家住宅」(左)です。

「上ノ国八幡宮」は、前回の「上之国 勝山館跡」にあった「館神八幡宮跡」を1875年(明治8)に移したとされます。

数年前の調査で、移設された本殿建物は、1699年(元禄12年)に再建されたことが分かり、北海道最古の建造物とされてます。

参道左手の「旧笹浪家住宅」の建物は、参道の右手にも蔵2棟が並んでおり、明治に「上ノ国八幡宮」がここへ移設されるまでは一体の土地だったのかも知れません。



「勝山館跡」のパンフレットに掲載されていた上ノ国町の史跡の地図です。

「上ノ国八幡宮」は、地図中央の海岸に近い辺りに赤い鳥居の場所です。

西隣に北海道最古の寺院「上國寺」(1758年)、東隣に北海道最古の民家「旧笹浪家住宅」があり、いずれも北海道最古級建物で極めて貴重な地区です。

北海道渡島半島の地図が左上にあり、赤い印が上ノ国町の場所です。



二つ目の鳥居の先に「上ノ国八幡宮」の社殿が見えてきました。

鳥居を過ぎると、石灯籠、次に狛犬が両側に見え、鳥居の左には手水舎があります。

北海道で見る鳥居の多くは、柱や、鳥木(横木上段)・貫(横木下)がすべて丸太状ですが、これは西日本でもよく見る明神系のスタイルです。

中世から交易で栄えた土地柄だけに神社のスタイルも本州並みのようです。


「上ノ国八幡宮」の社殿です。

拝殿後方に建物が見えますが、小規模な本殿建物(高さ3m、幅2.1m、奥行き2.3m)を収容した覆屋[おおいや]だそうで、残念ながら現存する北海道最古の建造物にはお目にかかりませんでした。

最近の改修工事で建物がきれいになった反面、古びた趣がなくなっているそうです。



鳥居をくぐると左右に背の高い石灯籠がありました。

隣の「旧笹浪家住宅」で、見学の案内をして頂いた女性のお話では、灯篭の下部を鶴(右)と、亀(左)が支え、上に鳥が載っているとのことで、非常に珍しい灯篭でした。



石灯篭の上に載る鳥です。

参道を通る人に頭を下げているようにも見え、狛犬と共に神社を護っているようです。

鷹か鷲かよくわからないとのことでしたが、礼儀正しい鳥の姿はほほえましいものです。



石灯篭の胴の部分です。

「旧笹浪家住宅」の見学案内の女性から龍が彫ってあると教えられ、撮った写真です。

下の動物は鶴とされ、押しつぶされたような姿には哀れさを感じます。



拝殿前の狛犬です。

風格のある狛犬ですが、台座にはかすかに「明治三十一年」とも読める文字が見られました。

「旧笹浪家住宅」の案内の女性のお話では本州で彫ったもので、狛犬の愛好家がよく訪ねて来られるとのことです。



神社拝殿の屋根には「千木」や、「鰹木」はないものの、豪華な彫刻で飾られていました。

拝殿建物は、1876(明治9)年に江差(上ノ国町から北へ約5Km)の「正覚院」(曹洞宗)から移設されたとされ、これらの彫刻も寺院建築のものだったのでしょうか。

1473年、松前氏の祖「武田信広」によって勝山館で創建された神社が、500年以上の歳月を地元の人々に大切に守り継がれていることを知りました。