北海道旅行3日目 6/5(日)根室半島の先端「納沙布岬」から半島の南岸を釧路方面へ折り返しました。
ここからの太平洋の海岸線には素晴らしい絶景が続いていました。
「納沙布岬」から「花咲岬」へ向かう途中、庭に少し盛りを過ぎた桜や、チューリップ、芝桜が美しく咲くお宅がありました。
隣の広場にもタンポポの黄色い花が広がっていました。
6月の北海道、ここだけは春爛漫でした。
バス停の名は「歯舞信金前」とあり、「納沙布岬」から「花咲岬」へ1/3程度走った辺りでした。
花咲岬に近づいてきました。
右手に駐車場、丸い屋根の建物は公衆トイレのようです。
写真左上は、建物を裏から見たもので、岬の先端にある「車石」を建物のデザインとしたようです。
南に突き出た岬の沖には無人島「モユルリ島」「ユルリ島」が見えます。
島は、平坦な地形ですが、周囲は断崖になっているようです。
根室の観光案内パンフレットにあった根室半島の地図の一部です。
「花咲灯台」や、「車石」は、根室市街の南、太平洋に面した花咲港の東側にあり、有名な花咲ガニを連想します。
花咲岬の南には「モユルリ島」「ユルリ島」があります。
■同じくパンフレットにあった案内文です。
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花咲灯台は花咲港の入口に位置する灯台です。灯台付近は公園化により遊歩道も整備されました。また、花咲港は春から夏にかけサケ・マス漁船、夏から冬にかけてはサンマ船などの入出港で同港は活気づき、公園の展望台より港全体を一望できます。
8月を過ぎれば霧の時期も終わり工トピリカ等の海鳥繁殖地であるユルリ島も眼前に眺められます。
灯台の前には放射状に柱状節理した溶岩「車石」があり、これほど大きく、美しいものは世界でも珍しく、国の天然記念物に指定されています。
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花咲岬の西側を駐車場の後方から見た風景です。
車道から見た花咲岬は、なだらかな地形に見えましたが、西側には数十メートルの切立った断崖がありました。
駐車場から花咲灯台へ向かう道は、素敵な風景でした。
遊歩道の両側に咲くタンポポの花が歓迎してくれているようです。
国の天然記念物「車石」は、灯台の左手から海岸に下って行きます。
花咲灯台の近くから花咲半島の西北岸を見た風景です。
断崖の向こうに見えるのは花咲港です。
下の砂浜で犬と散歩する人の姿がありましたが、どこから下りたのでしょうか。
灯台の前に立つと、電信柱の天辺にカモメ(ウミネコ?)が飛んで来ました。
赤い壁の上に白く輝く灯台に対抗するように胸を張って立っています。
灯台の周囲の柵は簡単に越えられる低いものでしたが、なぜか灯台の門の扉は、ロックされていました。
灯台を過ぎ、車石の見える海岸に下って行く道があります。
正面の斜面に見える大きな岩が「車石」で、横顔を見ている感じです。
大きな岩の表面には岩が棒状に割れた柱状節理が見られます。
灯台の先から「車石」の前に下って来た道です。
柵のある整備された石段を下りながら見る周囲の風景も素敵なものです。
断崖の花咲岬の西岸と異なり、東岸は、比較的ゆるやかな傾斜の岩場が続いていました。
「車石」を正面から見上げた風景です。
半円形の断面に放射線状に割れた岩が見られます。
「車石」から下の方向へ、うねりのような跡が見られ、その下にも柱状節理が見られますが、結晶のような六角柱は見られませんでした。
■現地にあった「車石」の案内板です。
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国指定天然紀念物
根室車石
所在地 根 室 市 花 咲 港
指定年月日 昭和14年9月7日指定
管理者 根室市教育委員会
車石は、根室半島花咲岬附近一帯に広く分布し、方沸石を含み、アルカリ分に富む玄武岩質岩石中にみごとな放射状節理の発達した球状岩体です。
その形成当時は、白亜紀(6千万年~1億3千万年前)といわれた時代でアンモナイト・イノセラムスノなどの動物が、住めるような今より暖かい海でした。その海底の地下深くより千度以上もの温度をもったマグマが上昇し、海水を含んだ泥(根室層といわれている)の附近で水平に方向をかえ溶岩となって泥の中へ浸入してきました。そこで泥の中の海水は、この溶岩をどんどん冷やしていきます。表面は、冷やされるため、はじめは柱状節理といわれる柱のようになった割れ目が出来ますが内部はまだ溶けており、後方からおくられる溶岩によって先に進んでいき先端部より海水が浸入し内部を急冷します。
そして最後には球形の「車石」を多数つくります。このような溶岩を「枕状溶岩」といい、この半島での岩質は租粒玄武岩といわれており一般に長径1~2メートル、最大で6メートルにおよぶものがあります。このような火成岩の典型的な放射状節理構造は例も少なく学術上貴重であり太平洋に面する断崖に球状岩体の多数重なる様は、一大奇観であります。
根室市教育委員会
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「車石」をズームで撮った風景です。
球状の岩全体が中心から柱状に割れていることがよく分かります。
とても不思議な自然の風景でした。
「車石」へ下る道の途中で見た花咲岬から東岸(納沙布岬方向)を望む風景です。
この場所にも案内板があり、説明文と共にこの風景のスケッチが描かれ、向こうの黒くなった断崖に「浜中層」と書かれていました。
説明文の中にも「浜中層」(★印)の説明があり、白亜紀(1億4500万年~6500万年前)にこの一帯であった地殻変動の様子が説明されています。
■案内板の説明文です。
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根室車石[ねむろくるまいし]
「根室車石」は放射状節理の構造をしたアルカリ粗粒玄武岩[そりゅうげんぶがん]で、球状の岩体をしており、その奇観と大きさはせ界でも類を見ないことから、国の天然記念物に指定されています。
砂岩および頁岩[けつがん]を主とする海成白亜紀層の沈積中、あるいはその直後に、地層間に整合的に岩床として迸入[へいにゅう]し、あるいは海底に溶岩流として噴出したものです。
この正面に見える露出は★浜中層[はまなかそう]の砂岩・頁岩の互層の上にアルカリ粗粒玄武岩の溶岩流がおおいかぶさっている状態が観察できます。
海底の割れ目から流れ出た溶岩は海底に厚く積もった泥や細かい砂の中に押し入り、または溶岩流として海底に流れ出て急激に冷やされて、ちぎれ押し合い、枕状、俵状、楕円体状または円柱状となって団結し、枕状溶岩(Pillow Lava)となり、その枕状件の周辺からさらに冷やされたため、中心に向かう放射状の柱状節理ができたと考えられています。
「車石」の名は、その形を見てもわかるように、岩が車軸状[しゃじくじょう]の構造になっていることから名付けられています。これら車石がつくり上げた独特な奇観は私達が暮らす地球の生い立ちを身近に感じさせてくれます。
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ここからの太平洋の海岸線には素晴らしい絶景が続いていました。
「納沙布岬」から「花咲岬」へ向かう途中、庭に少し盛りを過ぎた桜や、チューリップ、芝桜が美しく咲くお宅がありました。
隣の広場にもタンポポの黄色い花が広がっていました。
6月の北海道、ここだけは春爛漫でした。
バス停の名は「歯舞信金前」とあり、「納沙布岬」から「花咲岬」へ1/3程度走った辺りでした。
花咲岬に近づいてきました。
右手に駐車場、丸い屋根の建物は公衆トイレのようです。
写真左上は、建物を裏から見たもので、岬の先端にある「車石」を建物のデザインとしたようです。
南に突き出た岬の沖には無人島「モユルリ島」「ユルリ島」が見えます。
島は、平坦な地形ですが、周囲は断崖になっているようです。
根室の観光案内パンフレットにあった根室半島の地図の一部です。
「花咲灯台」や、「車石」は、根室市街の南、太平洋に面した花咲港の東側にあり、有名な花咲ガニを連想します。
花咲岬の南には「モユルリ島」「ユルリ島」があります。
■同じくパンフレットにあった案内文です。
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花咲灯台は花咲港の入口に位置する灯台です。灯台付近は公園化により遊歩道も整備されました。また、花咲港は春から夏にかけサケ・マス漁船、夏から冬にかけてはサンマ船などの入出港で同港は活気づき、公園の展望台より港全体を一望できます。
8月を過ぎれば霧の時期も終わり工トピリカ等の海鳥繁殖地であるユルリ島も眼前に眺められます。
灯台の前には放射状に柱状節理した溶岩「車石」があり、これほど大きく、美しいものは世界でも珍しく、国の天然記念物に指定されています。
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花咲岬の西側を駐車場の後方から見た風景です。
車道から見た花咲岬は、なだらかな地形に見えましたが、西側には数十メートルの切立った断崖がありました。
駐車場から花咲灯台へ向かう道は、素敵な風景でした。
遊歩道の両側に咲くタンポポの花が歓迎してくれているようです。
国の天然記念物「車石」は、灯台の左手から海岸に下って行きます。
花咲灯台の近くから花咲半島の西北岸を見た風景です。
断崖の向こうに見えるのは花咲港です。
下の砂浜で犬と散歩する人の姿がありましたが、どこから下りたのでしょうか。
灯台の前に立つと、電信柱の天辺にカモメ(ウミネコ?)が飛んで来ました。
赤い壁の上に白く輝く灯台に対抗するように胸を張って立っています。
灯台の周囲の柵は簡単に越えられる低いものでしたが、なぜか灯台の門の扉は、ロックされていました。
灯台を過ぎ、車石の見える海岸に下って行く道があります。
正面の斜面に見える大きな岩が「車石」で、横顔を見ている感じです。
大きな岩の表面には岩が棒状に割れた柱状節理が見られます。
灯台の先から「車石」の前に下って来た道です。
柵のある整備された石段を下りながら見る周囲の風景も素敵なものです。
断崖の花咲岬の西岸と異なり、東岸は、比較的ゆるやかな傾斜の岩場が続いていました。
「車石」を正面から見上げた風景です。
半円形の断面に放射線状に割れた岩が見られます。
「車石」から下の方向へ、うねりのような跡が見られ、その下にも柱状節理が見られますが、結晶のような六角柱は見られませんでした。
■現地にあった「車石」の案内板です。
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国指定天然紀念物
根室車石
所在地 根 室 市 花 咲 港
指定年月日 昭和14年9月7日指定
管理者 根室市教育委員会
車石は、根室半島花咲岬附近一帯に広く分布し、方沸石を含み、アルカリ分に富む玄武岩質岩石中にみごとな放射状節理の発達した球状岩体です。
その形成当時は、白亜紀(6千万年~1億3千万年前)といわれた時代でアンモナイト・イノセラムスノなどの動物が、住めるような今より暖かい海でした。その海底の地下深くより千度以上もの温度をもったマグマが上昇し、海水を含んだ泥(根室層といわれている)の附近で水平に方向をかえ溶岩となって泥の中へ浸入してきました。そこで泥の中の海水は、この溶岩をどんどん冷やしていきます。表面は、冷やされるため、はじめは柱状節理といわれる柱のようになった割れ目が出来ますが内部はまだ溶けており、後方からおくられる溶岩によって先に進んでいき先端部より海水が浸入し内部を急冷します。
そして最後には球形の「車石」を多数つくります。このような溶岩を「枕状溶岩」といい、この半島での岩質は租粒玄武岩といわれており一般に長径1~2メートル、最大で6メートルにおよぶものがあります。このような火成岩の典型的な放射状節理構造は例も少なく学術上貴重であり太平洋に面する断崖に球状岩体の多数重なる様は、一大奇観であります。
根室市教育委員会
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「車石」をズームで撮った風景です。
球状の岩全体が中心から柱状に割れていることがよく分かります。
とても不思議な自然の風景でした。
「車石」へ下る道の途中で見た花咲岬から東岸(納沙布岬方向)を望む風景です。
この場所にも案内板があり、説明文と共にこの風景のスケッチが描かれ、向こうの黒くなった断崖に「浜中層」と書かれていました。
説明文の中にも「浜中層」(★印)の説明があり、白亜紀(1億4500万年~6500万年前)にこの一帯であった地殻変動の様子が説明されています。
■案内板の説明文です。
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根室車石[ねむろくるまいし]
「根室車石」は放射状節理の構造をしたアルカリ粗粒玄武岩[そりゅうげんぶがん]で、球状の岩体をしており、その奇観と大きさはせ界でも類を見ないことから、国の天然記念物に指定されています。
砂岩および頁岩[けつがん]を主とする海成白亜紀層の沈積中、あるいはその直後に、地層間に整合的に岩床として迸入[へいにゅう]し、あるいは海底に溶岩流として噴出したものです。
この正面に見える露出は★浜中層[はまなかそう]の砂岩・頁岩の互層の上にアルカリ粗粒玄武岩の溶岩流がおおいかぶさっている状態が観察できます。
海底の割れ目から流れ出た溶岩は海底に厚く積もった泥や細かい砂の中に押し入り、または溶岩流として海底に流れ出て急激に冷やされて、ちぎれ押し合い、枕状、俵状、楕円体状または円柱状となって団結し、枕状溶岩(Pillow Lava)となり、その枕状件の周辺からさらに冷やされたため、中心に向かう放射状の柱状節理ができたと考えられています。
「車石」の名は、その形を見てもわかるように、岩が車軸状[しゃじくじょう]の構造になっていることから名付けられています。これら車石がつくり上げた独特な奇観は私達が暮らす地球の生い立ちを身近に感じさせてくれます。
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