武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

作品紹介 14

2009-02-14 23:23:42 | Weblog

タイトルは、「ユミと歩いた街」6Fのスケッチブックの用紙に、色鉛筆で描かれている。このスケッチブックは、現在は取り扱っていない。それで、今は、わざわざスケッチブックに使われていた用紙を全紙で取り寄せてもらっている。
色鉛筆は、ガランダッシュのスープラカラーⅡの水溶性色鉛筆を使用している。決して、水は使わない。

この絵を、昨日、ブログにのせようとしたら、「こんな恥ずかしい絵のせないでくれ!恥をかかす気か!!」と言われてしまったが、「ここに入っている資料があるから、ここからのせたら良いだろう。」と言われて、しぶしぶ中を覗くと、これこそ恥ずかしくないのぉ~。」というものばかり。恥の内容が違うようです。

この絵は、ユミさんという方とデイトをした時に描かれたものらしい。見えないけど、何処かにユミという文字が書かれているはず。蛍光色が多く使われていて、万華鏡を見ているような作品。たくさん溢れる色彩の中に、どこか寂しげな感じがする絵だ。ヒロク二さんの絵は、楽しい絵だけれど、どこか寂しげなところがあるのが魅力かな?東京での個展で、売れてしまって手元にはない作品です。ヒロク二さんは、今の方がいい作品だと思っているのだと思います。

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すいとんの巻

2009-02-13 22:04:37 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2009年2月3日連載のえ

弥生式土器の様な器にすいとんが入っています。昔すぎるのでは?

歌手の島倉千代子さんは、戦後の食べ物が何もない時代に母が作ってくれたすいとんは、具が一切なし。それでも、母の味でとても美味しかったと語ります。また、疎開先からの品川に帰ってきたら一面焼け野原で、大鍋ですいとんを作って配給していた。子供の島倉さんは、ある日の夕方、どんぶりを両手で抱えて長い列に並んで待っていた。順番がきたと思ったら、目の前ですいとんがちょうどなくなり、泣きながら家に帰ったといいます。

とても胸が切なくなる「すいとん」の思い出ですね。わたしは、兄弟が多かったせいで、長女のわたしは、親によく「お姉さんだから、我慢しなさい。」と言われ、おやつを我慢させられたというか、譲らされた。ある時、「好きでお姉さんになったわけじゃない!今日から妹になる!」宣言をした。その背景は。おやつ、食べ物だ。食べ物の恨みは怖いというけれど、まさしく、それだった。島倉さんの世代はそんなどころじゃないわけだから、その悲しかった思い出はほんとに悲しかっただろうなと思います。

すいとんは「しあわせ食堂」で出てくるのは、2度目。
今回も、具のないすいとんだ。ヒロク二さんは「大きいすいとんを作ってくれ!」ときた。手の跡がくっきりと出ているすいとんを意識して作った。戦後とサツマイモが結びつき、サツマイモを1.5センチの角切りにしたものを入れてみた。食べるつもりなので、薄い出しと塩の煮汁で作りました。それが、下の写真のすいとん。出来上がりです。

ほとんど水だけで煮込んだのも同様なのでおいしいのか?と思って食べました。すごくおいしいわけではないけれど、結構いける。さつまいもの甘さと塩味が、とてもシンプルで、複雑怪奇なものを食べることに比べたら、スカッとする。心もスカッとしました。ヒロク二さんは、あまり食べることに興味が無い人で、「昔、食べなかったの?」と聞くと、「そういえば、お袋が作っていたような気がするけど記憶にあまりない。」とのご返事。ヒロク二さんにとっては、食べ物より、愛情を感じる道具として、「サホリさんのお料理」があるのですね。やはり、おかずを買い食いすると白けるようで、食卓がし~んとする。それが、嫌でいつも「今晩、何しようか?」とスーパーをグルグル廻っています。

この度のすいとんは固めでした。
薄力粉 400グラム
塩 二つかみ
ぬるま湯 200cc で作りました。さつまいもを入れるのはお勧めです。

具の少ない、すいとんはとても心がスカッとさわやかになります。時々とてもいいと思いました。
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我が家の食卓 イワシフライ

2009-02-12 22:55:41 | Weblog

どこかの定食のような晩ごはん。
揚げたてのイワシフライに刻んだキャベツ、わかめと麩のみそ汁、蕗とたけのことわかめの煮物。辛子明太子を少しとお漬物。

イワシは5匹198円。あとはすべて冷蔵庫にあったので間に合わせたのです。
そうはいっても、家でイワシを開き、ほんの少し塩、胡椒したものに、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げる。指でいわしを開く作業はわりと好き。失敗する時とうまくいく時は、必ず分かれる。この日は、上手くいった。よしよしという感じ。油は米油を仕様。家でする、てんぷら、かき揚げ、フライはとても美味しい。ご飯もたくさん食べてしまう。質素にしているつもりですが、最近すぐ太ります。

気に入っているかき揚げを一つ紹介。
鯵の三枚下ろしを5ミリ厚に切ったものと、ジャガイモを短冊に切ったものを三つ葉をまぜてかき揚げにします。鯵とジャガイモと三つ葉この組み合わせはとてもいい。余るぐらい作って、次の日は、うどんにのせたりします。
ヒロク二さんもお気に入りです。2人でお皿にてんこ盛りにしたのを食べます。


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ロック喫茶VOXヒコーキ堂の頃のヒロク二さん

2009-02-10 23:18:05 | Weblog

ロック喫茶VOXヒコーキ堂の頃のヒロク二さん
現在は、神戸の南京街の有名な豚マン屋さん「老祥紀」の前に噴水があるところにありました。今のように綺麗になっていない頃にあったといいます。隣が外人バーで、ライブをすると、べニヤ板で仕切られた壁に響いて揺れたといいます。右から、ヒロク二さん、神戸女子大から来ていた人、次の可愛い女の子は、ヒロク二さんのお嬢さん。キッスのようなメイクをした2人は、大阪南からきたバンドのメンバーだそうです。この頃、ヒロク二さんは35歳。30代にしては、貫禄がある。マスターとして、若者に慕われていたらしい。わたしより、少し年上の大阪のデザイナーの方から、お酒を飲みながら「先生、その店行ったことある。わる~くなってきたらその店行くようになる。行ってる奴がいた。」と。「やっぱり、不良の溜まり場だったのね。」と言うと「違うんだよ。違うの。」と目に涙をためて反論が返ってきた。どちらかというとストレートで真面目だったわたしが、何故、不良の親分、悪の親玉みたいに見えるヒロク二さんといるのでしょう?夫婦って面白いですね。自分のまわりのベスト・カップルを見てごらん。何となく、さもありなんという感じがするから。





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ヒロク二さんと猫のキタハマ 2

2009-02-09 22:52:32 | Weblog

サホリさんの日記から
この頃のヒロク二さんは、「草の帽子をかぶって。」というフレーズが気に入っていた。わたしは、設計事務所でCADのオペレーターとして働いていた頃で、休みの日はサラリーマンのパパ状態で、とにかく寝たかった。残業も多かったし、何よりも肩こりがひどく、目を休めるためにも寝ていたかった。猫を貰ったのもそんな頃だ。わたしが、大阪の堂山という所に住んでる人から貰ったので、ヒロク二さんは、名前は「ドウヤマだ。」と言った。「ドウヤマって呼ぶのぉ~。それは、ヒドイ。やめて下さい。」というと、大阪の北浜近辺から来たということで、「キタハマ」と命名された。キタハマというのなら、この白黒のパンダ猫には合うと思い納得したのです。
しかし、子猫のキタハマは、仕事で家を空けてるわたしより、ヒロク二さんの鉛筆を擦る音を子守唄のように聞いていて、すっかりヒロク二さんッ子になってしまったのでした。ヒロク二さんが、外へ出るとくっついていく。そんな1コマを描いていたみたい。肩のところが、とてもよく描けている。雰囲気がね。


隣の部屋がなんか静かだ。と思って覗いてみると、2匹いや、1人と1匹がスヤスヤお休み。疲れて寝てしまっている。なんだか、不憫な感じがした。起こさずに、そっとしておきました。猫がいるだけで、空気が変わる。ヒロク二さんだけじゃぁ、老人が寝てるだけになってしまって、孤独死とかそんなことを想像しなくてはいけなくなる。猫がいるだけで微笑ましくなるのが、猫のいいところです。

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作品紹介13

2009-02-08 22:01:47 | Weblog

この作品を見たときは、ヒロク二さんは凄い人だなぁと思った。インクを和紙に埋め込むように描かれていて、不思議な遠近感がある。中央にある時計のある建物は駅らしい。この作品の空間のありようと、小さなモチーフ達と形が美しい。インクにペンで描いたのか細い線でデリケートな感じがする。詩情があふれる作品です。ただ、和紙にペンというのが、ヒロク二さんらしく、強引でペンが和紙に引っかからなかったのも凄い。インクは失敗すると終わりなので、精神力で画面を仕上げていったのがよく分かる。根気との勝負でもある。


今はない、神戸の老舗、フランス料理のレストラン、ルー・サロメに掛けられているヒロク二さんのインクの作品。上の写真の作品。とても贅沢感のあるレストランで、よくワインを頂きました。
今は、新店舗をオープンされています。
     サロンドルー・サロメ
     神戸市中央区山本通1-7-11 ドウマンビル4F リコルディ
     078-291-7836 です。
     にしむら珈琲北野坂店近く
マダムの風早由美さんは、ヒロク二さんの長年の友人です。風早さんは、わたしのことを「女神さん」と言ってくださる。また、「こんなヒロとよく続いてくれてるのね。」といたずらっぽく呟いてくださったりする。ヒロクニさんのことを、いつも、「ヒロ」と呼び、長年の友人だけあって、ヒロク二さんは、風早さんによく助けられているのです。わたしは、風早さんもヒロク二さんの女神の1人だと思っています。もしかしたら、ヒロク二さんには、女神がたくさん必要かもしれない。しかし、本当のところは、男性にとっては、いい男との出会いが人生の醍醐味だと思います。ヒロク二さんは、軟派なようで硬派な人間です。簡単いうと古いということです。義理と人情に厚いのです。

お店には、春になったら行きたいなと思っております。よろしく、風早さま。
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おにぎりの巻

2009-02-07 21:46:59 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2006年12月5日(火)掲載のえ

2個のおにぎりの一つは藤田まことさんが食べ、残りの一つは、戦死した兄のために、沖縄の海へ投げ込んだおにぎり。米の粒がしっかり描いてあります。沖縄、石垣の海に浮かんでいる巫女様のような人物は、謎。

俳優の藤田まことさんは、戦中派の僕らの苦労といえば、全部食いもんの苦労。真っ白な米のおにぎりなんて食べたことがなかったと言います。2006年の9月、沖縄の海へ行ってきた。実は、僕の兄貴は、あの海で戦死したと。石垣島から沖縄本島へ向かう途中、米軍の爆撃を受けて。兄貴が死んだ海に出る前に、沖縄の食堂で「なにか食べ物を持っていこう」と。そのとき思いついたのが、おにぎりだったんですと、語ります。


沖縄の魔よけシーサーが、独特の瓦の上に据えられている。青い空とともに。上の絵と同質なものを感じませんか。

おにぎりの絵には、沖縄の文化の香りがすり込まれているような感じが、わたしにはする。海の上にいる巫女様(女性らしき人物)の形は、土俗的な要素も考えられる。このごろよく考えるのは、ヒロク二さんが描く絵の中の船や、海、色、形に、南方的色彩の強い文化的痕跡を感じるという事です。それは、DNAというものかもしれない。海は、ヒロク二さんにとっては、キーワードのようなもの。生涯、何度も、海を渡る、島を行ったり来たりすることがついてまわる。乗り物はやはり船。車は嫌い。ハブを異常に恐れる。蛇も。(百科辞典の爬虫類のところは、いつも見てしまわないように折りたたまれている)香港に一緒に行ったときに、南シナ海に異常に驚いた。深さに恐怖を感じたという。これだけそろっているので、スピリチュアルの江原啓之さんにオーラーチェックでも、してもらえないかしら?

なによりも、プリミティブな魅力と不良の魅力。ずっと不良なヒロク二さん。
そして、純粋な人。
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辛子明太子の巻

2009-02-06 16:17:53 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2009年1月27日(火)掲載のえ

17世紀に朝鮮半島から、北九州・山口地方へ伝わったという辛子明太子。海を渡って日本に上陸の絵図。画面の白いところには、粉が散ったようになっていて汚れではなく、辛子明太子についている小さい辛子をイメージしているそうです。
この画面では、ちょっと見づらくてすいません。すごく細かく描かれています。

俳優の草刈正雄さんは、白いご飯が大好きで、子供の頃の好物といえば、カレー、ピラフ、ハンバーグというのが普通の時代に、辛子明太子が好きだった。あぶってご飯の上にのせ、お湯をかけて食べると抜群だったといいます。ちりめんじゃこの佃煮、のり、みそ汁という、日本の朝食が好きで、パンは食べないと。甘いマスクで、日本人離れした顔立ちの草刈正雄さんの意外な一面です。ちなみに、北九州では、辛子明太子のことを「たいなまこ」というそうです。

いつも、我が家では、経済的な切れたらこというのを買っているが、ヒロク二さんに「大きな明太子を買って来い。」と言われてスーパーに行くと、いつもはない「大きな明太子」が売ってあった。まずその明太子と、ふくやの明太子の無着色と普通のを買った。
撮影。

ふくやの明太子、普通のと、無着色を焼いてほしいと言われて焼きました。大きいのが特売で売っていた明太子。


左の明太子は、画面の左にある明太子だというのが、形のゆがみ具合で判る。
明太子でご飯を食べだして「うまい。」と納得してから、描いていました。

普段から、ヒロク二さんは、いつも、新鮮な明太子を焼いて欲しいとのたまうので、わたしもいつも言うセリフがあって、「明太子は、焼かない方が栄養があるの。もう少し、時間がたってから焼きましょう。」というのです。なんていうのかな、食卓で味を見ずに、しょうゆとかをかけてしまうようなところがあって、憤慨する。朝食のサラダには、オリーブオイルとマヨネーズ、カレーのスパイス、しょうゆとかをかけていて、横目で見ながら、いつもゾッとしています。わたしは、どちらか言えば、草刈正雄さんのいう「日本の朝食」が好き。ヒロク二さんは、洋風な食事が好き。
昔、家事がままならないくらい仕事をしていた時に、作ってくれた料理は、豚肉のソテーにイチゴジャムがぬってあった料理!!その日を境に、疲れて帰ってるのに、怖い食事が待ってるという恐怖感から、再び料理することに・・・・。テレビのドッキリ番組じゃないんだよと、声を大にして言いたい!!

このところ忙しくてブログを、お休みしてしまいました。忙しさも、ひと山越えたので、また書きますのでよろしくお願いします。

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神様も大あくび (本)

2009-02-02 16:52:43 | Weblog

神様も大あくび、鬼らはくしゃみの連発・・・、好機到来、とことん道草、いろいろ念入れ、じっくり廻り道―ライト・ヴァース傑作選=萬國篇

世界のライト・ヴァース5
谷川俊太郎・渡邊一考編 武内博洲絵
書肆山田 

こちらの本は、詩のアンソロジーに、ヒロク二さんが、装画、イラストをつけています。知性と、ナンセンスとユーモアが盛り込まれた詩は、ちょっと読み直していた。知的贅沢というのかな、文学の香りがする。久しぶりで懐かしい。このごろ、ろくな読書をしていないということです。

ちょっと中から、ピックアップ。


はじまりの絵。


MURMUR 稲垣足穂

―ツキヨノバンニテフテフガトンボニナツタ
―え?
―トンボノハナカンダカイ?
―え 何だって?
―ハナカミデサカナツヽタカイ?
―ワカラナイノガネウチダトサ


うら表 中原綾子

表が駄目になったので
裏返しにしたのです
(染直しではありません)
裏つ返しが利く人で
また三十年
保ちませう

この本は重反中らしいが、どうも世の中に出回っているのが少ないようです。ネットの古本屋さんで1050円の本が2000円で売っているのを発見。SOLD OUT になっている所も多い。結構、貴重な本のようです。そんな事知りませんでした。かわいいキラキラした本だ。
少し、認識を新たにして、尊敬をこめてヒロク二センセイと呼ばなくては・・・・。普段、ヒロク二センセイと呼んでいるが、「ヒロク二」までは普通で、「センセイ」と言う時は、異常に早口で2秒ぐらいで呼んでいるのが常であります。

このイラストを見るとなんとなく、画家の鶴岡政男の影響があるのかなと思う、ワタクシであります。

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