毎日新聞夕刊(東京都内板)2009年1月13日(火)掲載のえ
ハコフグどうだという、どうだ率%の高いハコフグのみそ焼き。目と口にこだわったとヒロク二さんは言います。ヒロク二センセイは反俗の人とか言われてるのですが、わたしは、反俗どうだと言うのは、そろそろやめませんか?と問いかけています。
俳優の久米明さんは、「すばらしい世界旅行」のナレーターと所属している劇団昴の公演が重なると、飛行機で東京と地方を行ったり来たりで綱渡りのような生活を長く送っていた頃、放送が終了。アサー・ミラー原作の「セールスマンの死」の公演で五島列島を訪れ、やっと主役の緊張感から解放され、そこで出会ったのが郷土料理の、ハコフグのみそ焼きです。ハコフグのお腹をくり抜いて、肝を取り出し(ハコフグのお腹は、ほとんど肝)刻んだネギと味噌を肝に混ぜ合わせ、今度は、ハコフグのお腹にもどしてオーブンで焼くという料理。食べると、乙な、フランス料理のように素晴らしかったと語ります。熱燗に最高に合うそうです。
今回も、なぞなぞようなものが来たという気分。ハコフグを食料として、流通させるのは禁止になっていることを知った。意地でも入手することができない。ハコフグの写真を見てヒロク二さんに解説。
写真を見て、絵を描くのは今回初めてです。
実物を見ないで描くというのは、ヒロク二さんは嫌だそうで、いつも作っていますが、ハコフグが入手できないので、ヒロク二さんは写真でトライした。
ハコフグのみそ焼きは、お腹を上にして、出されるので、ハコフグの写真を切りぬきすべて反対にして見る。(正面図の写真もあったのですが、写真を撮る前に捨てられてしまいました。)正面図、横面図、立体図を頭で組み立てるのは、得意ではない人だと思っていたが、それは的中した。数学的なことはすごく苦手な人。ヒロク二さんは、足し算的にものを考える人で、引き算の考え方が出来ない人であります。不思議なんですが・・・。「このヒレはここ、こっちのヒレがここに、背ビレは、両方から見える。」と小学生に教えるように説明した。正面図の写真のヒレが胴体に引っ付いていているのを見て「こっちにはヒレはないのか?」と言うので、「良く見て、胴体にくっついてるでしょ?あるのが解かる?」と言うと「そんなこともあるんだねぇ。」と感心したりする。粘土で模型でも作ることも思いついたが、彩色に時間が取られそうでやめようということになった。ハコフグの白い水玉のまわりは六角形の形をしていて、そんなことの方に目がいくみたい。不器用ながら、ハコフグの目と、口に感心をよせつつ一生懸命に描いていました。猫のキタハマが、ご飯を待ってるときの目つきは、ハコフグの目つきに似ていると言うので、二人で笑ったりしてました。キタハマは、ご飯の時は、すごく厳しい目をするのはホント。
今回は「サホリ~。見て。どうだ。」とアトリエに呼ばれました。ハコフグの顔に描かれた六角形が気になったが、それはよしと判断。それよりネギが描かれてなくて「あなた、ネギ、ネギ。」「ちょっと描き足して。少しでいいからっ。」と慌てて命令してしまった。「お、そうか。」と素直に、緑色のクレパスでネギを描き足しているヒロク二さんの姿は、かわいらしかった。素直というのは、いいネ。自分にもいい聞かせておかなくては。「だって・・・。」とか「そうじゃなくて・・・・。」とか口答えが多いわたしの姿を反省させられるほど、ヒロク二さんは、この度、素直でした。
ハコフグの帽子をかぶっている「さかなクン」の写真。
さかなクンが、連載に登場したときは、ヒロク二センセイは「タコのバター炒め」の絵を描きました。抽象的タコの絵。
ヒロク二さんは、さかなクンの笑顔をみると、勇気が出るらしく部屋に貼りつけてあります。何故かわたしの部屋に。
この度は、味見が出来なかったので残念です。
日本酒好きな、わたしにとっては、本当に残念でした。