武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

冬の油絵(作品紹介501) と 新しい家族(猫)の名前を考える

2018-12-26 09:20:53 | Weblog

冬に描かれた油絵

いつもは色鉛筆で制作ですが、おもむろに油絵を描くことがあります。
夏に描くことが多いのですが、今年の冬は、色鉛筆、油絵具と2つのテーブルを行ったり来たり出来るように
アトリエでセッティングがされています。
「冬に油絵描くの珍しいね。」というと、
「せっかく貰った絵具が使わないとだんだん硬くなるから、もったいないし、せっかく持ってきてくれたHに悪い。」
「やっぱり、なんでも無駄にするのはいかんと思って。」
「油絵具の感触も思いだすのにいい機会でもあるし・・・。」と言う。

ヒロクニさんは、若い頃、16歳~25、26歳ぐらいの時は、洋画家として油絵を多く描いていました。
貴重な仲間がいて、その内の1人は、亡くなってから兵庫近代美術館で回顧展がありました。(山本六三氏)
油絵を描くとその時の仲間とのエピソードを思い出すらしく、よく話してくれます。
仲間から「武内の絵は、なんか他のヤツと違う。」「でも、何かいい。」と言われた話や、
絵画とは?熱く語り合った日々をなつかしそうに話ます。

この絵は何か静けさと色合いがとても優しい感じがしていいなぁ~と眺めていました。
トイレに入ると目の前に入ってくるので、何時見ても色彩のふんわりした感じと、
右端の形が縄とびしているようにみえて、愛らしく思ってみていました。




我家に新しい家族がやってきました。

↑さび猫ちゃんです。

里親募集に応募してとんとん拍子で話がきまって、我家にやってきました。
目がクリクリしていて、なき声がとても可愛い女の子の猫ちゃんです。

この子は名前を付けるのに、なかなか決まらなくていろんな過程経て「ピピ」と命名した。

先居た猫の「キタハマ」も次の「ジル」もすぐ決まったので、意外でした。

今は、ほとんどゲージにいるので、ゲージの前へ行って、
ピピをみてあらゆる名前を言ってみて、「なんかあわない。」とゲージから去るという行為を何回も何回も繰り返した。
「ココ」とういう名前はどう?というと、ダメだという。


ある日、ヒロクニさんは、「ル・クレジオ(ノーベル賞受賞作家)の『愛する大地』という本を取り出してきて、
「こういう文章があるんだよ。朗読するから、さほり聞いて。」と廊下に立って朗読しはじめた。

以下、朗読内容です。

 “そして彼らにはそれぞれ名前がある。みながみな小さな人間であるみたいに、彼らには彼らなりの魔術的な個別性があるのだ。
蚊のセピア、蚊のダリウス、蚊のアナンダがいる。肉につく蝿のトリュミングがいる。
油虫のブリヤン。みみずのアレクス。しらみのマリア。ばったのスミット、そしてばったのエオル。
南京虫のマルセルがいる。だにのガラパゴ。働き蜂のジョルダーノ。黒蜘蛛のサンカ。
蝶のドリアン。蛾のカザン。てんとう虫のアニア、かまきりのクノック、衣魚のフェリウス、そして甲虫のゴーがいる。

―中略―

だがまた植物もあり、他の動物たちもいる。犬のアゾール、猫のビッシュ、おうむのココ。
そして草の一つ一つにも、固有の名があり、風の重みにたわむ一つ1つの繊維に刻印されているのだ。
マニュエル、カラール、ジェロ、シリコ、アメデ、プリクスト、トニー、ゴール、テランス、オリーヴ樹のジルベール、さぼてんのアナトール。
コルク樫のジェウレミ、竹のヴァテルマン。一すじの毛の一本一本に、花々の一つ一つに、これら石とか水たまりの
一つ一つに、名前をつけねばならぬ、忘れてしまわないように。
この円い石にはシブ=ソンとつけよう、この尖った石にはモロポックと。いま飛んでゆくあの鳥はブリーヌだ。
背中が禿げたあの馬は、ゴワランだ。この瓶の破片はロランだ。
それは空のハンの光を反射し、桑の木のオトンの枝枝と埃だらけの岩のグレゴワールのあいだにはさまっている。
かもめのアンタールは海のマアの上にとまって漂っている、
波のソランジュと波のシモーヌのあいだに。

一つ一つの物、一つ一つの動物、一つ一つの植物に名前をつけてしまったならば、もう決してひとりぼっちということはないだろう。
絶え間ない暑気が照りつけるこの涯てしない景色の上で、こうした名はすべて、か細い、ほとんど眼に見えない糸で互いに結びつけられているのだ。
ありとあらゆるお話が、ありとあらゆる冒険がある。
それらは数限りも無い。絶える間がない。
何百万もの小ドラマであり、何千億もの小喜劇であり、サスペンス映画、闘牛、対抗戦、戦争、祭の行列であって、
そこでは一本一本の小枝、一つ一つの小石がそれなりの役目を持っているのだ。
ここ、大地のただ中にある岩の上こそ、恐らく座るべきなのだ、あるいはまた密生した草の上に寝そべって、世界の物語のすべてのを書くべきなのだ。
大きな黒いノートの第一ページから始めたっていいだろうし、
大文字でこう書くのだ。”


すべてのものに名前を付けようという内容の文章で、いかにもフランス文学だ。
即物的な私は、「おうむのココ」という箇所があったので、ひどくヒロクニさんからダサい名前思いつきやがるという顔を
されたが、「悪くなかったじゃん。」と胸張って言ってやった。

それから、ヒロクニさんが、「プティとか。」そんなイメージがいいと言い出し、「プティ、ピノ、ピピ・・」と言い出した。
すかさず「ピピがいいわ。」と言った。その後、「ビビでもいいかも?」というと、なんかもだえだして、もう考えられない。
「苦しい」と言いながら、目の前から去っていった。(名前のっことで頭が一杯になりすぎてた?のか?)

小鳥のような声でなくので、「ピピ」が可愛くてよいなぁ~と、2人で納得して一件落着。


↑ベッドの中から遊ぶピピちゃん



↑ベットでお休みのピピちゃん。ベットの中にオモチャをやたら入れます。
 もう可愛くってしかたがありません。
 


我家には、ル・クレジオの本が4冊あります。どうも愛読書の一つだったようです。
名前をつけるときに、知りました。
ヒロクニさんは、隠れインテリの異名を持っています。そんな一面を知る出来事でした。




コメント (2)
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武内ヒロクニの作品が、MALLET JAPANでのオークションに作品が出品されていました

2018-12-15 15:33:57 | Weblog


こちらは、カタログでのヒロクニさんの紹介のページ。

説明文には、

武内ヒロクニ
【Hirokuni TAKEUCHI:1937~】
 1965年、河口龍夫らの「グループ<位>の活動に奥田義巳らと参加。
 異端にして反俗、時に狂気の色鉛筆画家。
画集「DEATH is CANDY 武内ヒロクニWORKS」(1993:海文堂ギャラリー)
「しあわせ食堂」(毎日新聞夕刊2006年4月~2009年3月 毎週で150回)においてユニークな挿絵を描く。
光人社から「しあわせ食堂」(2009)出版。
都市の喧騒と官能性を曼荼羅として描く。

武内ヒロクニ Takeuchi Hirokuni
兵器を購入
紙・色鉛筆 37.4×46.2cm
作品裏にサイン、タイトル
1989年
額装

¥70.000~100.000(落札予定価格)



こちらがカタログになります。
表紙の絵は、高松次郎氏。
現代美術の作家では、特に質の高い作品を追求していた画家です。
オークションの目玉作品だと思いました。


このお知らせをギャラリー島田様からお伺いしていました。
私は、いくらで落札されるのか非常に気になっていました。
終了してから、ギャラリーにさっそく電話をして、落札価格は、100.000円とお伺いしましが、
最終価格は110.00円となったようです。
落札予定価格どうりの価格になったようです。

この絵はギャラリー島田のコレクションとして、私達の手から離れていった作品でしたが、
ギャラリー島田という、親しくしているギャラリーにあるということで、身近に存在する絵だった。
しかし、オークションという形で、未知の人が、購入して頂き喜ばしく思っています。
たいして有名ではないし、まだ現役の画家で評価の定まった画家ではありません。
それを分かって購入して頂いたことに、驚いています。

当のヒロクニさんに報告しますと、「あっ、そう。」「その絵は手元から離れた絵だから・・・。」と
あっさりした返事が・・・・・・。

絵画の真の評価は、死んでからということが多いので、因果な商売というか、職業だなぁ~と、
コレクションに出されている作品を見て思ったのです。


↑光人社から「しあわせ食堂」(2009)出版の本はこちらの本

カタログに出品されている作品で、買えたら嬉しい作品はどれかな?という想像をしてみました。
山口長男氏の紙にガッシュの作品(1995年作)がいいなぁ~と思いました。

この左の作品がいいなぁ~と。
しかし、山口氏の作品はもっといいのは、美術館に収まっています。





またまた長い間、ブログを書いていませんでした。
里親募集で受け入れの希望がかない、ゲージを置くため部屋の模様替え&整理整頓に奔走していました。
ヒロクニさんからは、「君は、掃除をするという徳を積んだから、なくしたと言っていた「めがね」も出てきた。」
掃除をして、徳を積んだと何回も言うので、いかに私が掃除をおろそかにしている人間か?ということを、
暗に言われているような感じ。


この子が、新しい我家の家族になりました。
届けてくださった方が、ゲージにたくさん工夫して下さり、居心地のいいようにセットしてくれました。
私は、ゲージで飼ったことがないので、いろいろアドバイスを貰いながら、育てています。
なにしろ、13日に来たばかりなので、緊張で目が丸くなっています。
仮名は「ぷんちゃん」。今、名前を思案中です。


我家の最初の猫ちゃんは、大阪の北浜から来たので、「キタハマ」でした。
二匹目の猫ちゃんは、「ジル」でした。
次は、なんて名前になるのでしょうか?




コメント (4)
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