武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

ルイヴィトンの男(作品紹介94)

2012-09-28 11:51:16 | Weblog

ジャケットを着た人物
もちろん色鉛筆で描いている。この絵は、アトリエの柱に貼られていて、何か考えているのだろう。
ジャケットは縞模様が特徴だ。縞模様のジャケットとズボンも神戸高架下で購入したものを持っている。それを着て帽子をかぶり、ポケットにハンカチを突っ込み、革靴を履けば、一端の映画に出てくるギャングさながらのヒロクニさんだ。古いギャング映画も一緒に観ているので、その成りすましに、フフッと笑います。大人なのか子供なのか分からない人だなぁ。

ヒロクニさんとよく行くコーヒー店で、ルイヴィトンのアタッシュケースにルイヴィトンの財布、パスケースを広げている客がいた。どれも新品らしく、異様なピカピカぶりを発揮していた。30歳ぐらいの男だ。話を聞いているのは、20代になったばかりの男の子という感じ。チラッと見た机の上の書類のようなものを見たら、「ねずみ講」のお誘いをしているのだとすぐわかった。気弱そうな男の子は、ルイヴィトンの男の話を断ることができるのか?と気になった。耳をダンボ(象の耳のこと)にしていると「儲かる」「お金が入る」等と懸命である。

わたしも「ねずみ講」なるものに「話を聞くだけだから・・・」と誘われてその会場に行ってしまったことがある。何か異様な光景にわたしには思えた。テーブルがやたらあって、話がまとまったテーブルからは、拍手が起こったりしていて変な連帯感があった。「話を聞くだけ」と言われていたので、話は聞いた。洗剤ビジネスだったと思う。「人に洗剤を勧めて売って、その売った人が洗剤をまた人に売ると、君にお金が入ってくるんだよ」と最初は優しげに話してくれた。
わたしは、そこの会場の空気が異様に感じていたし、5000円もする洗剤を買いたくなかった。また、そんな洗剤を人に勧める気も起こらなかったので、「わたしは、入りません」。と言った。「エッ!君、お金は欲しくないの?」「こんないい話おしいなぁと思わない?」と金を強調する。5000円払って洗剤を取り合えず買えば、ものごとは、納まったかもしれないが、わたしは買いたくない洗剤に5000円を払う気は、もうとうなかった。「お金も要りません」「話を聞くだけということで来ました」と拒否すると、罵倒され、「金がいらないなんで気違いだ」と等々と罵られ、会場で異端視扱いを受けたのです。

今考えると、その場は欲だけが渦巻く、凄い欲得の世界だったと思います。現在、不況と若者の就職難に付け込んで広まっているのかもしれないと思ったのでした。ルイヴィトンが、軽薄に見え、薄ら寒い光景だったので脳裏に焼きついたのでした。

ヒロクニさんは、大声で「俺はブランド志向だから」「一度、ブランドで身をまとってみたい」等と公言するからか、ブランドの服を人からよく貰います。結構うまく着こなして、お洒落しています。身の丈にあったオシャレは、安心感があります。ヒロクニさんが新品ピカピカのスーツを着ている姿は、恥ずかしいなぁと想像する。チープなTシャツやマフラー、スカーフは沢山持っていて、それをアレンジして色彩感覚豊かなヒロクニさんの着こなしはピカイチだと思っています。
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やっと秋らしくなりました。(作品紹介93)

2012-09-23 23:04:34 | Weblog

色鉛筆作品です。
タイトル:PAPER HOUSE
大きさB5・紙

やっと秋めいてきました。
ヒロクニさんは、夏の制作を終えて静かに過ごしています。
わたしが、夕食を作る横でチャーリー・パーカーを聞きながら、「やっぱりチャーリー・パーカーは、カッコイイ」。と言っておりました。
夕食のメニューは、「ブリの照り焼き」「八宝菜」。なんかダサい組み合わせ!冷蔵庫の中が総動員している。買い物に行かず適当に作ってしまいました。なにかしら味の重いおかず。見た目が良くないが、そんなことは気にせず生きる為に食べましょう♪♪。

最近、ヒロクニさんは、「戦争はいかん」。と、よく言います。自分自身が、郷里をあとにしなければならなかった事と戦争がもたらした悲劇を考えている。わたしは、祖母から、戦争中の生活や戦争で亡くなった祖父の話や、戦後の苦労話をたっぷりと聞かされて育っているが、何度聞いても体験者じゃやないので、実感が薄い。戦争前の日本を知っている人は、現在の空気が戦争前の感じがよく似ているという。

中国の反日デモの様子では、中国政府は何かたくらんでるような気がする。中国政府は、自国の人々の事を全く考えていないのだろうとも思える。武内ヒロクニ展でのお会いした方から、「毛沢東の文化大革命は、失敗ちゃうか?」と言われる方がいて、なるほどと思ったのです。文革で、嘗ての中国3000年の歴史の素晴らしい文化が無碍になってしまっているような気がする。日本人だって、武士道精神もへったくれもない人達が多いかもしれない。この頃、歴史って大切だなぁと思うことがあります。

とは言うものの、秋に入ってからとても平和です。
初めて誕生日のお祝いをヒロクニさんにして貰ったり・・・・。
高級スーパーの20パーセントオフのマロンケーキがプレゼントでした。
気持ちが嬉しいですね!
初めての誕生祝いは、嬉しいものです。

今までは「今日は、誕生日」と言っても、「あっそう」と言ってどこ吹く風に無碍にされていたのです。
「俺は、今ソンナトコロジャナイ」って顔に書いてあるのです。


奥に見える白い塊は、アグリッパの石膏。(上を向いているのが怖い)
今はケイトウの色が濃くなってきています。秋を感じます。
猫達も秋らしく寝場所に変化があります。
平和な秋が送れますように!



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武内ヒロクニの横でアッツ~ツーの夏(作品紹介92)

2012-09-19 01:13:27 | Weblog

夏の色鉛筆作品。
夏の作品は、「いったい何だこれは?」と脳味噌が判断するものが多い。これも、そんな作品。

夏は、クーラーを入れるのを我慢するのが、我が家の夏の過し方である。
8月の1ヶ月にクーラーを入れたのは、30時間ぐらい。さぞ電気代が節約できたと思う。8月27日の猛暑日でさえ我慢して過してしまった。
そのツケは、わたしに襲いかかる。真に夏バテをしてしまった。気分が悪くて、頭痛がして、食事の用意をする気力がまったくなくなってしまったのだ。もう、食事の準備は放棄状態。一日中モヮ~とした室内で、過すので、頭の中は暑さで「真っ白」。今年の暑さは格別だったらしく、おでこに汗疹が出来てしまった。こんな事は、初めてです。ヒロクニさんと一緒になってから、夏の我慢は、今年で22回目。
今年誓ったのは、「もう我慢大会は、終わりにしよう」ということだ。

しかし、アトリエで暑い空気の中、上半身裸で制作に励むヒロクニさんの姿は、素晴らしい。
「普通の人間じゃない」と思う。
しかし、「わたし自身は、普通の人だ」と思う。
それにわたしは、「中庸が大切」といつも思う。
それに、「私は普通の人だ」。

それを否定するかのように、ヒロクニさんは「極端」がとても似合う人でもある。
「中庸」はつまらないらしいし・・・・。

わたしは、食欲が落ちて、上の絵のようにちょっと顔色が悪くなった。
そして、以前のわたしのように「ねばならぬ主義」は、姿を消し自堕落な主婦になった。

夏の暑さに負けてしまい、げっそりしたわたしは、「スーパーのお惣菜」をヒロクニさんに買いに行かせ、白ご飯とおかずを餌のように食べて、時折思いついたように果物を剥く。そして、庭の植物の間を徘徊してから、ふとんの上に横になる。最悪の主婦である。
それでもって、ふとんで寝ながらから「来年から、クーラー入れて貰うわよ!!」と叫ぶ。

クーラーは、身体に悪いというが、入れなさ過ぎても身体に悪い。
ヒロクニさんと一緒にいるだけで、いつもヘトヘトです。


ジルくんは、種まきをする北の日の当たらない場所でいつも涼んでいるみたい。
飼い猫なのに、ほとんど家にいません。夜も外で寝る猫です。



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夫婦というより、兄弟愛のようなものを感じた、この夏。

2012-09-13 15:34:51 | Weblog

机の上に並べられた作品群
左の空間で制作中。


アトリエから見える、花。
土のままになっている所は、球根を植える予定。
切り戻しをしたサルビアが赤い花をもう一度咲かせています。公園などでサルビアをよく見かけるけれど、自宅で少し植える方が綺麗に感じました。深緑の葉と赤い花の対比がいいなぁと思います。スーパーで半額で50円で買った苗で期待せず育てていたのですが、綺麗だなと何度も思いました。黄色い花は、よく行く花屋さんが、少しボロくなっているからと言って、オマケしてくれたものですが、たくさん花を付けています。花を育てる心構えとしては、「さらっとした気持ち」が大切なのでは?と思います。「花咲かんか!!」と昔話にある、花咲か爺さんの「隣りの欲張り爺さんのように欲が渦巻く気持ち」で花に接していると、育ちが悪くなるのかもしてません。
そんな花を巡っての出来事がありました。


ヒロクニさんに三度も踏みつけにされたジギタリス。
大きさが分かるように、靴と一緒に写しました。

カモミールの種から育てた苗が大きくなったので、植え替えをしていたら、ヒロクニさんは庭に出てきて草取りを始めた。いつも一緒の空気を吸いたいヒロクニさん。一緒に庭仕事をしている気分になりたいらしい。「可愛い人と思おう」と思い「草取りしてくれてありがとう!」と言って、現場に近づいて行った。7月12日に植えつけた「ジギタリス」が踏みつけられて、葉っぱがちぎれている・・・・。隣りに植えた「アルセア」というフリルのような花をつける30cmもの大きさになっている苗も踏みつけられ、横に倒れていた。「ジギタリス」は5苗植え、3苗は暑さで死滅してしまっているのだ。それに、二年草で咲くまで時間がかかるのだ。「ジギタリス」に、わたしは執着していて、そのジギタリスの姿を見た時、涙が出そうになった。
「なんで、草取りなんかするの・・(怒)」
「これで3度目よぉ(怒)」
「なんでここまで大きくなっている葉を見てわからんのぉ!(怒)」
「もう何も手伝わないで(怒)」
「無神経すぎる(怒)」
「何回注意したら、わかるんや(怒)」

本の題名は忘れたが、太宰治の小説の中で、太宰が幼少の頃、思いやりからお百姓さんの畑の草引きをしたら、所詮お坊ちゃんの真似事で役に立ってないから、全然感謝されず、迷惑がられ「そんなこと、してくれるな」。と言われる箇所があった。高校生だったわたしは、その気持ちだけでもくんであげることを、何故お百姓さんは出来なかったのか?わたしだったら、「ありがとう」の一言ぐらい言うと思うけど・・・。と長く思っていた。
しかし、ジギタリスが踏まれた瞬間、お百姓さんの気持ちがわかった。きっと、こういう感じよね。

罵倒しまくっていたら、フッと変な感情がおそった。「夫婦はしょせん他人だから」とよく言う人がいるが、罵倒していると他人ではなく「肉親」のような感情がこみ上げてきたのです。親子喧嘩や兄弟喧嘩のような感じで、ヒロクニさんは、わたしにとって「肉親」になってしまった。この感情は、新しく感じた感情である。とても、不思議な感情です。
私達は、あと3年したら「銀婚式」を迎えるらしい・・・。

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ギャラリーゴトウ「ドローイングの愉しみ」展 出品作と価格(9月10日~15日)

2012-09-10 15:24:38 | Weblog

12,5cm×17.2cm(色鉛筆)
夕暮れの散歩 Ⅰ
価格 24,000円


12,2cm×21,2cm
夕暮れの散歩 Ⅱ
価格 24,000円(色鉛筆)

小品2点を出品しています。
最近、出来上がったばかりの作品で
武内の作品の中でも、はじめて見る感じのする作品です。
彼にとっては、夕暮れ時というのは、特別な時間。夕暮れと付くタイトルがとても多いのです。
現在でも、夕暮れ時に散歩をすると「この感じがいいんだよ」と
何か夕暮れになると、センチメンタルな空気が彼を覆います。
一種のポエジーが、彼を支配しているのかもしれません。

日時 2012年9月10日(月)~9月15日(土)11:30~18:30(最終日16:30まで)
場所 ギャラリーゴトウ
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座1-7-5 銀座中央通りビル7F
電話 03-6410-8881
HPアドレス http://www.gallery-goto.com/


ギャラリー枝香庵では、モノクロに近い作品を出品
ギャラリーゴトウでは、カラフルな色彩の作品です。

ギャラリー枝香庵での「黒のラビリンス」と合わせて、是非足を運んで頂ければ嬉しく思います。
(ギャラリーゴトウとギャラリー枝香庵は、歩いて5分ぐらいの距離です。)






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ギャラリー枝香庵「黒のラビリンス」の作品と価格(9月10日~17日)

2012-09-09 13:09:53 | Weblog

タイトル 「手が焼けて燃える」
サイズ 20cm×24.5cm
価格 60,000円
鉛筆と色鉛筆


タイトル 「ワルツ」
サイズ 23.5cm×15,7cm
価格 40,000円
色鉛筆に紙



タイトル 「手の流れに沿って」
サイズ 25.7cm×36cm
価格 45,000円
油性マジックに紙


タイトル 「黒曜姫を探して」
サイズ 41.4センチ×52センチ
価格 180,000円
鉛筆に紙

この作品は、先のブログで紹介した価格より、ヒロクニさんの申し出により高くなりました。
見ごたえはありますので、お許しを・・・。


 日時 2012年 9月10日(月)~9月17日(月)
 初日18:00~オープニングパーティ

時間 11:30~19:00(日曜、最終日は17:00まで)
場所 ギャラリー枝香庵
   〒104-0061
   東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F
   ℡ 050-3452-8627

ギャラリー枝香庵のホームページ http://echo-ann.jp/

んなに科学が発達しようが人の心は未だ謎に
満ちています。
故知れぬ不安や衝動、混沌、未知、神秘等々、
心の奥底に秘められている「迷宮」のような領域を、
ここに参加する作家達は「黒」という色彩で描き現
そうとしています。
かかる世界を真摯に追求する作家達にご注目あれ。
       ◆文・御子柴大三◆

手伝いのわたくしは、クーラーを入れてくれないヒロクニさんの横にいて、すっかり夏バテ。
暑いアトリエで、上半身裸で過すヒロクニさんは、肩の所の皮膚が黒光して、燻製の魚のようでした。
つくづく尋常な人間じゃないと思いましたワ。




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