武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

病院にて(熊谷守一の写真集)

2011-05-29 12:45:33 | Weblog

野草の花が咲き乱れる5月の我が家の庭


咲き乱れる花の中で遊ぶジルくん

独楽―熊谷守一の世界
藤森 武
世界文化社

病院で、やっと気を取り直したヒロクニセンセイは、枕元に熊谷守一の写真集を横に眠っていた。

わたしは、病院に4拍もし、毎日病院に通い、どの奥さんより長時間いると思う。ヒロクニさんの我侭と妄想の話しに付き合い、病院でエネルギーを使い果たしたわたしは、家に帰るとぐったり・・・。ちょっと前のCM、女性が帰るなり「柴漬け食べたい」。と言って倒れこむコーマシャルそのもの。
食べたのは、おかゆとキムチだった。

きのうの夜も電話がかかってきた。内容は「僕はどうしたらいい?サホリ」というコト。
「甘えてばかりいないで、ちっとは自分でシャッキリせい!!」と言った。口答えとして「甘えてない・・」と、か細い声が聞こえたが「甘えています」ときっぱり言った。それから電話がジャンジャン鳴るということがなくなり、病院で見た姿が、写真集とヒロクニさんの寝顔。

熊谷守一の世界という写真集は、ちょっと前にヒロクニさんが購入したもの。
ヒロクニ曰く、「熊谷守一は、勝負していないようにみせて、凄い勝負するんだなぁ。抜き身で、両腕下ろしながら勝負する感じだな。なかなか、出来ないことをするんだよ」。
「それに、いろんなものを捨てているところの凄さもあるし」。

わたしは、熊谷守一氏の貧乏と内の貧乏を比べるてみたり、庭の様子、アトリエの様子をもっぱら見ている。熊谷氏には、数学的で論理性がひそかにあるのも発見した。庭の植物のありようには圧巻する。アトリエは、照明の取り方が似ている。傘の下に電球があり、それを点けている様子はヒロクニさんのアトリエも同じ。どの写真も何度見ても飽きない。生活の楽しさ、生き方、絵、夫婦、とテーマがきっしり詰まっていてあきない写真集です。
我が家は、築47年の3DKの木造平屋の借家。そして庭がある。写真集は、大先輩の先輩のお家拝見という気持ちで見ています。
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留守番の猫達

2011-05-22 15:16:38 | Weblog

ヒロクニさんが入院中、猫達はいい子にしてくれてるとは言い難く、帰ると色々な悪さをしている。
上の写真のジルくんは、わたしの靴下を食べるのである。
なんでも食べる猫で、外では芋虫を食べ、夏には蝉が地上へあがってきたところで、孵化する直前の蝉をムシャムシャ食べる。捕まえたすずめや、ひよどりもバリバリ音をたてて食べる猫ちゃんなのです。蝉を食べてる姿を見ていると気分が悪くなる。なんか吐き気をもよおす感じ。


証拠の写真。


こちらのキタハマは、寂しいせいか、わたしのカバンの中に入っているハンカチにおしっこを・・・。病院でカバンからハンカチを取り出すと変な臭いがいきなりして、キタハマのおしっこの臭いと判別した。キタハマはジルが来た頃、ふとんにおしっこをよくした時期がありキタハマの仕業と判明した。
キタハマは、ヒロクニさんと一緒で寂しさを強く感じる猫ちゃんなのです。

ヒロクニさんは、手術後、お腹が痛いとは決して言わない。
病院生活の寂しさの方が強くて、お腹の痛みのことは全然言わないのです。

病室から公衆電話まで行く執念の方が強くて、すぐに歩いている。
その電話を受け取るのはわたしで、よく歩くなぁと感心している。何度も電話がかかってくる度に、凄いなぁ~と。
わたしも手術の経験があるけれど公衆電話に行くのに苦労した。お腹の痛みでしゃがみたくなるはずなのだけれど・・・・。
人からよく言われるがやはりヒロクニさんは‘パワーの人’なのかもしれない。
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病院は、個展会場のように。(作品紹介61)

2011-05-14 18:57:28 | Weblog

入院中に描いた絵を貼っている病室

一番奥の作品は、昨日に紹介した絵です。
新しいのは、次2番目の絵。


わたしは、
この絵を病室で見ていると、ほのかな光が感じるのです。
病院に泊まっていたので、夜になると薄暗い光の中でこの作品は、黄色い四角で区切られた空間の中の、濃いピンクにはさまれた部分が灯火のように見え、よく見るとそれは灯りではなく人の顔が描かれていた。
どうしても灯火に見え、病室に明るさがあるような気がしてくる。


こちらは、一番手前に写っている作品。

病院の近くは、高速道路が走っている。病院から近くに「ビックリドンキー」というハンバーグ屋さんがある。ヒロクニさんは、この‘ビックリードンキー’から見える景色が気に入っていて、コーヒーを飲みに行っていたらしい。一緒に食事をしたハンバーグは、食べているうちに気分が悪くなってしまったが、ヒロクニさんは「美味しい」と言った。

わたしは、その店に行く途中で、ブロック塀の上に小さな骸骨を見つけた。それを言うとヒロクニさんが落ちているのを拾ってのせて置いたとのだそう。「こんなに綺麗な骸骨は見つけられないよ。たぶん猫だろうね」と。帰りにその骸骨が風に吹かれて道端に落ちていた。ヒロクニさんは、「持って帰ろう」。とヒョィと拾って病院に持って帰り、その骨を洗い病院の棚に置いた。

その骸骨は、ピンクのマジックが塗られて引き出しに入れられている。猫を飼っているせいか、猫の・・・と思っただけで愛着が湧くのです。今の2匹の猫達が愛されている証拠の品です。
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ただいま入院中!!(作品紹介60)

2011-05-13 19:30:53 | Weblog

ヒロクニさんは、ただいま入院しております。
入院中、マジックペンをいつの間にか、買い込み絵を描く毎日。
病院の机がインキの跡だらけになっている。


看護婦さんが、絵を貼っていてくれた。
わたしがその事を言うと、「もっと見えるところに貼りなおしてくれ!!」と言われ、広い壁の方に貼りなおした。

昨日は、夜「女房がいないじゃないか!!」「呼んでくれ!!」と言ったらしく、わたしは電話がかかってくるとイソイソと病院に泊まる準備をして、再び病院へ行ったのでした。夜、うとうとと寝たり、起きたりしているヒロクニさんが、酸素マスクを剥がしてしまうのを見張り、喉の渇きをスポンジで含ませた水で口の中だけ潤うようにしてあげるぐらいしか出来ないのだが・・・。今は、いったん家の用事を済ませに帰って来たわけで、今夜も病院へ泊まりです。

1つ不思議なことが・・・。手術後は熱が出ていたのですが、ヒロクニさんが「手をさすって欲しい」と言うからさすってあげていると、熱がどんどん引いていったのです。愛の力と言いたいところだけど、そんなに思いをこめてしたわけではなかったので不思議でした。だって、心の中は眠たいとズーと思っていたものね!

わたしが、朝起きるとぐっすり寝てしまっていて、ヒロクニさんは主治医の先生が来ると「付き添いがこの‘ていたらく’だよ」と告げ口するから、わたしは、たまげた。口うるさいわたしへの仕返しをしてるな・・、と思いつつ苦笑い・・・・。なんかお互い子供ぽい大人!!

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京都の交番から電話がかかってきた(メモ-20)

2011-05-08 15:52:15 | Weblog

大きいノートを買うという、買い物メモ。
大きいノートを文房具店で、一緒に探した。B4版の分厚いノート決めたのを覚えている。

4月6日、急に「京都市中京区三条通西洞院東入る釜座町にかかっている仁丹のホウロウ看板を見に行く」。と言って出て行った。阪急烏丸から歩いて10分位の所にある。わたしは、烏丸御池近くの気功の教室に行くことがあるので、その辺りのことは結構知っていたのだ。その辺りは路地、とはいっても碁盤のようで、角を曲がっても迷うことはないし、本当に京都らしいなぁと思うと同時になんか爽やかなのです。

ヒロクニさんは、地図を渡すと、すっ飛んで行った。
2時間位経ったころ、
電話が鳴った。
「サホリ、家に財布があるかどうか探して」。と言う。
そして、探すと緑色のカバン、入院セットに財布は、氷山の一番上にのっていた。
「あったけど~」。と言うと
「あ~良かった。饅頭を買おうとしたらお金がなくって、財布がないから掏られたと思って。それでサ、今電車賃も無くって、京都に知り合いいない?」と実に爽やかに言うのだ。
「知り合いって言われても、その辺りには知り合いはいないよ。150円で電車に乗って、逆瀬川についたら電話したら迎えにいくから」。といって電話を切った。
電話が鳴った。
「交番なんですが、武内ヒロクニさんという方が、財布を忘れたと言って今お金を借りに来てるのですが、ご家族の方ですか?」と声が聞こえた。わたしは、「そうです」を3度ほど言った。最後に「ご迷惑をおかけしてすいません」。と謝った。

ヒロクニさんは、その日上機嫌でコトを話した。
最所は、せっかく京都へ来たのだからあれこれ買いたいものもあるし、「1万円貸して下さい。」と陽気に言ったそうだ。3人の交番の方に無言でじ~と見られたらしい。そして「5千円貸して下さい。」と陽気に言ったらしい。また、無言でじ~と見られたそうだ。最後に女性の交番の方が、千円貸してくれたそうで、無事帰ってきたのです。この日、ヒロクニさんは、陽気で思い出し笑いばかりして1日愉快なご様子でした。

わたしは、交番の住所をすかさず聞いた。そしてメモした。
とても実用的なメモをした。

ヒロクニさんって、どっか頭の線切れてるよね。
交番の方、千円だけにしていただいて、ありがとうございます。
常識の範囲って、大切です。


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絵とポエム(作品紹介59)

2011-05-04 10:59:24 | Weblog


パチパチパチ。
パチパチパチと種が土の上に落下した。
菜の花は、黄色に萌え寄り添っている。

僕は種を拾い、その種が呼吸(いき)づくのを知った。
その手を日光のぬくみに差し出したら、
手のひらはぬくもり、
さわやかな風が、
あっという間に種をさらっていった。

種はどこへいったのか?
未来なる道を探しにいったのか?
萌え出ずる季節は、はるかなる空とともに上昇する。

仁丹堂5月号の表紙絵と文です。

今年の春は、いまひとつ暖かく感じられないのが残念です。
テンションがいまひとつ上がりません。







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