武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

芸術家と付き合う方法

2010-02-25 10:40:18 | Weblog

カット・武内ヒロクニ

今、わたしを悩ましているのは部屋の温度。暑くて気分が悪い。冬になるとヒロクニさんは冬の寒さに対抗して石油ストーブを2台焚き、ガスストーブをつける。ガスストーブは冬になるとお店の片隅に置いてあるようなストーブだ。いつも温風をヒロクニさんの方に向ける。食事時は、ガスストーブと石油の間にわたしは座り、すべての熱はヒロクニさんが正面で受け止めるように配置してある。まるで、亜熱帯植物が植えてある温室のようだ。食事を取ると身体が熱くなり、「暑い!」と言いつつ服を脱ぐ。服を脱ぐとシャツ一枚で、額にはバッテン印、つまり額にシワ!!冬は厚着して寒さをしのぐということがわからんのか?とヒロクニさんの服装をみると、綿の長袖にTシャツ姿。もちろん靴下は履いてない。その上「セーターは嫌いだ!!」ということで身に着けようとしない。神が私達に広い快適な部屋を与えないのも幸いかな。それでも人様に言えない位、恐ろしい暖房費だ。

坂口安吾のことを書いた坂口三千代さんの「クラクラ日記」を呼んだことがある。無頼派の作家、坂口安吾と過ごした日々のエッセイ。坂口安吾の日常を綴った壮絶な坂口三千代さんの物語なのです。坂口安吾がアドルムの大量服用から精神の錯乱状態の頃の文章を読むとギリギリまで彼女は耐え、素直に嘆き、人の力も借りながら乗り越えて行く。わたしの心を捉えたのは彼女の「素直な心」である。とても心の素直な彼女だから、嘆いた後に必ず人にもうまくその負担を持ってもらいなんとかするのである。だからいつもギリギリまでがんばる。安吾は、往来で裸で暴れたり、三千代さんを閉じ込めて家に火を点けようとしたり、チャプスイを食べてから自殺しようと言ったり普通の生活では考えられないことばかりだ。その日常を乗り越えることが出来たのは、彼女の屈託のない性格と素直な心の賜物だと思っている。
もう一つわたしの心を捉えたのは、三千代さんは出版社に出かけて行ってお金を前借したりして、結構買い物をするのです。わたし、その箇所が出てくると愉快な気持ちになるのです。三千代さん万歳!!と拍手を送りたくなるのです。

この本を読んだおかげで、「ヒロクニさんなんてちょろいもんよ」と思うようにしている。ヒロクニさんも結婚当初、精神を患って錯乱を起こし大変だった日々があり、わたしも随分悩んだ。2人っきりの時にそれは必ず起こり、人に信じてもらえず大変でした。でも、その日々は3年で過ぎ去った。
芸術家と付き合うには、体当たりしかないのかもしれません。
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天井画の制作現場 1

2010-02-22 09:56:14 | Weblog

制作3日目。壁紙のシートを切って、同時に何枚もの絵をあっちこっと手を入れていく。


はじめは、白のジェッソ(アクリル絵の具)ではじめていった。すべて即興的に描いていくのがヒロクニ流。


色を選んでいくのもとても早い。
後ろの方に見えるのは、歯ブラシを銜えた「歯磨き女王」らしき人物が・・・。青い水玉のパンツを穿いている。まだ描きかけの段階。


上の写真の前の段階の写真です。青い色がまだ塗られていないときの写真ですね。


青色でぐいぐい描いていくヒロクニさん。
後ろには、出来上がったものを貼っていった。


これが、描いていた絵の出来上がり。
オレンジの目の人物が面白い。


この絵が天井にある店内の様子。絵の中に文字が描かれていて、それを見つけて訳せた人には、何かプレゼントがあるらしいよ

この個展中の4日を使って、宝塚市にあるイタリアンブティック&カフェ「Fata」にて天井画の製作に取り掛かっていました。可愛く、お洒落な天井画が出来上がりました。内装の方には「黒の部分を残して描いて欲しい」と言われていたのもかかわらず、隅々まで絵の具を塗ったヒロクニセンセイであります。落書きのような絵が天井にあちこちに散らばっています。本日紹介したのは、ほんの一部です。
このお店は、わたしがひっそりと独りの時間を過ごす店でしたが、ヒロクニさんに「どこ行くの?」と聞かれ一緒に行って、今や、ヒロクニさんに占領された。美味しいコーヒーが飲めてタバコが吸えるというヒロクニさんにぴったりのお店だ。音楽は、ヒロクニさんが持ち込んだジャズが流れ、思わず「家にいるみたい」とスタッフにもらした。ジャズの名曲が流れ、時々シャンソンが流れる大人の店に・・・・。でも、わたしには、数々の名曲が流れる我が家の台所になってしまいました。

制作中は、Fataのオーナー、スタッフの方には、食事やコーヒー、その他etc・・・たくさん親切にしていただきありがとうございました。感謝です!!
お店のホームページ
http://www.fata-web.com/ こちらのオーナーのブログにて、天井画の制作の様子もみれます。天井画公開は、お店のリニュアールと共に。2月18日より公開しています。

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武内ヒロクニの個展の会場にて 2

2010-02-17 10:01:17 | Weblog

作品を途中で増やし、少し感じが変わった壁面。


都市の曼荼羅、万華鏡的な作品。Death is Candyという中央にプラスティックのフタが貼り付けられている作品。とても細かく虫眼鏡で見るのも面白いのでは?と思う。少しアップで写真を撮ってみました。


この部分は中央上の部分。


これは、右側の上の部分。


これは、右の端の真ん中部分。


これは、中央より少し左の部分。


これは、フタが貼ってある所。じーと、じーと見ているだけで飽きない作品です。街の中にたくさんの人が記号のように描かれ、時間の流れの中に身をゆだねている。飛行機も飛び、ビルや家、たくさんの建物にそっと草木や花が咲いている。絵の中の散歩をしているうちに目がまわりそうです。


個展の会場にて気にいらない作品に手を加えている。


「う~ん。どうだ?もう少しだなぁ」絵を描きだすととまらないヒロクニセンセイです。

「泣く子と地頭には勝てぬ」という言葉がありますが、泣く子と地頭とヒロクニセンセイには勝てぬ」を痛感した二週間でした。究極のマイペース人間ヒロクニさん。もちろんB型。わたしは、血液型A型、基本まじめ、事故とかよっぽどの事がない限り時間は守りたい。時間に遅れているのに、コーヒーを飲んでから・・・タバコを吸ってから・・・。お店では勘定を払うにのに財布を出すのもめんどくさいらしく、わたしは、荷物をいっぱい持ちつつ、いつも勘定を支払います。

個展は、17日(水)5:00まで。もう終わりに近づいてきています。寒いですが、実物の絵のエネルギーを感じてヒロクニパワーを満喫しに行くというのはどうでしょうか?脳ミソの開放で~す。


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武内ヒロクニ色鉛筆の世界展・今日、搬入

2010-02-04 11:14:46 | Weblog

やっと、作品28で紹介した作品が完成した。(左上は、ライトが当たりすぎて白っぽく写ってしまいましたが・・・。)
作品の大きさは76センチ×57センチ。もちろん、下書きは無くいきなりボールペンで描かれている。ボールペンを使ったのも初めて。やはり街の曼荼羅。
ヒロク二さんは、凄い人だなと思う。凄い絵だなと。ヒロク二さんの絵が好きで結婚したようなものだから、いい絵が出来たときは嬉しい限りです。困った日頃の行いは、大目に見る。
わたしは、普段は大雑把な性格で決して、良妻賢母とはほど遠い人。掃除が苦手という致命的な欠陥を持っている。時々そのコトで怒られたりするが、「もし、わたしがきちっとしていて、道具と絵の具の間で寝るような生活に我慢がならないような性格だったらどうするの?」と云うと「確かに」と頷く。今日はわたしの染色の道具が散らかっている。そして、これはヒロク二さんが大目に見てくれている。お互い様です!!


秋晴れのとても気持ちのいい日が続く。
そんな頃に出来上がった色鉛筆とボールペンで描かれた作品。
ヒロク二さんも穏やかな気持ちで過ごしている時もあるのだと思いホッとした。数日間、苦虫を噛んだような顔をしていたからね!麻生総理大臣の曲がった口をテレビで見かけると「一国の主相の顔が、ここまで口が曲がらなくても・・・」と心が落ち着かなくなったが、ヒロク二さんの歪んだ口を見るのも心が落ち着かない。その顔は、半端じゃない。飼い猫ですら、その表情を見るとスゴスゴと顔をそむけて離れていくのだから。
しかし、確実にヒロク二さんにも秋晴れが細胞にしみわたりDNAに働きかけていた。ヒロク二さんは、頭で描かずに、身体で絵を描く。
上2点の絵は新作で今回の個展で展示する作品です。
新作、旧作とも実物を見に来て下さい。迫力があります。ミニアチュールも展示致します。


武内ヒロクニ色鉛筆画の世界

 <案内文>
「しあわせ食堂」が出版され、好評であったことは、本当にうれしいことです。破天荒な挿絵とカット、幸穂里さんの裏話、わたしも気合を入れた文章を書き、出版社も次々とアイデアを出して素晴らしい本ができました。しかし、ヒロクニさんの真髄骨頂は本来の色鉛筆による都市曼荼羅です。若き日のロック・メディアスポット「Voxヒコーキ堂」を主宰した頃から、一貫して先端に視座を据え、孤塁の城塞から美術界に異彩の弾丸を撃ち込んできた。今回の個展は、3月に念願の銀座進軍の前哨戦である。

     ギャラリー島田  島田誠

日:2010年2月6日(土)~17(水)
場所:ギャラリー島田1F deux
住所:神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲートB1F 〒650-0003
TEL&FAX 078-262-8058
HP:http://www.gallery-shimada.com
OPEN 12:00-19:00 ※火曜日は18:00 最終日は17:00

 東京展のご案内 ギャラリーゴトウ、ギャラリー枝香庵 同時開催3月15日(月)~27(土)
ギャラリーゴトウHP http://www.gallery-goto.com/
ギャラリー枝香庵HP http://echo-ann.jp/
東京展は、しあわせ食堂の原画と共に、色鉛筆の作品を二つのギャラリーにて同時開催致します。

色鉛筆の絵も体だ当たりだ。街に身体をすりつけるように歩いた証が色鉛筆の作品郡。いつも体当たりの精神で挑むところがヒロクニセンセイらしい。

絵を描いてる途中で「僕は、また一年生になった」とヒロクニさんは時々呟きます。他に追随を許さない色鉛筆の世界展にてお待ち致しております。

4日は搬入。個展は6日から!!

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我が家の食卓・魚飯とかす汁

2010-02-01 13:14:30 | Weblog

この魚飯というのは、毎日新聞の「しあわせ食堂」で絲山秋子さんの「セネガル飯」を作ってみた時に、作る工程でふっと浮かんだ料理。セネガル飯のレシピは解らなく写真と文章から想像して作ってみたが、多量に油と酢を使うというのが理解しがたく作りながら怖かった。日本で言えば、バリエーション豊富な炊き込みご飯といったところ。新聞には、絲山秋子さんが簡単にどんなものか具体的に書いてあるが、事前にそれは読めなかったということもあって考えて作ったものをヒロクニさんに描いて貰った。たぶん世界に一つしかないセネガル飯だった思う。赤いぶっ掛けるソースが難しかった。

魚飯の作り方(2人分)

①米1.5カップを洗い、ザルに上げて水分をきって置く。鍋に2カップ強の水を入れ、その中に昆布を入れ、昆布のダシをとって置く。
②まず、魚(がしら)二匹を買ってきて、はらわたを取り、軽く小麦粉をつける。それを、から揚げする。きつね色になるまで揚げる。
③蓋が密着できるフライパンにオリーブオイルを大匙2入れ、火をかけてザルで水を切った米を入れて、米が透き通るまで炒める。炒めたら、カップ2の昆布だしと小さじ1/2の塩入れて混ぜ、中央部分に揚げた魚を入れる。蓋をして初めは中火で、煮立ってきたら弱火にして25分炊く。
かす汁は、ゆずを入れた鳥団子がいい感じでした。作って冷凍していたのを入れました。それが良かったようで美味しかった。

出来上がりが感動的です。
食べる時は、魚の骨をはずしていって、身だけにしてから混ぜながら食べるのがベスト!!
揚げた魚から香ばしい香りがご飯に移っていてとても美味しい。がしらという魚はちょっと骨が多すぎるのが難点ですが、少ししょうゆをたらして食べるとさらに美味しい。
ヒロクニさんは、「幸せ」と言って「これで、またやる気になってきたぞぉ~」と興奮気味に話してくれました。いつも思うのですが、料理ってすごくうまくいく時となにもかもうまくいかない時がある。うまくいった時の一番いいときが、この日でした。

時々、料理は工作に似ていると思う事があります。

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