この作品は、「娘達、草達」という色鉛筆作品。
実は、この作品は、下の写真にあるように、神戸・ギャラリー島田での個展の最中に描き足しはじめ、家に持ち帰ってまた描き足し始め、出来上がった。
この作品は、もちろん東京展に出品します。草が風に揺れ、春の到来を歌っているようだ。
現実は、冬で寒い。
それゆえに、この作品の中にある喜びの季節の到来は、まだか、まだかと待ちどうしい。
ヒロクニさんは、描いている時は、ほとんど無意識の状態で、こんな事はまったく考えてないと思う。「そうであらねばならないから、そうである」という事らしい。
この絵は、ほとんどクレヨンで描かれていて、わたしが1番不可解な気持ちになる作品。
この作品を見ると、ヒロクニさんから、無理難題を言われて、理不尽な気持ちに陥った時の気持ちがぴったり当てはまる。
東京展を前に、雑務の準備を進めていると、忙しいのに「映画を見よう!」それも午前2時。寝るのが遅れているのは、雑務が終わらないからだ、とかは思わなくて、自分はほったらかしにされてつまらないと思っているのね。「忙しくてごめんなさい。寂しく思ったりしないでね」と言うと、膨れっ面で「寂しく思ってる」と言う。それでも雑務をしているとだんだんと電波が大きくなるように、寂しいようという気が身体に伝わってくるのです。ピリピリと。しばらくすると、その寂しい気が怒りに変化していくのを感じるようになり、わが身に危険信号を感じるようになると要注意だ。わたしも「ごめんね」と言っても無理だと思うと同時に「何でわたしが謝らないといけないんだ」となりひと悶着起こすことになる。もうすでに、怒りの衝突で心身の調子に不安なわたしだ。
そこで一計を案じた。
「ラブコール作戦!!」
普段、わたしはとても世話焼きで、行動的にはヒロクニつくし。それでも「愛が足らない」と感じるならば「言葉だ」。いつも、ヒロクニさんに説教をする舌で、愛をささやくのだ。
「ヒロクニセンセイ、サホリはヒロクニセンセイのコト、ア・イ・シ・テ・イ・ルのよ」と勇気を振り絞って言った。じーと目を見て。そうしたら、ちょっと笑ったのです。東京展を無事終える為には、羞恥心も捨ててラブコールでLet's go!!しかありません。
「ある宇宙の風景」はクレヨンの作品ですが、新作として展示する予定です。
見る目が変われば、この作品は全く違う見方になります。さてあなたはどんな感じ?
以下 ご案内
「しあわせ食堂」原画&色鉛筆の世界展
武内ヒロクニ展・東京
2010年3月15日(月)―27日(土)ギャラリーゴトウ&ギャラリー枝香庵同時開催!!
詳細
毎日新聞連載の「しあわせ食堂」に150回に渉ってドカーンとカラー版のヒロクニ特大異彩画を描き続け挿絵革命を起こした武内ヒロクニ。それらをまとめた本「しあわせ食堂」は涙あり笑いありで大変、好評です。アートという荒れる大海を銛ならぬ絵筆ならぬ色鉛筆を手に、狙う獲物は、彼の生きてきた時代、空気、埃、淀み、流された血、精液などが塗りこまれている街。かくしてヒロクニの絵は都市曼荼羅となる。反俗にして異端の巨匠が、20年ぶりに東京・銀座の二つの画廊で同時開催という快挙である。二つのギャラリーを合わせると、挿絵原画と“色鉛筆曼荼羅”60点の大展覧会となる。是非、お運び下さい。
ギャラリー島田・島田誠(文)
★ギャラリーゴトウ 11:30~18:30(最終日16:30まで)※日曜休廊
★ギャラリー枝香庵 11:30~19:00(最終日17:00まで)※日曜休廊
★オープニングパーティー 初日17:30~(作家は両ギャラリーを巡回します)
ギャラリー詳細
★ギャラリーゴトウ
〒104-0061
東京都中央区銀座1-7-5 銀座中央通りビル7F
℡03-6410-8881/Fax03-6410-8882
http://www.gallery-goto.com/
ggoto@juno.ocn.ne.jp
★ギャラリー枝香庵
〒104-0061
東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F
℡050-3452-8627/Fax03-3567-4921
echo-ann@tune.ocn.ne.jp
★地図
この個展は、神戸のギャラリー島田での「しあわせ食堂原画展」と武内ヒロクニの世界展が、二つのギャラリーで同時に見ることが出来るのです。
ヒロクニセンセイとわたしは、15日~18日まで滞在する予定です。