武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

すいとんの巻

2009-02-13 22:04:37 | Weblog
毎日新聞夕刊(東京都内版)2009年2月3日連載のえ

弥生式土器の様な器にすいとんが入っています。昔すぎるのでは?

歌手の島倉千代子さんは、戦後の食べ物が何もない時代に母が作ってくれたすいとんは、具が一切なし。それでも、母の味でとても美味しかったと語ります。また、疎開先からの品川に帰ってきたら一面焼け野原で、大鍋ですいとんを作って配給していた。子供の島倉さんは、ある日の夕方、どんぶりを両手で抱えて長い列に並んで待っていた。順番がきたと思ったら、目の前ですいとんがちょうどなくなり、泣きながら家に帰ったといいます。

とても胸が切なくなる「すいとん」の思い出ですね。わたしは、兄弟が多かったせいで、長女のわたしは、親によく「お姉さんだから、我慢しなさい。」と言われ、おやつを我慢させられたというか、譲らされた。ある時、「好きでお姉さんになったわけじゃない!今日から妹になる!」宣言をした。その背景は。おやつ、食べ物だ。食べ物の恨みは怖いというけれど、まさしく、それだった。島倉さんの世代はそんなどころじゃないわけだから、その悲しかった思い出はほんとに悲しかっただろうなと思います。

すいとんは「しあわせ食堂」で出てくるのは、2度目。
今回も、具のないすいとんだ。ヒロク二さんは「大きいすいとんを作ってくれ!」ときた。手の跡がくっきりと出ているすいとんを意識して作った。戦後とサツマイモが結びつき、サツマイモを1.5センチの角切りにしたものを入れてみた。食べるつもりなので、薄い出しと塩の煮汁で作りました。それが、下の写真のすいとん。出来上がりです。

ほとんど水だけで煮込んだのも同様なのでおいしいのか?と思って食べました。すごくおいしいわけではないけれど、結構いける。さつまいもの甘さと塩味が、とてもシンプルで、複雑怪奇なものを食べることに比べたら、スカッとする。心もスカッとしました。ヒロク二さんは、あまり食べることに興味が無い人で、「昔、食べなかったの?」と聞くと、「そういえば、お袋が作っていたような気がするけど記憶にあまりない。」とのご返事。ヒロク二さんにとっては、食べ物より、愛情を感じる道具として、「サホリさんのお料理」があるのですね。やはり、おかずを買い食いすると白けるようで、食卓がし~んとする。それが、嫌でいつも「今晩、何しようか?」とスーパーをグルグル廻っています。

この度のすいとんは固めでした。
薄力粉 400グラム
塩 二つかみ
ぬるま湯 200cc で作りました。さつまいもを入れるのはお勧めです。

具の少ない、すいとんはとても心がスカッとさわやかになります。時々とてもいいと思いました。
コメント
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