武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

播州への散歩(色鉛筆作品紹介739)と商店街の夜祭

2023-07-26 12:48:45 | Weblog

夕暮れに走る電車。

ローカルな電車、山陽電鉄のような雰囲気があります。

この電車は、神戸の長田区「西代」から「姫路」を結んでいて、

車両も長くなく、乗ったとたんローカル味があって旅行気分になる路線。

「東二見(ひがしふたみ」という駅で降り立ち、路地を武内と散策したことがあります。

わたしは京阪神で育ったので、未知の土地でありましたので、

はじめての風景、はじめての土地の気、ゆっくりと時間が流れているような感じがする人々。

路地を歩いて行くと、海に出ます。

とても小さな船着場があって、小さい船が並んで浮いていました。

時間が夕刻になっていて、光がオレンジを帯びたように感じ、

空を見ると、太陽が傾きかけ、雲が暖色系に輝き、海は静かでした。

陽が翳ってきた頃、また路地に戻り、

いかにも町のお好み焼きやさんという風情のぷんぷんする店で、

旅の途中によった何気ないお店という演出を自分の中でして食べ、

路地に立っている木造の朽ち具合を思い浮かべていました。

帰りがけの道では、それた路地の奥に行くと急に目の前が開け、

四方に家があったりと、京都のような景色も。

わたしにとっては、山陽電車に乗っておりた東二見の地は、暖色の町。

そして、この絵やはり旧作、その頃に描かれた絵になります。

第一印象は、「何でチコちゃんがいるの?」と思ったのですが、

この絵はチコちゃんが登場する前に描かれているので、この形は武内発なんです。

↑海沿いを走る山陽電鉄の図。

黒い文字の所が東二見駅の場所。

この電車に乗ると、海が見えるところがあり風情を味わえます。

今日書いた東二見の様子は、もう30年前になりますので、

マンションが建ったりして景観が変わったかもしれないと思いながら書きました。

人類は発展していかなくてはならないし、時間と共に変容していくのが自然だと思うのですが、

失っていくものにも愛着が湧きます。

ゆっくりと時間が流れ、何か物言うような風景が強烈に焼きついています。

心の中は時間を行ったり来たりできるので、

「わたしの中での暖色の町。」と記憶しておくことにしました。

武内の絵は都会的なものから、懐かしいものへの郷愁があります。

見比べてみると楽しいのではないかと思った今日でした。

今日の絵は、懐かしい編というわけです。

武内の行く散歩コースなので、幻想めいた印象を持ったのかもしれません。

 

では、神戸暮らしのことを。

25日の夕方、誘われて神戸元町通の夜祭に行ってきました。

家を出て徒歩で15分。

ヒロクニさんは、急な来客があり、家でしたい作業があるから、わたし1人で。

そして、言う。

「さっと行って、さっと帰って来てね。」と。

いつものことなんですが、なんか落ち着つかない。

それでも、夕方は海からの風がそよぎ、歩くと気持ちが良かった。

以前住んでいた宝塚は、郊外という感じで、都会というより田舎ぽい部分があり、

水田もちらちらと見られるようなところだ。

きっと、今は稲の葉が伸び始め、背が高くなり始める頃だと思う。

それが、ビルや住居が立ち並ぶ風景に変わった。

歩いて通った道の写真を撮りました。

↑歩きながら下っていっているのですが、交差点の所でゆるい上がり坂に。

アップダウンがあり、これがわたしを混乱させる。

「普通、道はだんだん下がる。とか方向性があるもの。」と今までの経験で思ってしまうのです。

↑そして、目的地「田村家具」に着きました。

ここには、ヒロクニさんの友人がいて、神戸住まいを始めてからよく行くようになったところ。

凝った家具や蝶番が置いてあり、行くとつい見惚れる。

中世の刺繍にはまってから、重厚なデザインを見ると、ときめくようになった。

そして、店番をしているキュートな女友達と、おしゃべりに花を咲かすのです。

夜店らしい店もありますが、元々ある店が食べ易いように自慢の店の味の料理を

小ぶりの容器に入れて売っているカレーとか、

中華のおつまみは、そんなに高くなく、ちょこっとその店の味を楽しめるようにもなっています。

これは、わたしにとって魅力。

ただし行列が出来ていたり、人でごった返している。

↑こんなふうに。

もう人で一杯で、こういうのも久々に遭遇。

自粛があけ、皆楽しみにしていたのだと思いました。

歩いていると、汗だくになります。

環境が変わり、心境にも変化を感じています。

今日は、ローカルな話題ばかりでした。

武内の絵には、播州があり、そんなことからこんな話題になったのかもしれません。

今日も最後までお読み下さった方、ありがとうございます。

 

 

 

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武内のふるゆわ(作品紹介738)と さえない散策

2023-07-19 20:16:52 | Weblog

B5サイズの模造紙に黒のマジックで描かれています。

「暑い。もうだめ。」と茹るような気温。

昨日、ブログを書こうとすると、気温がどんどん上る。

机の前に座っても汗だけが出てきて、頭が働かない。

そうそう、2階に取り付けたクーラーの部屋でリフレッシュよ!と思い、

部屋にある作品を入れてある、ケースを開けてみると、

束になった絵を発見しました。

厚さ3cm。

メモのような走り描きのようなものから、ややまとまっている絵といろいろ。

すべてマジックで描かれていました。

↑ちょっとばらして、写真を撮ったもの。

マジックでもいろんな絵が描けるのだなぁ~と感心します。

上のシンプルな絵を選んだのは、

暑くて考えがまとまらない暑苦しい気分に、一瞬清涼剤のように、この絵が染み渡りました。

武内は、いつも眉間に皺を寄せ、難しい顔をしていることが多いのですが、

そのタガが外れると、とても可笑しな人になる。

今回の絵は、絵のタガが外れていて唐突で、意表をつかれた。

ナイキのマークのような形に、口笛を吹いているような口の形。

江戸時代の絵の中に、“ふるゆわ系”に思える絵があるのですが、

きょうの絵は、武内のふるゆわ系の絵だと言っていいかもしれないと思いました。

江戸のふるゆわの絵を2点紹介したいと思います。

↑徳川家光が描いた水墨画。

「兎図」

目が黒くて、うさぎの耳が長すぎ?だけど、味がある。

 

↑仙厓義梵 「犬図」

こちらの絵は、禅僧のもの。“きゃふん“と泣き声が。

絵は可愛らしいけれど、巻物が括りつけられているから、深い意味があると思われる。

 

こういうマジックで描いたメモを時に眺めることがあって、

「こういう遊びから、組上げるものがあるんよ。」と武内は言う。

レジャーで遊ぶとかではなく、絵で遊ぶという感覚がわたしはいいなと思ったりします。

 

 

文中にあるとうり、昨日の暑さにまいっていました。

そして、引っ越しから1ヶ月が経ったところ。

パソコンのある場所は、階段の上った所にスペースがあって、小さい机を置いています。

階段の上から、ヒロクニさんが何か言っていると、

「何か言った?」「何ですか?」と大声で叫び、コミュニュケーションし易いのではと思って。

「これ、上に持って上って。」は、お互い階段をすべて登らなくても、連携プレイでスムーズだ。

しかし、2階を上ったスペース(部屋じゃない)は、クーラーが及ばない所にあり、

太陽が照り付け始めると、昼からはサウナのよう。

座っているだけで暑い。

そして、夕方になると山からの風が窓からスッと入ってきて気持ちいい。

こういう時に、海から霧笛が聞こえると海に近いのだと思い、神戸に住んでいる実感が湧く。

少しづつ、新居に親しみを持っていっています。

 

あまりにも暑いと、アーケードのある元町通りまで出るのが大変なので、

街歩きは本格的に出来ないでいる。

以前は、お出かけの帰りによる大丸百貨店でしたが、今日を境に商品の把握が出来た。

食料品の把握に余念がないのでした。

(百貨店は冷房が効いているので、かなり長くいました。) 

そして、普段使いにも把握してあるご近所百貨店になった訳です。

服装は恐れていたとおり、お出かけ服装ではなく普段着で。

このラフ感はもうやめられない。

暑いので、小さな喫茶店や好きな店を見つけるのは、秋になりそう。

 

駅に近いところに“銭湯”を見つけました。

↑花隈駅に近い。

こんなところに銭湯があるのに驚きでした。

家からは12分ぐらい。

家に帰ってからこの話をすると、即、

「つかさ湯?」とヒロクニさん。

「そう。それ。」とわたし。

「その銭湯は、小学の頃よく行っていた。きれいな銭湯でねぇ。」

「その他の銭湯よりきれいでねぇ。そこの娘さんが同級生で、銭湯の2階にも入ったことがあるよ。」と。

「そのぅ~、以前は木造だったの?」と聞くと、

「木造だったけど、きれいでねぇ。」と言う。

“きれい”と何度も出てくるので、きっと昭和の始めから清潔感があったんだと想像しました。

ボーと銭湯を眺めていましたが、角を曲がり帰り道を行くと、

「さほりさ~ん。」と呼び止められ、知り合いに会った。

「こっちに引っ越してきて良かったですよね~。」と言われ、

この言葉によって、私はだんだん神戸に愛着が増えていくのだろうという予感がした。

返ってからヒロクニさんにそのことを言うと、

「さほり、もういろんな人に出会うって凄いじゃないか。」

「俺は、さほりが神戸にデビューしてくれて嬉しい。」と。

「デビューって、いったい何なのさ。」と思いました。

「わたしは、ヒロクニさんと違って“俺は画家だ“という主張も自意識過剰もないぞー!」と心の中で叫ぶ。

自己と他の区別は、しておいて欲しい。

なんか、ピントが変なヒロクニさんだ。

 

 

最後はピピ。

↑絶対、1階に下りてこないピピ。

階段の上から、下を覗いています。

頑なに2階の住人を貫いているようです。

“おじゃこ“や“チュール”で誘っても降りてきません。

 

暑い日が続きそうです。

絵を見て、少しは涼しくなったでしょうか?

なるわけない!って。

暑い中、今日も最後まで読まれた方、ありがとうございます。

これから、夏真っ盛りになるのでしょうね。

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街の散歩(作品紹介737)と 神戸の小道

2023-07-11 12:18:46 | Weblog

B5サイズより少し大きめの薄紙に描かれた絵を、

A4サイズより少し大きめの厚紙に右詰め貼っています。

厚紙は、鉛筆で黒く塗り込められ全体が絵なのか?

わたしにとっては、謎めいた状態の絵になります。

描かれた絵の方は謎めいていなくて、元気に街を繰り出し、街歩きというふうに見受けられる。

元気で、躍動感すら感じます。

武内は、「よく街を抜けて行ってね。」という言葉を使う。

それは、こういう感じだったのだろうか?

この絵を描いた頃は、明石に住んでいた頃だ。

若かった???頃の作品だ。

思い返して見ると武内も随分歳を取ったものだと思う。

明石のアトリエで、6Bの鉛筆を買い込み、白黒の作品ばかり描いていた姿が思い浮かぶ。

一時、集中してこのタイプの絵を描いていました。

そして、ある日、白黒の絵に色が取り入れられ、次のスタイルに。

こうやって変化をくり返していくのが武内流のようです。

 

こういう街の絵を見ながら、

現在、引っ越し疲れで、武内は、なかなか街歩きができないでいます。

そんなことを思うと、この絵に若さを感じます。

若いといっても、60歳に入ったばかりの頃。

 

さて、引っ越しを終え、新居に移って早一ヶ月。

ヒロクニさんは、「神戸。」「神戸だ。」と言いながら、

街に行けないでいます。

物の配置に苦心していて、画室を使いやすいように何度も配置換え。

歩くゆとりがないようだ。

今現在開催中のギャラリー島田でのオープニングの会場へ行く時も、

「歩いていくと30分ぐらいかかるよ。」と言っているにも関わらず、「歩いて行く。」と言い張る。

いきなり疲れが溜まった身体には、無理があると思っての配慮。

わたしは地下鉄か、高速神戸に乗った方がいいと言うのだが、聞き入れられなかった。

家を出て5分。

坂を何回か上って、ふり向いた顔が怖い。

その顔を見て、「もう疲れているのと違うの?」と言い、

「タクシーに乗った方がいいのと違う?」と。

そう言いながら知らない所で「タクシーをどうやって呼ぶの?」と内心取り残されたような気分。

土地勘もなく、スマホすらうまく使えないわたしは、固まっていた。

よく分らないなりに坂を下りると、大通りに。

そして、なんとか呼び止めた。

分らないというのは、ハラハラするなぁ~と思いながら、ギャラリー島田に着く。

ギャラリーでは、簡単な作家紹介では、ヒロクニさんは野次をよく飛ばし、

人を和ましていました。

自分の紹介が始まると、言う内容が脈絡なく、思いを羅列。

自分の住所を書いた紙を手に持っていて、引っ越ししましたの報告で、

番地まで言いそうになっていたのを、

「個人情報をすべて言っていいんですか?」とスタッフが諭してくれてホッと一息。

自由に交流が始まると、ヒロクニさんはモテモテ状態でいろんな作家が挨拶に。

コロナ禍では、ギャラリーでは交流会をしないようにしていましたので、新鮮な感じでした。

そして、「急に帰ろうサホリ。」と帰りの合図。

まだまだ、引っ越し疲れが身体に残っているのだと。

そうだと思う。

わたしもまだまだ、疲れが取れていない。

やっと、近くの図書館に行くことが出来たくらい。

そして、今は「所変われば品変わる」これを感じている最中。

引っ越してみて分ったことは、以前住んでいた“宝塚”は、やや大阪圏の影響が大きいということ。

スーパーでも、同じ地域から来ているもの、例えば同じ愛媛産のキャベツでも何かが違う。

ヒロクニさんまで、「万代スーパーは、良かった。」とか言い出す始末。

わたしは、食品を入手するのは重要なので、

歩いて(坂があるから自転車を押していかないといけないのが嫌で)行ける食材のある所を狙って、

あちこちへ出かけています。

行きは必ず迷うか遠回りして着き、

帰りは少し気持ちにゆとりが出来るのか、景色を見ながら帰ります。

ムシムシして暑い中、汗だくで歩き、

帽子だけだと腕が焼け、夏になる前から日焼けする始末。

今まで、坂道というものを知らずに過ごしていたので、今更ながら鍛えられているという感じだ。

細い路地のような坂や、斜めに延びる小道、いきなり曲がりくねる細道。

神戸は、小道が多く今まで住んだことのある地域とは違う。

たぶん、こういう小道を散歩してきたのがヒロクニさんなんだ。

ハッとしました。

小学校の頃に神戸に来て、神戸を転々としながら過ごしたヒロクニさん。

好きな道や、路地への思いがあちらこちらにありそうです。

早くヒロクニさんの疲れが取れて一緒に散歩が出来ますように。

やはり、85歳なので疲れが取れるのが遅いようです。

瞬発力はあるが、持続力が難しいのですよ。

一緒に行けるようになるまでは、食品を買っては、食べて点検に励みます。

野菜の味も違うとは、思いませんでした。

蒸し暑いので、スイカをあれこれ買っています。

小玉スイカは、以前の所より安くつい購入。

肩にカバンの紐が食い込むくらい荷物が重くなる。

自分でカットすいかを作り、冷蔵庫に入れ「これで良し!」と冷蔵庫の前でつぶやく。

とても満足。

冷えた麦茶があれば、もう夏!という感じです。

 

 

蒸し暑い雨の日に、ピピ(猫)の首輪を作りました。

↑布を見たとたんいきなり。

ピーちゃんの茶色の毛に合うと思って。

ボンドで首輪の輪のところは、古い首輪にまいて。

リボン部分は手縫いで、ふくらみをもたせるのに綿を少量入れて。

同系色だけど、合うとにらんだ。

↑付けてみました。

ヒロクニさんは、「やっぱい首輪はあるほうがいい。」と言う。

わたしは、「ピーちゃん、可愛いわ。」と言い、ピーを抱き上げピーの頬にスリスリ。

↑いつも2階にいるピピ。

このゲージでも寝ています。

寝る前にこの部屋で、1匹と2人になると嬉しいのか目が爛々としてきます。

そして、隣の部屋から走ってきたりしてはしゃぎます。

 

まだまだ、疲れが残る身体ですが、一安堵ついています。

ゴミの出し方にもなれたところ。

分別の仕方が違うので、コレをココに入れていいのか?と混乱するのです。

「習慣とは、強い力を持っているのね。」とその切り替えの出来なさに驚くのです。

今日は、まだまだ疲れている編という内容になってしまいました。

最後までお読み頂いた方、ありがとうございます。

 

 

 

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シマダデマンダラ企画展の案内 ある男の肖像(作品紹介736)と引っ越しあれこれ6

2023-07-02 14:54:35 | Weblog

この度、「ギャラリー島田 45周年特別企画展 シマダデマンダラ」に出展します。

日が迫ってきていますが、なんとか明日に搬入出来そうです。

引っ越し期間と重なるようなタイミングだったので、なんとか・・・、という感じであります。

ギャラリーの趣旨としては、

■ギャラリー島田は今年、海文堂ギャラリー創立から数えて45年目を迎えます。

 節目となるこの年、45周年企画として特別企画展「シマダデマンダラ」を開催いたします。

 いまこの同じ時代を生きる作家たちがさまざまに制作した作品――

 その一点一点が1つの宇宙といえる作品が集まり、

 ギャラリー島田を舞台に、

 祈り、

 そして希望のマンダラ的時空が現れることを願って――

期日は、■2023年7月8日(土)~7月25日(火)

     11:00~18:00(最終日は16:00まで *会期中水曜日休み)

     7月8日(土)16:00~オープニング

場所は、■神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲートB1、1F

電話  ■078-262-8058

HP   ■http://gallery-shimada.com

MAIL  ■info@gallery-shimada.com

引っ越しにより、ギャラリー島田には、随分近くなりました。

オープニングには参加の予定です。

では、どんな絵を出すか?

こちらになります。↓

サイズは15.5cm×17,5cm

鉛筆、色鉛筆、アクリル絵具で描かれたミクストメディア。

タイトルは、「ある男の肖像」

お値段は、20.000円

今回も安くお値段の方は、頑張っています。

ここに描かれた男性、モデルは武内の友人です。

 

では、またまた引っ越しあれこれを。

やっと、ダンボールの数も残すところ18個。

詰めたダンボールは、100個以上。123個ぐらいあったのかな?

途中、ダンボールの追加を取りにいってくれていました。

荷物は、紙、絵、あと画材が主流を占めていて、箪笥なんかは少ない我家。

そして、引っ越しのプロの方には感心しました。

梱包に来られた女性の方々は、掃除が苦手と豪語するわたしの荷物にも嫌な顔することなく、

ほんわかした感じで、応対してくれ、女性なのに重い荷物を四段まで積み上げ、凄いのです。

わたしも梱包をしていましたが、自分でも嫌になる埃の山。

ヒロクニさんの部屋は、近くにいらした“元永定正先生”の引っ越しを手伝ったベテランがいてくれました。

身近じゃない人には、時に気難しくなる良人だが、

打ち解けていろいろ頼んでいたようで、機嫌よく梱包をしていたようです。

意外だけれど、きれいな顔立ちの方が多かったのも驚き。

話している内容から、皆子供がいたりして、

家に帰ったら家事をするのかと思うと、凄い人達だなあと驚きました。

荷物運びは、若い男性が数人きて、

朝、8:30から、大きな声で「おはようございます。」からはじまり、

「奥さんこの荷物は?」に返事をすると

耳の鼓膜が震えるくらいの声の大きさで、「ありがとうございます!」と。

後は、答えるたびに「ありがとうございます!」声が部屋でこだますることに。

ヒロクニさんもわたしも、文科系の人なので、

朝8:00から繰り広げられる「ありがとうございます!」の世界に呑み込まれてしまって、

途中からその勢いに同化したせいか、

新居についてから、ヒロクニさんの動くコト。

「そんなに階段を行ったり来たりすると疲れるよ。」というが、

何回も行ったり来たり。

その姿を見て、「85歳にもなっているのに元気な人だ。」と思い直したくらい。

しかし、何日かたつと、「なんか苦しい。俺はもうだめなんじゃないか?」と言いだす。

「だから言ったでしょ、加減しないと疲れ切ってしまうよって。」とわたしは言う。

「俺もバカだな。歳のことも考えないでこんなに頑張ってしまうなんて・・・。」

「俺はバカなんだ・・・。」

と言いながら、布団の上に倒れていました。

そう、この状況を書きながら、ヒロクニさんの環境は変化したのです。

ヒロクニさんは、“押入れで寝る”ことから卒業したのです。

なんか布団の上で倒れているヒロクニさんを見て、

“安心感“が湧きました。

だが、相変わらずな所は、布団の周りと上に衣類が一杯で、

やっぱりバッチィ感じがして、浮浪者感が漂います。

ヒロクニさんが頑張ってしまったのは、

若い男性の持つ勢いや、生命感をちょっと吸い取ったのかもしれません。

わたしも若い人に接する機会というのはない方なので、

ただただ力のパワーというものに驚いていました。

文科系の人間だといちいち考え込んだり、関係ないことまで思ったりしそうですが、

体育会系の人達は「早く済ませよう。」に向かっていて、

とにかく運んでしまおうで、爽やかでした。

余計なことを考えないという事も大切だと痛感した次第。

 

ピーちゃんは、2階の住人になったようで何故か1階には下りてきません。

自分からゲージに入って、よく寝ています。

今の家ではちゃんと布団が押入れに納まっているので、

布団の上にちょこんと寝ている姿もあって、猫らしい。

いや、わたし達が人間らしい生活に一歩近づいたのかもしれない。

布団の置き場にいつも困っていました。

 

今回の引っ越しは、今までで一番大変な引っ越しになりました。

2人の年齢のことを考えて、業者の人に頼んだのでした。

初めてのことです。

いつもはトラックを持っている人に頼んで、自力引っ越しだったから。

プロは荷物が多い場合は、2日に分けて引っ越しをすることもあるというのも知りました。

最所、2日に分けて運びたいと言われていましたが、

1日で運ぶことになったのです。

今から、部屋の微調整に入る段階にまでこぎつけました。

現在、肉体疲労中。

「ファイト一発」では無理でしょうね。

今日も、最後までお読み下さった方、ありがとうございます。

画家の引っ越し、荷物多い編でした。

 

 

 

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