必勝!合格請負人 宅建試験編

資格講座の講師をしています。役立つ情報を提供します。

21年宅建試験・重要問題と解説7

2010-04-16 | Weblog
【問1】民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、
無効とする。」 と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び
判例によれば、誤っているものはどれか。

1 意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその
無効を主張することができない。


2 表意者自身において、その意思表示に瑕疵(かし)を認めず、民法第95条に基づく
意思表示の無効を主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の無効を主張する
ことはできない。

3 意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容とし、かつ、その旨
を相手方に明示的に表示した場合は、法律行為の要素となる。


4 意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容としたが、その旨を
相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、法律行為の要素とならない。

--------------------------------------------------------------------------

〔問 1〕*解説* 正解 4(民法・錯誤)

1.正 重大な過失が表意者にあるときは、無効の主張はできません。

2.正 表意者に無効を主張する意思がないときは、第三者は、原則として、無効を
   主張することはできません。
 (錯誤による無効は、表意者「勘違いした本人」を保護するための制度なのです。
  だから、錯誤による無効の主張は表意者のみがすることができるのです。)

3.正 動機の錯誤の場合には、原則として、錯誤無効を主張することはできません。
   ただし、相手方に動機が明示または黙示に表示された場合には、法律行為の内容となるので、
   それが要素の錯誤に該当すれば、錯誤による無効の主張ができます。

4.誤 動機が黙示であっても表示された場合には、法律行為の内容となるので、それが要素の錯誤に
   該当すれば、錯誤による無効の主張ができます。

--------------------------------------------------------------------------

***合格のポイント***

(1)要素の錯誤による意思表示は、無効である。
(2)表意者に重大な過失があるときには、表意者は、要素の錯誤による無効を主張する
  ことができない。
(3)錯誤による無効は、第三者の善意・悪意にかかわらず、対抗することができる。

**言葉の意味**
1 「要素の錯誤」とは、その勘違いがなければ、契約をしなかったであろうと思われる
 ような重要な部分に関する勘違いをいう。
2 「重過失」とは、大きな落ち度がある場合(少し注意すれば気がつくはずのことを、
 不注意で気づかなかったような場合)をいう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする