必勝!合格請負人 宅建試験編

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24年宅建試験・重要問題と解説33

2013-08-03 | Weblog
【問 6】 A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張に関する次の記述のうち、
     民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。


1 甲土地につき、時効により所有権を取得したBは、時効完成前にAから甲土地を購入して
 所有権移転登記を備えたCに対して、時効による所有権の取得を主張することができない。

2 甲土地の賃借人であるDが、甲土地上に登記ある建物を有する場合に、Aから甲土地を購入したEは、
 所有権移転登記を備えていないときであっても、Dに対して、自らが賃貸人であることを主張すること
 ができる。

3 Aが甲土地をFとGとに対して二重に譲渡してFが所有権移転登記を備えた場合に、
 AG間の売買契約の方がAF間の売買契約よりも先になされたことをGが立証できれば、
 Gは、登記がなくても、Fに対して自らが所有者であることを主張することができる。

4 Aが甲土地をHと I とに対して二重に譲渡した場合において、Hが所有権移転登記を
 備えない間にIが甲土地を善意のJに譲渡してJが所有権移転登記を備えたときは、
 Iがいわゆる背信的悪意者であっても、Hは、Jに対して自らが所有者であることを
 主張することができない。


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【問 6】「民法/物権変動」
 


正 解 


 1.誤 Aは時効完成前の第三者なので、Bは時効により所有権の取得を主張することができる。
     時効完成前の第三者に対しては、登記がなくても時効による所有権の取得を対抗することができる。

 2.誤 土地上に登記ある建物を有する賃借人であるDは対抗力を有しているので、
     所有権移転登記を備えていないEは自らが賃貸人であることを主張することができない。  
   借地権は、その登記がなくても、借地権者が借地上に自己名義で登記された建物を所有する
     ことにより対抗力が認められる。
 

 3.誤 二重に譲渡した場合、Fが所有権移転登記を備えているので、Gは、登記がなければ、
    Fに対して自らが所有者であることを主張することができない。
  

 4.正 Iがいわゆる背信的悪意者であっても、Jが所有権移転登記を備えたときは、Jが背信的悪意者で
     ない限り、Hは、Jに対して自らが所有者であることを主張することができない。


 ●合格のポイント●


  場 面     結 論
取消しの第三者  詐欺:善意の第三者が勝つ
取消し後の第三者   先に登記した者が勝つ
解除前の第三者   第三者は登記があれば勝つ
解除後の第三者   先に登記した者が勝つ
時効完成の第三者  時効取得した者が勝つ
時効完成後の第三者   先に登記した者が勝つ
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