梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

巡業日記4・大宮の巻

2005年07月02日 | 芝居
今日は埼玉県さいたま市『大宮ソニックシティ・大ホール』でした。二千人以上収容のとても大きな劇場で、舞台も広く、助かりました。
いわゆる文化ホール、市民会館には、舞台と直角につながる花道が設置できないのがほとんどです。たいていが、客席の下手側の壁にくっつくような形で、短い花道を仮設します。劇場によっては、使用する役者がいったん客席ロビーに出なくてはならない所もございます。
長さも劇場によって変わります。今月上演の『吉野山』では、萬屋(歌昇)さん扮する早見の藤太が、八人の花四天を引き連れて登場し、花道上での芝居が一くさりあるのですが、昨日まではどこも花道が短く、計九人の登場人物が並びきれない寸法でした。しょうがないので、藤太と数人の花四天が本舞台に入っての芝居となったのですが、これはいたしかたないこととはいえ、見た目的にどうかなと思われます。
幸い今日は、長さも十分ございましたので、きれいに並ぶことができました。やはり、いつも通りのフォーメーションは、やる方も落ち着けます。
花道には<揚げ幕>という仕切りの幕が取り付けられております。歌舞伎専門の劇場なら、その劇場の紋を染め抜くのが定式ですが、文化ホールや市民会館には、劇場の紋を定めた所は少ないです。多くは県、市町村のマークをそのまま使っておりまして、今日の会場は埼玉県のマーク「勾玉」を使っておりました。

今日は照明の関係か、舞台がとても暑かったです。梅雨明けこそまだですが、蒸し暑い日、カンカン照りの日も多いこのごろ。夏の舞台の恐ろしさは、これから本番を迎えます。