梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

盛況うち続く木挽町です

2013年05月21日 | 芝居
4月の本興行のご報告をしなければ…と思ううちに、5月興行もあと一週間となってしまいました。

4月は第3部『勧進帳』で義経の裃後見を勤めさせて頂きました。
この後見も、興行中に100回を越えました。これだけやってもまだまだいたらぬところばかりです。
終演が9時45分という、珍しく遅い打ち出しだったので少々疲れは出ましたが、昼すぎの楽屋入りでよかったので、お稽古ごとや家の掃除、整理ができたのは有難かったです。昔録画した芝居のVHSを、ハードディスクに取り込んで、ブルーレイへ…。本数が本数でしたので根気がいりマシタ…。

当月は逆に朝イチからの出番。第1部『鶴亀』で師匠がお勤めの皇帝の着付後見、第2部『吉田屋』で仲居です。
『吉田屋』の仲居はこれで3回目ですが、この度ははじめて、幕開きの阿波の大尽の餅つきのくだりにも出させて頂いております。短い場面ながら、廓の賑やかな雰囲気がとてもよく出ておりますが、名題の先輩方のなかに加わらせて頂けたことが大変有難く、衣裳の着方なども、江戸と上方では微妙なところに違いがございまして、あれこれ教えて頂いております。

第2部では『先代萩』に師匠が4度目の八汐をお勤めです。初役のおりは私はまだ立役、女方の衣裳の着付けは全く手も足も出ず、悪戦苦闘した思い出がございますが、私も女形を勉強させて頂くようになりましてからは、だんだんと感じが掴めてまいりました。今回で、やっと普通になったかな、というところですが、もっと綺麗に、手早く、そのお役らしい雰囲気で着せられるようになりたいと、切に願っております。

            ◯

新しい歌舞伎座の楽屋のことですとか舞台機構のことですとかを、いろいろ申し上げたいところではございますが、よりよい環境、設備になるよう、劇場側、スタッフ、出演者が一丸となり、日々改善の最中でございます。
全てが落ち着きましたら、改めてご紹介させて頂きますね。

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