梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

御挨拶申し上げます

2013年10月01日 | 芝居
本日10月1日より『歌舞伎座新開場杮葺落 芸術祭 十月大歌舞伎 通し狂言 義経千本桜』が開幕いたします。

この興行におきまして、不肖私、名題昇進披露をさせて頂くこととなり、
それに伴い芸名も、中村梅乃(うめの)を初代として、改めさせて頂くこととなりました。

師匠をはじめ、松竹株式会社様、関係各位の皆様のご厚情には、ただただ感謝の気持ちしかございません。
披露の準備の段階から、沢山の方々が、お忙しい中にもかかわらずお力添えをして下さいました。
私は、本当に、幸せ者です。

皆様のお力で、ご披露申し上げることができるのだということを肝に銘じ、
前々から申し上げておりますことですが、常に謙虚に、行儀よく、礼節を守り、
頂いたお役を大切に、先人のお教えをよっく勉強して参ります。
未熟ではございますが、一歩一歩精進を重ね、あせらず、地道に成長してゆけたらと存じておりますので、
何卒今後とも、ご指導ご鞭撻の程、お願い申し上げる次第でございます。

名前も改まりましたので、この『梅之芝居日記』も、いよいよ本当の最後としたいと思います。
いろいろ考えたのですが、梅之の名前で踏んだ舞台の日々の記録として、このブログは今日を最後に更新を停止し、
このまま残しておこうと思います。
梅乃になってからの新たな場については、どんなかたちがあるかを考えたいとは存じますが、今はとてもその余裕はございません。
名題の新参者として、これまでとは違う勉強を、一から始めなければならない立場でございます。

ふさわしい時期が来たら、また何か、始めさせて頂くかもしれませんが、
それはなんとも、未定のことで…。
どうかご了承頂きたいと存じます。

全ての方への感謝を胸に、披露の舞台を勤めます。
昼の部『渡海屋・大物浦』と、夜の部『河連法眼館』に出演させて頂きます。
新たな一歩へ、沢山のご叱責とご指導を賜りたく存じます。

これからが本当の勝負です。
背伸びせず、見栄もはらず、今の自分のありのままで挑んで参ります。
お見守り下さい。

今までの長きにわたり、『梅之芝居日記』ご愛読、誠にまことに有難うございました。

中村梅之改め 中村梅乃