梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記・いい天気でした

2008年05月31日 | 芝居
昼過ぎから『髪結新三』の<総ざらい>、そして『京鹿子娘道成寺』の<初日通り舞台稽古>。
日替わりで出させて頂く<花笠踊り>。今日は後輩に踊ってもらいました。
私が踊るのは初日ぶっつけで。マアこういうことにびびっていても仕方ありません。過去80回近い経験数を信じてやり抜きましょう!
何度出ましても、“しびれ”の恐怖からは逃れられませんが…。

続いて『加茂堤・賀の祝』も<初日通り舞台稽古>。
師匠演じる、舎人桜丸の後見をいたしますが、初めてとはいえ前回の舞台は間近に拝見しているので、まごつくこともなくすみました。
「加茂堤」では牛車が出てまいりますが、ひと幕約30分、一つ所にほぼ“飼い殺し”になっている牛さんにも、当然ながら人がはいっております。じっと舞台に座っているわけですが、牛の座り方って、いわゆる“女の子座り”にするのが昔からのやり方だそうでして、これは普通の正座でいるよりよっぽど辛いそうです。しかし、この牛さんがときおり見せる動きが、場面の雰囲気をなごませてくれます。大事な大事な登場人物、いえ動物です。

稽古後は久しぶりに外食。後輩と、冷泉公園そばの《SASUKE》という、お魚と焼酎が売りのお店へ。100を越える銘柄が常時揃っているということで、焼酎好きにはたまりませんね。今日は2種類しか試せませんでしたが、また新たな味を求めてお邪魔すると思います。

梅之博多日記・酒肴

2008年05月30日 | 芝居
朝10時から『京鹿子娘道成寺』の所化の踊りの<抜き稽古>。今回で4回目となります“花笠踊り”ですが、その都度段取りも変わりますし、当月の所化役12名、今、このメンバーで揃えるためにも、一からの稽古は欠かせません。
今回は舞台の間口の関係で、上手下手に座るのは12人、踊るのは10人ということになりました。となりますと2人は踊れないことになっってしまいますが、有り難いことに、ふた組を日替わりに出すことで、全員が踊れることになりました。私もこの“日替わり組”なのですが、一日置きでも博多座の大舞台で踊らせて頂けるということに、本当に感謝しております。

『対面』『加茂堤・賀の祝』の<総ざらい>に引き続いて、『娘道成寺』の<附総>となりましたが、山城屋(坂田藤十郎)さんの喜寿記念の演目であり、そういう晴れの舞台に出させて頂ける嬉しさは計り知れないものがございます。思えば10数年前、中学生の時分に、松竹百年記念の京都南座顔見世興行で山城屋さんの『娘道成寺』を初めて拝見いたしましたが、今度はこうして共演(という言葉はおこがましいのでしょうが、敢えて…)ができました“ご縁”。不思議ですね…。

『髪結新三』の<附立>で、出番が終わったのが午後4時で、さあこれから何して過ごそうかと思いましたが、昼寝と読書であっという間に夜が来ました。
誘惑多き中州を散歩し、結局はスーパーでお刺身を買って(時間が時間なので半額ね)帰ってテレビ見ながら部屋で晩酌。
こういう時間って、私的にはとっても幸せなんですけど。

梅之博多日記・到着しました

2008年05月29日 | 芝居
昨晩は夜7時すぎのANAで博多入り。2年ぶりの博多は大変な雨降りで、これは明日の<船乗り込み>は延期かな? と思ってしまいましたが、運良く今朝からは曇天となり、予定通り《博多座六月大歌舞伎》の主なる出演者の皆様は、紋付袴の正装に身を包み、博多座そばを流れる那珂川を、賑やかなお囃子とともに下りました。
サアその光景を写真でご覧ください…と言いたいのはヤマヤマですが、あいにくその頃、私どもは楽屋作りにいそしんでおりまして…。

ちなみに、もし雨などの理由で<船乗り込み>が翌日に延期になった場合は、稽古スケジュールが大幅に変わることになりますので、あらかじめ2通りの稽古割りが組まれています。

さて、<船乗り込み>に引き続いては博多座地下稽古場(歌舞伎の本興行がある主要劇場で、ここだけは名前が“リハーサル室”なんです)にて<顔寄せ>、そして第1日目の稽古がはじまりました。
今日は師匠がお出になる『菅原伝授手習鑑 加茂堤・賀の祝』と『寿曾我対面』の<附立>。私の出番はございませんでした。
『対面』では師匠は初役で工藤左衛門祐経をお勤めになります。また『加茂堤・賀の祝』は、数年前の歌舞伎座での通し以来です。

…稽古後は、近くのスーパーで買い出し。はい、今回もウィークリーマンションです。これから豚のしょうが焼きでも作りましょうか。

東京にしばしのお別れ

2008年05月26日 | 芝居
『團菊祭五月大歌舞伎』も今日が千穐楽でした。
至極平穏、面白いくらい面白いことがない(ヘンな表現ですね)ひと月。
気がついたら終わっていたような感じです。

お役は『青砥稿花紅彩画』の序幕の腰元ひとつでしたが、実は他の演目にも携わっておりました。お客様にはおそらくわからなかったでしょうけれど…。
おかげで随分勉強させて頂きました。有難いことでございます。

明日明後日とお休みを頂き、いよいよ博多へ乗り込みます。
どんな毎日となりますでしょうか。

続いてお知らせ

2008年05月21日 | 芝居
『第14回 稚魚の会/歌舞伎会 合同公演』に先立ちまして開催されます、『第10回 音の会』のご案内もさせて頂きます。


第10回 音の会


1、
鳴物/長唄 神田祭

笛      望月 太喜之助
太鼓     望月 太喜十朗
太鼓     望月 太左一郎
大太鼓    望月 太  州
鉦      望月    徹

長唄  尾上菊五郎劇団音楽部



2、文耕堂・三好松洛=合作
  市川團十郎=監修・指導
  中村魁 春=監修・指導

歌舞伎 御所桜堀河夜討 一幕
     弁慶上使の場

前 竹本 鳴門太夫
  鶴澤 翔  也
中 竹本 愛 太 夫
  豊澤 岬  輔
後 竹本 豊 太 夫
  鶴澤 祐  二

武蔵坊弁慶     市川 新  蔵
侍従太郎      松本 錦  次
奥方花の井     尾上 徳  松
義経の室 卿の君  中村 梅  之
腰元信夫      坂東 玉  朗
針妙おわさ     中村 歌女之丞



3、藤間勘祖=振付

舞踊 供奴 長唄囃子連中

笛  田中 傳十郎(10日)
笛  増田 桂 一(9日)
脇鼓 古寺 正 憲
立鼓 田中 傳九郎
大鼓 香坂 卓 治
太鼓 田中 佐吉郎

奴  澤村 國 矢
後見 市川 左字郎

長唄 鳥羽屋里長社中




《日程》
8月9日(土)・10日(日) 12時開演

《チケット》
均一=2,000円(全席指定)
※学生・障害者割引あり(窓口のみ)

《ご予約》
予約開始 6月13日(金)10時~

国立劇場チケットセンター
0570-07-9900
03-3230-3000(PHS・IP電話)

インターネット(一般券・パソコンのみ)
こちらをクリック

窓口販売開始
6月14日(土)10時~


歌舞伎の舞台を支えて下さる、長唄さん、お囃子さん、竹本さんの勉強会でございます。今回は、素演奏、歌舞伎、舞踊と3つの演目で、歌舞伎の<音>をお楽しみ頂くこととなりました。
私は、第1回公演に参加させて頂いて以来、3回目の出演です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

こちらも御覧下さい。

ようやくお知らせ!

2008年05月20日 | 芝居
お待たせいたしました! 今夏『第14回 稚魚の会/歌舞伎会 合同公演』の詳細を発表させて頂きます。



第14回 稚魚の会/歌舞伎会 合同公演

1、竹田出雲・三好松洛・並木千柳・竹田小出雲=合作
  松本錦吾=監修・指導

菅原伝授手習鑑  一幕
吉田社頭車引の場

               A班     B班
舎 人 松王丸       市川茂之助  市川升平
舎 人 梅王丸       松本錦次   尾上辰巳
舎 人 桜 丸       大谷桂太郎  尾上みどり
金棒引 藤 内       市川竜之助  中村富彦
左大臣 藤原時平      中村富彦   市川竜之助



2、河竹黙阿弥=作
  藤間勘祖=振付

釣女   常磐津連中


太郎冠者          中村吉六   中村蝶三郎
大  名          尾上音二郎  中村吉二郎
上  臈          中村竹蝶   澤村伊助
醜  女          尾上徳松   市川升吉



3、岡本綺堂=作
  中村梅玉=監修・指導
  中村魁春=監修・指導

番町皿屋敷 一幕二場
麹町山王下の場
番町青山家の場


青山播磨          澤村國矢   市川新七改め市川新十郎
腰元 お菊         坂東玉朗   中村京妙
腰元 お仙         中村春之助  中村京三郎
奴  権次         尾上辰巳   市川茂之助
奴  権六         尾上松男   中村京純
用人 柴田十太夫      坂東八重蔵  坂東八重蔵
後室 真弓         片岡嶋之亟  澤村由蔵
放駒の四郎兵衛       坂東功一   市川新蔵



4、瀬川如皐=作
  藤間勘祖=振付

勢獅子 常磐津連中

鳶頭 鶴吉         市川升一   市川左字郎
鳶頭 亀吉         尾上音一郎  尾上松男
芸者 おひろ        中村梅之   中村京由
芸者 おこう        中村歌女之丞 中村京珠



《日程》
8月21日(木)~26日(火)11時・4時 開演
※但し23日(土)・24日(日)のみ2回公演、他日は全て11時開演の昼公演のみ

《チケット》
全席指定・均一3,500円
※学生・障害者割引あり(窓口のみ)

《お申し込み》

電話・インターネット予約開始 6月13日(金)10時より

国立劇場チケットセンター(10時~5時)
0570-07-9900
03-3230-3000(PHS・IP電話)

インターネット
ココをクリック(一般券・パソコンのみ)

窓口販売は6月14日(土)10時より



義太夫狂言ながら<荒事>の魅力にあふれた『車引』と、大正ロマンの清新な新歌舞伎『番町皿屋敷』に、常磐津の舞踊が2題。歌舞伎の様々な味わいがいっぺんに楽しめる狂言立てとなりました。
なにとぞ御来駕御宣伝のほど、お願い申し上げます。

こちらも御覧下さいね。

焼酎三昧の日々?

2008年05月17日 | 芝居
6月《博多座大歌舞伎》での配役を告げる<葉紙(はがみ)>が届きました。
昼の部の『京鹿子娘道成寺』の<所化>、同じく昼の部『梅雨小袖昔八丈 ~髪結新三~』「永代橋の場」での<通行人(女)>の2役とのことでした。

2年ぶりの博多座、さてさてどうなりますことやら。

いわばオーダーメイド

2008年05月16日 | 芝居
木槌金槌、金切り鋏にニッパ、ヤスリ、釘…。
これらの道具は、<鬘合わせ>に使われる道具です。

今日は今夏の勉強会へ向けて、私が勤めるお役の鬘の土台を作りました。鬘屋さんが、薄い銅板の<地金>を、私の頭に合わせて形作るのです。ある程度の形は出来ているのですが、私の顔が、よりその役らしく見えるように、生え際の輪郭線を整えます。余分なところは切り落とし、足りないところは叩いて伸ばす。微妙な調整を繰り返しながら、徐々に出来上がってまいります。
床山さんも立ち会って下さいますので、毛を植える側、その毛を結う側、双方の職人さんが相談しながら(もちろん私も意向をお伝えいたしますけれど)の連係作業。お忙しい中時間を割いて下さり、本当に有難いことでございます。
おかげさまで、すっきり粋な<刳り(くり。額の生え際のラインのことで、ここの形が印象を大きく左右するのです)>の土台が出来上がりました。これに鬘屋さんが毛を植えて、床山さんが結い上げて鬘の完成です。

トンテンカンテン、バチンガッチャン、ギリギリギリ…。
鬘合わせの最中は、まるで鍛冶屋のような音が楽屋内に響きます。

興行も中日を過ぎて

2008年05月15日 | 芝居
東京では1週間ぶりの青空だったそうですが、昨日までの冷え込みが嘘のような陽気でございましたね。

5日間も更新をさぼってしまいました。申し訳ございません。
今夏の『第14回 稚魚の会・歌舞伎会 合同公演』の準備が始まっておりまして、細々とした事務作業に時間を取られてしまいました。“自分たちの会”を運営してゆことは、本当に大変です。

さてその『合同公演』のご案内、早くこの場を借りてお知らせを…とは思っているのですが、発表までにはもう少し時間をいただきたいと思います。どうぞお楽しみに。
私は、本年も『合同公演』と『音の会』に出演させて頂きます。それから「子供歌舞伎体験教室」のお手伝い、師匠と梅丸が舞踊『鶴亀』に出演するお囃子の会など、8月はあいも変わらず、盛りだくさんの勉強をさせて頂くことになりそうです。

というわけで、これで1000回目の更新となりました。我ながらよく続いているものだと思います。これからこのブログをどうしてゆくか? いろいろ考えたりもいたしますが、マァ風の向くまま気の向くままやってゆくのが一番なのでしょう。
更新頻度を少し落として、ゆっくりのんびりやってゆくのもアリかな、とも。
今後とも、どうぞ気楽にお付き合い下さいませ。

眉の上に

2008年05月09日 | 芝居
公家や女官など、宮中の男女のお役で見られる、<位星(くらいぼし)>と呼ばれる化粧がございます。
普通に描いた眉の上に、さらに墨でポチッと丸い点を入れるのですが、実際の宮廷化粧史には見られないものですから、独自に生み出されたものなのかも? と考えたりもするのですが、各地の祭礼に登場する、<お稚児>さんも、多くこの化粧をしていますから、なにか謂れがあるのかもしれませんね。

『一條大蔵譚』の大蔵卿・常磐御前、『六歌仙』の業平・小町、『毛抜』の勅使桜町中納言などありますが、『関の扉』の関兵衛は、本性をあらわして大伴黒主となりますと、舞台上で化粧を変え、この位星をつけて身分が変わったことを示します。
同じように、今月の『義経千本桜 渡海屋・大物浦』の安徳帝も、最初は銀平の娘お安ということになっていますから普通の化粧ですが、場面が変わりますと、装束が改められるとともに位星がつくのです。

一方、『源氏物語』の諸作では、全編これ宮中が舞台ですから、位星のオンパレードになりそうですけれど、逆に全然登場いたしません。先にも述べました通り、史実の化粧法ではないわけで、時代考証をふまえた演出では使えないわけですね。

宮中人は、自前の眉は剃り、それより上部に眉をひき直していたそうですが、あるいはこれが位星のルーツなのでしょうか。ああ、気になります。

歌舞伎座で謡曲

2008年05月08日 | 芝居
今月の昼の部では、お能の謡をいいとこ取りで3番聴くことができます。

1、『船弁慶』
『義経千本桜 渡海屋』では、渡海屋銀平が本性をあらわし、それまでの船頭姿をガラリと改めて、白装束に白糸威の鎧、銀の烏帽子に白柄の薙刀をかいこんだ、凛々しき平知盛となって上手の障子屋体に登場するおりに、
「そもそもこれは 桓武天皇九代の後胤 平知盛が幽霊なり」

2、『田村』
その後、義経襲撃の成就を願い、知盛が門出を祝って舞うところで、
「あれを見よ 不思議やな 味方の軍兵の旗の上に 千手観音の光を放って虚空に飛行し 雨霰と降りかかって 鬼神の上に乱れ落つれば 悉く矢先にかかって 鬼神は残らず討たれにけり」

3、『夜討曽我』
『極付幡随院長兵衛』の「湯殿の場」、水野十郎左衛門と長兵衛との立廻りで、
「今は時致も 運槻弓の 力も落ちて 誠の女ぞと油断して通るを やり過ごし押しならべ むんずと組めば…」
を立廻りのキマリまで聴かせ、幕切れは、
「その時大勢折り重なって 千筋の縄をかけまくも かたじけなくも君の御前に 追ったて行くこそ めでたけれ」
と段切れまで謡います。

知盛の出に、知盛が後シテである『船弁慶』を使うのは、そのものズバリですが、出陣に先立つ舞の地に『田村』を使うのは、これが<勝ち修羅>能だからで、武将(の霊)がシテとなる<修羅もの>の中でも、これが戦いに勝った武将(ここでは坂上田村麻呂)が、その華々しい戦の有様を語っているからなのです。
一方「湯殿の場」での『夜討曽我』は、曽我兄弟の敵討ちの模様を描いた作品。奮闘の末、敵方に捕らえられる曽我五郎と、敵の屋敷の中で一人命を失う長兵衛の哀れな境遇が重なっております。

お芝居の状況にぴったり合った選曲と申せましょうが、歌舞伎でお能の謡を聴かせる時は、たいていの場合が長唄の唄方さんと、お囃子によって演奏されますが、先に挙げた「渡海屋」での「そもそもこれは…」は、知盛をなさる役者によっては、義太夫の語りになることもございます。
今月は長唄さんのご担当ですが、知盛が登場する上手の障子屋体の裏で謡われているのですね(お囃子さんも一緒)。知盛自身が謡っているということなのでしょうか? 調べてみようと思っております。

新旧交代

2008年05月05日 | 芝居
今日は端午の節句とて、楽屋風呂が菖蒲湯となり、私も『青砥稿花紅彩画』の序幕の出番を終えてから入浴、爽やかな気持ちとなりました。

さて…。
黒衣の<手甲(てっこう)>がだいぶ綻んできたので、新規にあつらえました(写真上が新規、下がこれまでのもの)。
ご覧頂くとおわかりでしょうが、黒、というより灰色になってしまっています。

黒衣は、腕を覆うこの<手甲>の他に、頭にかぶる<頭巾>、上っ張りである<着付>、腰から下にはく<紐付>、首から腹までを覆う<腹掛け>とわかれ、これに黒足袋を履いて一式となりますが、消耗品といってもいい足袋は別としても、一番痛むのは<紐付>ですね。舞台上でも楽屋内でも、仕事をするおりは常に床、舞台と接しているので、膝が擦り切れて穴があいてしまうのです。
私の<紐付>は現在4代目、<着付>は3代目、<頭巾>と<手甲>が2代目となり、入門時から使っているのは<腹掛け>だけになってしまいました。
研修生のときに支給されて以来のものですので、かれこれ10数年使っているのですが、サアこれもいつまで使えることでしょう?

あいにくの天気でしたが

2008年05月04日 | 芝居
鉄砲洲のお稲荷様の例大祭で、歌舞伎座周辺は昨日から大賑わいです。
このお祭り、神輿が練り歩くのは3年に1度なのだそうですね。確かに、ここ数年5月の歌舞伎座に出演してはいるものの、中村屋(勘三郎)さんのご襲名興行のとき(團菊祭はなかったのです)以来拝見しておりませんでした。

あれからもう3年も経ったのですか。ハァ~~。

はじまりました

2008年05月03日 | 芝居
1日遅れではございますが、<團菊祭五月大歌舞伎>の初日が無事開きましたことをご報告させて頂きます。
<團菊祭>を御贔屓下さるお客様がおいでなのでしょうか、常にもまして熱気のあふれる客席でございました。お陰様をもちまして、舞台もたいそう盛り上がりました。あつく御礼申し上げます。
私も、自分のお役、師匠の仕事、ともに大過なく勤めることができました。これからも油断せず取り組んでまいりますが、まずはホッと一息ついた次第です。

それにしましても、5月の名題下部屋の活気、元気のよさは、1年を通じてピカイチでしょう。常にどこかで笑いがおきる楽しい楽屋、それでいて、締めるところはキッチリ締めるストイックさ。
團菊祭に参加させて頂くのはこれで連続3年目ですが、こういう楽屋の空気をしっかり吸収して、<楽しく、真面目な>芝居へのスタンスを勉強したいと思うこの頃です。

早稲月稽古場便り・4

2008年05月01日 | 芝居
『極付幡随院長兵衛』、『青砥稿花紅彩画』の<初日通り舞台稽古>。
おかげさまでつつがなく終わりました。

『青砥稿~』はやっぱり時間がかかりました。午後5時少し前から初めて9時過ぎ終了。場数が多く、大掛かりな舞台転換もあるからですね(大道具の皆様、大変そうでした)。師匠の用事がないあいだは、各幕できるだけ拝見いたしましたが、関係者がこんなことを申すのも僭越かもしれませんけれど、通し狂言としての「白浪五人男」、かなりおもしろいです。読本を1枚1枚めくってゆくような場面構成、歌舞伎脚本の王道をゆく流麗かつ洒落のきいたセリフの数々、先人方が作り上げてきた<型>の魅力…。
深く考えなくてもワカル、単純明快爽快痛快な悪党の物語は、まさに皐月の<團菊祭>にぴったりな勢いと華やかさにあふれております。

明日からはじまります『團菊祭五月大歌舞伎』、皆様も元気をつけに是非劇場へ!