梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

すっかり秋の気配となりました

2012年10月01日 | 芝居
9月25日、新橋演舞場9月公演の千穐楽を無事に迎えて、26日、27日は国立劇場大劇場にて『宗家藤間会』舞踊公演がございました。
先代藤間勘祖師の23回忌ということで、2日間にわたり、藤間御宗家ゆかりの作品が、歌舞伎俳優、宗家藤間流ご一門の皆様により、華々しく上演されました。
私も、普段お稽古に通わせていただいております、いわば門弟でございます。両日ともにおよばずながらお手伝いさせて頂きましたが、この度は日頃大変お世話になっております藤間涼花様がお勤めになった『鏡獅子』で、<老女 飛鳥井>のお役を勉強させて頂きました。
ベテランの先輩がたが、悠々と、貫禄をみせて演じられるお役を、30歳を少し越したぐらいの私が勤めさせて頂きました。大変有難いことではございましたが、演じてみて、全く早すぎることだと痛感いたしました。積み重ねてきたものがなければどうしようもないお役。ただただ反省しきり、将来、いつかリベンジできればと思います。
とはいえ、このような機会を与えて下さった当代藤間勘祖師、藤間勘十郎師のおはからいには、感謝の言葉しかございません。心より、御礼申し上げる次第でございます。

10月も、引き続き演舞場でございます。
師匠が昼の部『国性爺合戦』の<五常軍甘輝>、夜の部で初役の『御所の五郎蔵』をお勤めになります。
私は『国性爺』の「甘輝館」で、京屋(芝雀)さん演じられる錦祥女について出る<侍女>を、後輩の京由くんと勤めさせて頂きます。
最近はめっきり涼しくなってまいりました。<芸術の秋>到来でございます。
どうか皆様、錦秋の演舞場へお出まし下さいませ。