梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

南座顔見世興行です

2010年11月26日 | 芝居
本日、国立劇場11月公演の千穐楽を無事迎え、同時に京都南座<當る卯年 吉例顔見世興行>の稽古が始まりました。
師匠は昼の部『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の武部源蔵と、夜の部『鳥辺山心中』菊地半九郎の2役をお勤めになります。半九郎は平成12年6月博多座以来、実に10年ぶりとなります。時代物と新歌舞伎、異なる趣きの2役で、京都の顔見世を飾ります。

私は、昼の部『阿国歌舞伎夢華』の<女歌舞伎>と、夜の部『仮名手本忠臣蔵 七段目』の<仲居>の2役を勉強させて頂きます。『阿国歌舞伎』では、出雲阿国の女弟子というお役で、かぶき踊りのシヌキもございます。短い場面ながら、南座の顔見世で踊らせて頂けるという有難さに、今から大変緊張しております。
あと4日で初日が開くわけでございます。気持ちを切り替えて、本年最後の舞台に臨みますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

               ◯

先日ご縁があってお邪魔しました浅草の老舗、ふぐ・季節料理の『割烹 魚昇』さんが、お店もお味もご主人も、とっても素敵でしたので是非ご紹介したいと思います。

ふぐ 季節料理 魚昇(うおしょう)
台東区浅草5丁目10の2 (浅草4丁目交差点、「浅草4丁目」バス停のすぐ脇です)
月曜 定休

ホームページ http://uoshou.net/

ご主人自ら毎日築地に足を運んで選んだ旬の素材の、そのままの美味しさが楽しめます。ふぐ鍋、湯豆腐などがますます嬉しい季節です。浅草に店を構えて4代目となるご主人から、雑誌やテレビでは知ることができない町の歴史を聞けるかも?
どうぞお出まし下さいませ!

国立劇場11月公演『国性爺合戦』です

2010年11月01日 | 芝居
秋を通り越して、冬のような肌寒さが続きますが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。

国立劇場10月公演で『天保遊侠録』に勝驎太郎役で出演いたしました部屋子の梅丸が、国立劇場から奨励賞を頂戴しました。一門といたしまして大変嬉しゅうございます。私は27日の千穐楽の舞台を拝見いたしましたが、親をも論破してしまうような“神童”役を、イヤミな子にもならずに可愛く勤めておりました。兄弟子の梅蔵さんとのやり取りも、一門でこそのイキといいましょうか、ほのぼのとして楽しい一場面でした。

さて、11月の国立劇場は通し狂言『国性爺合戦』。師匠が初役で五常軍甘輝をお勤めになります。
山城屋(坂田藤十郎)さんの錦祥女、成田屋(團十郎)さんの和藤内という顔合わせで、日本と明国を股にかけたスケールの大きな近松作品をたっぷりと御覧頂きますが、この度は発端として、明国が韃靼国に滅ぼされる様を描く「大明御殿」の場を復活いたしますのも、見どころとなっております。
私は、その「大明御殿」に、官女役で出演させて頂きます。中国の女役は初めてです。衣裳の着方や仕草など、常と少し違うところがございますので、先輩方に教わって稽古しております。

異国情緒と華やかな場面、演出で繰り広げる名作、どうぞ大勢様のご来場を賜りますよう、お願い申し上げます。