梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

平成中村座 ファイナル公演に出演中です

2012年05月12日 | 芝居
当月は、浅草「平成中村座」五月公演に出演中です。

昨年11月から始まったロングラン公演も、いよいよ今月で終わりです。
最後の公演に、師匠梅玉が初参加となりました。

中村屋(勘三郎)さんが『め組の喧嘩』辰五郎を、成駒屋(橋之助)さんが『毛抜』粂寺弾正を、それぞれ初役でお勤めになる他、
『本朝廿四孝 十種香』(こちらも七之助さん初役の八重垣姫です)、『弥生の花浅草祭』、『江戸随一 志賀山三番叟』『髪結新三』、
大変豪華な、見どころ満載の狂言立てとなりました。

師匠は『め組の喧嘩』に炊出し喜三郎。これは本年、新橋演舞場の初春興行でもお勤めになりましたが、今回は滅多に上演されない「喜三郎内の場」が出ておりまして、お客様にストーリーをよりよくご理解頂けますし、また、辰五郎と喜三郎の、男の情の通い合いをこの場で見せることで、芝居全体がどれほど盛り上がるか!
是非ご覧頂きたく存じます。
そして、数十年ぶりの『髪結新三』手代忠七。中村屋(勘三郎)さんの新三とのコンビは初めてとなりますが、黙阿彌の江戸世話物と、「平成中村座」の寸法が大変マッチしておりますので、雰囲気がとっても素敵です。

私は、『め組の喧嘩」の「芝居前の場」で<茶屋娘 およし>、「喧嘩の場」で<炊出しの手代>を、『毛抜』で<腰元>のシンを勤めさせて頂いております。
茶屋娘は普段しなれないお役でございますので、先輩にご指導をいただきまして勤めさせて頂いております。娘らしく、可愛く演ずるのが大事と教わりましたが、それが一番難しいですね。『毛抜』の腰元も初めてですので、先輩に全体の段取りをつけて頂きました。

すでに興行が始まって十日経ちますが、連日大変な熱気でございます。
お客様のパワーを頂きながら、楽しく舞台を勤めさせておりますが、この空間が当月で終わりというのも、寂しいものですね。

21日(月)には、恒例の「試演会」も開催されます!
今回は、『十種香』『毛抜』の2本だて。しかも衣裳、鬘も本興行通りです。
そして、スペシャルプログラムとして、幹部俳優の皆様による「たぬき会」で『供奴』の演奏もございます。

私は『毛抜』で<秦 秀太郎>を、そして『供奴』では、三味線を弾かせて頂きます。
勉強の機会を与えて下さった関係各位に、心より感謝申し上げますとともに、一所懸命勉強させて頂く所存でございます。

何卒この「試演会」も、ご後援下さいますようお願い申し上げます!
(詳しくは松竹歌舞伎公式サイト『歌舞伎人』を御覧下さい)