梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

新たな試み・その2

2007年06月30日 | 芝居
明日7月1日から、この『梅之芝居日記』が期間限定で『梅之的《合同公演》情報ブログ』に模様替えいたします。
8月22日から開催の『第13回 稚魚の会 歌舞伎会 合同公演』は、すでに稽古、宣伝、チケット販売と、着々と準備を進めておりますが、まだまだこの勉強会の存在をご存じない方もいらっしゃいますし、ご存知でも「行こうか、行くまいか」と悩んでいらっしゃる方も多いはず。
そんな皆様に、様々な角度からこの会をご紹介し、お一人でも多くの方に、「合同公演へ行ってみよう!」と思って頂きたく、集中的に公演の情報をご提供するはこびとなりました。

取り上げる内容は、主に4つ。
《稽古場便り》
《各上演演目の出演者からのメッセージ》
《公表できる範囲でのチケット情報》
《上演演目のご紹介》

その他、随時“ここからでしかお伝えできない”とっておきのお話を載せてゆく予定です。
私個人の芝居日記はしばらくお休みですが、この企画が、より多くのお客様をお呼びできるきっかけになれば幸いです。
どうぞよろしくお付き合いのほどをお願い申し上げます!

なお、期間中も「一心會」「音の会」等、各勉強会、催し物のもようは随時お伝えいたします。ご了承下さい。

動物尽くし

2007年06月29日 | 芝居
7月の国立劇場<鑑賞教室>では、『歌舞伎のみかた』に出演いたします。
今回は加賀屋(松江)さんが進行役。詳細は明かせませんが、すでに新聞記事等で紹介されておりますように、歌舞伎の動物たちを実演付きでご紹介。その他なかなか盛りだくさんの内容ですのでお楽しみに。

私のお役もナイショです、さてどんな動物と絡むのでしょうか(動物そのものだったりして)…?

『合同公演 写真展』無事終了!

2007年06月28日 | 芝居
尻焼温泉を朝の7時半に発ち、今度は在来線で高崎、それから上越新幹線で東京へと帰り、午後1時からの国立劇場7月公演の<立ち稽古>、それから、某出版社による夏の合同公演の取材に立ち会い、午後五時からは一番町<ラ・フォーレ>にて、『合同公演 写真展』の最終日の催し。
写真展をご覧にいらしたお客様方に、同期の中村蝶之介さんと、<研修生時代>のこと、勉強会での上演演目のみどころなど、お話しさせて頂きました。
トークのあとも、お客様とゆっくり歓談することができ、色々と<ご覧になる立場>からのご意見を伺うことができました。普段こういう声を聞く機会はめったにございませんので、大変有難く思いました。
蝶之介さんの他にも、中村吉六さん、中村春之助さん、中村京珠さんと、勉強会の出演メンバ-が集まってくれましたので、大変盛り上がった数時間でした。

4日間にわたる写真展の開催中に、写真を見てご興味を持って下さった方々が、チケットを多数ご購入下さいました。本当に有難いことでございます。初めての試みでしたが、ささやかながら一つの成果をあげられたのではないかと思います。
また機会とご縁があれば、今夏中に同じような写真展、紹介の場をもうけさせて頂きたく思っておりますが、<ラ・フォーレ>に足をお運び下さいました皆様には、この場を借りて改めて御礼申し上げます。

本当に、本当に有り難うございました!

尻焼温泉三人旅

2007年06月27日 | 芝居
先輩、後輩との3人で、群馬県の<尻焼温泉>に行ってきました。
午前10時上野発の<草津3号>で約3時間、上野原草津口駅からバスを乗り継いで行くこの温泉は、日本の秘湯をまとめた本にも載るくらいで、まさに隠れ里の趣き満点。当然携帯は圏外で、おかげでなにものにも邪魔されない、本当にのんびりゆったりした時の流れを感じることができました。

この温泉は、川の中に湧き出ているという珍しいもの。河原で服を脱いでバチャバチャと流れの中へ入ってゆくのはなんとも面白いものでした。場所によって温度の差はございますが、充分あったまれるお湯具合。せせらぎの音、鳥の鳴き声を聞きながら、山々の緑を眺めながらの入浴は、心が洗われる思いです。
なにせ川の中ですから、川底には苔も生えていれば落ち葉も沈んでいる、水面にはアメンボがスイスイ~…。そんなところでお風呂に入れるなんて、想像だにしませんでした。
効能は神経痛、慢性消化器病、痔疾、疲労回復など。お肌にも良いらしく、湯上がり後はすべすべになりました。
宿では昼過ぎからお酒を酌み交わして芝居話。なにせ時間は有り余っておりますので、相当突っ込んで話せたかな。
ビール大瓶数本、日本酒、焼酎が空になり…。

それでも翌朝、6時半にはまた温泉に入ってるのですからね。

遅ればせながら

2007年06月26日 | 芝居
すっかり正解を書くのを忘れておりました。
先日当ブログで掲載した『閻魔と政頼』青鬼役は、同期の中村吉二郎さんでした。
吉二郎さん、6月公演では『妹背山・花渡し』の官女、この青鬼、『御浜御殿』では腰元と大活躍でした!!

千穐楽、そして…。

2007年06月26日 | 芝居
本日歌舞伎座6月大歌舞伎千穐楽。ひと月無事に勤めることができました。
昼の部で終わりということや、様々な用事が重なったということもあり、劇場で過ごす時間があまりなかったのは寂しいものがありました。しかしながら、勉強会への準備はお陰様で着々と進行! これで7月はのんびりできそうです。
今日で210日間過ごした歌舞伎座ともお別れ。思えば長い日々でした。撤収作業では、7月末から8月はじめに、師匠がバレエと共演する舞台が山梨の清里高原でございますので、それに持ってゆく品、それとは別に9月の地方巡業に持ってゆくもの…と、楽屋周りの品々を振り分けての荷造り。東京を離れてからの<忘れ物>は一番コワいですので、ゆっくり作業いたしました。

さて、そんな仕事も午後6時半には片付き、急ぎ一番町<ラ・フォーレ>へ駆けつけ写真展の仕事。今日は近所の保育園の子供さんたち親御さんたちが大勢でお出まし。そこで一緒に過ごしたわけですが…。
いや~、疲れました!
やっぱり子供のエネルギーはスゴい! 揉まれ掴まれ引っぱられ、挙げ句にはお店の庭の池に突き落とされそうになるわでもう大変でした! みんなに興味を持ってもらえるかなと思って持参した、私所有の<虫笛><鶏笛><烏笛>が大人気で、吹きたい吹かせて吹かせろの大騒ぎ、とんだ笛吹きお兄さんでした。
けっこう歌舞伎のことを知っている子もいて、そうだ、NHK教育では高麗屋(染五郎)さんの<カブキ体操>が大人気だったなあ、と気がつきました。今日の子供たちとの出会いが、いつか実を結べば嬉しいのですが。
子供さんたち以外にも、昨日以上にいろんな方と知り合え、楽しいお話をさせて頂きまして、本当に有難かったです。年齢も職業も違う方とのお話は、勉強になりますね~。
会場でのチケット販売も、予想以上に順調です!

明日は1日東京を離れますので、私はお店には伺えません。もしかしたら、他の合同公演出演俳優がお邪魔するかもしれませんので、よろしくお願いいたします。

ゆっくり湯船につかって、寝ることにいたします。

道中ご無事にお越し下さい!

2007年06月25日 | 芝居
『合同公演 写真展』の初日。ディスプレイもディナータイム開始前に飾り終え、無事1日目を終えることができました。
ご来店の皆様といろいろお話しすることもでき、まずは良い手応えを感じた次第です。

今、昨日の記事へのコメントを拝見いたしましたが、お店の場所がわからなかった方がいらっしゃったようで、もう少し詳しくご説明しなければと、至急あらためてのご連絡をさせて頂きます。

一番町<ラ・フォーレ>は、千代田区一番町22の1 一番町セントラルビルの1階です。
半蔵門線半蔵門駅 5番出口を出て左に曲がるとすぐに通りに出ますので左折、少し行くと右側に赤い提灯が目印の<蕎麦処 丸屋>がございます。
その店がある角を右折すると<南法眼坂>になりますので、坂を上ってしばらく行けば、左側に、ガラス壁一面にカラフルな絵が描かれたお店があります。そこが<ラ・フォーレ>です。通り沿いのお店ですので、のぼる坂さえ間違わなければたどり着けると思います。

電話番号は03-3556-3201。
ランチタイムとディナータイムの間の3時間は、お店はお休みになります。

明日26日(火)のディナータイムには、近所の保育園の子供たち、親御さんが大勢来店する予定だそうですので、ご了承下さい(貸し切り営業にはしないそうです)。私は午後7時過ぎから子供さんたちと一緒に過ごします。

皆さんとお会いできますことを楽しみにしております。こちらのパスタは本当にオイシイですよ!

どうなりますでしょうか!?

2007年06月24日 | 芝居
更新が遅くなりましたが、明日(25日)からの『合同公演 写真展』のことでお知らせをいくつか。

26日(火)の午後6時くらいから、会場である<ラ・フォーレ>にほど近い保育園の子供たち、親御さんが大勢いらっしゃるそうです。貸し切りにするというわけではないのですが、だいぶ賑やかになるかも、と店長さんがおっしゃっておりました。念のためご了承下さい。ちなみに私はこの子供たちとちょっとお話しする時間を持つことになりました。ちびっ子さんたちに楽しく歌舞伎に触れてもらうため、目下内容検討中ですが、<教える>なんてエラそうなことはできませんから、とにかく一緒に遊ぼうかな、と…。

最終日の28日(木)は、同期の中村蝶之介さんと一緒に、<合同公演PRタイム>を頂きました。お客様の入り具合も見ながらですが、だいたい午後6時くらいから1時間弱のプログラムです。こちらもとにかく、私たちが<今 勉強会にむけてやっていること>を素直にお伝えできればと思っております。

会場で、勉強会のチケットのご注文を受け付けられるようにいたしました。
☆出演俳優が来店している時間は受付コーナーを設けまして、そこでご注文を承ります。ご住所や電話番号を伺うことになりますが、頂戴した個人情報は、他の目的に使用することは一切ございません。
☆来店していない日、および時間は、店内に設置してございます<ご案内状>に、問い合わせ専用電話番号を記入してございますので、そちらにおかけ下さい。
☆上記いずれの場合も、チケットは後日の送付となります。席番号の指定や後日の変更、キャンセルは承ることができません。
☆このチケット販売に関して、国立劇場、および養成課は一切関係ございません。あくまで今回<合同公演 写真展>を企画した出演者有志一同の宣伝活動の一環とお考え下さい。

先輩、仲間たちのご協力のおかげで、なんとか無事に初日を迎えられそうです。
みんなで作る催し。なんだか文化祭前夜を思い出しました。
明日の展示作業、頑張ろう!

私は25、26、28日の3日間、お邪魔させて頂きます。
どうぞ皆様、一番町<ラ・フォーレ>へ!!



『合同公演 写真展』
6月25日(月)~6月28日(木)
千代田区一番町 <ラ・フォーレ>(レストラン)内
<展示時間>
ランチタイム 11:30~14:00
ディナータイム 17:00~21:00
※ただし25日(月)はディナータイムからの展示となります。

※入場料はございませんが、レストランですので、なにか注文して下さいネ。

『鹿島亭』!

2007年06月23日 | 芝居
本日、舞浜にて開催の、鹿島良太さん単独公演『鹿島亭』の第6回公演にお邪魔してきました。
今回のための書き下ろし脚本による朗読劇、鹿島さんの舞台仲間とのゲストトーク、生演奏入りの手話歌など…。約2時間盛りだくさんのラインナップでした。
20名ほどで一杯になる会場ですので、舞台との距離は相当近いのですが、そんななかで演じるということはきっと大変なものなのだと思います。お客の息づかいや表情が、すぐ見えてしまいますもんね…。
とはいえ鹿島さんのひとり舞台。あったかい演技、声の響きがぐっと伝わってきてとっても面白かった! 普段食事をご一緒するときにも思うのですが、誠実な方なんだな~と改めて感じさせる素敵なひとときでした。

有難いことに、会の最後で私どもの合同公演の宣伝もして頂き、私もちょこっと話をさせて頂いたのですが、あまりにお客様が近くにいるので大緊張、しどろもどろになってしまってアァ恥ずかしい。でもお陰様で「チケット買いますよ!」というお客様にも出会えまして、嬉しい限りです。

お客も一緒の打ち上げにも参加させて頂き、いろいろ交流もできました。この<縁>が新たな動きを生んで、鹿島さんの芝居も、私たちの歌舞伎も、どんどん盛り上がっていけたらいいのですが…。
ご本人のご許可を得て、ツーショット写真を掲載いたします。今後とも鹿島良太さんをみんなで応援しましょうね!
劇団『偉人舞台』の公演も、秋にありますよ~。

下半期も見えてきて…

2007年06月21日 | 芝居
今日も深夜まで仕事が入っておりました。今月は働けるだけ働いて、7月になったら、自分の体調整備やリフレッシュを十分にとりながらの、ゆとりある公演準備にしようと思います。
そんなわけで、今日は気が早いようですが勉強会後の予定のお知らせ。9月は<公文協西コース>巡業で、関西、九州、四国を中心に旅公演です。師匠は『番町皿屋敷』の青山播磨と『口上』です。私はどうなりますでしょうか。
10月は、つい最近仮チラシが出ましたが、国立劇場10月公演で、『平家女護島』から「清盛館」と「鬼界ヶ島」のふた幕、それに大変珍しい『昔語黄鳥墳~うぐいす塚~』の復活上演です。このお芝居、紀伊国屋(宗十郎)さんの家の芸<高賀十種>にも入っている敵討ち狂言だそうですが、本で題名と粗筋を目にしただけで、くわしいことは何も知りません。国立劇場文芸室の補綴で、21世紀の今日、どのように蘇るのでしょうか。その現場に立ち会えるのは本当に嬉しいです。

あと5日で、およそ210日も過ごした歌舞伎座ともしばらくのお別れ。新しい気持ちで舞台に取り組めると思います。
まずてはじめの国立劇場7月歌舞伎鑑賞教室、意外な出番となりましたが、それはまた、初日が開いてからのお楽しみということで…。

新たな試み!

2007年06月20日 | 芝居
ご無沙汰をいたしました。
ここ暫く、人に会ったり打ち合わせをしたり事務作業をしたりと、「今のうちにやっておこう」的な仕事をドカドカと予定に入れてしまいまして、なかなか更新まで手が回らず、自分で招いたことながらヤキモキしておりました。
4日ぶりの記事は、早速ながら催し物のご案内です。

今月25日(月)から28日(木)の4日間、国立劇場からも約10分の、千代田区一番町のレストラン『ラ・フォーレ』にて、合同公演出演者有志の手で「合同公演 写真展」を開催させて頂くはこびとなりました。
実はこの「ラ・フォーレ」、今月で閉店するのですが、その最後の1週間に、なにかいつもと違ったことができないか、という店長さんのご意向に便乗させて頂きまして、お店のスペースをお借りして、過去の「合同公演」の舞台写真を展示させて頂き、今夏の公演の宣伝、ひいては地元の方々が歌舞伎に触れるきっかけ作り(ほんの小さなモノでしょうが)ができれば…ということになったのです。

幸い、国立劇場養成課の快いご了承も得ることができ、今回の出演者の中から、私を含む数名で準備をすすめておりますが、前例のない企画ですので、どうなることか不安もいっぱいです。
私たちの舞台姿を、ひと味違った方法でご覧頂くこの企画、どうぞお誘い合わせのうえいらしてくださいませ。
なによりも、気さくな店長さんが、お店最後の数日間を楽しく賑やかに過ごしたいそうです! 美味しいパスタやピザもお待ちしておりますよ~。

一番町 ラ・フォーレ

千代田区一番町22-1 一番町セントラルビル1F (地図はトップのイラストを参照して下さい)
<営業時間> ランチ  11:30~14:00
       ディナー 17:00~21:00

☆『合同公演 写真展』は25日(月)~28日(金)まで。ただし25日はディナー営業からの展示になります。

☆この催しは、あくまで「合同公演」参加者有志の企画です。国立劇場、および養成課の了承は得ておりますが、直接の関知はいたしておりませんので、ご了承下さい。お問い合わせは私のメール takasagoumeyuki@hotmail.co.jp までお願いします。

コツコツやるしかないのですが

2007年06月16日 | 芝居
今日は国立劇場で勉強会のチケット作業。やっぱりお金を扱う仕事は大変だ~。計算は無事合いましたからよかったです。計算作業のあとは、勉強会の宣伝活動について養成課の方と話し合い。おかげさまで、色々と皆様に勉強会の存在を発信する<場>を頂戴することができました。それをどう活かしてゆくかが難しいことだと思います。私はじめ全出演者から、先輩後輩の別をなくし、ふさわしい人にふさわしい場に登場して頂く。そうしたことも<実行委員>の面々で決めてまいります。
いずれ改めて、各宣伝媒体をご紹介できると思いますので、ご覧頂いたり、足を運んで頂ければと存じます。

…今月足繁く通っている国立劇場に、来月は出演することが決まりました。7月の『歌舞伎鑑賞教室』です。これにつきましては、また後日…。

それにしても、暑い1日でした!

懐かしい!

2007年06月15日 | 芝居
兵庫県三田市で過ごした中学時代の同級生(女性)が東京に来たので、久々に食事。
渋谷は松濤の入り口にある『4番サード 魚真』で食事し、センター街中ほどのバー『門』でグラスを傾けました。『魚真』は店名の通り魚がウリの店。初めて訪れましたが、ネタが新鮮で大満足。刺し盛り、稚鮎天ぷら、海鼠酢など。カニ味噌なんぞは旨味が濃くて濃くて…。日本酒が進みました!
『門』はクラシカルな店構えと、それに似合わずワイワイガヤガヤできる気楽さが魅力ですね。中学時代の思い出やらお互いの仕事のことで大盛り上がり、ついつい飲み過ぎてしまいました…。
しかしまあ、この同級生も知らぬ間に<人妻>になっておりマシタ。10数年前の感情が蘇り、ああ、呆然…。

楽しいひと時!

2007年06月13日 | 芝居
このブログで度々ご紹介しております<劇団 偉人舞台>の鹿島良太さんと久々にお会いし、たっぷり演劇放談してまいりました。
ご自身プロデュースの公演<鹿島亭>にも、今回は拝見に伺えることとなり、今からとても楽しみなのですが、立場は違えど<舞台>で生き、観客の前で<演じる>者として、その喜びも苦しみもおんなじなんだなと改めて感じました。
つくづく思いますのは、こういう風に、違うジャンルの方と接することができる<縁>、そしてその交流の中から生まれる得難い<体験>。何物にも代えられない大切な糧として、私の役者人生の血肉になっていると思うのです。

夏の勉強会、ますます頑張ろうと決意を新たにいたしました。

…その『合同公演』、一般前売りも始まりました。おかげさまで売れ行きも大変好調と聞いております。何度も申しますが、良い席はお早めに! です。なにとぞよろしくお願い申し上げます!!

小菊という女

2007年06月12日 | 芝居
『妹背山婦女庭訓』の「小松原」「吉野川」に登場する、雛鳥付き腰元<桔梗>と<小菊>。
しっかりものの桔梗と、ちょっと間抜けで三枚目の小菊。ふたりの演技が、重苦しくなりがちな義太夫狂言の雰囲気を大いに和ませてくれます。
このふたり、同役ながら扮装は若干違えてありまして、鬘は同じ<文金>ですが、小菊の方が飾り物が多く派手になっています。見比べると小菊の方が若やいでみえるかもしれませんが、これは小菊というお役のもつ幼稚さの表現と、この鬘に頬を赤くした化粧というギャップのおかしみを出す効果があるわけでしょう。

「吉野川」では桔梗が藤色、小菊が鶸(ひわ)色の振袖ですが、歌舞伎では鶸色の衣裳を着る女は大抵三枚目です。『紅葉狩』の岩橋、『嫗山姥』のお歌など…。これもひとつの約束事といえるかもしれませんね。

小菊の演技はいろいろとおかしみの動きや台詞が多うございますが、「小松原」など、本行(文楽)の方ではけっこうキワドい台詞が出てくるようです。さすがに歌舞伎ではそういうところは簡潔にしています。
「吉野川」でも、あまり三枚目っぽくみせないやりかたもございますが、6世中村歌右衛門の大旦那の芸談を拝読しますと、『小松原から通してやるときは、三枚目風にしなくてはいけないでしょう』という旨のお言葉がございました。