梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

六世中村歌右衛門 十年祭でございます

2011年02月27日 | 芝居
26日、無事御園座公演の千穐楽を勤め上げ、その日のうちに帰京。
本日27日から、新橋演舞場3月興行『三月大歌舞伎』の稽古が始まっております。

本年は、6世中村歌右衛門の大旦那の没後10年でございます。昼の部『伽羅先代萩』、夜の部『吉原雀』という由縁の2演目が、十年祭の追善狂言として上演されますが、その両方に、師匠がご出演なさいます。『先代萩』の八汐、『吉原雀』鳥売りの男。陰謀に加担する悪女と、江戸の匂いがさらりと香る、粋な二枚目という、全く違った役どころというのも、歌舞伎の面白いところですね。

私は、『先代萩』で“八汐付き腰元”、『吉原雀』で“着付後見”、そして夜の部序幕の『源氏物語 浮舟』では“侍女”を勤めさせて頂きます。追善の2狂言に携わることができ、本当に有難く、嬉しく思います。

『恩讐の彼方に』『浮舟』という新歌舞伎の面白さ、『御所五郎蔵』『筆屋幸兵衛』の黙阿彌の魅力。追善狂言のみならず、昼夜にバラエティ豊かな演目が揃いました。どうぞ皆様も、見どころ満載の弥生興行に、賑々しくご来場のほどを!