梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

巡業日記3・横浜の巻

2005年07月01日 | 芝居
七月最初の公演は横浜の「桐蔭学園メモリアルホール」でした。
桐蔭学園は、中、高、大学を抱える大きな学園で、その敷地内に、入学、卒業式など学校の催しはもとより、古典、現代演劇も上演できる立派なホールが建てられているのです。横浜市内ではありますが、田園都市線の市が尾駅が最寄り駅。都心からはけっこう離れます。午前九時四十分に、市が尾駅前から一行まとまって貸し切りバスに乗り、会場に向かいましたが、これに間に合わせるために朝七時半に家を出たものですから、今日は一日疲れ気味でした。
巡業でお邪魔するのは今回でニ度目です。ニ回公演でしたが、夜の部は当学園の生徒さんだけの「観賞会」となり、プログラムが変わりました。

1、歌舞伎の見方
2、吉野山
3、与話情浮名横櫛『源氏店』のみ上演

歌舞伎の見方は、成駒屋(玉太郎)さんが、紋付袴の出で立ちで「鳴り物」と「ツケ」、そして二つの芝居のあらすじの説明をなさいました。『木更津海岸見染めの場』が出なくなったので、私の出番も一つ減ってしまいましたが、その分、楽屋裏での切羽詰まった「早ごしらえ」はなくなりました。
終演後は、再び貸し切りバス。今度は市が尾駅を経由して歌舞伎座前までというコースでしたので、私は歌舞伎座まで乗りました。道中の間は少し寝られました。
到着後は仲間と銀座のラーメン屋「ヤンヤン」で夕食。冷タンタン麺を頂きましたが、ボリュームといい味といい、大満足でした。

近郊の劇場へ自宅から出勤する。いわゆる「通い」の間は、まだまだ旅をしているという実感がわきません。あと一日、家から通えば、東京を離れられるのですが…。