金堀則夫の個人誌。個人誌といっても、34人の寄稿者の詩作品(瀬崎も加えてもらっている)や評論、詩集評、子どもの詩の広場を載せ、非情に充実した内容である。
「葦の川を」北原千代。
川を流れていく丸太の小舟には、二体の人形が乗せられている。ビスクドールの足首や手足はばらばらに外されている。もう一体はガラスのウサギの人形のようだ。夜をぬけた舟は朝を迎える、そして、
朝ごとに土地の女は
ひとり川辺にきて
壊れものを浮かべ流します
容れものにそぐわないものはみな
じぶんで壊します 夜明け前に
足首と手足がばらばらに外された少女もまた、壊されもの、だったのだ。なぜ壊されなければならなかったのか、そして、土地の女が本当に壊そうとしているものは何なのか。自らの代わりとなる壊されものを作っては川に流している、そんな人の性の悲しさを静かに閉じこめた作品。最終連は、
船はゆきます
ひろいひろい湖にむかってゆきます
「葦の川を」北原千代。
川を流れていく丸太の小舟には、二体の人形が乗せられている。ビスクドールの足首や手足はばらばらに外されている。もう一体はガラスのウサギの人形のようだ。夜をぬけた舟は朝を迎える、そして、
朝ごとに土地の女は
ひとり川辺にきて
壊れものを浮かべ流します
容れものにそぐわないものはみな
じぶんで壊します 夜明け前に
足首と手足がばらばらに外された少女もまた、壊されもの、だったのだ。なぜ壊されなければならなかったのか、そして、土地の女が本当に壊そうとしているものは何なのか。自らの代わりとなる壊されものを作っては川に流している、そんな人の性の悲しさを静かに閉じこめた作品。最終連は、
船はゆきます
ひろいひろい湖にむかってゆきます