中国上海に住んでいた頃の生活の様子や、中国各地の旅行記を紹介する「上海城市新聞」の番外編は、『今は無き ROJAM DISCO』をお送りします。
昨日のイベントで、小室哲也さんが率いる音楽ユニット“globe”のボーカル KEIKOさんが、4年ぶりに肉声でコメントを出したことが、今朝の芸能ニュースで話題になっています。
その小室哲哉さんが絶頂期の1,997年に上海で開いた店が、『ROJAM DISCO』です。上海に住んでいた頃に、2~3回行ったことがあります。
今朝の芸能ニュースを聞き、『ROJAM DISCO』の事を思い出し、書棚を探してみたら、当時のパンフレットが出てきました。『ROJAM』 の由来は「MAJOR」の逆さ読みだそうです。
『ROJAM DISCO』が有ったのは、上海市淮海(Huai Hai)中路283号の「香港広場南座」と言う商業ビルの4Fです。
バー、大小のダンスフロアに、カラオケルームが10室ありました。大きいダンスフロアは、1,200㎡の広さで1,000~1,500人の収容人員。店内には最新の音響、照明設備を備えていると謳っています。
入場料金がいくらだったのか忘れましたが、200元(当時のレートで約2,800円)程度ではなかったのでしょうか。VIPカードを発行していて、最高額のカードは10,000元(約14万円)。
週末に行ってもガラガラで、確かに店内のインテリア、音響、照明は最高なのですが、熱気が全く感じられません。案の定、隊長が日本に帰国した2008年1月に『ROJAM DISCO』は廃業しています。
熱気が全く感じられなかった『ROJAM DISCO』とは異なり、熱気溢れる上海のローカルディスコに行ったことがあります。
そこは、会社の帰りが遅くなりタクシーで通りかかると、深夜まで看板の照明が明るく、いつも若者がたむろしていている場所でした。
気になって休日の昼間に見に行くと、看板に「溜氷場(アイススケート場)・卓球場」と書かれていました。
外から中を覘くと、確かにスケートリンクらしき物が見えて、卓球台はありませんでしたが、ビリヤード台が置かれていました。
夜はスケート場がディスコに変わると聞いて、ある日勇気を持って潜入しました。入場料は10元(当時のレートで約140円)ですが、当時の物価水準を考えると800円位でしょうか。
曜日によっては「女性の日」があり、女性なら入場料が割引になる制度も有りました。
中に入ってビックリしました。縦25メートル、横9メートル位のスケートリンクが有りましたが、外の看板には「溜氷場(アイススケート場)」と書いて有ったのに、実際にはローラースケート場でした。
貸しスケート靴も有り、入場者は10代後半から20代後半の地方出身者と思われる若者で、男女の割合は男子が8割と圧倒的に男性が多かった。その連中が狭いリンクをローラースケートでクルクルと回っていました。
ダンスフロアはどこにも見当たりません。見ると縦10メートル横6メートル位のフロアが有り、そこでカラオケをやっていました。入場したのが夜9時と早かった為に、まだカラオケタイムの様です。
喉が渇いて来たのでドリンクコーナーに行くと、売っているのは、缶ビール、コーラ、ジュースのみ。缶ビールは10元、コーラ、ジュースが5元。
ビールを飲みながらスケートリンクでクルクル回っている連中を眺め、素人のカラオケを聞いていると午後10時を過ぎていよいよディスコタイムが始まりました。
最初にフロアに繰り出したのは男性が約20人。男ばかりが踊っている姿は何故か異様でした。大音量で流れる曲は懐かしいユーロビート。曲も2~3曲目になると女性も踊り出し、30分もするとヒートアップ!
ミラーボールが回転し、天井からはシャボン玉が降って来て、DJがコンサート等でファンが振る蛍光スティックをばらまくと、そのスティックを振りながら踊っています。スピーカーの上の狭いスペースが「お立ち台」になり、「お立ち台」の上で踊り出しました。
冷房が余り効かずに大きな扇風機が回っていて、その扇風機に中国の国旗がはためいている様子は、まさに「カオス」です。
時々、懐中電灯を持ち、ホイッスルを首からぶら下げた係員がスケートリンクの手摺りの上に乗っています。スケート場で逆回転したり、危ない滑り方をしている客がいたら、この係員が懐中電灯を照らし、ホイッスルで警告します。
そう、ディスコタイムが始まっても、スケートリンクで滑っている若者もいます。周りを見回しても、外国人は一人もいません。
熱気に当てられ、2時間半ほどして帰りましたが、かなりディープな経験でした。
熱気が全く感じられなかった『ROJAM DISCO』と、熱気溢れるローカルディスコ、もちろんローカルディスコの方に懐かしさを感じます。
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