桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

登山の記39・ニペソツ山1,2回目③

2006-05-13 22:51:38 | 旅行記

2回目のニペソツ行きは、その翌年のことであった。この年は天気に恵まれず、集中豪雨があったりして、私もなかなか山に行けず、ゆわんと村で悶々とした日々を送っていた。

ようやく天候が回復したものの、沼ノ原に行く道の途中にある橋が流されたとのことで、ひとまずトムラウシ行きは置いておき、ニペソツにでも登ろうと考えていたところ、ゆわんとで以前一緒になったことがあるFさんも一緒に登ることになった。集中豪雨の後でもあり、林道の状況が心配なので、車はFさんが出してくれることになった。

早朝に起き、ゆわんとの朝食はパスして出発した。三国トンネルを抜けると、去年は全く見えなかったニペソツの鋭い山容が眺められた。やや霞んではいるが、晴れた青空が広がっている。素晴らしい山行が期待され、わくわくしてきた。

平日ではあったが、杉沢出合の駐車場は一杯で、手前に路駐となった。Fさんも山によく登っているので、初めの林間の尾根は淡々と登っていった。時折眺められる山々の光景が疲れを癒してくれる。稜線に出て振り返ると、遙か遠く阿寒岳も見えた。ニペソツが見えるところまではまだしばらくあるが、ニペソツを含め、表大雪やトムラウシ、十勝連峰の眺めが大いに期待された。

小天狗の岩場、天狗のコルを過ぎ、灌木帯の斜面を登り切ると、去年エゾオコジョを見た場所に出た。今年も聞き覚えのある声が聞こえる。どうやら人間がやってきたので警戒していると思われる。去年と同じく、背中のチョコレート色の体毛と、腹の白い体毛とのコントラストがきれいで、目つきが可愛らしい。この可愛らしい動物が、あのナキウサギを捕まえて食うとは、どうにも信じがたい。

そこからはハイマツと岩場が続く平坦な道である。ここを通り過ぎ、大きな岩がごろごろとしたところを登り切るとニペソツ山が見えるはずである、と、昨年K宮さんが言っていたのを思い出した。さて今回は見ることができるのだろうか?期待に胸を躍らせ、岩場を一歩一歩登っていった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする