はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

島田・双子山

2015-04-28 17:57:37 | 低山歩き
歩行記録                                                          H27-4-26(日)
歩行時間:4時間35分   休憩時間:0時間45分   延時間:5時間20分
出発時刻:8時20分     到着時刻:13時40分
歩  数: 26、898歩(推定距離20.2km)    GPS距離16.7km
行程表
 六合駅 0:55> 東光寺 0:15> 悠久の森 0:50> 農道合流 0:10> 双子山 0:45> 農道出合 0:45> 駿河台分岐
 0:55> 六合駅

 島田と藤枝の市境にある双子山は、登り口などにより 「島田の」 とか 「藤枝の双子山」 になる山です。
今回も島田市の六合駅が登り口だったので 「島田・双子山」 にしたのですが、コースの概略図を作っていて、この表現が正しい
事が分かりました。
左下の山頂部分拡大図を見てください。北西からの尾根を延びてきた市境は、三角点までいかず山頂広場の所で直角に北西に
向きを変えています。このため三角点のある双子山は明らかに島田市の領域内でした。
しかし双子山と云うからにはもう一つの頂が有る筈です。山頂拡大図では428mの山頂広場と421m、414mと候補が3ヶ所
ありますが、ここは山頂広場が双子山のもう一つの頂きとしたいところです。
どこからか双耳峰が見える筈ですが、まだ見た事がありませんので一度確認したいと思っています。

 双子山へのコースは島田市六合からの3ルートと、北西の千葉山方面からのルートがあります。
今回は歩いたコースは六合から東光寺川を遡り東光寺から悠久の森を通るコースです。このコースは全て舗装された細い農道
ですが車類は殆ど走っていません。また景色は悠久の森までは沢伝いで、尾根に上がっても樹木が邪魔をして良くありません。
帰りのコースは市境を通る尾根コースで、尾根の左の藤枝側に下るルートは標識のある所だけでも4ヶ所もあります。
景色は駿河台分岐辺りまでは樹木で視界は効かないが、そこから六合に向かう道は樹木が切り開かれ、茶畑が続く眺めの
良い道になります。尾根が終わる岸山付近からは島田や藤枝の町並み、駿河湾に伊豆の山々、それに大井川の流れが一望で
きます。ここからの眺めが双子山の中では一番の場所だと思います。
 六合からもう一本の道は、東光寺手前の車道を左折して尾根に出たら農道を双子山に登る道です。この農道は農作業などの
車が結構走っている現役の道で、景色もどうという事はありません。

 

                 島田・双子山観歩記
  
               白藤?                                    東光寺
             東光寺の場所
 国道1号バイパスの東光寺ICに続く車道を避けて、東光寺川の畔に続く道を行くと川に覆い被さるようにして白い花が咲いていた。
白い藤の花のように見えたが、近づいて見ると藤とは違う葉だった。枝も蔓ではないし藤でないことは確かだが、では・・・・・・
 駿河一国三十三観音霊場第2番札所東光寺は、今でこそ小さな山寺だが、かっては今川家の保護を受けた大寺だった。
最盛期には25の塔頭(小寺)があったが甲斐武田勢との戦いで兵火にあい焼失したという。
東光寺境内の藤の花穂は短く、盛りはまだ大分先のように見える。

 東光寺を過ぎ山が押し寄せてきて明るかった道が暗くなった所に、「東光寺川起点」 の看板と 「東光寺本堂」 の石碑があった。
その奥に朱塗りのお堂が有るが、これが本堂なのか。本堂と言っても今は無住で、どちらかといえば奥の院的存在なのだろう。

  
                  ウツギ                          ツツジ                ツツジ

 東光寺川に沿った道は時折グズグズと湿った場所もあり、以前蛇に出くわした事もあるので何となく気味が悪い。
川を見ると何故か流れのない水溜りになっている。堰堤でもあったのかしら?
時折咲いている花で気分を変えて歩いて行く。

 
                 悠々の森                             通行止のゲート

 悠久の森入口の看板は建っているが、その先の案内板は朽ちて倒れていた。悠久の森自体も四阿と2枚の案内板が建って
いるだけだが、案内板には気高い理想が述べられていた。
「ようこそ静岡悠久の森へ 静岡悠久の森は、日本一豊かな自然環境を誇る、明日の静岡県を築きささえる大切な森です。
森林を守り育て、後世に伝えるため、県民の皆様の参加と協力をお願いいたします。 東光寺の森」
だそうです。
更に東光寺本堂前にあった案内には
「①巨樹の森(百年・千年の森) ②広葉樹の森 ③歴史・自然・環境教育の森 ④回遊できるハイキングコース ⑤川遊び場・
昆虫の森 ⑥循環可能な森(林業体験) ⑦眺望・爽快の森」
となっている。
これを読めば私でも一度は体験してみたくなるし、特に①の巨樹の森や ⑦眺望の森は魅力的だ。
だが遊歩道の案内図にはそれらの場所の表示はなかった。そしてそこには 「悠久(千年)の森を目指して活動に取り組む・・・」
と書いてある。ウッそれでは現在は千年の森は無く、これから作るという事かな・・・・・・・・・

 四阿の先に通行止のゲートがあり
「危険 これから先は大変傾斜が急で悪路な私農道です。関係者以外の方は危険ですのでご遠慮下さい」
さっきも看板に難癖つけた私なのに、今度は “これは車に対しての注意だ” と都合よく解釈してゲートを跨いでしまう私です。

 
                 またもやゲートが                          名残桜

 景色の見えない農道だが車は走ってないので、時折出てくる花等を見ながら歩けばのんびり歩ける。
悠久の森から50分も歩くと左側にある農道と合流します。この道が東光寺手前を左折した農道の道です。これから先はどちらを
行っても双子山に着きますが、今日は最後まで右の車の走らない農道を行きます。

 また通行止のゲートです。でもこれが出てくれば山頂は目と鼻の先。数本の八重桜の並木の先は三角点と広場の間の鞍部です。

     
       狛犬(阿)                    虚空蔵尊堂                   狛犬(吽)

 鞍部は少しオーバーで、三角点と広場の間の凹み位にしか感じない。そのため現地に来ると双耳峰の感覚が湧かなかったが
地図上では三角点と広場が双子山と解釈しても良さそうだ。しかし本当にそれで良いのかな。自信はない。
鞍部から三角点のあるお堂のピークに向かう参道には、一対の狛犬と六対の燈籠が安置されている。
狛犬に燈籠と云うと何か神社的雰囲気ですが、山頂にあるのは虚空蔵尊を祀ったお堂でした。

 三角点はお堂の右前にある塚の上に、大草村三等三角点(436.5)があります。

 
                  寅                                     丑

 山頂広場には色々な置物が置かれているが、中でも大きいのがこの丑寅の置物。台座を見ると 「大正15年生 丑寅会」 とある。
丑寅と虚空蔵菩薩は何の関係かと疑問に思い調べてみると、虚空蔵菩薩は丑・寅年生まれの人の守本尊(守護仏)で、そのため
虚空蔵菩薩がご本尊の寺社では、丑寅の像が奉納されるのだそうです。
まだ疑問はある。丑年生まれとか寅年生まれなら分かるが丑・寅生まれとは何だ。? だがこれは単に丑年生まれと寅年生まれを
丑寅生まれと繋げただけのようだった。因みに台座に書いてあった大正15年は寅年で、前年の14年は丑年でした。

           
               山頂広場の太陽光発電                         広場入口の彫刻

 山頂広場の東側は見晴台が造られていて、条件さえ良ければ焼津・藤枝の町並みと大崩山塊、それに富士山も見えるのだが
今日は春霞なのか富士山は全く見えず。外もぼんやりとしていて写真を写す気にもならなかった。
山頂の広場には以前は何に使っていたか分からない2階建ての家があったが昨年撤去されていた。今回来てみると今度は
広場の約半分に太陽光発電設備が設置されていた。ここなら一日中影になるような物が無いので効率的に発電できるだろう。

 広場の中には小形の置物が色々置かれているが狸の置物、童地蔵、鯱、シーサーらしき物と、まとまりなく色々置いてある。
何のために置いてあるのか分からない物ばかりだが、その代表的な置物が広場の入口にある。
「一生我慢」
と銘うってある置物だが、そのリアルな顔を見ると、どこかで見た顔だとフト思ってしまった。

     
       蕨が羊歯に                   蕗

 一生我慢の像の所から真っ直ぐ農道を直進すれば千葉山で、右の山道に入れば藤枝方面の道になる。
ここには藤枝で建ててくれた標識が有り 「双子山日キングコース 心岳寺・駿河台」 となっている。標識はここから要所要所に
あり迷うことなく歩く事ができる。
表題を島田の双子山としたが、島田市は悠久の森に金を掛けすぎたのか、ここまでのコース上には1本の標識も無かった。
いやそうではなく立入禁止の私農道だったのでハイキングコースとして認定してないのだろう。
(もう1本の農道にも標識は無いので農道はハイキングコースから除外してあるのかもしれない)

 山道に入り2分も下ると中山への分岐点になる。更に30分下ると谷稲葉の心岳寺への分岐点がある。そこから5分も下ると
今度は道の中央に設置した標識に直進が 「谷稲葉」 となっている。更に標識を良く見ると細いマジックで右直角に線があり
 「駿河台」となっている。下りの時はこの標識を必ず確認して尾根を右に下ってください。
直進して駿河台に下ってしまうと藤枝駅までは長い車道歩きになってしまいます。
 尾根から2m程下には無舗装のかっては農道らしき道に出ます。そこには標識が2本も立っているので、上りでは間違いの
ない場所です。

 今では車も通っていない農道を南に向かって行くと所々に茶畑の廃園が出てきます。この時期にここに来た時はその廃園の
中に蕨や蕗、夏みかんなどがなっている場所がある。今回も覗いて見ると、蕨は既に羊歯畑と変身していたし、夏みかんの実も
昨年は枝にたわわに実っていたが今年は1個も無かった。どうしたのだろう? 先を越されたのか。いやそれにしては大きな木
なのに上の方にも何も無いのは理解できない。人や猿が取ったというより実が成らなかったのだろう。
蕗は小さいが少しあったので取って来たのだが、ふき取りは面倒くさい。もぎる時も親指の爪できるようにするし、更に葉っぱも
取らなければならない。その点ワラビは根元から上に滑るように手を動かし、自然に折れる所で取れば良いので楽だ。
他にもタラ木がある場所もあるが、既にタラの芽は大きく成長し、棘の付いた葉に変身していた。

       
                          茶畑(遠くの山の斜面も茶畑です)

 無舗装だった農道が突然2車線の農道に出合う。長い間工事中だったが完成したようだ。東に下れば国1バイパスの谷稲葉ICへ
下る道で、西は以前からあった道で東光寺方面に下っている。
こんな所にこんな立派な道が必要だろうか? 元を取れるのだろうか? 疑問を感じる。

 東光寺に下る道の先も農道を倍ぐらい広げてあった。この辺りの法面の擁壁が、麓から見ると白い長い建物に見える場所だろう。
ここまで来ると視界はようやく開け、南西の方向に茶畑が広がっている。写真は藤枝駿河台への分岐から撮ったものです。

 
              茶摘前の茶の新芽                         茶摘(茶狩り)風景

 農道を歩いていると色々な茶畑風景を見る事ができる。
まだ茶摘前の茶畑は柔らかい茶の新芽がいっぱいに延びているのが分かる。更に新芽が成長すると茶摘が始まるのだが、ここの
斜面で行われるのは写真のように2人で茶刈機を持ち、後の袋に刈った葉を入れる方式が多い。牧の原などの広く平らな茶畑は
人が機会に乗ったトラクター式茶刈機が幅を利かせている。

 
              茶摘み後                                放棄茶園の新芽 

 茶摘が終わると茶畑は坊主になるが、これで今年は終わりではない。さらに二番茶、三番茶と続き、場所によっては秋番茶まで
収穫する所もある。
 新芽がテンデバラバラに伸びた茶畑の横を草刈りをしていた人に話を聞くと
「去年の茶摘まで人に頼んで管理して貰っていたが、その人が歳で管理できなくなったので今年はやめた。」 そうです。
まだ肥料分は残っていて新芽も柔らかそうで勿体ないが仕方ないのだろう。家で簡単に製茶が出来るなら貰って行きたい位だ。
それにしても栽培を止めても周りの草刈りをするなんて大変な事だ。

           
            整姿なのか?                         岸山付近より島田市街

 茶畑を歩いていると時折こんな風に葉の部分は勿論、下の茎まで刈込んだ所がある。これは決してお茶の栽培を諦めたのでは
なく、新しい茎から元気ある新芽を育てているようだ。これで来年は茶摘が出来るのか、それとももっと先まで駄目なのか?
そうそう先ほどの放棄した茶畑も何年か後に、またやる気になったときは、このように深刈りすれば再生するようだ。
時折茫々になっていた茶畑がまた綺麗な茶畑に変身したのを見た事がある。その点、茶は生命力が強いようだ。

 尾根も終わりに近づき岸山付近迄くると、南方向が開け志太平野の市街地と駿河湾が見えてくる。
ここは元旦には地元の人が集まり、お神酒を飲みながら初日の出を迎えるという。私も来年はここに来てお神酒をよばれようかな。
景色は残念ながらご覧のようにぼやけた風景しか見えなかった。
ここを下れば六合駅は近い。

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