はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

仲間ウォーク:須走口コノスジ中途道

2017-07-10 18:46:16 | 低山歩き
歩行記録                                                           H28-7-7(金)
歩行時間:5時間25分   休憩時間:1時間20分   延時間:6時間45分
出発時刻:6時20分     到着時刻:13時05分
歩  数: 17、220歩(推定距離11.4km)    GPS距離10.0km
行程表
 須走口5合目 1:25> 6合目・長田山荘 0:30> 須走口砂払5合目分岐 0:50> 吉田口6合目 0:40> 砂払5合目分岐
 0:40> 登山道合流 0:10> 砂払5合目 0:30> 小富士入口 0:20> 小富士 0:20> 須走口5合目

                                コノスジ中途道概略図


  7月の仲間ウォークは去年初めて歩いて石楠花を堪能した “富士山須走口コノスジ中途道” にしました。
時季も昨年と同じく富士山マイカー規制が行われる前にして無駄な出費は押さえました。何しろ全員年金生活者ですのでネ。

 今日の交通費は割勘なので少し贅沢をして “大井川藤枝焼津スマートIC” から御殿場ICまで東名にしたところ、昨年より30分近く
短縮して五合目に着く事ができました。どうやら道が空いていれば新東名より東名の方が速いようです。
去年は家から少し離れた新東名藤枝岡部ICから御殿場まで新東名を走り料金は2550円。今年は2700な円なので150円高。
4人で割るので断然この方が得ですよね。

 ICに入ると早速仲間が 「焼津さかなセンターに行く人が、この大井川藤枝焼津ICの名前に焼津があったので、ここで下りてしまい
苦労をしたらしい。」
と言い出すと
 「新東名のICだってそうだ。 “新清水” なんて、ありゃ俺だった下りてしまうぜ。」
確かにそうです新東名の “新清水IC” は国道52号線の宍原近くにあり、興津の国1に出るより山梨県境の方が近い場所です。
矢張りここは “清水宍原IC” 辺りが妥当だと思うし、先程のスマートICも “藤枝大井川” の方が理解しやすいだろう。
何て早速行政批判。こんな話なら誰も傷つかないで済みますからね。

 
              須走口五合目                                    3779ナンバー

  先ずは須走口五合目の標識の前で記念撮影。梅雨の合間とはいえ青空も見えています。
 「オイオイここの標高は2000mだって。ならここは今までの最高点だぜ。」
 「そうかな~ 前に行った御殿場口の双子山の方が高いじゃない? ねー」
私に返事を求めてきた。
さて困った。御殿場口の標高は富士宮口の2400mより約1000mくらい下だとは覚えていたが双子山は?
何とも頼りにならない案内人だが、一先ず 「多分双子山の方が低いと思うよ」 と答えておいた。

  五合目の小屋を通り過ぎると小屋の車が何台か停めてあり、そのうち2台の車のナンバーが “3776” だった。
これは勿論 “皆(37)南(7)無(6)” とか “皆(37)成(7)る(6)” の富士山の標高ですよね。
この2台の車の横には “2000” のナンバーの車も。これで須走口の標高で、中々粋な事をやっている。

 
            ハンショウヅル(半鐘蔓)                           コタヌキラン(小狸蘭)

  今年も6合目までの登山道はキツイ。仲間が一緒なのでなるべくゆっくり歩いた積りだったがきつい事には変わりはない。
こんな調子で喜寿の歳に富士山に登れるだろうか? いや喜寿どころか今だって怪しいものだ。
途中で単独行の男性2人に追い抜かれる。勿論追い抜いた人はいない。

  六合目の小屋の人にコノスジ中途道の途中から下山道の五合目に抜ける道の状態を確認すると
 「忙しくてここ何年か整備してないが、倒木が少しある位でどうと云う事はないよ。何かあれば連絡が来るから。」 と言いながら
 「ちょっと来てごらん。」 と小屋の横に誘い 「これがまだ開いては無いが半鐘蔓で、こちらが小狸蘭だ。」 と教えてくれた。
ハンショウヅルは何となく想像できるが、コタヌキランは見当もつかない。聞いてみると
 「ほらこの部分の色や模様が小狸に似ているだろう。」 ウーン! 確かに似ていそうだが本当かな?

 
            シャクナゲ(石楠花)                              どこまで行っても・・・・

  六合目で長めの休憩を取り、いよいよ石楠花の小径コノスジ中途道です。
小径に入ればすぐシャクナゲの木は出てくるのだが花が咲いていない。行っても行ってもシャクナゲの木はあるものの花はただの
一輪も咲いていない。
実は六合目で 「今年はどの花も遅くて、ここのシャクナゲもまだ咲いていない。この分だと下旬ころになりそうだ。」 と言っていたが
仲間には伝えてなかった。だって “じゃ止めた” なんて言い出されても困るもののね。

  蕾状のものはあるがどれもが細長く葉っぱの芽のようだ。花芽の丸い蕾は殆どなく、これでは下旬になっても花はどうだろうか。
 「多分今年はシャクナゲの裏年だよ」という事で諦めることに。この後もシャクナゲ林は続いているが狂い咲きの花すらなかった。

 
              ツマトリソウ(褄取草)                              イワカガミ(岩鏡)

  今日は植物の師匠格のYさんがいるので、花の名前を色々教わりながら歩く事ができた。
 「これはツマトリソウ」 と小さな白い花を指す。妻取り草?へ~変な名前だ。
理由を聞いたが流石の師匠も分からなかったので、家に戻ってから調べてみると、 “妻取” に非ず “褄(つま)取” でした。
褄とは着物のふちの事だそうで、そこから花弁の縁が少しピンク色になるこの花の事を “赤くふちどられる” ➜ “赤く褄とる” で
 “褄取草”になったとか。一応名前の謂れは納得したが、富士山で見た花は白かった。
確認のため写真を拡大してみると、確かに縁がピンクになっていました。

  ところで “左褄を取る” なんて言葉があり、これが芸者を指す言葉だとは知っていたが、何故 “左褄” なのか知らなかった。
それがツマトリソウを調べていて理由が判明しました。
  芸者は着物の裾が開かないように左手で褄を持ったが、素人は右手で抑えたそうです。何故か?
左手で右にある裾を抑えるには腕で前を塞ぐようにしするので、 “芸は売っても身は売らぬ” と芸者の心意気を表したそうです。

  ツマトリソウはコノスジ中途道のあちこちに咲いていたが、イワカガミは数カ所にあっただけだった。
それも比較的小さな花で師匠曰く 「これは姫イワカガミそうだ。」 と言ったが、その違いは分からなかった。

 
                  ???                                 マイヅルソウ(舞鶴草)

  この花は瓦礫地帯に結構咲いていたが名前は分からなかった。
一方樹林帯の中の草地に咲いていたマイヅルソウは、最初師匠は 「チゴユリかユキザサかもしれない。」 と自信なさげだったが
後で寄った小富士の遊歩道には “マイズルソウ” の標識が立っていて無事解決。
チゴユリは今年島田の双子山で見たが、確か星形の花が一輪づつ咲いていた。ユキザサの方は見た事が無いので調べてみると
確かに花のつき方は似ていたが葉の形が全然違く、ユキザサの方は名前の如く、笹の葉に似ていなくもなかった。
  舞鶴の名前の謂れは、小花が幾つも咲く姿が鶴が舞っているように見えることからと思ったら、何と葉っぱからついたそうだ。
何でも葉の模様が家紋の舞鶴紋に似るからとのことだった。

 
                   舞鶴紋                                  マイヅルソウの葉

  参考に舞鶴紋とマイヅルソウの葉っぱをアップしておきました。ウーン! この丸い葉っぱの形なら ウーン! と言ったところかな。

 
                滑沢(なめさわ)                                吉田口の残雪

  鳥の鳴き声が途絶えることないのんびりした樹林帯の道だが、溶岩流跡の滑沢は一瞬気を引き締めてくれる。
そんな樹林帯の道がガレ状の沢に出れば吉田口は近い。上を見れば吉田口の下山道を下っている人の姿も見える。
昨年は無かった雪が今年はまだ大分下の方まであるのは、雪が多かったのかそれとも気温が低かったのか。
花も去年は吉田口近くで咲いていたサンショウバラ(山椒薔薇)だが、今年は一輪も咲いていなかった。
ただ吉田口の登山者は去年と同じように多く西洋人の姿が目についた。尤も中国や韓国の人は見分けがつかないけどね。

 
           倒木もあったコノスジ下山道                              首掛幹

  帰り道はコノスジ中途道の途中から砂払いの五合目に抜ける道を下ることにした。
仲間ウォークでは必ず歩いた道だけを案内してきたが、今回はそれに反して初めての道を下る。
でも多分大丈夫でしょう。五合目で確認したところ倒木が若干ある程度と言っていたし、去年聞いた時は団体が利用しているとも
聞いていた。それでも一応念のため先頭を歩く事にした。

  分岐の下はシャクナゲが一杯で、これから高度を下げて行けば花を見る事ができるかもしれないと期待したが、残念!だだの
一輪も咲いていなかった。
道はコノスジ中途道より若干薄い程度だったが悩むような場所もなく、下り勾配の道を楽に歩く事ができた。

 
             ヤナギ??                                  モミと思っていたが・・・

  師匠は “ヤナギ” と言っていたが調べても分からなかった。
次の写真は山では “モミ(樅)” と思い込んでいたが写真を見ると自信が無くなってきた。葉の付き方が違うし葉が固くなく柔らかい。
新芽だからかと思ったら今年の実や古い実もあるから新芽ではなさそうです。

 
             シロバナヘビイチゴの群落                      シロバナアヘビイチゴ(白花蛇苺)

  シロバナアヘビイチゴ(白花蛇苺)は今日のコースの中で一番見かけた花で、それこそ何処にでも咲いているといった感じでした。
中でも一番多く咲いていた場所は、分岐を下ってきて登山道と合流する手前では群落になって咲いていました。
ヘビイチゴと云えば普通は黄色い花で実は食べられないが、このシロバナヘビイチゴは食べられるらしい。ある方のブログには
 「シロバナヘビイチゴは、名前からすると食べられそうにありませんが、とても美味しい野イチゴです。一番最初に熟す実の方が、
後から熟す実よりも大きくて美味しいと思います。」
とあった。
誰か挑戦して食べてみませんか。そして結果を教えてください。

 
               キノコだが?                            ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草)

  動物の糞かと思ったらキノコだった。でも調べる気も湧きません。
先程のヘビイチゴも、このイチヤクソウも富士山では名前の前に花の色が付いているという事は珍しい花なのでしょうか。
通常のイチヤクソウは白い花で山林に自生しているのに対し、ベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草)は亜高山から高山帯の草地や
樹林の下に咲いているそうです。
名前の謂れは利尿や脚気の薬だった事からきているようです。でも採らないで下さいね、貴重な花らしいので。
ベニバナイチヤクソウの下ににはコケモモが咲いていました。

 
                 無事戻れた                                  ???

  分岐から午前中に登った登山道の砂払い五合目の小屋が見える所までは快適に歩く事ができたが、そこから五合目に行く道が
分からなくなってしまった。
登山道沿いにはロープが張ってあるのでロープを跨いでは入りずらいし、微かな踏み跡も見えない。
そのまま登山道を下っても良いが、折角富士山に来たのだから仲間にミニ砂走を経験さてやりたい。
そんな執念が実り、踏み跡とは言えないような足跡を見つけて火山灰の中に入って行った。順調に足跡を辿って行くと、前方に
ブル道が見えてきた所で沢に遮られて足跡は途絶えてしまった。
沢と云っても火山灰の事で、水も無く少し深い凹みになっているだけなのだが、足跡の人はここで止めたらしい。
一人なら当然突破する程度だが今日は仲間と一緒だ。さてどうしようと一応考えて、まず私が様子見で下って大丈夫そうなら皆も
下ることにした。
真っすぐ下らず斜めに下りだすと、一歩下るごとに砂がズズーと崩れる。砂走の中の大砂走を下るより気持ちがいい。
それを見ていた仲間も “これなら大丈夫そうだ” と判断したのか、声を掛ける前に下りだしていた。
上りも若干ズルズルと一歩登って半歩下がる状態だったが、何しろ距離が短いので却って面白い位だった。
そんな事もあったが無事に古御岳神社下のゲートの所まで下る事ができました。

  ここから小富士への遊歩道が始まるので、皆に行くかどうか確認すると 「遊歩道で25分程度なら行く」 と全員一致した。
小富士への道はコノスジ中途道とは雰囲気が違い、シラビソやカラマツなどの林の中の道で、これはこれで気持ちいいものです。

 オッ! これは何だ。折れて腐った幹の上に黄色のペンキを塗ったような、いや錦卵をのせたように真っ黄色な色が付いている。
キノコでもなさそうだし何でしょうね? 気持ち悪くて触る気にはなりませんでした。

 
                 根張り                                     小富士にて

  大きな岩が幾つかある辺りの木は、下が岩盤で根が深く張れないのか土の表面を根がのたくっていた。
こうなると木を支える力が弱いのかあちこちに倒木があった。

  残念ながら小富士からは富士山山頂は見えなかったが、何故ここだけ火山灰の丘になったのかと興味津々で話したり、何とか
見えた砂払い五合目の高さや、コノスジ中途道が何処にあるのかと話題は尽きず長い休憩になった。

  こんな調子で7月の仲間ウォークは終ったが、これから中途道に石楠花を見に行く人は、山小屋へ石楠花の開花状況を確認して
から行くことを進めます。六合目長田山荘でも五合目の東富士山荘でも電話で開花状況を教えてくれるそうです。
尤もその東富士山荘の方が 「今年はシャクナゲの裏年らしい」 なんて言っていましたけどね。

コノスジ中途道のお勧めコースは、今日のコースと同じコースが断然お勧めです。中途道をピストンするより、帰りは分岐地点から
砂払い五合目に下るルートは、下り坂で距離も短かく楽だし、違った雰囲気の道を歩くのも楽しいものです。
登山道に出てからは、そのまま登山道を下るの良いし、私たちのように少し冒険するのも楽しいです。勿論小富士にも寄りましょう。

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