はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

藤枝ハイキング・青羽根パノラマコース

2016-11-19 16:47:52 | 低山歩き
歩行記録   H28-11-18(金)
歩行時間:5時間30分   休憩時間:1時間05分   延時間:6時間35分
出発時刻:8時35分     到着時刻:15時10分
歩  数: 26、640歩(推定距離18.9km)    GPS距離18.0km
行程表
 近又バス停 1:00> パノラマコース入口(青羽根) 0:30> マンガン鉱山跡 0:10> 展望地(町民いこいの森) 0:10> 麦地峠
 0:15> びく石分岐 0:10> パノラマコース入口 0:15> びく石分岐 1:15> びく石山頂 0:45> 登山口バス停 1:00> ゆらく

 藤枝市の認定コースを紹介したいので、今回はまだ歩いた事のない旧岡部町の 「青羽根パノラマコース」 に行ってきました。
藤枝市の紹介ではこのコースは上級コースで、距離が10.1km、所要時間が4時間5分となっています。
当然私の事ですので、せっかく出かけてきたのに、これだけでは勿体ないと+αの欲張ったコースも考えます。
ただ家には5時前には帰りたい、できれば4時半には家に着きたいと思っています。何故ですって? 
今月は奇数月なので、月の内の2週間は私の楽しみがあるのです。

 そこで思いついたルートは、パノラマコースを歩いたあと続いてビク石に行ってから瀬戸川沿いの市の瀬に下るコース。
そこから更にゆらくまで歩いて、ゆらくからバスで藤枝駅に戻るコースです。
早速ゆらくからのバスの時間を調べると3時22分発のバスがあり、これなら青羽根コースを3時間、ビク石まで1時間、下山に1時間
ゆらくまで1時間として、合計6時間みれば充分歩けそうです。
朝は近又バス停の1番バスが8時27分着なので、そこから6時間とみても2時半ごろにはゆらくに着きそうです。
これなら途中も、のんびりパノラマの景色を楽しめそうです。

 
                 近又バス停付近                              馬頭観音

 予定通り近松バス停に8時半前に到着。近くにあった道路標識には、パノラマコース入口の青羽根集落まで3kmとあり、40分も
あれば行けそうです。
道端にあった馬頭観音に今日の無事を祈り  「南無観世音菩薩  オン アロリキャ ソワカ 」 と真言を3回唱える。
尤もこの真言が馬頭観音で良いのかどうか分からなかったが。

         
              キノコ                        渓 流                     山茶花

 枯れていない生木の幹にキノコが密集していた。白く硬いキノコではなく、少し色の付いた柔らかそうなキノコで、食べられそうな
感じもする。勿論取らなかったがキノコは1本の木に生えていただけだった。

 普通の川だったのが徐々に川幅は狭くなり、白く光る川の流れが渓流ぽさを感じさせてきた。
生垣でもない所に山茶花が咲いていて、下には既に散った花びらもある。
山茶花って童謡の ♬さざんか、さざんか咲いた道 たき火だ たき火だ 落葉焚き♬ の山茶花ですよね。
その冬の花がもう咲いて、しかも散り始めてもいる。この辺りは市街地より標高も高いので気温が大分下がるのだろうか。
それにしても早い気がする。

 
                青羽根集落                                パノラマコース案内

 パノラマコース入口の青羽根集落に1時間かかって到着。3kmの舗装道路を1時間? でも手持ちのGPSはジャスト4kmだ。
どっちが正しいのやら。(後でYahoo!の地図で距離を測ると3.5kmとなった)
 写真の交差点がコースの始点と終点で、右に行けば大井神社からマンガン鉱へ行く山道。左の道は林道を歩いてから山道に
行くコースです。今日は藤枝市のハイキングマップの紹介通り左回りの道を行きます。

 道の先に大きな 「青羽根ハイキングコースと周辺案内」 の案内板が建っている。それにはコース一周を健脚だと1時間30分から
2時間。家族連れだと2時間30分から3時間となっている。因みに市のマップの所要時間は56分となっている。
この所要時間の表現は歩行時間だけなのか、休憩時間が入っているのか判然としないが、多分歩行時間なのでしょうね。
ここを私が歩いたら果たして何分かかるか? 見学、休憩を入れて多分2時間から2時間半程度で、健脚と家族ずれの中間位かな。
ようは一般並みだと思うが、果たして・・・・

         
             ???                      納 得                    大井神社の御神木

 大井神社の鳥居を潜り参道を行くと 「和合の樹」 の表示が。見れば納得。
大井神社の案内に
 「青羽根地区は、今から800余年前、平家が滅亡して、氏族の存続を願ってこの地に隠れ住んだ人たちの集落と言われています。
中本、村上、京、羽山、永井二家、清水の七家が集落の起源で青羽根七人衆と言われ、現在でもその子孫が家系を継承しています。」

こういう案内を読むとすぐ疑問が湧くのが私の悪く癖で、今回も “平家が滅亡して、この地に隠れ住んだ” ことに納得できなかった。
確かに大井川奥なども平家の落人説があり、そのこと自体はありそうな説とも感じるが、その落人が “平家が滅亡して” から落ち延びて
きたとする事が腑に落ちないのです。
大体、東国は源氏の縄張り下で、しかも伊豆、相模はお膝元。その隣の駿河に平家の落人が好き好んで逃げ込んでくるだろうか。
京からここまで落ち延びる途中には、大和や伊勢、美濃や飛騨など隠れ組む山間僻地はいくらでもあるのに・・・・
これが同じ平家の落人でも、富士川の戦いで水鳥の羽音に驚いて潰走した平家の落武者ならまだ理解できそうです。
ただ富士川の戦いの落武者だと、水鳥の羽音で逃げた軟弱者と見られかねないので、平家が滅亡した際に落ち延びたとしたのでは
ないかと思ってしまうのです。神社の案内板はまだ続きます。

 「大井神社は集落の護り神として、青羽根村に居住していた藤原永泰の寄進により、応仁元年(1467)願主の藤原二郎衛門によって
収蔵された。また、御神木の大杉は推定樹齢700年以上、町指定天然記念物になっています。」

ここでも疑問が湧いてきてしまう。
最初の疑問は平家の落人たちが、何故近郷のしかも大井川の守り神である大井神社を祀ったのか分かりません。
平家なら厳島神社の分霊を祀るのではないかと思ってしまうのです。
これが同じように平家の落人伝説のある隣村の笹川集落のように、自分たちの守り神として “水玉神社” を祀るなら分るのだが。

 次の疑問は大井神社の願主や創建した “藤原さん” が、何故 “青羽根七人衆” の仲間に加わらなかったのだろうかということ。
貴族出身で神社を寄進するほどの財力もあった藤原さんは、この集落のリーダーだったと思われるのに。

 くだらない疑問の連続で、ずいぶん時間を取ってしまった。次に進まないとビク石に行けなくなっらしまう。

          
                       長塚石                                    木 橋

 次に現れたのはビク石の近くの山らしき巨石だった。岩には 「長塚石」 の名が付き、案内板には
 「治承4年富士川の合戦に敗れた平家の落人が追っ手を逃れて、ここに外敵から身を隠した。
出入口は狭いが奥は当時10人ほど入ることのできる広さがあったといわれる。」

オット! こちらにははっきり “富士川の戦いに敗れた平家の落人” と書いてある。これなら私の妄想的歴史観と合っている。
思わずニッコリ。
岩の横を歩いたがそれらしき入口も分からず上に出てしまった。マーいいだろう。
 登山道は整備されていて、要所要所に標識もあり迷う所は無い。沢には木の橋も架けられているので不安なく渡る事ができた。

 
               マンガン鉱?                                   坑道跡

 興味のあったマンガン鉱山採掘跡に到着。
マンガンと言えば私は 「マンガン乾電池」 が浮かぶだけで、他の知識は無かったので、果たしてどんな物なのかと思っていた。
現地は案内板が建っているだけで坑道らしきトンネルの入口は無い。しかたなく案内板を読むと
 「江戸時代には銅の採掘が盛んで、一時期は大勢の人夫で賑わいを見せたという。鉱石は美しいが銅の含有量が少ないため、
明治25年に閉山となった。しかし大正時代にマンガン鉱として再び採掘が始まり、鉱石は精錬する事なくかますに詰めて搬出された。
鉱山は昭和の初期まで採掘されていたものと推測されます。
この辺りには幾つかの廃坑が今でも残っていて、なかには蝙蝠が多数生息しています。」

ウーン!良く分からないが “銅の採掘” とか “鉱石は美しい” “精錬することなく” など気になる言葉が散らかっている。

 案内板の周囲には全体が黒っぽい石が幾つも転がっている。最初はこれがマンガンの鉱石かと思ったが、決して “美しく” はない。
で、調べてみたが良く分からないので、山口大学のHPをそのまま引用させてもらいます。
 「マンガンは,鋼(はがね)の強度や硬度など諸性質の向上に欠くことのできない重要な金属で、粗鋼生産の際、マンガンの中間
製品であるフェロマンガン(高炭素および中・低炭素)やシリコマンガンの形で,脱酸・脱硫剤として必ず添加される。・・・・」

これでは難し過ぎて私には理解できない。もっと簡単に説明した物はないかと探すと
 「マンガン鉱は銀鉱山や銅鉱山で副産物として産出する。」 とか 「マンガン鉱の色味が美しいものは半貴石として宝飾用途や収集
目的で取引され、珍重されている。」
ともあるが、一方で 「空気や湿気によって酸化しやすく、屋外に置いたり、特に雨に打たれると
黒色化しやすい。硬度が低く、脆く、壊れやすいのも特徴であり、この観点から宝飾用としても装身具には向かない。」
などがあった。

 これでも理解できないが、この鉱山では江戸時代には銅を目的にの採掘していたが含有量が少なくて止めて、大正時代に入ると
今度は銅ではなくマンガンを求めて採掘を始めた。この採掘が装飾品を目当てにしたのか、金属を求めたのかも分からない。
しかも精錬もしないで持ち出している。これはマンガンの含有量が多かったからなのだろうか? 含有量が少なければ輸送費が
掛かり過ぎて、更に採算が合わないのではないのか。疑問ばかり湧き出てしまう。

 採掘が終わったのが昭和初期なら、まだ当時の事を知っている人がいるのではないか。せめてその時に掘りだしたマンガンは、
装飾品目的なのか、何の材料だったのか、例えばマンガン電池の材料だったのかを案内板に書いてくれると更に興味が湧くだろう。

 案内板を読み終えて登山道を進んでいくと、廃坑らしき穴があった。特に案内は無かったが多分廃坑跡なのだろう。
この中に蝙蝠がいるのかと思うと気味が悪く、とても中を覗く気にはならない。

 
         長塚峠展望台?(町民いこいの森)                           ビク石が見えた

 尾根筋に出るとパノラマコースは左に進むが、右にも薄い踏み跡がある。若しやこれが朝比奈山に続く道かと思ったが、その方向は
低くなっていて、先の方もここより標高が低そうだ。
朝比奈山はパノラマコースから外れているが、“雪月風花” のittaさんのブログに、三角点のある青羽根山が紹介されていたので、
行ってみる気になっていた。しかし右の稜線側は低くなっているので朝比奈山ではないと、左方向に進む。、

 広場にあった株立ちに木の幹に 「町民いこいの森」 と書かれた古い看板があったが、ガイドマップにはそのいこいの森の表示は
なく 「長塚峠展望台」 と表示されている所だろう。
長塚峠?そうだ長塚石と同じ長塚だが、これは名字なのだろうか? 富士川の戦場から逃げてきた長塚何某が、大石の穴に隠れた
あと、この峠を越えて更に山深く逃げて行ったのだろう。それで “長塚” なのだろうと勝手に解釈。

南の方向に三つの丸いピークが見えるが、これから行くビク石はこの辺りで一番高い山なので、あの三つ目のピークがそうなのだろう。
青羽根からは簡単に行けると思っていたが、見る限りでは遠くに見える。
ここでガイドマップを取り出したついでに青羽根山の位置も確認すると、何と何とこの辺り標高より低く、先程の稜線に出た所を右に
行く方向だった。。ブログを見た半年前に印を付けておいたが、肝心の歩く頃に確認してないのだから呆れてしまう。
それからこの辺りではビク石が一番高いといったが、今いる所は標高が560mもあり、ビク石より30m高かった。
するとビク石と思ったピークはこちらよりも高く見えるので、どの山がビク石なのか自信が無くなってしまった。

 
                ちびっ子広場?                                 ちびっ子広場?  

 場違いな所に広場が出てきた。表示板はあったがすでに表面は朽ち果てなんて書いてあるか分からない。使えるかどうか分から
ないがトイレらしい物やベンチもあったので多分そうだろう。
それにしても昔のちびっ子はこんな山の中に来て遊んだのだろうか。いや遊びに来ると思ったのだろうか?

 
                 麦地峠                                      遠くの紅葉

 麦地峠からは南の景色は樹木が伸びて隠されていたが、北の方向は開けていた。山は見ているが名前も知らない近い山ばかりで
余り興味も湧かない。ただ条件さえ良ければここから富士山が見えるのかもしれないな。
確かコース入口の案内板に “富士山ビューポイント” の表示があったので。

 
                林道合流                                 コスモス峠(ビク石分岐)

 見学したり、イチャモンを付けたりしながら歩いていたので、疲れも感じないで山道は終り林道に出てしまった。
あとは林道を青羽根まで歩けばパノラマルートは終わりになる。ところで何が、何処がパノラマだったのだろうか?
前回の山行が本栖湖のパノラマ台だったので、ここも若干の期待もあったのだが・・・・・
ここなら同じ山域の椿山の方が余程もパノラマに相応しいと思う。

 コスモス峠? 止めましょう。下に見える三叉路を直進していけばビク石に向かうようです。

         
             リンドウ                       公孫樹                      ?

 三叉路を直進してビク石に向かうか、それとも右折して青羽根まで戻るか若干悩みました。このコースが市の認定コースでなければ
びく石に向かってしまうが、紹介する以上何があるか分からないのでと10分かけて舗装路を下りました。

 青羽根集落の三叉路に11時20分に到着。パノラマコースを1時間40分で一周してきた事になる。
これなら一応は健脚に属する。と、ニヤニヤする子供です。全く。
オットもう一点、案内板には “富士山ビューポイント” の位置が、ちびっ子広場よりマンガン鉱方面の尾根に書いてあるので
多分 “町民いこいの森(長塚峠展望台)” がそうだと思われます。自信はないが。