すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

違いの分かる女その2

2014-08-05 20:11:19 | うちのキヨちゃん
 以前ビールの事でキヨちゃんは違いの分かる女であると書いた。
 「母ちゃんは何でもええんよ、一番安いやつ。」
と発泡酒を飲んでいたのに、ヨリちゃん母さんがプレモルを送ってくれたら、
 「母ちゃん青い方がいい。」
と言いだしたというエピソードである。
 さて、今日は私は休みだった。キヨちゃんの通院日だったので送っていく予定で、本当は他の科もかかりたいと言っていたのだが、昨日の時点では大雨がどうなるかも知れず、予定しなかった。
 くりりんはこの大雨や通行止めで、本来休みなしの時期なのに休み続きである。今日は雨もやんだし、浸水したであろう職場の片づけがあると出て行った。
 ところが、途中まで行くと落石があったという事で通行止め。いつ復旧するかはっきりしないので今日もお休みになってしまった。すでに私とキヨちゃんは出ていたので、くりりんはお留守番。
 後から分かった事だが、結局通行止めが解除になったのが16時半。そりゃ仕事になりませんわな。しかも会社の人の連絡では、船着き場の手すりなども流されており、片づけどころか暫く営業できないらしい。今のところ、人命にかかわる災害は聞かないのでほっとしているが、まだまだ台風も控えていて油断できない。
 さて、買い物を済ませてキヨちゃんと戻り、少し休んでから夕食の準備にかかった。実はキヨちゃんの姉から「佐賀牛」が贈られてきていたのだ。普段こんないいお肉にありつく事はないので、せっかくなら私が休みで、焼いてすぐ食卓に出せつ日にしようと言っていたのだ。

      

 うちのキヨちゃんはいつも魚も肉も調理するし、同じものを自分の皿に盛り付けるが、肝心のタンパク質はよく残す。
 「母ちゃん肉も魚もいらん。」
が口癖である。決して嫌いなのではないが、年とともに好まなくなったようだ。身体の事を思えば、勿論野菜は大事だが、たんぱく質も大事である。だから少しでも食べるようにいつも言っている。
 さて、今日は佐賀牛である。それも厚いわけではないにしても、皿から溢れんばかりの大きさ。粉拭き芋やアスパラなどを添えはしたが、大丈夫かな・・・と思いつつ、切らずに大きいまま出した。
 お肉は最高に柔らかく、脂も甘い。キヨちゃんも大喜びで、
 「こんな美味しいお肉は初めてだ。」
と箸が進んだ。
 しかし、流石に私もこの年になるとお肉の脂が重く、最後の一切れをどうしようか悩んでいたら、キヨちゃんが自分のお皿から2切れ私の皿に放り込んだ。
 さすがに私も3切れは無理なのでくりりんに1切れパス。そして自分の1切れを食べたものの、どうしても次は無理で、小さい皿に残した。
 すると暫くしてキヨちゃんが、
 「一切れくらい残しても・・・。」
とそれを食べてくれたのだ。つまり1切れ以外は全部食べたという事だ。
 流石に違いの分かる女である。

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コメント (4)
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