すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

寂しくなる・・・

2014-01-31 21:23:40 | ひとりごと
 今日は色々考える日だった。
 まずくりりん。とりあえず、いつもより40分早く出勤して(実は運転も辛い腕の状態)、店長さんに事の次第を報告。とりあえず、4日ほど休んで、それから焦らずに身体と相談しながら仕事して、それから今後の事はスタッフとも相談すれば・・と言ってくださったらしい。
 とにかく、なるようにしかならないから、笑っていこうね・・・とは、いかにもくりりんらしい。頑張っていかなくちゃ。
 そして、親友ナース。彼女は幼馴染で同級生であると同時に、今の職場の3年先輩になる。その彼女が20年務めた会社を、今日付けで退職した。
 ひとつには幼子の問題がある。現場はある程度融通をきかせてくれるのだが、子供の迎えの時間までに終わるとか、祝日に必ず休むなんて無理である。まだまだ手のかかる子供がいる間は、給料よりも時間が大事だ。
 彼女との縁が切れるわけでもないし、彼女のことを思えばいい選択だったと思っているが、やはり寂しい。これから、誰に相談したらいいのかな・・・。

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腱板損傷

2014-01-30 21:08:45 | ひとりごと
 今日くりりんは病院に行ってきた。どこがいいのか分からないので、私と同じ病院に。
 途中メールが来て骨には異常がなかったというので安心していたが、結局その後の検査で腱板損傷であると判明した。つまり肩の筋が切れていると言う・・・。
 五十肩なんて笑い草にしていたが、かなり重症ではなかろうか。リハビリで肩は挙がるようになるとの事だが、何より今の仕事が力仕事なので当分は出来ない。勤め始めてようやく本採用になったばかりだし、店番専門・・・なんて温情の人事がしばらくある・・・なんて甘いことは想像出来ない。
 勿論、仕事中の怪我であるし「労災」の認定もあるのかもしれないが、何よりもこれからが不安である。
 参ったなあ・・・。
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外傷性五十肩????

2014-01-29 21:31:44 | ひとりごと
 うちのくりりんは今町の電気屋さん勤めである。慣れない仕事で毎日残業し、重い荷物を運んでは筋肉痛にもなる。
 しばらく前、冷蔵庫を運んでいてバランスを崩し、荷物をかばったために左腕を負傷した。筋がピキッて言ったらしく、しばらく肩が上がらず机の上の物を取るのも、服を脱ぎ着するのも難儀だった。
 その怪我もまだ十分治っていないのに、今日は右腕をやったらしい。段差か何かで足を踏み外して転倒。したたか右肩を壁にぶつけたと言う。お風呂に入ってみないと分からないが、きっと擦り傷もあるのでは・・・と言っていた。
 当然ひとりで上着が脱げず手伝う。
 「何か、重症な五十肩って感じ~。」
と明るいくりりんは笑っているが、これはしばらく不便だし何より仕事にも苦労するだろう。
 坐骨神経痛で足の痛いキヨちゃんと、手根幹症候群が治りきらない私と、外傷性?五十肩?のくりりん。
 何だかな~。

*今日のお弁当。カレー味のレンコン天ぷらにしたら、今夜はカレーだった。親子って・・・。



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思わぬ落とし穴

2014-01-28 20:59:41 | うちのキヨちゃん
 今日は友人と年に数回の観劇とお買い物ツアーの日だった。昨夜米を洗っておいたが、朝起きて行くと既にキヨちゃんが炊飯のスイッチを入れてくれていた。今朝は早くに目が覚めたのか、くろべえに起こされたついでに台所を片づけて、炊飯したらしい。ちゃんとお湯も沸かしてくれていた。
 朝食とくりりんのお弁当をしていたらキヨちゃんが台所に来た。
 「ご飯ありがとう。早う目が覚めたんじゃな。」
そう言うと、
 「早いったって、もう起きる時間じゃけん。」
と最近ネボスケになっているキヨちゃんにしては、しゃっきりしていた。
 くりりんが起きてくる前に、早くから起きていたのでお腹が空いたのか、キヨちゃんはお煮しめをつまみ食いし始めたので、くりりんに早めに来るように伝えた。
 「早起きしてつまみ食いしてる。」
二人してほのぼのと笑いあった。
 そして台所に戻ってみると、椅子に正座して(キヨちゃんはいつもそうする)煮しめを食べながら、箸が皿の隅を一心につついていた。目は虚ろで箸はニンジンをとらえられない。
 「母さん!」
 声掛けにこの前と同じように強い眠気でふらふらしている。倒れないか気にしながら離れに走ってくりりんを呼ぶ。二人で抱えて畳に寝かせた。血圧は正常。反応はあるが質問には答えられない。この前と同じだ。
 親友ナースに電話して状態を伝える。時間的にまだ朝の薬も飲んでいないし、当然お酒を飲むはずもない。とにかく、この前の検査で脳に異常はなかったのだし、しばらく寝かせてから状態によっては通院かな・・・と話していた。
 少ししっかりしてから声掛け。まだ生年月日は間違えるが、
 「何か飲んだ?」
と聞くと、
 「4日もウンチ出てないんよ。下剤を飲んだ。」
と言う。
 「下剤?何錠?」
 「2錠。」
 部屋のごみ箱をあさると、2錠飲んだ後のパッケージが残っていた。薬の名前を確認。「マイスリー」・・・。それは安定剤である。
 謎は解けたぞワトソン君・・・である。つまり、キヨちゃんは下剤と間違えて、安定剤を朝から2錠も飲んだのだ。
 この薬は普段はほとんど飲まない。よほど眠れない時は半錠だけ飲むが、本人も習慣性になるからと最近は医者にも「いらない」と言っているくらいだ。つまり飲む時の4倍飲んだわけで・・・。
 原因が分かったのでとりあえず安心した。が、さすがに置いては行けず友人には芝居のチケットを届けてお詫びした。
 その後睡眠を取ってすっきりしたキヨちゃんは、畑に行くと言って聞かなかったが寝てもらった。
 「徳島行けばいいのに。お前がおらん方が母ちゃんも動けるのに・・・。」
ぐずぐすとそんな事を言った。
 親戚が来る予定だったので事情を話して夕方にしてもらった。心配するおばちゃんと電話で話しているタイミングで、くろべえがぎょっぎょっと嘔気をもよおした。
 「ああ!くろべえダメ!」
と電話を放り投げてくろべえを外に連れ出す。間に合わず居間で嘔吐。それを急いで片づけてからおばちゃんに電話。案の定キヨちゃんが何かしたと心配していたので、くろべえだったと説明。紛らわしい。
 それからキヨちゃんがしっかりしたので、私はせっかくいいお天気だし休みになったから、布団やソファーも全部干した。リュウをトリミングに連れて行って、待ち時間で車を洗って本を買った。
 夕方親友ナースが心配して電話をくれた。メールで状態は伝えていたので、その後のことを説明。
 「そう言えば、この前の時も翌日に下剤飲んだのにウンチが出ないっておばちゃん言いよった。あの時も飲んでたかもね。」
二人で話ながら、あの日も間違えて夜飲んでいたのがその夜症状として出て、痺れ止めが増えたことも影響して翌日にも悪さを残したのでは・・・と推測した。
 とりあえず、間違えると言う事態は今までなかったので、安定剤は預かった。まあ、何はともあれ原因が分かったのは良かった。やれやれである。
 ちなみに動くなと言うのに動いたキヨちゃんは、私の夫婦茶碗を割ってしまった(涙)

*昨日のお弁当


*今日のお弁当


*シャンプーしたてのリュウ


*落ち着いたくろべえ


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ショック・・・永井一郎さんの急逝

2014-01-27 21:52:39 | ひとりごと
 さて、ブログを更新しよう・・・と、パソコンを立ち上げてニュースに驚いた。くりりんが残業で、今ようやく私も部屋に来たところだ。
 声優の永井一郎さんが急逝されたと言う。あまりに急でショックである。
 波平さんの声で有名な方だが、ナレーションでもあらゆるところで声を聞くことが出来た。いつまでもお元気で、現役でいらしたのに・・・。
 まだ死因は分からないと言うが、浴槽で・・・ということらしい。
 また、さみしくなる・・・。
 ご冥福をお祈りします。


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オリンピックまで後少し

2014-01-26 21:06:58 | ひとりごと
 フィギュアスケートは逃さない私だが、ここしばらくの騒動で気付いたら四大陸選手権が終わっていた。果たしてテレビ放送があったのかも分からない。結果を新聞で観て日本人選手の活躍を知った。観られなくて残念だったが、オリンピックがますます楽しみになる。
 今、真央ちゃんの番組を見ながら、当然なのだが車を運転する姿に、
 「もう大人なんだな~。」
と近所のおばちゃんのような気分になる。
 辛い思いをいっぱいしてきたと思う。今度のオリンピックは納得のいく演技が出来るといいね。
 真央ちゃんだけでなく、日本人選手みなさんの活躍が楽しみだ。ミスなく気持ちよく終われるような演技を期待したい。
 そして、彼女たちの努力に水を差さないように、公正で正確なジャッジをお願いしたい。

*今日のお弁当。朝ゆっくり寝たので魚をさばくのにギリギリ。



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やっぱり少し違和感がある・・・

2014-01-25 19:20:31 | うちのキヨちゃん
 キヨちゃんは、その後は状態は変わらず、夜眠れないこともあるが普通に寝起きして、普通にテレビを見て、大好きな松潤に歓声を上げる。
 朝のお勤めもきちんとしているし、夕飯も風呂の用意も洗濯物の取り込みも、普通に出来ている。
 一方、体調のはっきりしない私は、朝起きるのが辛い。目は覚めるが身体が重いのだ。遅れればお弁当は何とかなっても、当然掃除はおろか自分のおトイレに時間もない。だから、昨日は戻ってから掃除機をかけた。
 もしかしたら軽いうつでないかと自分で疑う。些細なことがひどく気になる。キヨちゃんが不調と言う事もあり、何とかキヨちゃんの仕事を増やさないようにしているが、気の回るキヨちゃんがその隙を突くように仕事をすると、それがもうストレスになる。
 ストレスになっている一方で、やはりキヨちゃん自身にも違和感を感じる。先日の騒動の後、朝からキヨちゃんと喧嘩になった。発端は大したことではなかったのだが、周囲に散々心配をかけたのにそこに思いが至らないので怒ったら、
 「この度はえらいご迷惑をおかけしましたね。いつまで生きるか分からんけど、早う死んだら迷惑かけんのにな。」
などと、神経を逆なでする。
 これ自体は、私の言葉も過ぎたのだろうから嫌味で返した年寄り独特の「印籠」だが、親友ナースが、
 「でも、私の母さんの時も、おかしくなる前はそうだったから、気をつけた方がいいよ。」
と言ったので、かなり気になり始めた。
 今朝、重い体で弁当作り。





 ナスとピーマンの味噌炒めにキヨちゃん作のサラダ。そして卵と鶏のサッパリ煮を作ったのだが、これは当然キヨちゃんの昼ご飯用でもある。
 それが帰ってみると、この鍋に水を足して豆腐が浮いていた。初めは私の味付けがまずかったので、味をつけ直して豆腐も足したのだと思っていた。ところが、
 「わかめ買うたんよ。そこにネギもあるだろう。」
という。それはどう考えても吸い物の準備だ。
 「味見たら濃いし酸っぱいし、水足したんじゃ。」
・・・。
 サッパリ煮を作るのは初めてではない。勿論覚えていなくても当然だが、それでも手羽元とゆで卵が濃い汁に漬かっていたら、それは汁ものではなく煮物と考えないだろうか・・・。
 怖い・・・。

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更年期?それとも、三半規管?ストレス?

2014-01-24 20:59:12 | ひとりごと
 この前の救急車騒動から、どうも調子が悪い。食欲はあるしお腹も空くが、食べるとちょっと胃が重い。お通じも良くないのだが、何よりもふらふらする。
 めまい・・・というのではない。簡単に言うとやはり車酔いの状態である。
 実は、この騒動の前から気になることはあった。元々運転を覚える前は車酔いしやすい性質だったが、くりりんが持ち込んだバランスボールで、ストレッチを勧めたれた時に、ちょっと酔ったのだ。
 もしかしたら三半規管が悪いのだろうか。年齢的にも更年期も疑われる。また、仕事やキヨちゃんの心配などストレスもあるのかもしれないが、とにかく気持ちが悪い。
 一回受診した方がいいのかな?

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キヨちゃん救急搬送2

2014-01-22 17:19:36 | うちのキヨちゃん
 昨日の朝、一昨日の搬送前の記憶がなかったキヨちゃんであるが、もしかしたらと思い当ることがあった。それは、お正月明けにどうしても痛みが酷いのでかかりつけ医に痛みどめを出してもらっていた事だ。
 その薬は眠気を誘う薬で、高齢者にも普通に出される薬であるが、ふらつきなどの副作用も書かれている。実際飲んでいて問題ない方もいるが、症状がかなり出た方では痙攣様のびくつきで歩けない人もいた。
 私も手の痺れに処方されたことがあるが、眠気が強くて車の運転を誤りそうになり止めた。だから、とりあえずキヨちゃんが貰ってきた薬を追加分だけは止めてもらったのだ。
 朝、総合病院の整形外科に掛かりたいと言うので、まずかかりつけ医に電話して救急搬送の話を伝えた。処方箋が11月分しかなかったので、それも確認。11月の時点では痛み止めは無い。12月~夕飯後に痛み止めが出ていて、1月に追加で毎食後。つまり夕飯後は2カプセルと言う事だ。それは素人目にも多すぎる。だいたいキヨちゃんは、それ以外にも痺れ止めや何やとよく似た薬があるのだ。
 かかりつけ医の指示は、
 「痛みが酷いので追加しましたが、症状が出すぎるので朝夕だけにしてください。」
との事だったが、私の判断で追加分は3回とも外した。
 今日整形外科受診し状態を伝えた。結果、やはり神経痛とのことで、点滴をして、屯用で座薬が処方された。まずは一安心だ。
 ところが、病院から帰る段になってキヨちゃんが、
 「補聴器1個落とした。」
と言い始めた。普段は1個しか使わないが、今日は病院だから先生の話を聞き漏らすまいと2個ともしてきたという。
 それから整形外科、レントゲン室、点滴室と探してもらったが見つからない。キヨちゃんはしょんぼりし、
 「母ちゃんが悪いんじゃけん、しゃあないわ。」
と言う。
 「まあ、出てきたら電話くれるわ。でも、ここで無くしたら無理かもな。」
と私。物が小さすぎる。
 しかし、家に帰りつくと玄関でキヨちゃんが大笑い。
 「あった!あった!」
まさかとは思ったが、入れるつもりで準備してケースに入れたまま置いてあったらしい。お騒がせである。それから病院に謝罪の電話。
 まあ、しかし今回の事で色々思うところがあった。まず、親友ナースの存在のありがたさの再確認だ。そして、くりりんの存在。心強いと同時に弱くなった自分を感じた。きっと父の頃は一人で足を踏ん張って立っていたので案外強かったが、甘えからか身体にくるようになった。
 昨日は仕事の途中で1時間休みを貰って注射してきた。今日はもう平気だが、ゆうべまでは少しふらふらした。頑張らなくちゃ、二人でも踏ん張らなくちゃ。
 そんな思いを知ってか知らずか、今日は元気なキヨちゃんは、最近詳しくなった相撲の解説をする。
 「この人は強い。」
 「この人は相撲が綺麗。」
そして、日本の相撲界を憂いながらこう言った。
 「お相撲さんも外人ばっかりじゃなあ。どこみてもモロッコじゃ。」
・・・、モンゴルね・・・。

*一昨日のお弁当。



*今日のお弁当。昨日は弁当どころでなかった。



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キヨちゃん救急搬送

2014-01-21 21:04:09 | うちのキヨちゃん
 昨日、仕事から帰るとキヨちゃんは炬燵で横になっていた。お風呂を観に行くと溢れる寸前でかなり熱めのお風呂。
 「母さん、お風呂かなり熱いけん、私が先に入って湯加減しようか?」
そう言うと、
 「ほな、ほうして。母さん続いて入る。」
と寝たまま答えていた。最近はずっと足が痛いので、よく横になっている。
 お風呂から上がってキヨちゃんにお風呂を勧めるが、なかなか起き上がり出来ない。そのまま横になってもらって血圧を測ったが、特に高すぎるわけでもない。
 そこで再チャレンジ。何とか起きたが今度は歩けない。ふらついて前へ後ろへ倒れそうになる。
 「母さん、お風呂止めよう。ちょっと休もう。」
そう言って炬燵に逆戻り。
 この前の酩酊事件があるので、
 「母さんなんか飲んだ?」
と聞くが、
 「酒や飲んどらへんわ。」
と言う言い方は嘘ではなさそうだった。
 しかし、その後しっかりしたように見えたキヨちゃんが、今日の来客の話を始めたのだが、その話の途中で、
 「今、お風呂に誰が入っとん?」
など言う。
 「母さん、私と母さんがおって、くりりんがまだ仕事なのに誰がおるん?」
そう言うと、ぼーっと考えてから、
 「くりちゃんのお母さん来とる?」
!!!!!
 「母さん、くりりんのお母さんが一人で来られるはずないだろ。今どこにおる人?」
 「知らん。」
 「しっかりしなよ。滋賀だろ?」
 「くりちゃんのお母さん編み物しよった。」
 「母さん、生年月日言うてみな。」
 「・・・昭和~12年?あれ12年?」
 キヨちゃんは昭和6年生まれである。そうこうしているうちに座位が保てず後ろに倒れて行く。くりりんの帰るメールに、
 気をつけて、でも早く帰って。母さん何だか変。
と返信した。そして親友ナースに、
 「どうしよう。母さん変。」
と電話。二人が到着するまでの僅かな時間、私はひどく心細く、涙がにじんだ。
 くりりんの帰宅と親友ナースの到着がほぼ同時。親友ナースの顔を見ると、
 「あ、Kちゃん。」
と分かりはしたが、
 「おばちゃん帰らないかんの?」
など聞く。
 「う~ん、ここはおばちゃんの家じゃけん帰らんでいいよ。」
 そういいながら脈を取って血圧を測った。どちらも正常範囲。しかし生年月日を聞くと、
 「昭和24年8月30日。」
・・・・って、誰だよ。何一つかすっていない。
 そこから救急車を要請した。一過性のものかもしれないが、まず歩けないのも失見当も心配だ。
 ほどなく救急車が到着。その頃には少ししっかりして、生年月日は答えられた。私が救急車に同乗し、くりりんと親友ナースは別々の車で追いかけてくれた。
 しかし、緊張と心配とが重なったせいか、初めて救急車に同乗したわけでもないのに、私は車中でひどく車酔いしてしまった。
 「すぐ降りる必要はないですから、車で休んできてください。」
救急隊員にそう気遣われたが、数分で車を降りた。しかし、搬入口は救急隊専用で同乗者の入口は無い。また、救急病院は建て替え中で、今入口などが煩雑になっているのだ。迷子状態で雨の中、建物の外周を半周してようやく入口にたどり着く。病院にはすでにくりりんたちが着いていた。
 キヨちゃんはあらゆる検査をしたが特に問題は無かった。その間私は吐き気と闘い、水を飲んでは胃を洗ったが、出てくるのは水だけ。検査の間うなだれている私は、キヨちゃんよりも病人の風情だった。
 キヨちゃんは一度歩いてみたがふらついて支えないと歩けない。MRIも撮ってみようと言う事になった。その辺りで、次の日があるので親友ナースには23時に帰ってもらった。本当に彼女には世話になり通しだ。彼女が帰る頃にはキヨちゃんも彼女を気遣うほどになっていた。
 キヨちゃんがMRIに行っている間、うなだれて座っているとナナちゃんママが夜勤で入ってきた。(たわしのナナちゃんのママは看護師なのだ)
 「すず姉ちゃん、夜勤前に車がないと思ったら・・・。」
 MRIから戻ったキヨちゃんもナナちゃんママを見つけてハイテンションで昨日の話などを始める。言っていることは本当の話だし、おかしい事もないのだが、このシチュエーションで話す内容でないだけに、これはこれで心配だった。
 結局特に問題は見つからず、何とか歩けるようになったので帰路についた。家に着いたのは2時だった。キヨちゃんには寝てもらい、私はとなりの居間で横になった。くりりんはそれから遅い夕飯。キヨちゃんは点滴したし、私は吐き気で夕飯抜き。
 朝、何とか6時に目覚めた。身支度をしに離れに行き、戻ってみるとキヨちゃんは起きて炊飯と前の日出来なかった洗い物を済ませていた。
 「お前らなかなか起きてこんし、ことうないんか?弁当は?」
・・・って、覚えてないのか?
 どうやら病院に着いてからの記憶はあるが、失見当のあたりの記憶はないらしい。
                              (続く)


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