すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

少し安心

2007-10-30 22:57:59 | ひとりごと
夕べは安定剤の力も借りて、父はぐっすり眠れたようだ。夜勤明けで電話すると
 「何も挟んでないパンと紅茶が欲しい」
と食欲を見せた。
 帰るとさっそく小さなパンと紅茶を食べた。お昼には焼き椎茸が「おいしい」と言っていた。目覚めたときあまりにすっきりしているので、何でも出来る気がしたようだが、そんなわけはなく、顔を自分で洗うのは断念した。
 「いっぺんに無理せられんわ。いきなり元気にはならないよ。」
 「ほうじゃな・・・。何でも出来る気がしたんじゃけどなあ・・・。」
それでも、今日はあっさりと入浴も出来た。風呂に浸かりながら
 「なあ・・・。生きとって良かった。」
とつぶやいた。気持ちがいいというだけではなく、実感だろう。
 「なあ、おおかた逝っきょったけんなあ。長生きせななあ。」
そう悪態を付いて、二人で笑った。
 まだまだ油断は出来ないけれど、少し安心した。

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負けるもんか・・・

2007-10-29 20:56:47 | ひとりごと
透析液の処方を変えて貰って二日。父の除水はおどろくほど順調だった。
 しかし、父によると、水分が抜けるとき足下からひどく痛みが走り、しかも、身体が焼け付くように熱い。そのため、ここ二日は一睡もしていないらしい。
 「身体がしなびてしまう。」
と心配するの、主治医に相談した。
 結局、透析液を元に戻して様子をみることにした。食欲も相変わらず無い。少し動くとふらふらし、食べようとするとむかむかするらしい。
 どこまで我慢すればいいのだろう。元気はつらつになってくれとは言わない。でも、本人が少しでも身体が楽な状態で、細く長く生きて欲しいのだ。ささやかなことで笑ったり、食べたい物が少しでも食べられて、家族とペットとあんのんと暮らす、それだけでいいのだ。
 負けるもんか。絶対に負けるもんか。 
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救急車・・・

2007-10-27 21:57:38 | ひとりごと
 今日、職場に自宅から電話。携帯に留守録ではなく、会社に電話ということは、良くない話に決まっている。
 急いで電話に出ると、母がうろたえている。
 「父ちゃんな、お便所の後、急にしんどい言うて、がいに(すごく)吐いたんよ。そしたら、動けんようなって、母ちゃんひきずって布団に寝かせたんやけど、血圧が88の72なん!どうしよう!」
すぐに病院に電話して指示を仰ぎ、救急車を呼ぶように伝えて、家路についた。
 戻ると、嘔吐したことで幾分気分がすぐれたのか、医者には行きたくないとだだをこねていた。血圧を再検する。124の68。正常値だ。しかし、過去に気胸も起こしているし、病気のデパートである父のこと、何が起きても不思議ではないので、そのまま救急車で搬送。私も後を追いかけた。
 血液検査、レントゲン検査の結果待ちの間、父はひとりで診察、問診を受けていた。待合室で母が話した。
 「父ちゃん最近食べてないけん、水みたいなんばっかり吐いてな、しんどいしんどい言うて、すずを呼んでくれって言うんよ。でも、お前も職場で人手がないって言いよったけん、もうちっと辛抱出来るかえ?って言いよったん。ほなけど、あんまり、せこそうなけん・・・」
 しばらくして、父が点滴を受けながら、戻ってきた。顔色が随分良い。
 医師の説明によると、心不全の数値を表す、BNPが900だという。通常は20以下、6月に515あって、騒動して心疾患用のテープを処方されたところだ。胸水も溜まっているらしい。土曜だがたまたま泌尿器のドクターがいてくれて、てきぱきと指示をくださった。透析液の濃度を変えて、除水を促す方法をとることになった。
 足がむくむとか、除水量が極端に少ないとか、今までのような分かりやすい予兆はなかったので、倒れるまで「調子が悪いサイクル」くらいにしか思っていなかった。第一、数値は毎回主治医に提示していたのだから・・・。今回、違う古参のドクターに診てもらって良かった。彼のことはよく知らないが、物腰の柔らかい、紳士だ。入院中もいいイメージがあった。後で「副院長」だと知ったのだが、いつも現場にいて優しいので、気づかなかった。
 事なきを得て、無事父を連れて戻った。母のいないところで、父はこう言った。
 「すまんな、迷惑かけた。お前大変じゃけん、連絡するなと言うたのに、母ちゃんが慌ててな。」
 真実のほどは分からない。しかし、男の沽券もあるだろう。ここはキヨちゃんがあわてんぼうさんだった・・・ということにしておこう。

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有り難きかな・・・友だち

2007-10-25 18:34:23 | ひとりごと
 昨日友人からメールがあった。
 「お父さん、いかがですか?もう熱は下がりましたか?お父さん何が食べられるだろう・・・っていろいろ考えて、何かお届けしようと思っていましたが、熱が高いというので、ご遠慮しました。」
という内容だった。どうやら彼女は、父が食欲がないのを心配して、お店でいろいろ悩んでくれていたらしい。
 熱が下がったことを御礼と共に伝えると
 「明日、私は仕事なので、お姉ちゃんに何か届けて貰います。」
と返事が来た。
 そして、今日彼女のご両親がおばあちゃん手作りの「おはぎ」を持って見舞いにきてくださった。
 「糖尿の方におはぎはどうかなと思うたんやけど、甘さ控えて柔らかくしてあるけん。」
とお母さんがいってくださった。上がってくださいとお伝えしたが、寝込んでいる父を気遣って、そのままお帰りになった。お茶の1杯もお出しすることなく、お返しして申し訳なく、そして、大変ありがたかった。
 お陰で、父はおはぎを頂くことが出来た。ありがたくて、涙ぐんでいた。
 本当に父は果報者だと思う。幼なじみの友人もよく何かしら気遣って届けてくれる。親戚も、ご近所もいろいろ気遣ってくださる。たくさんの人の善意で父は長生きさせていただいている。
 そして、私も果報者である。本当に友達は財産であると、今一度感謝した。



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検閲・・・

2007-10-24 19:40:20 | ひとりごと
 本日は夜勤である。ちょうど父の脳外科への受診日だったので、ちょうどいいわと思っていたのだが、今朝父は38度の発熱。内科や泌尿器ならともかく、脳外科なので、お休みして、薬だけもらいに行った。
 午後から、近所の医師に往診して貰う。胸の音は幸いにも悪くないようだった。抗生剤の注射を打って貰う。食事はどれも1時間から2時間ずれて、少しずつとってもらった。少しでも食べて貰わないと、脱水を起こす。アイスクリームが食べたいと言うので、カロリーオフのアイスクリームを買う。半分は食べられた。半分で40キロカロリー。点滴をうってもらったら、楽だろうとは思うのだが、糖尿があるので、以前点滴後に血糖値がものすごく上がってしまったので、それも恐くて頼めない。明日まだ、調子悪ければ、生理食塩水の点滴でも頼んだ方がいいだろうか・・・?
 さて、出張の課題も頭が痛い。内容は「施設の現状と課題」についてのアンケート。悩みを書けばいいのだから、普通に仕事していれば、難しい課題ではないのかもしれない。しかし、世間と比べて立ち後れている上に、悩みの内容があまりにレベルが低いので恥ずかしくて書けない。しかも、会社から行かせて貰うのだから、勝手に出すわけにも行かない。「これでだしますが・・・」と言うことになる。一応「あの、本当に正直に書いてよろしいですか」と聞いてみた。「あたりまえやろう。正直に書かなけりゃ、勉強にならん」などと、大人な解答をしてくれたのだが、正直「あなたがだめだ!」と書きたいのだから、まさか書いてしまったら、真っ赤になって怒るに違いない。言葉の選び方に悩んでしまう。検閲を通せるかな・・・?
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心細いなあ・・・

2007-10-23 14:19:08 | ひとりごと
 来月東京出張がある。内容も難しいし、事前の課題もある。そのことも、不安だし、ひとりで行く・・・というのも不安だ。
 そして、最近の父の様子を見るに付け、何日も留守にするのも不安だ。ずっと調子が悪い訳ではない。気分の良い日もあるし、多少食べられる日もある。むらがあるわけだが、やはり調子が良くないことには変わりがない。かといって、この状況では断ることも出来ない。参ったなあ・・・。
 今日もあまり食べられない。朝はスープを半分だけ。昼は全く食べてない。微熱もある。肺も悪いのだから、風邪なら注意だ。
 ここのところ、何だか心細いことばかりだ。う~ん!頑張らなきゃ!

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お裁縫上手

2007-10-20 21:02:59 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんはお裁縫が得意である。何でも作れるというわけではないが、子供の頃の服は結構手作りだった。特技を生かして、縫製工場でパートとして長く勤めていたが、裁縫上手はもっと上がいて、もっぱらキヨちゃんは糸切り専門だった。
 うちの父はかなり痩せているが、病気のせいもあって衣類のしめつけは厳禁だ。眠る時は出来れば裸でいたいほどだ。だから既製服を買っても、ウエストのゴムなどは必ず付け直ししなければならない。ところが、今の服はシャーリングというのか、ゴムを縫いつけている物が主流なので、これを直すのは大変である。それをこつこつとするのだからキヨちゃんは偉いなあ・・・と思う。
 先日父のブリーフが干してあった。最近はゆるいトランクスが主流なので、めずらしいなあと思って見ると、前の部分が縫いつけてあった。ここは締め付けには関係ないのだけど。そこで、キヨちゃんに聞いてみた。彼女の答えはこうだった。
 「ああ、それは父ちゃんが使うんじゃないんよ。父ちゃん使わんけん、母ちゃんが履こうと思うて。」
・・・・。でた、キヨちゃん得意のもったいない!しかし、パンツはやめて。パンツは・・・。

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3年B組金八先生!・・どの世代??

2007-10-19 01:33:56 | ひとりごと
 今月から、またこのドラマが始まった。最近ではコンスタントにドラマになっているけれど、初期のシリーズが終わってからは長い長い間があった。
 十数年前になるのか、3年B組金八先生がまた始まると聞いたとき、「なぜ今?」と正直感じた。時代は随分変わってしまった。時代遅れの悲しい先生を見るのはいやだった。
 ところが、それは杞憂で、原作者はきちんとその時代に添ったテーマで作品を作っていた。そして先生も、変わっている時代に向き合っていた。そのことが解ってから、またこのシリーズを楽しみにするようになった。
 テーマが重すぎて、毎週嗚咽しては、吐き気すらするシリーズもあった。それでも、やはり見てしまう。トイレに立ったり出来ない。昔生徒目線で見ていたドラマを、今は親のような目線で見ている。生徒の成長の過程が愛おしい。
 それにしても、時代が変わると子供たちの問題も変わってくる。昔は「不良」も「校内暴力」も解りやすかったなあ・・・と思う。今の見えない「暴力」などには恐怖を感じる。先生って本当に大変なお仕事なのだなあ・・・と思う。
 それと同時に、最近の子供の陰惨な犯罪や、あろうことか教師が生徒に犯した犯罪を見るに付け、本当にどこかに「金八先生」はいないのかなあ・・・と考える。こんな先生は理想にすぎないのだろうか?

 ところで、どのシリーズと同級生でした?この話題、年齢ばれるんですよね~。
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がまんがまん・・・

2007-10-16 20:51:31 | ひとりごと
 夜勤明けで、自宅に電話する。
 「お父さん、ご飯食べられた」
眠たげな父の声
 「ううん。美味しくなかった。ちっとは食べた。」少しでも目先が変わると食べられるかと、買い出しに行く。友人のお店で、とても美味しいお総菜を少し買い足す。
 戻ると吐き気を訴えて、父は寝込んでいた。当然昼食は食べられない。何故か下痢もしている。
 夕飯は血糖値が低いのでいつもより30分早く始めた。お粥ぐらいなら食べられるかも・・・と父が言うので、母が用意した。一応おかずも並べてみる。離床ができないので、一緒に父の寝室で食事した。予想通り思っただけで、いざ目の前にすると食用が沸かないらしい。とにかく、母も雰囲気作りに楽しい話をしていた。私もゆっくりゆっくり食事しながら、待った。
 食べては箸を置く。置いてはまた少し食べてみる。そんなことを1時間以上も繰り返して、何とかお粥6割とほんの少しおかずも食べられた。本当はもっと食べて欲しい所だけれど、母と二人で 
 「よくがんばったね。」
と声をかけた。
 がまんがまん。まだまだ、がまんだ。
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う~ん!何を食べて貰おう・・・。

2007-10-15 08:50:43 | ひとりごと
 父の食欲が減退している。ここ二日ろくに食べていない。もともと、食は細いのだが、細いなりに頑張って食べていた。涼しいを通り越していきなり寒くなったからだろうか?とにかく布団からなかなか起きられない。
 食べなければ血糖値が心配だし、薬を飛ばされたら、不足している栄養素の補給も、血液さらさらのお薬も、血圧の薬も、何もかも影響が出る。私がいる日は、とにかく根気強く策を講じて食べて貰うのだが、母はそうはいかない。父も私には遠慮があるのだけれど、母には甘えがあるのだろう、
 「うるさい!食べたけりゃ食べるわ!ほっとけ」
などと言ってしまう。自分でも体調が悪く食べられない事に焦りを感じているのだろう。そうなると、一日中顔をつきあわせている母にしてみれば、やりきれないかれないからつい
 「勝手にしない!」
となる。
 う~ん。今から買い物。今夜は夜勤。さて、何を食べて貰おうかな・・・?少なくても効率よく栄養のつくものないかな?

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