すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

特選和牛・・・

2006-12-29 01:04:47 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは片づけが好きである。ただ、片づけた場所を忘れてしまうので、我が家ではしばしば「骨の埋め場所を探す犬」状態となる。
 買い物、特に冷凍食品などを冷蔵庫に仕舞うときも、そのまま重ねてしまっては新しい物から食べてしまうので、古い物から取れるように、一旦出して入れ替える。
 それは大変すばらしいことなのだが、出した物を忘れることがあるのが玉にきずだ。
 キヨちゃんはとても背が低いので、冷蔵庫の一番上の冷凍室に届かない。だから、入れ替えの時は、踏み台に乗って行う。一旦乗ってしまうのだから降りるのは面倒だ。だから彼女は古い冷凍食品を、冷蔵庫の天井に出し、新しいのを入れてからまた古いのを入れるのだ。
 しかし、この過程でキヨちゃんはたまに一品忘れてしまうのだ。普通の身長の私でも冷蔵庫の上までは見ない。だからある日、悲鳴を上げることになるのである。
 さて、今年も年末となり、私は仕事前に蛍光灯の傘の掃除をしていた。台所の電灯は天井に張り付いている形であるから、脚立に乗り行う。ふと何気なく冷蔵庫の上を見て、私は今年最後の(と願いたい)悲鳴をあげた。そこには観るも無惨な「特選和牛」とラベルの貼られたパックがあったのだ。
 なぜ「特選和牛」なのだ。よりによって「特選和牛」なのだ。イカだってエビだってチンする冷凍物だって、3パック1000円の肉だってあるのに、なんで「特選」なのだ。
 私はしばし、変わり果てた和牛に釘付けとなった。


 少し早いですが、みなさまよいお年を。今日(正確には昨日)こちらは吹雪でした。運転恐かったです。年末までまだ仕事ですが、みなさまは御用納めですよね。
 また来年もよろしくお願いします。
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クキョーザウルス

2006-12-26 23:22:02 | ひとりごと
 クリスマスも終わってしまい、年末が見えてくると、何となく慌ただしく気ぜわしい。ああ、大掃除も今年はろくに出来ていない。私はウイルスで寝込んだし、母は父の介護で忙しく・・・。やっと年末の縁起物を買いに行ったら「辰」の買い物で、NG。
 田舎はあれこれ縁起にこだわる。「辰巳」は亡くなった方の正月だから、正月の買い物は控えるものだ。餅つきも「9のもち(苦の餅)」はつくものじゃないという。あとの残り少ない日で、どうにかなるかなあ・・・?

 クリスマス・・・といえば、昔こんなことがあった。
 クリスマスに特に予定のなかった友人とふたりで
「なんか、寂しいよね~」
と話していたら、予定のある友人に袈裟懸けに切られた(ような気がした)。
 「寂しいってのは恋人がいて、それなのに会えない。だから寂しいっていうんだよ。あんたらいないんだから、さみしいじゃなくて、むなしい・・・ていうの。」

 そのあとふたりで
 「なあ、むなしいってどう書いたっけ?」
 「空しい・・・虚しい」
 「むなしいむなしいと書いて「空虚(くうきょ)」。ああ・・私たちは虚しい恐竜クキョーザウルスだあ!」
 「叫べ!クキョー!クキョー!」
 「クキョークキョー!」

聖夜の夜に、長く雄叫びは続いたのだった。
 
 だから、予定が決まらないんや!!!
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糊付け(バックナンバー)

2006-12-24 23:38:27 | うちのキヨちゃん
 キヨちゃんは糊の効いたパリッとしたものが好きである。確かにパリッとしたワイシャツやシーツは気持のいいものだが、何でもぱりぱりは困るのである。
 私はどちらかというと、テロテロのふわふわ、柔らかい布地が好きである。だから子供の頃、ピンと張りつめたコットンスカートやブラウスはとても苦手だった。特に夏の中学のセーラー服などは、風でも吹こうものなら、まるでエリマキトカゲのごとくセーラーカラーが立ち上がり、戻らなくなるのだった。
 また糊が余るともったいないと思うのか、パンツまでパリンとさせるのはいかがなものだろうか。
 ある日、いつものようにパリッと仕上がった父のワイシャツに、念入りに今度はスプレー糊で襟をアイロンがけしていたキヨちゃんが私を呼んだ。
 「おかしい。パリッとせん。しかも何だかテラテラする。」
はあ?何のこっちゃ??と思いつつ行くと、訝しげにスプレー缶を見ている。そして私にこう言った。
 「おかしいんよなあ。いつもアイロンの絵が書いてあるのに、車の絵になっとるんよ。」
彼女の差し出した缶には確かにアイロンではなく、車の絵が印刷されていた。勿論絵が勝手に変わろうはずもない。車用のペンキを使ったということは、火を見るより明らかだった。

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シュレッダーファックス

2006-12-22 00:55:35 | ひとりごと
 ピー・・・ジャッ・・・ジャーッ、パラリ・・・。
 毎夜毎夜、枕元でうちのファックスが暴走します。目覚める頃には2センチ幅の紙切れが、何枚も積まれ・・・。どこからかファックスが送られてくるわけでもないのに、ただただゴミを製造する、我が家のファックス・・・。
 停電とかがあると、よくこういう誤作動をおこしましたが、何がいけないのでしょう???とにかく毎日毎日なのです。まるで、おおざっぱなシュレッダーです。


 まあ、私もそれなら紙を入れなければいいのですが、やはりそれではファックスの存在意義がないようで、100円ショップのですがいれちゃうわけで・・・。

 結果、今夜も紙吹雪を浴びながら眠る夜。ほら、そういう今もピー・・・ジャッ・・・ジャー・・・パラリ。ちょっとホラーかな・・・と考えると眠れなくなるのです!!
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じいやん(バックナンバー)

2006-12-20 00:04:07 | じいとんばあ
      じいやん

 じいやん 私の大好きだったじいやん
 自分一人で 立てるくせに
 私がいると必ず 手を引いてくれと言った
 母さんが世話したって
 父さんが世話したって
 みんな 私の手柄にした
 じいやんが寝たきりになってから
 子供の私は 何一つ世話してないのに
 いつでも 私を呼んでくれた

 あの日 私が焼いたクッキーをねだったね
 あのまま 食べられなくなっちゃうなら
 夜でも 作ってあげればよかった

 じいやん お別れのその時まで
 私の心配ばかりしてた
 知識のない自宅介護
 父さんも母さんも 精一杯だったのに
 じいやんの足は 腐ってた

  今の私の知識があれば
 もっといろいろ 食べさせられた
 今の私の知識があれば
 褥瘡なんて 作らなかった

 オムツひとつ換えたことのなかった私
 あの日の後悔が 今につながっているのかな

 じいやん 私の大好きだったじいやん
 私は今
 じいやんにしてあげられなかった事を
 精一杯 頑張ってます
 間違ったときは
 昔みたいに 叱ってください

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復活!!したと・・・思います

2006-12-18 11:58:59 | ひとりごと
 大流行の感染性胃腸炎ですっかり寝込んでいましたが、夕べから夜勤で復活しました。なんだか浦島太郎です。違う人が寝込み、違う人が復活し、職場も様変わりしてました。
 恐いですよ。なんたって食べられない。「この食いしん坊の私」が二日アイソトニック飲料だけ。少しお粥食べたら吐くんですもの。まともに食べたれたのは4日目それもぐたぐたに煮込んだうどん。(うどんはね、こしがね、こしがね・・・By讃岐)
 大塚製薬に表彰して貰おうかと思いました。5リットル飲みましたよ、実に。3キロやせましたが、たぶん、もどっちゃうんだろうなあ・・・。でも、やつれて出来た皺はのびなかったりしたら、最悪です。
 弱い父に伝染さぬよう、キヨちゃんと最新の注意を払いました。
 ちなみにインフルエンザの時は、精をつけなきゃと、焼き肉を運んでくれたキヨちゃんでしたが、今回は学習して「お粥」にしてくれました。でも、食べられなかったの・・・ごめんね。
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ついに私も・・・

2006-12-16 07:32:24 | ひとりごと
 連日、嘔吐下痢の続く職場。入所者も職員も次々倒れる。完璧に手袋マスクガウンテクニック、すべて使い捨て。消毒もたびたび。
 13日、この日も嘔吐の始末しながら、23時まで仕事して、帰宅。普通に入浴して、パソコンに向かってから入眠。
 ところが、2時半くらに突然来た!嘔吐嘔吐嘔吐!!!
 はいついに私もやられました。点滴で幾分楽になりましたが、あの日は朝まで身の置き場もなく・・・。翌日は38度の熱。
 幸い14と16はお休みだったので、15日だけ無理言ってお休み貰っただけですみました。今会社も大変だし・・・。
 寝込んでます。実はまだアイソトニック飲料しか受け付けません。お粥を昨日少し食べたら吐きました。丸二日水分だけ・・・。でもお腹もすきません。なんだか顔がしわしわになるようで恐いです。
 人手不足は痛いです。こういう事態になると、仕事も大変だし、みんながみんないっぱいいっぱいになって、こころにゆとりがなくなります。お年寄りに心遣いが出来なくなります。はやく沈静化してほしい・・・。
 私も今日一日養生します。
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買い物メモ(バックナンバー)

2006-12-14 00:16:30 | うちのキヨちゃん
 みなさんは、次のようなメモを渡されて買い物を頼まれたらどうするでしょう。

 ・トーフゥ  
 ・乳牛  
 ・食ハン   
 ・タンコブ  
 ・フワフワ   
 ・王子  
 ・コンヤク

 なぞなぞレベルですぐ分かる物もあるが、はてさっぱり分からないものもある。だいたいキヨちゃんは誤字が多い。それはある意味芸術的でさえある。
 ある時、我が家の片隅に置かれた瓶を見て、友人は少し引き気味に私に聞いた。
 「こ、これ、何の酒?」
それはキヨちゃんが趣味で作った梅酒だったのだが、何をどう間違えたのか、ラベルにしっかり「種酒」と書かれていたのである。何とも怪しげな酒ではないか。
 また衣替えの後、衣装ケースに何が入っているか見分けるために、内容を書いたまではいい。しかし「お父ちんの冬物」とは恐れ入った。おちゃめで「ちん」と書いたわけではない。「さ」と「ち」を間違えたのだ。
 まあ、こんな調子であるから、娘の私はたいがいのものは読めるが、時々分からない事が今でもある。
 さて、そこでメモの話である。
 「乳牛」。まあ毎日のミルクを考えれば、これも「あり」かもしれないが、一体いくらあれば買えるのだろう。また私の軽四には乗るまい。だいたい牛肉の時は「牛ニク」と書くのに、何故牛乳だけは「乳牛」なのだ?
 「王子」。ぜひ買いたいが、売ってはいまい。いても高価だろうしどう扱っていいか分からない。一パック十個入りのプリンスって、どんなものだろう??
 「コンヤク」。買えるものならなあ・・・。おでんだね(こんにゃく)みたいな優しい人が漏れなく付いてくるのだろうか?
 「フワフワ」。これは私たち親子の隠語で、いわゆる柔軟剤のことである。
 トーフゥや食ハンは別として(みなさんお分かりでしょ。豆腐に食パン)困ったのは「タンコブ」である。すぐ分かった人はかなりの名探偵である。よほどどこかに頭をぶつけてみようかと思ったのだが、思いとどまりキヨちゃんに聞いてみた。
 「これ、何て読むん?」
 「だし昆布。」
 頭をぶつけなくて良かった。私の頭では「だし」はとれないのだから。

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ノロウイルス

2006-12-11 22:18:38 | ひとりごと
 ついに来てしまった、ノロウイルス!数年前、私は流行の最先端でこのウイルスにやられた。私の場合、生ガキ!美味しかったんだけどなあ・・・。
 今年全国的に大流行。もちろん会社でもめちゃくちゃ、気配りしてたのに、今年はとうとう、個人でなく、ホームに来てしまった。まだ、ノロウイルスかどうかは不明だけれど、嘔吐下痢には違いない。すごい勢いで広がりつつある。ゆゆしき事態だ。
 恐い!私たちでもきついのに、お年寄りにはきつすぎる。はやくおさまりますように。
 ちなみに、うちのバカなパソコンでは「呪う居留守」と出てしまう・・・。これも辛いなあ・・・。

 貰わないぞ!これ以上職員がダウンしたら困る。早くみんな治ってね。
 みなさんも、人ごとじゃないですよ。全日空ホテルで、披露宴の食事でも出てますよ。手洗い!うがい!マスク!です!!!!
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ボディーガード(バックナンバー)

2006-12-09 00:22:27 | うちのキヨちゃん
 もう十年以上も前、私がアマチュア演劇に熱中していた頃の話である。両親共に私の芝居は一度も観たことがなかったのだが、この舞台を最後に芝居を辞め、田舎に帰ると決めたこともあり、一度だけ揃って観に来てくれたことがある。
 田舎の年寄り二人、私がサポート出来れば良かったのだが、私は朝から搬入、リハーサルと抜けられない為、芝居を観に来てくれる友人二人に両親を預けることにした。
 ふたりのボディーガードは優秀で、マンツーマンで腕を組み、迷子にならないようにきちんとサポートしてくれたらしい。お陰で無事観劇も出来、慣れない街で迷子になることもなく充実した一日だったようだ。だから一日面倒を見てくれたふたりに感激したキヨちゃんは、食事をおごりたいと思い、四人でトンカツ屋に入ったのである。そして
 「ここは私が払う。これは御礼なんだから、いいのいいの。」
と、遠慮して手を振るふたりを押し戻し、キヨちゃんはレジへと向かったのである。しかし、この一瞬の油断がいけなかったのである。
 お会計をとどこおりなく済ませたキヨちゃんは
 「どうもごちそうさまでした。」
と店員に深々と頭を下げ、そのまま厨房へと入って行ったのである。もちろん出口を間違えたのだ。
 ふたりのボディーガードは、この任務が失敗に終わった事を痛感させられ、がっくりと肩をおとしたのである。許せ・・・友よ。 

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