すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

入院

2006-09-30 13:08:02 | じいとんばあ
   入院

 白い顔で あなたは 病院のベッドに横たわる
 娘さんの 問いかけにだけ 小さく頷く

 去年 敬老会の席には
 あなたがいて 
 食の細いあなたが お弁当を全部食べたって
 とてもとても嬉しそうに 
 娘さんが 笑ってた

 今年は 何も食べられず ベッドの上
 「私がついてあげられれば・・・」
 何も受け付けないあなたは 唯一娘さんの手からだけ
 ヨーグルトを食べられた
 「看護士さんもよくやってくださるの、でも、忙しいから・・・」
 言葉の端々に 無念さがにじんでる

 今のわたしに 掛けられる言葉がない
 わたしも そばにいてあげたい
 時間を掛けて 何かを食べさせてあげたい
 でも それは叶わない

 早く 良くなって戻ってください
 わたしには そんな無力な言葉しか 言えない                  
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命の洗濯

2006-09-28 19:52:56 | ひとりごと
 最近コンピューターウイルスがめちゃめちゃ多くないですか?二日に一度は「ウイルスを遮断しました」と警告が出る。立ち上がりが遅かったり、フリーズしまくるのも、そのせいかあ?
 ウイルスには以前めちゃ痛い思いをしたので、セキュリティには気を付けているのだけれど・・・。

 ところで、私はここ二日、命の洗濯をしてきたの。すごい手近な所だけど、おいしいものをたらふく食べて、のんびりお買い物して、くだらない話で友達と大笑いして。あ、足裏マッサージも初体験。痛かったけど、はまりそうです。マッサージのお陰か、命の洗濯のお陰か、正座できないほどだった膝もちょっと楽になってる。

 やっぱり、たまには命の洗濯しなくちゃね!!
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置き手紙

2006-09-26 16:59:03 | うちのキヨちゃん
 私は仕事柄、大変不規則な生活をしている。そしてうちの両親は揃って早寝なので、夜戻ると寝室に行っていることの方が多い。
 そんな私のために、うちのキヨちゃんは置き手紙(メモ)をよく置いてくれる。
 呑み込みの早い「ウチキヨファン」の方なら、お分かりでしょうが、うちのキヨちゃんは、たいへん誤字が多い。だから解読出来ないことや、笑えることが今でもあるのだ。
 
 ☆ おかえり。おふろ、はいてます。
吐いてます?履いてます?掃いてます?たぶん、入ってますだろーなあと、思いつつ、彼女がお風呂から出たら、続けて入ろうと待ってみる。いつまでたっても、出てこない。
 はい、正解は「おふろ、沸いてます。(入ってね)」である。

 ☆ おかず れいどーこの中
   さかな むくめて食べてね
れいどーこ・・・まあ、冷蔵庫だろうなあ。でもむくんだ魚は食べたくないのである。もちろん解読した私は、暖めて(ぬくめて)いただきました。

 こんな調子であるが、疲れて帰った私にとって、いい酒の肴になるメモである。
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健康オタク

2006-09-24 22:47:09 | ひとりごと
 私は何を隠そう、健康オタクである。とはいえ、健康的に歩いてます・・・とか、エクササイズしてます・・・とかいう類のものではない。大変偏っているのだが、食べ物に関してのみなのだ。
 そして、私の健康食に「引き算」はないのだ。すべて「足し算」。つまり「これがいいですよ~」となると、食べる。「これもいいですよ~」となると、それも食べる。
 今食べている物。
1,ヨーグルト
2,スキムミルク
3,豆乳
4,白インゲン
5,青汁
6,香酢
7,寒天
8,コラーゲン
 寒天は毎日作っていたが、今はお休みしている。何しろ食べ物が多いのだから。でも、カレーやシチューには入れる。これ、主婦の方、お試しあれ。洗い物がめっちゃ、簡単。するんと落ちる。しかもお通じがよくて、一石二鳥。
 朝ミキサーしたフルーツに豆乳、ヨーグルト、コラーゲンを混ぜていただく。しかも、トーストも忘れない。
 昼か夜、もしくは両方、青汁を飲む。時にはインゲンの粉を混ぜる。
スキムミルクはヨーグルトに混ぜていただく。香酢は寝る前に、飲む。
 さて、これだけ食べる物があると、考えただけでもお腹いっぱいである。しかし、私には1日3食を抜くことができない。また、間食も大好きである。これで、健康診断オールクリアなのは、プラスマイナス0って事なのだろうか????みんな、こんなに食べない????
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真夜中のノック

2006-09-23 21:49:01 | むかしむかし
 むかしむかし、ある山の中にダムが出来ることになった。そしてダムを造るためにたくさんの男たちが、プレハブ住宅に住み込み、共同生活を送り始めたのじゃ。
 やがてそこに、一匹の野良犬が居着くようになった。何人かの犬好きが、こっそり餌をやり始める。はじめは遠巻きに、残飯をあさりに来ていたその犬も、餌をやるうちに少しずつ少しずつ男たちに近づいてきた。誰が言い始めるでもなく、いつしか犬は「太郎」と呼ばれるようになっっておった。山の中での生活で、太郎の存在は男たちの心を和ませはじめていた。
ところがそんなある日、男たちは上司から犬を飼うことを禁じられたのじゃ。一番可愛がっていた田中が抗議した。
 「いいじゃないですか。みんなも可愛がってますし、懐いてるし。」
 「ここは現場やぞ。ここの仕事が終わったら、出ていくじゃないか。その後、誰が責任持って飼うんぞ。わしやって、犬は好きやが、情の移らんうちに、遠くに捨ててこい!」
 そう言われると、自分が飼うと言える者もなく、太郎は捨てられることに決まってしもうた。
 車に乗せ何十キロも離れた場所に、置き去る。車を追いかける姿をバックミラーで見ながら、男は振りきるようにスピードをあげた。
 犬がいなくなり一週間あまりが過ぎた。男たちは口には出さないが誰もが寂しい思いをしていた。そんなある夜のことじゃった。
 田中は万年床に転がりながら、ぼんやりとしておった。すると誰かが戸を叩く音がする。
 とんとんとん、とんとんとん。
 男だらけの遠慮のない生活、わざわざノックするような奴はいない。せいぜい「入るぞ」と言うくらいのものだ。田中は怪訝に思いながら声をかけた。
 「だれぞ?開いとるぞ、入れや」
 とんとんとん、とんとんとん。
返事はない。戸を叩く音だけが、続いていた。
 田中が気味悪く思いながら、もう一度声を掛けようとした時じゃった。勢い良く戸が開け放たれ、薄汚れた犬が飛び込んできた。
 「太郎!」
それはまさしく太郎じゃった。太郎は嬉しそうに部屋中を駆け回ると、田中にじゃれつくでもなく、すぐ部屋を出ていった。慌てて田中は後を追う。すると太郎は、違う家の戸を叩き始めたのじゃ。  とんとんとん、とんとんとん。
 そして次の家でも同じように部屋の中を駆け回り、次の家へとむかったのじゃ。そうなのじゃ。太郎は自分を可愛がってくれた男の部屋を、ひとつひとつノックして廻ったのじゃ。
 腹も減っておったろうに、ねだりもせず、ただただ「ただいま」を言うために走り回った太郎。男たちはたまらずに男泣きに泣いた。話を聞いた上司も、二度と捨てろとは言えなくなった。
 その後太郎は、男たちと一緒に暮らした。次の土地でもその次の土地でも。そして天寿を全うするまで、幸せに暮らしたのじゃった。

以上、飯場にいた土佐犬の話です。すごく賢い犬で、飯場暮らしの後、田中さんの親戚筋に引き取られ、6匹の子犬を産み、子犬も5匹里親が決まり、1匹は太郎と一緒に飼われたそうです。ええ、太郎はメスです。雄と思いますよね・・・。子犬の話を聞くまでは私は雄だと思ってました。
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痛いよう!

2006-09-21 00:18:53 | ひとりごと
 やられた・・・。久しぶりに膝から腰から首に到るまで、あらゆるところが痛い。原因は分からない。とにかく日増しに痛みは増しており、正座も辛いし屈伸も辛い。引きずって歩くと少し楽って具合である。
 これじゃ介護しにくい。メンテナンスは怠っていないはずなのに、来るときは来るんだなあ・・・。
 特にストレスなんか溜まってた日にゃあ、一気に来る。頭痛もひどくて坐薬入れてから仕事。
 アーユルべーダ?ってのですか?インドのオイルマッサージ。今、すごく焦がれてます。
 ああ!インドに1週間くらい行きたい。で、マッサージ三昧したい!!
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焼き肉

2006-09-18 21:25:30 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは「焼き肉」好きである。それも外食ではなく、自宅でするバーベキューが好きである。
 決してイベント好きという訳ではない。切って焼くだけの手軽さが好きなのだ。メニューに困るときなど、肉と野菜さえあれば良いのだから、これほどお手軽なものはない。しかも、3人家族、年より二人いるのだから、仮に私が大食漢であったとしても肉は大していらない。そして、どちらかといえば私もバランス良くいろいろ食べたい方なので、結果肉は少なくて済む。
 だいたい焼き肉をすれば、私が面倒を見るのだから、忙しくてそうは食べられない。せっせと焼いては二人の皿に入れる。これだからキヨちゃんは焼き肉好きなのかもしれない。
 私のお誕生日など、お祝いに・・・と焼き肉をしてくれるのだが、これも私が面倒をみるわけで、誰のお祝いだかわからなくなるのだ。
 ある日、私はインフルエンザにかかった。これは我が家にとっても職場にとっても、大問題である。とにかく職場に持ち込むわけにはいかない。即自宅待機。そして我が家でも、体の弱い父に感染でもさせたら事である。もちろんキヨちゃんに移しても困るのだが、それより彼女を運び屋にして父に移す方が恐かった。
 そこで私は自室にこもり、出来るだけ彼女にも近寄らないように伝えた。それでも食事や薬は運ばなければいけないわけで、言いつけを完璧に守ったキヨちゃんは、マスクに手袋という完全防備でそれらを運んでくれた。
 そして寝込んで3日目、ついに彼女は奥の手を出してきた。
 「滋養つけて早く治さな」
と焼き肉を運んできたのだ。
 病人に焼き肉・・・・。運ぶ彼女も彼女だが、完食した私も私である。 
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終の棲み家

2006-09-15 23:43:44 | じいとんばあ
   終の棲み家

「長いこと 留守しましたね 
 ただいま 戻りました」

あなたは 笑顔でそう言った
あなたの家は まだここじゃなくて
ショートステイのはずなのに
あなたは 家と言ってくれた

「ここでは オムツを外すんじょ
 ここでは トイレで用を足すんじゃ」

得意そうに 実に得意そうに
あなたは 息子に語りかける

あなたの家族も あなたも
感謝してくれたけど
それは あなたのがんばりだから・・・

こんな風に 
ここを「終の棲み家」として
みんなに 認めてもらえる時が来るだろうか

否 今のままでは ありえない
私たちが 頑張ってるつもりでも
ほとんどは あきらめて ここにいる

私たちには おごりがある
私たちには 甘えがある
私たちには 向上心が足りない
私たちには 優しさが足りない
何より 自分たちの無力に気づいていない

あなたの言葉を 励みにしよう
あなたの笑顔を 教訓にしよう

いつかすべての入所者に
「ただいま」
と 言ってもらえる私たちになるために
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ふりーず

2006-09-13 19:59:31 | ひとりごと
 最近、パソコンの調子がとっても悪い。

 何だか立ち上がりが信じられないくらい遅い。その上、すぐフリーズする。何が一番困るかって、ブログの途中で固まるのだ。文章を更新するときは、あらかじめ打ったものを添付貼り付けるので、さほどに問題はない。もちろん困るのだけど、それでもその日の更新をあきらめれば済む。


 問題は、コメントを書いている最中のフリーズ。書き終わらない内に固まっちゃうから、結局やり直し。コメントへの返事にいたっては、本当に困るのだ。早くお返事しようと思うのに、にっちもさっちもいかなくなる。どうしても駄目なときは、パソコンをあきらめて、携帯からお返事。これ無駄やし、浪費!


 ああ、コメントくださる皆様、無反応だと思わないで。フリーズしてるのだから・・・。
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金銭感覚

2006-09-12 23:45:28 | うちのキヨちゃん
 うちのキヨちゃんは大変貧乏性である。決してけちな訳ではないのだが、金銭感覚がずれているのだ。
 もっとも私も、ごく普通のサラリーを貰っている同じ年頃の女性をみれば、年相応の恥ずかしくないお召し物を着ているのだから、人のことは言えた義理ではない。親子して「安物買いの銭失い」というやつである。
 しかし、キヨちゃんのそれはやはり群を抜いていると思う。
 一度ふたりでお出かけした時に、食事をしようという話になった。そこで「たまには私がおごるわ」と提案した。偉そうなことは言わない。回転寿司である。
 「安いから安心して」
と念押ししてカウンターに座ったものの、彼女はまるで借りてきた猫。ほとんど食べないのだ。私が勧めてようやくいくらか食べたものの、帰り道には
 「あ~腹へった」
などとおっしゃる。なぜ食べなかったのかと責めると
 「だって高いけん、お前の財布が心配で。」
・・・値段はだいたい分かっていたと思うのだが。私がいくらしか持っていないと推測したのだろう。
 ある日、私は珍しくブランド物の服を買った。それも決してブランドの中では高い物ではないのだが、私にとっては高価な物だった。さすがに値が張る物は、見栄えも違うので、「まあ!贅沢な!」とキヨちゃんに叱られそうで、こっそり隠していた。
 いざ、それを着てお出かけという時、目をまん丸くしたキヨちゃんに呼び止められた。
 「まあ!きれいな服。高かったやろう。」
 「ま、まあ・・・」
叱られるかな・・と思いきや
 「まあ。それ何千円もしたやろう!」
と言ったのだ。
 ひどく切ない思いをしながらも、実際の値段を言う事も出来ず、
 「うん、何千円もしたん・・・。」
と答えたのだった。
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