みちのくの山野草

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余談「一時同居することになる」

2019-02-23 14:00:00 | 賢治と一緒に暮らした男
《千葉恭》(昭和10年(28歳)頃、千葉滿夫氏提供)

 昨日(2/22)あるお方から書面で、『新校本年譜』の大正14年10月20日に、
 穀物検査所勤務の千葉恭(二〇歳)を自宅に呼び…(投稿者略)…千葉は後に羅須地人協会に一時同居することになる。
という記載があるということを教えていただいた。私は今までこのことについては全く知らずにいた。
 そしてもちろん、この中の、「(千葉恭は)羅須地人協会に一時同居することになる」は、「校本宮澤賢治年譜」の大正15年7月25日の記載、
 賢治も承諾の返事を出していたが、この日断わりの使いを出す。使者は協会に寝泊まりしていた千葉恭で六時頃講演会会場の仏教会館で白鳥省吾にその旨を伝える。
             〈『校本宮澤賢治全集第十四巻』(筑摩書房)〉
の中の「協会に寝泊まりしていた千葉恭」とピッタリと符合している。
 したがって素直に考えれば、「羅須地人協会時代」は独居とは言い切れないということは、当時の皆さんはどうやら当初から知っていたのではなかろうか。それは、下掲のリストからもほぼ明らかだ。



             〈共に『賢治と一緒に暮らした男-千葉恭を尋ねて-』(鈴木 守著、友藍書房〉
 そしてここからは思考実験だが、
 ある時(おそらく、昭和26年に高村光太郎の随筆『獨居自炊』が出版されたことを知った時)からある人が、この四文字熟語なかなかいいじゃないか、まさに「羅須地人協会の」修辞に使えるじゃないかと思いつき、その企てによって次第に「独居自炊」が使われ出し、そしていつの間にか「独居自炊の羅須地人協会時代」と皆思い込まされるようになった。
と、こう考えてみれば理屈としてはすんなり了解できる(もちろんこれはあくまで思考実験ではあるのだが)。だから、今後これに対応する仮説を定立して検証してみよううかな、と私は思いつつある。

 ところで話は変わるが、本日(2/23)は高瀬露の命日である。残された私の人生を、〈悪女 高瀬露〉というとんでもない濡れ衣<*1>を晴らすために少しでも役立てたいと改めて決意している。

<*1:註> 下掲の『本統の賢治と本当の露』の、
 2.「賢治神話」検証七点
  ㈦「聖女のさまして近づけるもの」は露に非ず 91
及び、
 第二章 本当の高瀬露 111
 1.あやかし〈悪女・高瀬露〉 111
 2.風聞や虚構の可能性 114
 3.「ライスカレー事件」 118
 4.「一九二八年の秋の日」の「下根子桜訪問」 122
 5.捏造だった森の「下根子桜訪問」 125
 6.「新発見」と嘯いたことの責め 129
 7.冤罪とも言える〈悪女・高瀬露〉の流布 133
を是非ご覧いただきたい。

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 賢治の甥の教え子である著者が、本当の宮澤賢治を私たちの手に取り戻したいと願って、賢治の真実を明らかにした『本統の賢治と本当の露』

             〈平成30年6月231日付『岩手日報』一面〉
を先頃出版いたしましたのでご案内申し上げます。
 その約一ヶ月後に、著者の実名「鈴木守」が使われている、個人攻撃ともとれそうな内容の「賢治学会代表理事名の文書」が全学会員に送付されました
 そこで、本当の賢治が明らかにされてしまったので賢治学会は困ってしまい、慌ててこのようなことをしたのではないか、と今話題になっている本です。
 現在、岩手県内の書店での店頭販売やアマゾン等でネット販売がなされおりますのでどうぞお買い求め下さい。
 あるいは、葉書か電話にて、『本統の賢治と本当の露』を入手したい旨のお申し込みを下記宛にしていただければ、まず本書を郵送いたします。到着後、その代金分として1,620円(本体価格1,500円+税120円、送料無料)分の郵便切手をお送り下さい。
      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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